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表題作妖魔なオレ様と下僕な僕 7

辰巳司野,骨董屋を営む妖魔
足達正路,浪人生/大学一年生

その他の収録作品

  • あとがき 椹野道流
  • あとがき  山田シロ

あらすじ

浪人生の正路が妖魔、司野の下僕となり、同居を始めてちょうど一年。再び受験の季節が訪れた。今年は司野の勧めで文系の大学も受けてみることにしたのだが…。入試前夜、眠れぬ正路を抱いて『気』を整えてくれたり、当日は必勝弁当を持たせてくれたり…と思いがけない司野の行為に正路の胸はじんわり そうしてついに合格発表の日。正路の進路はいかに…!? 待望のシリーズ最新刊! 新たなる愛の一歩が♪
(出版社より)

作品情報

作品名
妖魔なオレ様と下僕な僕 7
著者
椹野道流 
イラスト
山田シロ 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
シリーズ
妖魔なオレ様と下僕な僕
発売日
ISBN
9784781603117
3.5

(4)

(1)

萌々

(0)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
14
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
25%

レビュー投稿数3

思いの深さをつくるのは

本シリーズは骨董品屋の店主にして術者の妖魔と
攻様の下僕にして骨董店手伝いの浪人生カプの話です。

再び巡ってきた受様の三度目の受験に
攻様に依頼されたある大学の怪奇現象解決を絡めて
進みます。

二人が出会ってもうすぐ一年。
受様にとっては三度目の大学受験の季節となります。

今年は農家を営む親にと狙う農学部の他に
妖魔の攻様が下僕の資質を見極めた上でと勧めた
文学部も受験予定の受様。

本命の受験を終えて
明日は文学部の受験という夜、
初めての文系受験に加えて
攻様の勧めというプレッシャーに
ますます眠れない受様でしたが

攻様は夜には恒例の食事の代わりに
自身の気を分け与えて落つかせ
翌朝には手作り弁当まで持たせてくれます。

お昼に開けたお弁当に詰まっていたのは
トンカツ、レンコン、菜の花の胡麻和え…
正に受験生の為の春を願う弁当に
更に力づけられた受様は
この大学で人生初の「合格」を手にします。

しかし、
私大の学費を払えるあての無い受様の
帰宅の途を遮ったのはスーツ姿の攻様でした!!

実は攻様は
大学の理事長から怪奇現象解決依頼を受けており、
受様が合格して解決した場合は
入学金や授業料免除を約束していたのです。

理事長の悩みと受様の進学費用をかけて
大学図書館の怪奇現象に乗り出す二人。
今回の依頼も無事に解決できるのか?!

椹野さんの妖僕シリーズの最新刊、
奇談シリーズもでしたが、
こちらもかなり久しぶりの発刊な上、
レーターさんも変わっていて
内容的にも雰囲気的にも一新って感じです。

受様の受験に絡んだ怪奇現象解決の影に
攻様の敵との再戦を睨んだ伏線として
幽霊と化した攻様の主もちょっと登場しています。

攻様が前より人間っぽくなったというか
受様に懐いてきた感じで
今までは受様が一途に慕うほのぼの路線でしたが
攻様行動は基本唯我独尊・妖魔様ですが
端々に甘さがにじむツンデレ風味となってます♪

また受様が受かった大学が
ユニークな学風が売りのようですので
過去の因縁&お仕事系に加えて
私的な学園ライフもいろいろ有りそう。

本巻は初回特典で小冊子付。
里帰りした受様が帰宅して…ほのぼのなSSになります。

新刊を読んだばかりなのに
8巻が早くも待ち遠しいで~す(笑)

今回は受様がツンデレなカプで
黒崎あつしさんの『秘書の恍惚』はいかがでしょう?

2

装いも新たに

久々の新刊はレーターさんが変わり、登場人物達にも新たな展開が。
今回は正路もですが司野にも変化があり大満足の1冊でした。
自分は山田シロさんの挿し絵も違和感なかったですし。

試験前日の夜、不安な正路をあやしてくれる司野がすごくよかった。
それに、司野が持たせてくれた手作り合格弁当。
お弁当作りをしている姿を想像すると
息子を試験に送り出す母のような司野を想像して
すごく微笑ましくなって
正路じゃなくてもあったかい気持ちになれました。

それに正路が自分の想いを
きちんと言葉にして司野に伝え続けたことが実り
単なるご主人様と下僕とか、
食すものと食われるものって以上の気持ちを
司野が完璧ではないかもしれないけれど
わりとはっきり理解してくれたようで最後は大満足でした。

でも、今回は大事の前の静けさみたいな感じなのかも?
カギロイさんは余裕綽綽で機会を伺っているようだし
次の巻はもっと早く出てくれるといいなぁ。

0

初めてウルウルしちゃいました

7冊目の今回は攻め様の主である亡き辰冬さんが前作に続き
登場するんです。
そしてまぁ、何となく解ってはいたけれども辰冬さんの思惑が
はっきり解る内容でもあるんですよね。
攻め様の前には現れる事が出来ないけれど、下僕の受け様の
前に現れて、自分が死ななければならなかった事や攻め様を
壺に千年も封印する事になってしまったことなどが語られます。
その話を聞いて納得しつつも攻め様を思うあまり辰冬さんに
感情をぶつけてしまう受け様の攻め様に対する深い思いが
更に伝わってくる感じでもありましたね。
そしていつもの依頼は・・・小さな男の子の幽霊を祓う事です。
受け様は大学受験を無事果たしますがいつもの大学プラス攻め様の
勧めで私大の文学部も受験するのですが、農学部は惨敗しますが
私大は見事合格しちゃうんですよね。
そして今回の依頼者はその大学の理事長からのものなんです。
依頼を無事に果したら受け様の学費免除を条件に引き受ける。
でも別に裏口ではないです、受け様の実力です(笑)
そして今回の幽霊事件は読んでると思わず涙がポロリしちゃいます。
小さな子供が出てくると涙腺が緩んでしまいます。
ちょっと感動の人間の真心が事件解決に繋がるお話でした。
でもこの事件で攻め様は不機嫌になってしまうんです。
それはその幽霊になってまで待ち続けた人に忘れられてる事実
人間は忘れてしまう事に亡き辰冬さんを思い出し、自分は主に
捨てられたんだと感情を露土する攻め様はとても不憫でした。
でもそれを受け様は強く否定する。
受け様は辰冬さんと既に話していて辰冬さんの気持ちを理解して
いるが、約束で攻め様に話すことが出来ない。
でも攻め様に気持ちが痛い程解り攻め様の心を慰める為に何度も
忘れてなどいないと、自分は攻め様を好きだから同じ気持ちの
攻め様の主人もきっとそうだと・・・・
そんな受け様の言葉が伝わったように攻め様が穏やかに。
二人の絆の強さがまた深まるストーリーでした。

0

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