部下×美人上司の愛情実験

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表題作Home,sweet home.

瀬尾隆文、なぜか安藤に監禁される営業マン 22歳
安藤広之、世話の会社の美貌の専務

その他の収録作品

  • Love is
  • あとがき

あらすじ

「監禁されたんだよ、君」
目が覚めると瀬尾は、知らない部屋でにっこりと笑う自分好みの美人にそう告げられる。猫っぽい雰囲気や目元の黒子が色っぽく、どこかで見たような――専務の安藤だ! と気づいた時には、瀬尾を鎖に繋いで出勤してしまった。突然の監禁に憤っていた瀬尾だけど、その日から健気に自分の世話をやく安藤をみて、気持ちが傾き始めて…?
その後の甘い同棲生活 書き下ろしつき!
(出版社より)

作品情報

作品名
Home,sweet home.
著者
吉田ナツ 
イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
シリーズ
嫁いでみせます!
発売日
ISBN
9784048683913
3

(25)

(2)

萌々

(6)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
11
得点
71
評価数
25
平均
3 / 5
神率
8%

レビュー投稿数11

監禁はじまりだけど

久しぶりの再読。

監禁始まりでスタートし、恋人同士になり、同棲スタート。
生まれてすぐにゴミ箱に捨てられ、施設で育った攻めの瀬尾が夢見る「平凡だけど楽しい我が家」がなんか切ない。

後半、瀬尾の執着が止まらなくなってしまう。
やばいと充分自覚しつつも、広也をどこにも出さずに一生閉じ込めておきたいと思ってしまう瀬尾の執着度合いがどんどん増していって、どうなるんだろう……と思ってた着地点にグッときたな。

読後感の良い作品で、また将来、再読する予定は100%


--
「嫁いでみせます!」で5年後の二人が登場してるんだけど、広也の番犬となってる瀬尾の姿に笑った。

1

一風変わった監禁ものです

これ、意外と趣味の分かれる話みたいですね~。
ちるちるだけでなく、いろんな場所でいろんな方の感想を読んだんですが、まっぷたつと言っていい。
私は面白かったです。
やっぱり吉田ナツさんは私好みだ!と思いました。

一風変わった監禁モノです。
攻めが受けを監禁してエロエロ…ってパターンは腐るほど読みましたが、これはその逆。しかも受けとは言っても最初は恋愛感情もないので、エロエロ展開のない監禁なんです。
受けは「実験」のために監禁してるというんだけど、攻めには何の実験だか分からない。
この訳のわからなさにワクワク興味をひかれ、監禁された攻めの前向きでノーテンキとも言える性格が小気味よくて、なんか妙に楽しかったです。
攻めが受けを好きになったのは、一種のストックホルム症候群なんだろうね。
でも、そうやって出来上がった感情は嘘ではない。
まさに攻めの言う通りだと思いました。

続編は、攻めが受けを監禁する話。
攻めの嫉妬も最初はコミカルなムードで、「アホやな~」と面白がりながら読んでたんですが、それがどんどん異常さが増してくるにつれて、「うわっ、これはヤバいんじゃないの…」と。これホラーの手法だよ。
で、生育歴と合わせて考えると、攻めの持つ嫉妬心は意外と根深くて重いものだと気づかされる。
いったん手に入れたものに異様なほど執着するのって、捨てられた子供のよくある行動様式だし。

トラウマについての説明がちょっと多かったのだけが残念です。
そのあたりの説明はさらっと流す程度にしておいて、コミカルな部分を多めにしたほうが、むしろ深みや余韻が出たような気がします。

てゆか。
吉田ナツさんもっとガンガン活躍してほすぃ…
出版された本が少ないのがめっちゃ悲しい。

2

甘い監禁vv

順番逆に読んじゃった(笑)

「嫁いでみせます」のイメージとまったく違ってビックリした。
あっちはポワポアしてたんだけど、こっちは監禁ですか?!
でも安藤のふわ~っとしたイメージは健在なんですね。
そしてとても不器用というか天然キャラ?!

監禁という、みんなが思ってるイメージとはまったく違い
「実験監禁」
世話をすることで、相手の事を好きになれるのか??
なので安藤は瀬尾の世話を甲斐甲斐しくして、
「つき合い始めたカップルかお前ら!!」
みたいに甘々と過ごしてます。

瀬尾の方が先に安藤を好きに…
生まれて3日で捨てられた瀬尾は誰かに執着(必要)されることを
どこかで望んでたんでしょう。
だけど安藤はその気持ちを認めようとせずに、実験の副産物だと。

監禁終了…

一度は離れる2人ですが、瀬尾再度告白しに安藤の元へ
お互い愛を欲しがってたもの同士、いいカップルなのでは?!

後半、カップルになってからの瀬尾の執着は凄かった。
こっちの方がソフト監禁ぽかったかな…
とにかく嫉妬、出たら駄目、見たら駄目、喋っちゃ駄目、
とにかく安藤が誰かといるのが我慢できないみたい。
自分じゃない誰かを好きになったらどうしよう??
今までまともに誰かを好きになった事がなく
更に過去のトラウマもありで、かなり病んでますね。
でも安藤の方もこの執着に耐えられるという事は、
よっぽど愛に飢えてたんだろうね。

これを読んだ後に「嫁いでみせます」読むと
まさか安藤がこんな事をしてたとは?!と思っちゃいます。
瀬尾の方は、なるほど~な感じvv

2

よくある監禁ものとは違う

監禁もの…あまり好きな設定ではないのですが、ふらふらと手にとってみたら、よくある監禁ものとは違う。
他の方が言われている通りです。

世話をしてみたら愛着が生まれるかどうか確かめる実験のための監禁
……我ながら長い。。。
ただ、これは口実。孤独な受けが似たような境遇の攻めへ愛着をもったことがそもそもの理由。
自分が誰かを愛して、それを受け取って、相手からも返されて。「循環する」と書かれているのですが、まさにその通りの2人のやりとりがいい。
その後の話で、攻めが愛ゆえに束縛に陥るのを間違っていると気がつくのもいいし、受け入れて許す受けの優しさも良かった。
2人が濃いフレンチプレスのコーヒーとガトーショコラを美味しそうに食べている様子に幸せを感じます。

登場人物がとても魅力的なのとシリアスな境遇のわりに明るい2人の様子に安心できました。
読みやすく、魅力的な作品です。

2

面白かった!

こういう監禁もの、初めて読みました。
監禁の理由が「エロエロ」ではないんですよね。
けど、読めば納得の理由。

正直、最初にその理由がくると「ん?」と思ったのかもと思うんだけど、理由を明かされるまでのやり取りで受けの人となりを十分掴めていたので、すんなり「なるほど」と受け入れられました。
そこで「監禁」って発想自体が突飛なんですが、そういう方向にズレるのさえこの人らしいと思えました。

で、皆さんもおっしゃってますが、特に攻めに関しては、トラウマの説明がくどかったかな。
「産まれて3日でゴミ箱に捨てられて」ってフレーズを、何度目にしたことか。
「えっ!ゴミ箱!」っていう一度目の衝撃がちゃんとあったので、何度も重ね塗りしなくて十分で、逆に何度も刷り込まれることで酷さが薄れてしまった気がします。

そして後半ですが…。
ここが賛否わかれるところなんですかね?
私はこの後半が、好きでした。
前半部分はこのための下地だったんだと思えるほど。

前半では、壊れているのは受けで、攻めはつらい過去があっても飄々と受け流せる人なんだと思ってたんですが、この後半で、やっぱり攻めの傷も根深いんだなぁと感じました。
受けは前半で自分の持つ確執を乗り越えたようで、後半では終始心が落ち着いて居たように見えました。
きちんと「愛情」というものがどんな位置づけなのか理解し、自分の中にある愛情の昇華のさせ方や攻めに返す術を、身に着けていたように思います。

その点攻めは、どんどん執着が酷くなって、あんなにあっけらかんとしていた人が、どんどん怖がりになっていって…。
それにはもちろん攻めの生い立ちっていう下地があるんですが、攻め本人が心の傷に半ば無自覚なんですよね。
ただ単に「欲しい」とか「人に渡したくない」とか、駄々っ子みたいな執着をしているようで、手の中の人との距離が何故そんなに怖いのかを、攻め自身がゴチャゴチャにしているように思えるんです。
「過ぎた恋情」と「トラウマ」の線引きが攻めの中でできていなくて、けども原因がどっちだとしても「監禁」しちゃえば怖くなくなるんだから…、という折衷案みたいな解決策って感じ。
ホントは「恋」からくる怖さと「トラウマ」からくる怖さは全く別物なのに。

「愛」を知って吹っ切れた受けが、思ってた以上に器のでっかい人で、そのことにほっとしました。
歪んでさえなければ、できる奴だったんだなぁ!

まだまだ歪なものを抱えた2人だけど、この2人はずっと別れないだろう…って気がしました。

1

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