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表題作花の慟哭

須王 仁
獣人組織のリーダー、26歳→27歳
須王の餌、24歳

同時収録作品花の慟哭

男たち
組織の獣人
須王の餌,24歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「君のいない人生がどれだけつらいか、頭がおかしくなりそうなこの気持ちが、君にはわかる?」特異体質のせいで、幼い頃から研究所で育ってきた巴は、その研究所を破壊しにやってきた「組織」の須王に助け出される。しかし、巴の存在は、その組織でも混乱を招くものだった。組織の者に陥れられ、須王と引き裂かれた巴は、ある医者に再び監禁されてしまう。巴を救えなかったことを激しく後悔する須王と、須王のもとに戻りたいと願う巴。強く惹き合う二人の運命は、嵐のように膨れ上がりー…。
出版社より

作品情報

作品名
花の慟哭
著者
夜光花 
イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
凍る月~漆黒の情人~
発売日
ISBN
9784812439531
4.2

(85)

(52)

萌々

(13)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
359
評価数
85
平均
4.2 / 5
神率
61.2%

レビュー投稿数17

愛の形

先が気になる結びで終わっていた前作の続きとなるわけなのですが、これがなかなかにハードでドラマチックで甘くて切ないという…
感情があっちこっちにハラハラそわそわと振り回されるこの感じ、初読時もたしかこんな感じになったなあと懐かしくなりました。
凍る月〜CPとどちらが好きなのかと考えると、この濃厚なスピンオフ2冊を読んでしまうと須王×巴に肩入れしたくなっちゃいますね。
サブキャラクターも魅力的なんだなあ。

生死不明となっていた巴の現状が容赦のない悲惨さでかなり痛々しいのだけれど、その後の展開が非常に印象的でグッときました。
絶対に巴を助けに来てくれるのがわかっているこちら側の期待通り、ちゃんと王子様が助けに来てくれた時の安心感ったら。
ここまでまだそんなにページ数が減っていないというのに、序盤からギア全開で読ませてくれる、読み手を飽きさせない話運びが上手いです。

スピンオフとなる前作・今作のおもしろいところは、凍る月〜では敵対側となっていた組織の獣人に焦点があてられているところでして。
どちら側にもドラマがあるというか、それぞれのCPの恋愛面をしっかりと読ませてくれつつ、同時に描かれる人間ドラマも見どころだと思っております。

見どころだらけの中でもやはり、もちろん須王と巴…と言いたいところですが、個人的にはヨハンかなあ。
彼の想いの強さは、ある種須王から巴への想いにも勝るものがあったのではないでしょうか。
たとえ妄信的で歪んだ形だったとしても、これも確かなひとつの愛の形で、そしてそれを須王もきちんと理解をしているというのがなんとも苦しくて切ない。
今読むともう少し余韻がほしかったかなと思う部分もありましたが、傷ついた須王が唯一寄りかかれる場所が、とても小さくて華奢な巴の肩というのが良くって。
いつか須王が心から自分の誕生日を祝えることを願わざるをえません。

恋愛面的には、2冊を通して須王が素敵なキャラクターでした。
巴のことをどれだけ愛しているのかが痛いほど伝わる彼の愛し方が素晴らしく良かったです。
身も心も傷ついた巴をとにかくやさしく包み込むように愛す須王の過保護っぷりも、絶望していた2年間の思いの丈をぶつけるかのように愛でつくす姿もたっぷりと堪能できました。
巴のうっかりもとい、自ら巻き込まれてしまう流れはまだお約束と思えたけれど、自分をあれだけ酷い目に遭わせた人々に対してもやさしすぎる考えを持っていることだけは理解ができませんでしたが…彼が育った環境を考えると仕方がないのかも。
その分、須王が巴を大事に大事にしてくれるんだろうな。
彼らが今後、スピンオフ元と交わっていくのかも楽しみですね。

3

溺愛を期待したけど受けが酷いことされる印象の方が強かった

「花の残像」と合わせての感想です。

先にこの2冊のあらすじを読んで溺愛っぽかったので気になってたんですが
シリーズ物のスピンオフということで、本編3冊を先に読んでみました。

本編の方も、それほどはまらなかったんですが、
この2冊も、期待したほど溺愛、甘々ではなくて、
巴が酷いことされる印象の方が強かったなと思いました。

先にレビューも見てたので、巴が酷い目に遭うのは知ってましたが
もっとサラッと流されるかと思ってたんですけど私が思ったよりは、しっかりそれなりに描写があり、
そこら辺は嫌なドキドキをしながら、早く助けに来てーと思いながらざっと読み飛ばしました。(花の慟哭の最初の方の)

須王の巴に対する態度は、溺愛甘々かもしれないけど
その描写はそれほど多くなくて、それより巴が救出されてからも
トラウマに苦しむ、巴に嫉妬する餌に絡まれる、忍に囮にされる、また捕まって酷い目に遭う、のオンパレード。
「花の残像」の方でも冒頭から始まって、組織に来てからも餌の嫌がらせ、神木の嫌がらせによる拉致、等々、巴が酷い目に遭う方が印象に残りました。

そしてそれに対する報復描写が少ないのも不満でした。
酷い事をされたらされただけのそれなりの制裁を加えてくれないと、酷いシーンを読むので受けた心の傷が癒えないんですけど・・・。

巴をハンティングしてた人達は、首謀者も一般人も含めて全員死亡したけど、死ねばいいってもんじゃない。
巴は2年も銃で撃たれ続け、トラウマに苦しむほど心に傷が残ってるんですよ。
あっさり死んじゃっただけじゃ、ちっとも報復になりません。
猟奇的な描写を望んでるわけじゃないですが、巴の描写と同じ程度にはされた事とか、相手が許しを請うとか何か相手が反省するか苦しむかして言ったことを聞かせてほしいんです。
せめて須王がなぶり殺しぐらいしてほしかったけど、ヨハンが全部やってくれちゃったので、須王が巴のために報復するという描写さえなし。
ちっともスカッとしませんでした。

最後も、巴は後ろは守られたけど、口ではやらされてしまい、それもすごく嫌でした。その事に関しても、ヨハンが助ける時にサクッと殺してしまって、それでお終い。
その後、ヨハンの事で須王も落ち込んじゃったので、巴が口でやらされたーと須王が知る描写もなし。

巴に薬を盛って敵に渡しちゃった餌二人も、見かけなくなったというだけで、おそらく殺されたんだろうと匂わされるだけでお終い。
巴に嫌がらせだけですまずに、殺そうとまでした二人のギャフンが見たかったんですが・・。

という感じで、巴が酷い事をされ続け、それに対する報復描写はあっさり終わってしまってるのが、スカっとできなくていまいちでした。

あと気になったのが、契約している獣人は餌が痛みを感じなくても居場所がわかるんじゃなかったっけ?
本編3冊では、痛みや動悸に関係なく、餌の居場所はわかるって事だった気がするんだけど。

kindle unlimited

0

これ以上彼らにつらいことが起きなければいいな、と祈りたくなります。

「凍る月」のスピンオフの2作目。「花の残像」が気になる所で終わっているので、即続けて読みました。

主人公の巴は、まさに生き地獄といった状況に落とされていて、そのへんの描写はもう悲惨でたまりません。組織を中心とした人間関係(人間というか、主に獣人や餌ですが)は実に複雑で、起きる事件のひとつひとつが誰のどういう思惑から起きているのかが複雑に絡み合っていて飽きずにどんどん読み進めてしまいます。

やっぱり展開自体は少年漫画テイストなんですよね。うっすら思い出すのは「寄生獣」とか「亜人」とかそういった作品。"本来ラブ要素の無い少年漫画に「やおい」要素を加味して二次創作で盛り上がる…"みたいなのが最初から用意されてる感じとでも言いましょうか。

バトルシーンにドキドキしたり、切ない思いに涙したりしながら、ラブとセクシーなシーンにもキュンとする。読みどころの多いシリーズだと思います。そしてこのスピンオフは、本編よりもむしろ惹き込まれ度が高いと思います。彼らのその後もぜひ読みたくなりました。

1

やっぱり面白い

「凍る月」シリーズのスピンオフ、
「花の残像」の続きの1冊。
「凍る月」3作を読んでいなくても問題はありませんが、「花の残像」は必読。
リアルタイムで読まれていた方には待望上位ベスト3の1冊であったのではないでしょうか。
私も初めて読んだ時は、確か本屋を駆けずり回ったような気が…
でもこういうのって探してない時はよく見るのに、いざ探すとないんですよね…。
それ位「花の残像」と繋がっているお話です。

思いっきりネタバレレビューです。

今回再読なのですが、やっぱり面白い。
前作「花の残像」の再読の時は、
「あぁだったな、こぅだったな」の楽しさがあったんですけど、
今作はお話として再読でも面白かった。
というより先を知ってる分、更に面白いっというのがあった気がします。
冒頭の所は勿論の事、やっぱりヨハンが…。
前は勢いで読んでるから「わ!」とか「そうなの⁈」等ぶわぁ〜と読み進んだんですが、
今回は落ち着いて読んでるので、しみじみヨハンの事を考えながら読んだ感じ。
須王を語らせれば1時間の可愛いヨハンでありますが、
本当悲しい選択。
どうしてそうしか出来なかったんだろう。
その事を軸に読んでると、蓮や須王や相模の気持ちは勿論の事、
彼らを取り巻く組織という存在?を感じ、
それが読んでて悲しくもあり、単純に読み手として面白かった。
色んな1人1人の考えとか思惑が重なり合って動く重い歯車になす術ないような感じ。
自分の意志に反するのに、その歯車を回さなきゃいけないような。
まぁその悲しさとかやるせなさは、この後続く「凍る月」シリーズではもっとスケール大のものが待ち受けてるのですが…。
と考えると、再読の勢い止まらず、このシリーズを最後迄読みたくなります。

巴と須王の再会には、初めての時程ではないけれど、やっぱり泣けました。
今迄読んだBLの中でも1番泣いてしまうシーン。
本当に落涙してしまう程。
初めて読んだ時、巴が記憶を失くしてるってのは思いもしなかったので、びっくり。
しかもあんな状況で、あんなに幸せだったな巴が
死にたくて、楽になりたくて、それが今の1番の望みって…
なんだ、その1ポイントって。
最後にもう一度だけ指輪が見たい…と手を掲げた時に、指の間にすっと陰が通って須王の登場という所は、
もぅそりゃ泣くでしょ。
また、ここのイラストもいいんですよね。
巴の気持ちも須王の気持ちも、もう痛い程解って…
ここまでテンポ早めで、一気に頂点まで登ってくるので、
このシーンは何度読んでもいいなーと思う所であります。

けれどここで万事丸く納まるってものでなく、
その後巴は受けた傷のトラウマで、言葉は喋れなくなってるし、夜はうなされてしまう。
忍のクラッカーがきっかけでパニック状態になる所は悲しいですね。
その時須王がなだめてくれるのが読んでてあったかくて、優しくて、また逆に須王の苦しみもあって。
夜中うなされた時に須王も苦しそうな顔をしてるのに、目が合った途端に優しい表情になるとか、
その他たくさんのシーンがありますが、
須王も巴の事で苦しんで、大事で大事でしょうがなくて、
一方巴も須王に心配かけたくなくて、
お互いがお互い、相手を大事にしたい気持ちに溢れてて、それが純粋で愛おしくて、
読んでて本当楽しいです。
いやはや本当須王はかっこいい。

最後の終わり方も好きでした。
強くって、優しくって、かっこいい須王が巴の肩によりかかってるって…
一方巴は、自分の気持ちが須王に伝わってしまうから、一生懸命心の中でも泣かないように頑張ってるんですよね。
もう〜どんだけ可愛いんだ、巴。

2人のラブシーンも、いつもより数多く濃厚な気がします。
巴の気持ちも感じられるようになった須王、
そりゃ盛り上がっちゃうよなー。
私は再会した後の初めての時が、今迄BL読んできた中でも1番好きだな〜と思う位好きな気がする。
今回の再読で思いました。

他の作品でも再読する事はあるのですが、
中でもこのシリーズは再読しても楽しい度が高い方だと思います。
でも、再読もいいけどこの2人の話をもっとを読みたいなー。
夢のような理想の2人、
この2人の話なら、何度でもどんな話でもいつの話でも楽しめそうです。

5

痛さも他より少なく甘めです

前作『花の残像』で陥れられた巴のその後からスタートです。
完全に続きのお話なので、前作も読まれることをおすすめします。

カップルは引き続き獣人の須王×餌の巴。

巴は行方不明の間にドえらい目にあっていたわけですが、この辺りはもう少し掘り下げて欲しかったなあと思いました。
もちろん書かれていただけでも悲惨なのですが、もう少し描かれていたならば、もっと巴への同情が湧いたかと。
巴は『自分が一番悪い』と考えがちで、そういう部分がイライラきてしまう方もいらっしゃると思いますし。

今回は蓮の思わぬ熱さも描かれていたり、相変わらずな須王の元・餌たちやストーリーの肝であるヨハンの心情などが細かく書かれていて読み応えあります。
えっちシーンも相変わらず夜光さんらしく濃厚で、回数も多いです。
須王がいかに巴を愛し、自分よりも大切に思うさまが伝わりとても良かったです。
あー、やっぱり優しくて紳士最高!

展開的にはヨハンの行動はひじょうにわかりやすく、読んでいて途中で判明してしまうと思いますが、それでも楽しめました。
わたしは本編シリーズよりも好きです。

2

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