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表題作ラブストーリーで会いましょう 上

上芝駿一,編集者
庭中真尋,小説家

その他の収録作品

  • 未来が変わる前に
  • あとがき

あらすじ

海外取材から帰ってきて早々、上芝駿一は人気恋愛小説家・庭中まひろの担当に。初対面の庭中の庭中から伝えられた上芝の仕事は、庭中が送るシナリオ通りに作中の男を演じてみせろ、というものだった。しかも主人公の女は庭中自身が演じるという。分刻みでスケジュール通りに行動する庭中と、シナリオに沿った「デート」を繰り返す上芝だったが……!?

作品情報

作品名
ラブストーリーで会いましょう 上
著者
砂原糖子 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
ラブストーリーで会いましょう
発売日
ISBN
9784344816855
3.7

(44)

(12)

萌々

(13)

(15)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
160
評価数
44
平均
3.7 / 5
神率
27.3%

レビュー投稿数13

微妙なラインの書き分けがうまい

 編集部に勤める上芝駿一は、人気恋愛小説化の庭中まひろの担当に無理やりさせられることになる。その理由は身長が185cmという先方の指定に合ったから……。
 待ち合わせ場所に、海外の偏狭の地に行ったままの格好で向かうと、まず店に入れない。いわゆるドレスコードというやつで、弾かれてしまう。
 何とか待ち合わせ相手の名前を出して通してもらったけれど、席には誰もおらず、隣の男の手元から「エスカルゴ」がとんでくる。
 実はそのエスカルゴをとばした相手が、実は待ち合わせの相手である「庭中まひろ」で、彼からもらった事前のFaxの内容はシナリオで、その通りの格好をしてこなかったことに怒る。
 彼の希望は、彼が自分のシナリオ通りに動き、自分の描いているシナリオ通りのことをやってくれる編集者。
 自分のことも予定通りにしないと気がすまない。
 日めくりカレンダーに一日の予定をびっしり分刻みにスケジュールを書き込む。
 そんな真尋に上芝は、もどかしく感じていて……

 という話でした。
 もどかしい気持ちがすれ違ってしまうちょっと切ないところで終わってしまいました。
 まだまだこの上巻だけでは何も結論は出ませんが、読んでてとても偏った病的な人を書くのが上手い作者さんだなあ……と思いました。
 なかなかここまで微妙なラインの話をきっぱり書ける作者様はなかなかいないなあ……って思います。
 続きが楽しみです。

0

担当編集者×作家

大らかで自然体のアウトドア派な雑誌編集者・上柴と、彼が担当することになった、引きこもりがちな変わり者の作家・庭中のお話です。

作家と担当編集者という組合せはBL作品ではよく見かけます。この作品はお仕事と恋愛の絡ませ方に不自然さがなく、最後までバランスが良くて読みやすかったです。

こちらは上巻で、上芝と庭中が出会い、お互いの予想外の行動に振り回されつつ惹かれ合う様子が描かれています。恋愛の機微というものを知らない庭中がとにかく可愛くて、裏表がない分、もどかしくて切なかったです。

陵クミコさんのイラストは好きなのですが、ちょっとこの庭中は可愛すぎかなぁと思いました。三十路どころか高校生ぐらいに見えます。ちなみに表紙イラストでは上柴がなんだか俺様な若社長のように見えますが(これも実はちゃんと理由があります)、作中ではほとんどTシャツにジーンズの爽やかな好青年でしたよ。

距離は縮まったけれど、気持ちが追い付かない二人…。下巻が気になります。

2

せつないもどかしい

編集×作家というカップルが気になり手に取りました

攻め様は編集のお仕事をしていますが
実家はかなり裕福なおうちでお坊ちゃんですが、
ご本人はどこにでもいそうな青年です

受け様は浮世離れした性格の持ち主
話がずれているというか、言葉が足りなかったり
自分の事がはっきり見えていない感じの人です

最初はシナリオのネタデートだったのですが
徐々にお互いに引かれ合い・・・という展開で先が読めがちですが
それがそれで、受け様のあの苦悩!
恋愛経験もなく好きと言う事も分からず
自分の気持ちが解らなくなっていく感じ、すごいギュっときます
模擬デートだったりしますが、どんどん本気になっているようですが
それも受け様当人が解ってないんです!

もどかしいもどかしい・・と思いながら下巻へ(;´Д`)

近所の茶髪ホモくん・・・いい味出してます

0

下巻は2~3年後に読みたい!

 最初から最後まで気持ち良かったです。普通ではない自分を受け入れてくれる、たった一人の相手に巡り合う―。どこかで諦めていて、自分はこれでいいのだと思い込ませながらの生活。それがひっくり返されて戸惑い、かき乱される気持ち。泣きたくなったり不安になったり、落ち着かないけれど甘酸っぱく何かを期待してしまう初体験の気持ち。

 小説を読んでいるとキャラクター説明や状況説明がまどろっこしくHシーンまでの道のりがとても長く感じる事が多いのですが、この本では2人の心情を追うのがとても面白く気持ち良く、読み終えてしまうのが勿体なくて何度もページを戻りながら読み進めました。

 編集×作家。ありきたりなようで一味も二味も違ったキャラクターと丁寧な心理描写で、視点が切り替わるたびに両方に感情移入してしまいました。
 攻めは御曹司という設定ですが、家に縛られるのを嫌って出版社勤め。世界中を旅し、誰とでも気さくに話す人柄で一般的な感覚の持ち主。
 受けは自分が立てたスケジュール通りに事が運ばないと気が済まない神経症気味の変人。オ○ニーまでスケジュールに組み込んで実行するロボットぶりです。

 ふいに会いたくなる、笑ってほしいと思う、仕事上の付き合いでは満足できなくなる攻め。踏み込まれる事が苦痛じゃない、あれだけ嫌っていた「予定外の事が起こる」ことを期待してしまう、偏見と常識にとらわれない思考回路でただ「欲しい」と口にしてしまう受け。この「欲しい」という気持ちが極限まで高められるじっくりねっとりな焦らしっぷりは神でした。

 ノンケ×ノンケの、頭では理解できない感情をコントロールできずに胸がつまる切なさ。ただ好きという気持ちがこんなにも切ないとは。当て馬など必要としない切なさがひたすら甘く、幸せでした。両想いと分かってしまうのが勿体ない、しばらくこの「好き」という感情に酔っていたい、下巻を読む前にこの巻を何度も読み返したい、久しぶりの感覚でした。

2

とことん変な人

『ラブストーリーまであとどのくらい?』のスピンオフ元なんですが、わたしはスピンオフの方を先に読み、興味が出たので購入してみたという経緯でした。
個人的にスピンオフの攻めである滝村が好きなので、そちらの方が楽しめたんですけどね。


攻めは編集者の上芝。
彼はザ・ネイチャー!という男ですが、新たに恋愛小説家の担当となることに。

受けの庭中は、大人気の恋愛小説家。
しかし、本人は恋愛若葉マーク。


担当編集者と作家というBL界での王道設定ではありますが、そこは砂原さん、ヘンテコ受けを持ってきまして一風変わったものとなっています。

とにかく自分が決めた予定通りに過ごさないと気が済まない、病的(といっても暗くない)な庭中。
そんな庭中は、小説の書き方も常人とはかけ離れています。
担当編集者の上芝に、自分の小説のプロットまんまに演じさせることで小説を書き上げていくという手法。
いるのか!?そんな作家(笑
上芝は出版社の人気作家ですから断ることなど出来ず、内心渋々つきあいます。
そんなふたりが恋に落ちるのですから、いかに上芝が我慢強いか物語っておりますね。
ちょうど良い辺りでうまーく下巻へ続く!となっています。

ちなみにノベルズ版は未読です。
イラストは、陵さんが好きというわけではないのですが(すみません)、ノベルズ版の方は苦手でしたので文庫版の方が良いかなあ。

1

私は好きですよ(*´∀`*)
受が少しずつ変わっていく様子が素敵です。
というわけで、「ラブストーリーまでどれくらい?」を先に読んでまして
これも読みたいぞ!と手に入れてから早・・・・・
忘れるくらい前ってどーよな今回。

編集×作家というセオリーな組み合わせでありながらも
今回も変人作家先生に翻弄される編集の図が出来上がっちゃいましたね。
スケジュール通りにいかないと気が済まない受。
私は逆に、スケジュールを組む段階からめんどくさくて放棄しちゃうような
ダメっ子だったりするので、あんまり気持ちはわからないのですが
深く考えなければ、変わり、変わっていく様子がすごく良い。

ただ、言葉たらず故にいろいろすれ違ったりしちゃったりしている訳ですが・・

というかだな、攻はもっと攻めろよ!と思ってしまうのは
たぶん、立て続けにシツコ過ぎる攻な本を読んだ正だろうなと思うのであります。
あんまりシツコイ攻を読みすぎて、こいつがまたアッサリサッパリ簡単に諦めて一歩引いていしまうのがすごく残念でした。
もっと押せ!押せ!押せ!なんだけど実際はそんなもんなのかな~・・

個人的には「隣のアパートのホモ」の単語が好きでした。
悪い意味でなくw

0

んー

どうにも攻めが苦手でした。

受けはアスペルガーっぽいなと思いました。何事もスケジュール通りじゃないと気がすまないタイプ。強迫神経症。
そんな受けに向かって、攻めは天真爛漫な言動を繰り返します。決めつけ発言もガンガンやる。
「お話」として結果的にうまくいってるからいいけど、アスペルガーな人とか本当に強迫神経症な人に対して本当にこれをやったら、逆にストレスを与えて、パニック発作一直線だろうな…と苦笑してしまいました。

あと、受けの「デレ」がくるのがはやいのも私の趣味とはズレてました。
会って二回か三回で相手に好意を持ちはじめてるってとこ。すぐさま可愛い面を相手に見せてるとこ。
ツンケンして苛立ってる期間がもうちょい長いほうが私の好みです。

1

絵が合わない

ノベルスがものすごくよかったとは言わないけれど、このイラストだと受けが十代、高校生ぐらいにしか見えないので、がっかり。
攻めのスーツもひどかった。
表紙は、そんなに悪くなかったので、読み進めていく間、モノクロのイラストが出てくるたびに、げんなりしてしまった。

話は、部分的に改稿されているようですが、アイスの変な企画臭が薄くなってよかった。でも、このイラストで話が台無しになっているような? 下手な絵じゃないけど、この話には合ってない。

0

不器用な不器用な不器用な人のお話。

身長がキャラ設定に近いからという理由で恋愛小説家・庭中まひろの担当にされてしまい、小説のためにシナリオに沿った寸劇まで強要される雑誌編集者の上芝。
庭中は病的なほどにスケジュールを守りたがる人で・・・。

上芝はいちいちシナリオとは別の行動をとり、庭中はスケジュールどおりにいかない関係にイライラしながらも、シナリオデートを繰り返していくうちに、お互いの背景を知り少しずつ惹かれていくのです。

恋を知らない恋愛小説家は、過去に大きなトラウマを持ち、スケジュール管理をすることにより、自分だけの安心できる世界を作っていたのですが、イレギュラーな行動をとる上芝に少しずつ表の世界に引っ張り出され、現実のこととして“ときめき”や“はやる気持ち”、“嫉妬”などを覚えていくのです。

ある意味天然でバカ正直なために、文筆業とは思えないような言葉を吐く庭中のことを思うばかりに、上芝の方は肝心なところで身を引いてしまうという状況に陥って・・・

終盤で、やけに積極的な庭中のせつな可愛い姿が拝めたので、このまま上手くまとまってくれればいいのにと思えるような展開になったのに、誤解が誤解を生み、お互いの歯車がかみ合わないまま下巻につづく・・・です。

庭中の家の隣のアパートに住む明るいホモの八川くんが、庭中の小説の大ファンで、庭中に遠慮のない言葉を沢山かけてくれます。なかなかいいやつだと思います。

1

生殺し状態!

読み終わった感想は、さすが砂原糖子先生!と思いましたね!
もう3回くらい読みなおしてますよwそしてまた後でも読みなおすつもりですw

いままで先生の作品は、個性的なキャラが多かったんですが、今回もまた変わっているキャラ(受け)が。
分刻みでスケジュール通りに行動する――というかなり変わってていろいろと厄介な受けでしたが、かなり萌え!てかこういう受けを待ってましたあああ!(●∀●)大好物なんですよ!恋愛したことがなく、ロボットみたいな感じ、そして恋をすることで変わっていく…もう大好k((はい、自重w
しかも、真尋がいま執筆中のラブストーリーの内容。
それは、最初は違っていたシナリオが徐々に本物のシナリオ通りの展開になっていくんです。
とにかく言いたいことは真尋がかわいい!最初なんだこいつ。みたいな感想持っちゃったけど、段々となな、なにこの生き物的な感じへw

…まだまだ書き足りない、伝えていない部分がありますがここまでで。
てか萌えしか語ってないですねw苦笑

この続きである、ラブストーリーで会いましょう(下)は来月発売なんですが、いまとっても読みたくて読みたくてうずうずしてます。あー早く読みてえぇぇぇええ!!!笑
ノベルズでは(上)(下)出ているんですが、そこまでお金が、うん。なので、我慢して…我慢して!なんとか1か月待ちたいと思いますw

3

恋童貞はやっかいすぎる…!

上芝は、旅行に行くならモンゴルやジャマイカな超自然派男です。
しかし配属されたのは何故か女性誌の編集部…。そこで、連載小説の作家の担当になります。
この作家というのが、女性に大人気の恋愛小説家・庭中まひろ。
庭中は、何でも朝決めた時間通りに行動しなければならないガチガチの自作マニュアル人間。
決めた時間ぴったりに帰りたいからとタクシーを遅く走らせたり、
突然の来客やご近所迷惑にひどく神経をすり減らしたり……。
小説にいたっては、主人公の気持ちに入るために、上芝に主人公の彼氏の役をさせたり…。
それも、アドリブ一切無しの、まるでドラマの撮影の如くを要求するのです。
予定に無い事が嫌いなのは、びっくりする事が大嫌いだからで…、
大嫌いの原因は非常に重く、それならしょうがないのかなぁ…?なんて思ったりもしました。
そんな彼の予定運命をぶっ壊していくのが、自由人間な上芝です。
最初の頃こそ戸惑ったものの、庭中の尖りきった神経を少しずつ磨いていく感じで
庭中も、少しずつ肩の力を抜いていっているようです。

でも、まるでロボットみたいな生活を送っていた庭中は、
自分の気持ちの変化をコントロールできず、予定に無かった感情に完全に狂わされていきます。
徐々に上芝に惹かれていくのが、まるで本当に病気のように庭中の平常心を奪っていく。
普通の人が恋をしたって相当に調子が狂ってしまうのに、
自分マニュアル至上主義だった彼には、そんなものは許容オーバーだったようで…。
しかも初恋ゆえ自覚も無く、むやみに傷ついてみたり傷つけてみたり、かなり厄介!
砂原先生の作品の人たちは初恋率がとても高いと思うんですけれど、
今までの中で彼が一番厄介な患いかたをしている気がします。
読んでいると、庭中の恋童貞っぷりに「あーもう!」となるのですが、
彼が恋愛小説家だということが、彼の不器用ぶりをすごく強調していました。
小説では、恋についての格言めいたことや、さも知ったようなことを散々並べているのに
いざ自分の事になると、全部が上手く行かなくて、絡まって、
自分の中から出てきた作品達のような美しいだけのドラマは一つも無いんです。
小説の中の二人にとって神であるうちは、二人の気持ちが総て分かるから何でもできるけれど
実際の人…上芝の気持ちは全然分からなくて、気付けば失敗しています。

この後の二人がとても気になるところで終わってしまっていて…。
叫びたくなりました。
二人の関係も、庭中の作品の書き方も変わってきそうですね。とても楽しみです♪

2

自分の事は、自分が一番わかっていない

固く閉ざされている、まひろの心。
いくら自分の気持ちを、自分では認識できなくても、
小説家として売れているって事は、芯には情愛に溢れた豊かな世界が隠されているに違いなくて、

上芝の持っている鍵は、まひろの心を開ける鍵
ちゃんと合っている鍵を持っているのに、どうしてうまく扉が開かない?

続きが、気ーにーなーるーーー

1

恋を知らない恋愛小説家

何でもスケジュール通りに行動しないと安心できない小説家・庭中と、
大らかで庭中の計画通りになかなか動いてくれない編集者・上芝。
そんな二人が演じる妙な「ラブストーリー」に萌えました。

庭中がなぜ、スケジュールに拘り、予定外の行動を嫌うのか。
それは作中でも説明されていますが。なかなかハードで痛々しい理由です。
トラウマの理由を淡々と語る姿に、彼の受けた心の傷の深さが感じられます。

庭中が作ったかりそめの「ラブストーリー」を演じているうちに、
だんだんと庭中に惹かれていく上芝。庭中が見せる優しい笑顔は、シナリオの中の
架空の男に向けられている。決して上芝自身を見てくれているわけじゃないと、
庭中を好きになればなるほど、自分が演じている男と自分との間のギャップに悩み
ぐるぐると葛藤する上芝が非常に切ないです!やっかいな人に惚れてしまって大変。

恋の行く末に悲観しまくる上芝ですが。庭中にも微妙な変化が生まれています。
上芝へ向かう気持ちがシナリオのヒロインのものなのか、自分のものなのか?
今まで恋を知らずに生きてきた庭中には、この曖昧で訳の判らない気持ちが
理解できません。そこがまた、非常にじれったいのです!!

庭中もへんてこな人ですが、上芝も色々と言葉が足りないような気がします。
ここでどちらかが積極的に自分の気持ちを言えばいいのに!と思う場面がチラホラ。
でもその甘酸っぱいじれったさが、やはり恋物語の醍醐味なんですよね。
続きが待ち遠しいです。

0

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