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シリーズ最終巻?とても静かに終わった感じ。ここまでずっと追ってきた氷川と凛一の結末には、気持ちが盛り上がるというより、淡々と余韻を噛みしめたい気分になった。BL好きとして読んでも悪くない結末なんじゃないかな、たぶん。
前作の氷川の決断を読んで危惧した通り、氷川の彼女は凛一の排除を望んでいるようで、直接乗り込んでくる。他にも凛一を邪魔に思う者はいるようで、一人で道を歩くのも危険な状態に。
これまでずっとそうだったが、凛一の周りの人たちは、凛一を支えるための協力体制がすごい。華道の家元問題を抱えたままの凛一には頼もしい存在。氷川との仲も応援したり忠告したり咎めたり、本気で考えてくれている。有沢も再登場し、最後の最後でやってくれた。
氷川は最後まで氷川だったな、という印象。自分の好きなように生き、周囲に何を言われても気にしない。凛一だけは切れないとはっきり言ったからといって、今後凛一だけと付き合うのかは分からない。
最後のやりとりから氷川をどう解釈するかは、人それぞれな気がする。一途に凛一と生きていくと思えるか、凛一の存在も受け入れる女が現れればまた二股生活に戻りそうと感じるか。個人的には後者に思えたので、分からないまま終わってくれて良かった。
この結末でこのタイトルは物寂しい気分になる。でもこれもやっぱり解釈次第で、彼らの始まりを意味すると希望を持てるかもしれないし、二人の瑞々しく一番良かったころが今だと暗示しているかもしれない。翻弄されつつ、じっくり楽しめたシリーズ。