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表題作若葉のころ

氷川享介
大学生
原岡凛一
大学生

あらすじ

京都の大学に進学し、二度目の春を迎えた凛一。氷川と逢える平穏で幸福な日々がようやく訪れたかに思えたが、三年ぶりに帰国した有沢が、再び凛一の心に波紋を広げていくのだった。そんなおり、大学フットボール部の主将として活躍する氷川に関する情報を外部に漏洩しているという疑いが凛一にかけられる。ふたりはこのまま逢うことができなくなるのか…。好評シリーズついに完結。

作品情報

作品名
若葉のころ
著者
長野まゆみ 
イラスト
長野まゆみ 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
集英社文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784087478112
4.5

(6)

(3)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
27
評価数
6
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

淡々と余韻を噛みしめたい

シリーズ最終巻?とても静かに終わった感じ。ここまでずっと追ってきた氷川と凛一の結末には、気持ちが盛り上がるというより、淡々と余韻を噛みしめたい気分になった。BL好きとして読んでも悪くない結末なんじゃないかな、たぶん。

前作の氷川の決断を読んで危惧した通り、氷川の彼女は凛一の排除を望んでいるようで、直接乗り込んでくる。他にも凛一を邪魔に思う者はいるようで、一人で道を歩くのも危険な状態に。

これまでずっとそうだったが、凛一の周りの人たちは、凛一を支えるための協力体制がすごい。華道の家元問題を抱えたままの凛一には頼もしい存在。氷川との仲も応援したり忠告したり咎めたり、本気で考えてくれている。有沢も再登場し、最後の最後でやってくれた。

氷川は最後まで氷川だったな、という印象。自分の好きなように生き、周囲に何を言われても気にしない。凛一だけは切れないとはっきり言ったからといって、今後凛一だけと付き合うのかは分からない。

最後のやりとりから氷川をどう解釈するかは、人それぞれな気がする。一途に凛一と生きていくと思えるか、凛一の存在も受け入れる女が現れればまた二股生活に戻りそうと感じるか。個人的には後者に思えたので、分からないまま終わってくれて良かった。

この結末でこのタイトルは物寂しい気分になる。でもこれもやっぱり解釈次第で、彼らの始まりを意味すると希望を持てるかもしれないし、二人の瑞々しく一番良かったころが今だと暗示しているかもしれない。翻弄されつつ、じっくり楽しめたシリーズ。

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