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原作未読。
うっかり2作目を先に聴取したので、2人の関係を知ってからの聴取となりました。
3冊で1つの物語となっている作品の1作目。
事故で記憶をなくし、人間関係も過去も何もない、真っ白、というより虚無な男、高久透を羽多野渉さんが演じています。
羽多野さんの、ちょっとこもった、内面に何重ものなにか、を秘めている声、話し方が、高久透という男の抱える問題、苦しみにとてもよくあっていました。
過去に問題を抱え、過去にとらわれ、透を全面保護、守りたい男、藤島啓志を野島裕史さんが演じています。総じて言葉足らず、思っていることを口にしない、説明しない、不器用さが、野島さんの声、演技によって、より深く、よりしんどくつたわりました。
友達で、事故で記憶も失い、金もない透を家に引き取り、生活費も全部、面倒をみる藤島。
はたから見たらすごく仲がいい、素敵な関係なのに、2人はとにかくいつもぎくしゃくしています。
透から歩み寄ろうと努力しても、心を開かず、言葉が足りない藤島、2人のやりとりは聴いていてとても胸が痛くなるほどでした。
ぎくしゃくしながらも折り合いをつけて、なんとか穏やかな生活が送れるようになると、不穏な過去の陰が色濃く感じられるようになります。
執念深く透を追い、探し、いきなり刃物で突っ込んできて、かばった藤島に、命の危険もあるほどの大けがを負わせた事故遺族の姉の言動もまたきついものでした。
透に対する藤島の言動は、気持ちを表すのにかなり歪んでしまっていて、裏目に出ることが多くてつらかったのですが、遺族の女の言動は、ほんの少し同情する内容はありつつ、自分勝手、他責、恨みつらみが狂気に変わっていて、おそろしいです。
透は自分の過去を全く思い出せないけれど、その過去によって心に重たく大きなものを抱えているのが藤島と遺族の女。
未来に向かって進むことができない、過去にとらわれすぎている2人と過去のない1人、という3人がそれぞれにつらく、苦しかったです。
完結まであと2作あり、つらく、苦しいままに終わる今作ですが、透が藤島に伝えた気持ち。
「藤島さんを嫌いだった自分じゃなくてよかった」
には一筋の光明を見た気がしました。
聴取するのにカロリーを使う、重厚な作品です。
これを聴きたくて聴きたくて、でも売っていない。
中古は、できれば買いたくなかった。
と、思っていたら、レンタルがあります。
ぜひ、聴きたい方は、聴きましょう!!素晴らしいです。
原作既読。
お気に入りのシリーズで初読の強烈さは色褪せることがないけれども、所々記憶が曖昧でまた新たな気持ちで耳を傾けることができました。
透の声はもう少しゴツめでも…と以前は思っていましたが、羽多野さんのやわらかな演技と感情が昂った時の声の荒さ、怒鳴る様子がとても迫力ありこれは後半が楽しみだなとワクワクしています。
藤島さんは…他の方もおっしゃっていますが、思ったより声が低くかためでそこまでピンときませんでした。
木原先生作品の中でも推しなので好みもありますかね(笑)
たまーに滑舌心配な時もありますが、「~ではないだろうか」といったかんじの話し方がとても好きなので、音声でも楽しめるなんて豪華ですね。
楠田が出てくると続編思い浮かべこれから待ち受ける彼の未来に胸がギュっとして意味もなく名前叫びたくなるの私だけですかね??
しかしBLとは思えないストーリー展開に相変わらず心が揺さぶられました。
被害者の姉とのシーンは重すぎてBLCD聴いているという現実がどこかに吹っ飛んでいきました。心に迫る演技でした。
ケーキ毎日食べてるの本当に可愛いんだけど、健康面を気にしてしまう自分をここでもおさえられなかった…。
兎にも角にも、続きが楽しみです。
私は頭真っ白にしてまた一から驚きたい派なので、確かに心の準備はあるといいけれど、何も情報がないままハートフルボッコされるのもオススメです(笑)
大作、木原先生のコールドシリーズの第1作目。
大好きな作品なのでCDはどうかしら?と言う気持ちで聴いたのですが………
藤島さんの声があまりにもイメージ通りでびびりました。
素晴らしーーー!
真面目で大人しい、不器用な藤島さんの雰囲気がよく出ていました。
もちろん、透役の羽多野さんも素晴らしかった!
コールドスリープは透が記憶喪失になり藤島さんへの気持ちに気がついていく過程を描いてるので、
優しい好青年といった感じですが、後半どんな風に変化するのが、気になるというか怖いというか。
今後の展開を知っているので怯えながら聴いています。
次もレビューします
原作既読。
大好きなシリーズですが、原作も気力が漲ってる時でないと読み返せない作品。
CDなら色々と削がれることなく手軽でいいかな、と思ったのですがとんでもなかった。
シリーズ3部作それぞれ2枚組という力の入れようなのに、とんでもない大作だという予想がつかないBLCD初心者です。
思い入れのある作品なので、イメージが壊れたら嫌だな、と思ってたのですが、透役の羽多野さんも、藤島役の野島さんも、びっくりするほど嵌ってました。
小説の中のふたりが飛び出てきて、本当に動いていると錯覚するくらいで、聴き始めたらもう夢中に……。
1作目の今回は、記憶喪失になって色々と不安で仕方がないという透の心情を、羽多野さんがとても上手に表現されていました。
そうした不安定な揺れ以外では、割とよく聴く羽多野さんのワンコ攻でその辺は少し安心して聴いてられます。この過剰すぎる甘いワンコっぷりが、まるで次への布石のようで非常に不気味ではありますが……。
贖罪も含めて身元引受人となった藤島も、あのぐるぐると渦巻くような陰気くさい性格を、野島さんがカッチリと嵌るように演じていらっしゃり、本来の透と記憶を失った透との違いを前に戸惑いながら過ごしている様子がよく伝わってきます。
小説原作は2枚組になると、どうしてもモノローグが多くなりがちですが、朗読劇のようにならず、飽きたり間延びしたりすることもありませんでした。
そして主役二人以外に秀逸だったのが女性声優さん。
BLCDに登場する女性声優さんって、大概作品を台無しにする邪魔者でしかないと思っているのですが、この作品に出てくる木下聡子役の方は素晴らしかったです。
変に作ったアニメ声ではなく、透に対する恨み辛みやどす黒い感情が腹の底からにじみ出ているようで、そのおどろおどろしい執着に鳥肌が立ちます。
そして天真爛漫で人好きされる新人格の透が、過去に犯した罪を暴かれた時の慟哭は、まるでその身を切り裂かれるような苦痛を覚えました。
どうしよう、どうしたらいい、苦しい、痛い、怖い、申し訳ない、そういった一気に入り込んできた抱えきれない程の感情を処理しきれず、ごちゃまぜになって混乱する場面ですが、言葉で言い表せないほどの衝撃です。
そんな透が自分をかばってくれた藤島に対し「記憶、なくして良かった」というシーンがとても印象的でした。
これがこの後に続く怒濤の展開へのジャブのようで、実にじわじわときいてくる。
絡みはほぼありませんので、エロを求めてる方にはおすすめしません。
原作未読でも問題ないくらいに丁寧に作られていますが、精神安定上、先に原作を読まれてからCDを聴いた方がいいような気もします。
追突される時にバックミラーで気づいて身構えるか、何も気づかずにいきなりドカンとやられるかくらいの違いがあります。頸椎捻挫したくなければ先に原作を……。
