お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
2009年作品
当時大竹とも先生の描かれるBLが大好きでした。
短編集が多い中、こちらの作品は原作の小説があり、まるごと一冊表題作の一冊。
ウェディングコーディネーターの朝霞。
彼の初めてのお客様で新婚一年目の笹川。
偶然再会したふたりが悩み、回り道をして恋を深めていく。
もともとがストレート同士なので、恋の進め方が不器用すぎる!と
モヤモヤしたりハラハラしたり(私が)が醍醐味←
そうだよねえ…同性で抱き合うってそんな簡単な事じゃないよね(溜息)
ってなりましたが、一回拒否られただけで死にそうなくらい悩む笹川。
まあ…彼の過去の恋愛や結婚を考えたら慎重になったり臆病になったりするのは理解できるけど…がんばれ笹川!ってなる(笑)
あと男の人がハラハラと泣くのをみて、こんなに色っぽいの??って
作画が本当に素晴らしいと思いました…笹川泣くなーっ!ってなるww
原作を読んで挿絵を見ていたときから、こんなに物語の雰囲気にぴったりな絵があるだろうか……と思ったのを今でも思い出せます。そうして原作を読んでからわりとすぐにこちらも読みました。
どこにでもいそうな二人の、なかなかうまくいかなかったほろ苦くて酸っぱい恋。(ちゃんとハッピーエンドです)あらすじは省略させていただきますが、大竹先生のイラストは全編通してなんだか穏やかで優しくて、お話の雰囲気に本当にあっているなって思いました。それをずっと漫画で読んでみると、なんとも目が幸せでした。(笑)
二人が結ばれるまでは結構色々あって、やきもきしたり、悲しかったり腹が立ったり。でも読んでいるとなんだか癒やされるんです。原作の小説もこちらも、いつになっても思い出して読みたくなります。
ノンケ同士で出会った時は片方は新郎で、片方はその結婚式をプロデュースしたコーディネーター。
のっけからかなりの難産になりそうな恋だとは覚悟してましたけど予想以上でした。
好きで仕方ない相手のために偽装結婚をした笹川(受け)。
一度も妻とは暮らしたことがないけれど、お世話になった朝霞(攻め)には幸せいっぱいの結婚生活を演じていた。
笹川の妻は同性愛者で、笹川に対して愛情の欠片もないけれど、子種だけは欲しいと言われ利用されそうになり、心底傷つく不器用で真面目な受け。
この臆病さが途中から愛おしく感じてしまったんです。
そして全く性的な香りがしないこの人物が見せた、例えば初めてキスをした時に受けの上に覆いかぶさる場面や、ビールをこぼしたといって受けの指を舐めた場面などに思わず動揺しちゃいました。
しかし・・・!!
なぜ、女と付き合うんだっ・・・!
どういう思考回路なんだか・・と思っていたら、「朝霞さんが死んだら自分はどうするんだと思ったら・・・」重い。めちゃくちゃ重い。死ぬ想像までしている。
そして「女性と付き合えば朝霞さんのことを考える時間が少しは減ると思った・・・」だと。
・・・・はぁー。
・・・・・・はぁー。・・・・・・許す。
若い頃の私だったらこういう当て馬利用は許せなかったはずなんだけど、そういう事もしちゃうのが人間だよね、って思えるようになった。
いいなと思ったのが、「台風一家」で二人でいちゃついているところを突然の電話で邪魔された時、「僕を置いて他の人と話をしないで」と言った受け。
あのドへたれが、こんな事を酔ってもいないのに言えるようになったんだなぁ・・・ってちょっと感慨深いものがありました。
二人とも地味でいかにも市井に生きる人々といったところや、ブライダルコーディネーターの仕事についてもきちんと描いているので、細かい部分がしっかり肉付けされていてそこを読むだけでも面白かったです。
そして朝霞が手がけた結婚式で牧師さんの前で泣いているゲイカップルの新郎の姿にホロリ。
ここまで至るには紆余曲折あったんだろうなぁ・・・って。そっちにも感情移入。
BL小説は読まないので木原音瀬先生のお名前だけ存じていて、他の作品は知りませんでしたが、今、お名前で調べてみたら「キャッスルマンゴー」の文字が・・・
あ!あの!めちゃすれ違って切ないキャッスルマンゴーの方か・・・そして、麻生ミツ晃先生の作品で唯一読んでいないCOLD LIGHTの原作の方か・・・(辛そうで読むのが怖くて躊躇している)
たったその作品しか知りませんけど、なんか妙に納得できるものがありました。この作品同様、一筋縄ではいかない感が・・・。それらに比べるとこちらは比較的スウィートなのかもしれません。
私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのがこちらの一冊。
すかっといいお話だった!と言えるほどの爽快感はなく、かと言って無視できない存在感。
萌えたかと言われれば、正直萌える箇所はあまりないのですが、こういう動かしにくそうな二人を本当に良くここまで描いたなぁ・・・という感嘆の意味を込めて神を捧げます。
教えていただきありがとうございました。
原作小説のストーリーに、忠実に沿っています。小説1冊分をコミック1冊分に収める手腕に舌を巻きました。はしょっている部分もありますが、大筋は盛り込まれています。
作者様は原作の挿し絵を描かれていたこともあり、原作の既読者からしても、キャラのイメージに違和感ありませんでした。ただ、登場人物の感情は、小説の方が入り込みやすいです。原作を先に読んでおくと、その辺りが補完できて良いです。
こちらのコミックスでぐっときた場面もあります。ラスト、森野・池上の結婚式で、池上が「森野が牧師さんと話し込んじゃって」と言った、森野と牧師さんの場面。挙式が夢だったというのを思い出すとじんと来ました。
小説を読まれた後、カバーをはいで、裏表紙の原作者木原音瀬さんの挨拶を読まれてから、表表紙の二人をご覧になって欲しいです。私はほんわかしました。
初読みの作家さん。
原作が木原さんてことで読んでみたのですが(原作未読)
なんだかせつなくてほんわりといいお話でした。
少しずつ少しずつ惹かれあって恋になって。
最初は当然、そんな想いはなくてただの迷惑をかけてしまった社員とかけられた客でしかないんだけれども。
笹川のほんわかとした空気が幸せそうな空気が朝霞を癒している部分もあったのだろうな。
それは単なる自分の仕事に対する充足感のようなものでしかなかったのかもしれないけれど、更に会うようになって見えてくる部分もあって。
わりと静かに優しく物語は流れていくようでいて。
それでもやはりそこは木原作品。
何もないわけがなく。
偽装結婚はまだしも人工授精にはさすがだ!と思わせられてしまいました。
悉く容赦がない。
好きで結婚したことさえ打ち明けないままに、それだけのことを強いられそうになって。
傷付かないわけがなくて。
でも、そんな彼女を選び結婚したのは笹川の弱さでもあって。
そんな笹川の弱さは後半の彼女を作るところでも現れているようで。
自分に逃げ道を作ってしまうような感じというか。
どうにか朝霞と付き合っていくために模索しての行動だったのだろうけど、その弱さががなんとも…。
朝霞は朝霞でどこかはっきりとしないというか。
素直に恥ずかしかったと言えないばかりにコトは大きくこじれていくことになるのですが、それはもう大人だからこそ恥ずかしいから仕方ないのか。
それでも誘いを掛けたりしてみるけれど、突き放されたりで。
想いが擦れ違ってしまっているから互いに傷付いて。
それでも、最後にやっぱり手離せないと思うから抱きしめられるのだろうなぁ。
笹川が自分の楽しみについて語るシーンがすごく好きです。
「台風一過」の笹川もステキだった。
お風呂えちもなんか雰囲気がステキだし、電話の邪魔をする笹川も好き。
ちょっとどこか病んでるようにも見える笹川だけどどこか憎めないんだよなぁ~。