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一度だけでいいなんて、嘘だ。
タイトルに「猫」←大好き
舞台が老舗の和菓子屋←大好き
主従関係のしのぶ恋←大好き
と、大好きな要素が揃っているのに、萌え切れないこともあるのです。
【猫の恋】(4話) 萌
六代続く和菓子屋の若旦那・茅比呂と番頭の克己。
4話あるのに、内容が薄く感じるのは同じことの繰り返しだからなのか…。
両親亡き後、引き取ってくれた先代との「茅比呂を守ってくれ」という約束を頑なに守ろうとする克己と、そんな克己に頼りっきりになることでせめてもの絆を繋ごうとしているように見える茅比呂。
そこに東京の大企業の経営者っぽい杜という常連客が加わって、毎話、杜が茅比呂にアプローチ→克己が割って入るというパターン。
そのパターンを繰り返す中で茅比呂が少しずつ気持ちをこぼしていって、最後は…という感じで、物語的にはわりと終始穏やかな雰囲気です。
ただ杜が気持ち悪いという…。
中年、おそらく既婚者(この時点では不明)、若い男に必死にアプローチ、さらに老舗の後継を囲いものにしようとする気が知れません。
経営者なら老舗の後継の価値、分かってるよね?と、目の前に正座させて説教したい。
それなりに場数を踏んでそうなのに、本気度を示すためとは思いつつも、全く相手にされていない相手への引き際の見極めもできないところも無粋でいただけない。
そんな話でした。
「猫の恋」が春の季語というのが分かったのが収穫。
【エバーシーン】(前後編) 萌
甥とおじ(本編もひらがな表記)がゲイバーでばったり、からの朝チュン。
このおじが前出の杜でした。
やはり既婚者子持ち、ただ別居中とのことですが。
こちらは甥と言っても血の繋がらない甥で、杜の兄弟の再婚相手の連れ子です。
家事全般得意な攻めは好きだけど、この甥がどういうきっかけでおじを好きになったのか…。告白シーンはあるものの、それまでのことは不明です。
おじの娘を交えた3人の関係も結構好きなパターンなのに、萌え芽の部分がなくて、いきなり花が咲いている状態なので、一緒に萌えることができず無念です。
余計な引っ掛かりですが、小さい頃引き取って以来、同じ年の息子と一緒に育ててきた子を、「さん」付けで呼ぶ母親にもちょっと違和感。
女将と番頭という立場的に「さん」付けなのかな。
何だろう、2時間ドラマの見過ぎなのか、女将と番頭という立場で、夫に先立たれた女将が番頭を「さん」付けすると、無条件に「男として見てるの!?そういう目で見ないであげて!lと思ってしまった次第です。
これは完全にわたしのサスペンス脳のせいか…。
和菓子屋さん受け、これはたまらんと購入。
しかも、京都なんですね!
でも、モブ以外は全く京言葉じゃないので云われてもピンと来ませんでした。
重い話に見えて、お母さんは一番のお花畑だったりであまり深刻な話になっていませんでした。どちらかというと、状況よりも本人同士の問題でしたねえ。なので、色々あっさりクリア。
あまり重すぎてもしんどいので、こういう軽い感じのお話もいいんじゃないですかねえ。
何となく高評価に出来ないのは、本来好きなタイプの受けが微妙な事でしょうか。
仕事もバリバリやって悩んでるならともかく、仕事がなあなあなのがダメかもです。そんな状態で「自分の身一つで店が守れるなら」って云われても、普段仕事サボってる分働いて貰いましょうか。としか思えないです。
やはり社会人BLはバリバリ働いてるのが好きですなあ。
で、スピンオフ。
最初、スピンオフだと気づきませんでした。
後編の最初の「杜の子」で初めて「あれ?」と気づいたくらいです。
この生活感あふれたおっさんが、表題作で受けにちょっかい出すような甲斐性があるように思えないのですけれど。
話自体は嫌いじゃないですが、スピンオフとしては微妙だったような。
う、うーん。
表題作の二人と、スピンオフと2カップルの話が収録されています。
「猫の恋」「シューティング・スター」
老舗和菓子屋の番頭・克己×若旦那・芽比呂。使用人と雇用主、幼馴染という関係から、恋人同士という深い繋がりになったという話でした。
誤解にしろ見合いにしろ、よくある展開なのに、登場人物の表情を筆頭に、作品全体の雰囲気が好きでお気に入りの作品です。芽比呂の名前が漢字のときとひらがなのときに何かこだわりがあるのだろうかと妙な部分が気になりました。
「エバーシーン」「うさぎの恋」
亮一×杜の年の差カップル。表題作で当て馬役だった杜(受け)と、彼を子供の頃から好きな甥・亮一(攻め)が恋人同士になる話です。
表題作で受けた印象より、杜は子供っぽくなっていて、ちょっと驚きました。描き下ろしの「うさぎの恋」ではもっと幼くなっていて、表紙のカバー下でのお花畑には笑いました。
杜には妻子がいるのに、亮一や他の女性と関係を持つような表現がありますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。表題作はともかく、スピンオフの方は好き嫌いの評価が分かれそうな気がする作品でした。
嶋二さんの本は、一旦全て集めたのですが、
本棚の収拾がつかないこともあり
悩みつつも、一度全部手放しました。
しかし、好きな作家さんということは変わりがなく、
また1冊1冊、集めだしてしまいました……。
みなさんも、こういうことってないですか?
あれ、ない? 私だけ?(笑)
この1冊には、2作品収められてします。
◆◆ 猫の恋 ◆◆
嶋二さんの本は、全体的にサラリとした独特の雰囲気で、
読みやすいです。
「猫の恋」も例に漏れず、サラリと読みました。
主人公の受けは、老舗和菓子屋の若旦那。
対する攻めは、その店の番頭を務めています。
どちらも好きあっているのに、立場上の問題から
どちらも告白できないで、幼い頃から今まで過ごしてきました。
しかし、ある日お得意様の社長が受けのことを気に入り、
東京に一緒に行かないか、と誘われます。
しかし、老舗和菓子店を存続させることが自分の使命と
考えている受けは、首を縦に振りませんでした。
何より、攻めのことが好きだから……。
冒頭から、やきもきさせられます。
両想いなのに気持ちを伝えられない、伝えてはいけない…
そんな気持ちが綯い交ぜになって、お互い何も言えない…
うあー、もうスッキリさせちゃえよっ!
未来のことなんか、考えず、今の気持ちに素直になれよっ!
お互い、告白してしまえ、馬鹿野郎と言いたくなります。
ついに受けが攻めを誘い、エッチへ。
まさか番頭(攻め)が主人公の若旦那(受け)が
好きとは知らず、「一度でいいから…」と誘うのです。
うわっ、誘い受けです。
地雷とまではいきませんが、誘い受けはちょっぴり苦手かな。
最後の受けのセリフ。
上から目線でしたが、嫌いじゃありませんでした。
受け「責任取れよ」
攻め「大事にする 一生」
ハッピーエンドで、めでたしめでたし。
◆◆ エバーシーン ◆◆
「猫の恋」で老舗和菓子店の若旦那にフラれた社長が
主人公のお話です。
冒頭からエッチの事後らしく、ベッドで裸の
社長(受け)とその甥っ子(攻め)。
しかし、飲み過ぎてエッチに至ったまでのことを
全く覚えてない社長。
自分が受けだったことをお尻の痛みとアソコからどろりと出る
白色の液で確認し、自分がベッドでは下だったことを知ります。
うおー、年下攻めキタコレ。
好みです!(><)
酔っ払っちゃって、タチがネコになっちゃう設定も
ありきたりといえばありきたりですが、悪く無いです。
でも、ここの話に出てくる子供の女子中学生がね……。
どうにも邪魔。
大人びた口調で、二人の間にチャチャを入れる感じが
好みじゃないです。
あと、最後。
いろいろと問題解決してないが、あれはあれでいいのか…?(汗)
離婚とか思春期の子供とかどうするんだ…?
「笑ってるから まあいいか」で済むの?
うーむ…
◆◆ ◆◆ ◆◆
圧倒的に表題作のほうが好きでした。
老舗というだけで、着物って着なきゃいけなかったんですかね…?
いや、色っぽいからいいんですけどね。
若旦那(受け)にはいつまでもそのままで
いて欲しいですね。
表題作でない作品は、余り好みではないかも…です。
これからも嶋二さんワールドの雰囲気は
壊れてほしくないと思わせる作品でした。