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表題作さきっちょだけでも

徳治
芸大7年生
龍造
ラーメン屋バイト

その他の収録作品

  • お悔やみ申し上げます
  • ウォータープルーフ
  • ウォータープルーフ その後のふたり
  • アンダーグラウンド
  • 彼女は死んだ
  • les sciences et les fantaisie
  • あとがき

あらすじ

芸大7年目・26歳の冬、徳治の想像力は完全に枯渇していた。何物にも感動しなくなった心に響く「何か」を探していた時、偶然目にした極彩色の男に一瞬にして魂を奪われて――!?

あなたと一つに溶け合って、いざ、究極のエクスタシーへ――!!
妄想と芸術が爆発する表題作他、作者の生み出す世界にどっぷり浸れる全6編を収録した麗人初作品集!!
(出版社より)

作品情報

作品名
さきっちょだけでも
著者
トジツキハジメ 
作画
トジツキハジメ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
ISBN
9784812474693
3.7

(24)

(9)

萌々

(6)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
87
評価数
24
平均
3.7 / 5
神率
37.5%

レビュー投稿数9

エロなし話もエロあり話も独特の魅力

トジツキハジメ vs 麗人レーベル!の短編集。

「お悔やみ申し上げます。」
ヒップホップ系のDJとMCの物語。
信頼してたDJが急死してしまい、遺言で紹介された新DJ・50嵐と組むMCラッキー。
イガラシはとことん尽くし型。おかんじゃなくて妻らしい。
ヒップホップの空気感がよく出ててすごくオモロい。

「ウォータープルーフ」
幼馴染の片想い。自分は真のダチと思ってたけど相手はマジだった…!

「ウォータープルーフ その後のふたり」
想いが通じたらもうデレデレのメロメロのデロデロの。甘々のすみれくん。

「アンダーグラウンド」
憧れの才能。
その彼は戦場カメラマンになってPTSDに苦しむ。
自己破壊願望は再び彼を戦場に向かわせる。残された塚越の思いは漂う…
ヒリヒリと痛い作品。

「彼女は死んだ」
1ヶ月部屋に置いてあげた女の子が死んだ。事故死?
その後、弟と名乗る少年が姉のことを聞きたい、とやってくる。
彼女のようになりたくないから彼女のように振る舞う…
複雑でちょっとオカルト。

「les sciences et les fantasies.」
別れた研究者の元カレと職場で再会。
どっちかというと元カレの方が未練?でも表し方が回りくどいのね。
質量がマイナスになると光速を超える。だから過去に行ける。そしたら別れた恋人とやり直すんだ…
サイエンスのロマンチスト極まれり。

「さきっちょだけでも」
表題作。コレ好き!というのはタトゥーもの!
主人公は芸大7年生で、想像/創造に行き詰まる徳治。
ある日学校の近所のラーメン屋。店員さんのうなじとふくらはぎのタトゥーにビビビッと美美美っ。
想像力に創造力に妄想力が溢れだす。
ラーメンを食べに通い。
チラ見の眼をカメラにし、カレをチラチラ3D解析。
そうやってまんまのカレを造形!そして身体中に極彩色の龍を…
そして毎夜毎夜、夢と妄想でヤったりヤられたり…
キャ〜〜〜‼︎ってなりましたわ…
でね。その彫像は賞獲って。店員さん本人は何も知らず。だからやましさ満載という。
トジツキ先生のタトゥーは、和彫りが多くてかなーりイカつい。漫画ならいいけどリアルだと見ちゃいけない系かな。だから余計面白い。
ボーズで全身刺青って耳なし芳一みたいだよね。

1

短編の名手。

トジツキハジメさんの作品には常に暗さを感じます。必ず「死」の存在感がつきまとう。BLの定義はなんとなく頭にあるつもりだけれど、定義から大きく逸脱したとしても、それもアリとして泳がせてくれるところがBLの懐の深さだと思います。暗いBLって需要があるのだろうか。少なくともわたしは大好きですが。

短編集。明るいテイストの作品もあるけれど、どっかしらマジメです。

最初に収録されている作品がいきなり人の死から始まる、「お悔やみ申し上げます。」。ラッパーとDJの関係に萌えを覚えて描かれたもの。お別れと出会いがテーマでしょうか。ライムに乗せたギャグが笑わせてくれます。

「ウォータプルーフ」。菫とみっちょんの幼なじみモノ。こういう、長年の付き合いがある者同士の心境の変化を描くの上手いですよね。坊主(ヘアスタイルの方)受けです。

「アンダーグラウンド」。最後の一コマに持っていかれました。BLってカメラマンを中心人物に据えた作品、多いですよね。自分を罰したい行為が同性と寝ることなんて、BLでやられたら悲しすぎます。その男に憧れ、彼が見ていた世界を追い続けていた主人公の思いはどこへ向けたらよいのでしょう…。複雑な心理を短くも切ないストーリーに仕上げた技量に脱帽。

「彼女は死んだ」。ゲイの男に思いを寄せ、謎の死を遂げた女とその義弟。身代わりモノといってよいのでしょうか。オカルトっぽい不思議系のお話も大好き。

「les sciences et les fantaisie」。再会モノ。スタンダードなBLも描けまっせ!みたいな印象を受けてなんだか笑ってしまいまいしたが、時間をモチーフにあれだけ難しそうな理論をコンパクトに人物に語らせることができるのは、やはり興味を持ったらとことん掘り下げる学究肌タイプ(オタク?)ゆえなんだろうなーと思いました。羨ましい…。

「さきっちょだけでも」。全身に刺青が入っているラーメン店の店員に主人公がエロな妄想を抱く、ギャグテイストの短編。会川フゥさんの短編でツボだった「モウソウオトコ~Cafeteriaノ話~」を思い出しました。

レビュアーさまのご指摘どおり、絵柄が変わってきました。現在の少年マンガっぽいのも、以前の線の細い、少女マンガテイストの絵柄も好きです。トジツキハジメ作品は短か過ぎてものたりなさを感じることもあるけれど、本当に短編が上手い。寸止め好きにはたまらないかも。

5

ついてこれるかこのフレイバー!

ついてこれるかと言われたらほとんどの人が丁重にお断りしそうなノリ満載の一冊です。

『お悔やみ申し上げます』・・・ヒップホップ系に明るい人なら分かるノリ満載です。
私は音楽はポップ、ロック、メタル、ピコピコ系、アニソン、ジャズ、民族、ヒーリング、クラシックなどなど、歌詞があるものからインストゥルメントまでとにかく音楽とつくものは何でも聞くタイプなので、もちろんヒップホップも聞く人なのですよね。そして一時期ものすごくハマってた。
ヒップホップは洋楽が主で、日本のはあんまり聞かないけど、でもこのノリ、わかるんだな。
BL極地に行っても引っかかる自分の間口の広さに驚く。
ラッキー君を見てるとDiggy-MO'さんとか思い出してしまう。
ラッキー君って、クールに決めてるっぽいけどクールじゃない!彼は可愛いんだよ!
そして攻めさんは見た目がズッキュンストライクでした。

『ウォータープルーフ』
この短編の中で一番好きでした。
やっぱ「友達から」!!これですよこれこれ。個人的に大事なツボ。
もっとお友達からBLが増えてくれると嬉しいな。
付き合った途端に態度が変わるのもリアル男子だね(笑)
しかも好き好き言うのが…攻めさんバ可愛ー!
そして受けさんはあくまで「クソが!」という姿勢を貫いてるシャイボーイw
ツボるこの二人!!この作品だけ別メーターで神です。

『アンダーグラウンド』
戦場カメラマンに恋している主人公のお話。
中々会えないし、そして会えても、二人の気持ちはすれ違うし、
そしてカメラマンはまた戦場に戻っていきます。
どうしようもない喪失感の漂う作品です。

『彼女は死んだ』
死んだ女の子の腹違いの弟が家にやって来るお話。
攻めさんはその女の子を部屋に住まわせてあげていたけど、彼はゲイなので一度も体の関係にはなったことがないのです。
そして、弟は自分を受け入れてくれそうな攻めさんにほだされて自ら関係を持とうとします。
需要と供給が一致した感じでした。

『sciences et les fantaisie 』
多分雑誌のほうでこれを読んでいる気がします。
今の絵に変わる前の絵なので相当印象が違うかも。
一番BLしてます。

『さきっちょだけでも』
どうしてこれが表題作なんだろ~(笑)
刺青を自分の体に入れようなんて全然思わないけど、芸術美として柄は好きです。
写真屋のブラシセットにタトゥー系をたくさん入れているぐらいですから、相当好きです。
そして意外に使うのよね(笑)
内容は妄想系男子ですね。実際には肉体関係には至っていないんですが、妄想の中ではそういうことになっています。
腐男子の妄想系とか結構ありますが、そういうジャンルっぽい感じです。

おぬしも好きよのー!という感じのトジツキさんの好きを詰めた作品集です。
いけるかこのフレイバー!試しに食べてみますか?

2

なんかすごいゲージュツっぽい

総じて言えるのは「ゲージュツの人って難しい」という感じ。
でもきっとDJとか彫刻家とか、特殊な才能で生きてる人にはこういう世界見えてるんだろうな・・・とは思うわけですよ。わかんないけど。
正直言って、エロ、ラブ、スイートのどれかがBLの芯だろうなって思うのですが、この本はその三つのどれにおいてもそんなに強いインパクトはない感じ。その代り違うものを押し当ててくる雰囲気です。

BLとかのファンタジー世界が苦手で、淡い思慕止まりのアーティスティックなものが欲しい、という人向けかもしれません。
個人的には「麗人」レーベルとしては上級者向けすぎな感じがします。
最後の作品の妄想内でのやりまくりな要素だけがかろうじて麗人だなーって感じで、タイトルのおやじくさいエロさはあまりないです。
評価の低さはレーベル面から予想したものとはずした、という点によるものがでかいです。耽美ではないよなーとも

1

2008年より前

ほとんどBLを描かなかったという2008年に、いったい何があって、こんなにオトコの趣味が変わっちゃったんでしょうか?

個人的には、2007年の理系男子の腐れ縁にまた火は着くのか話(les sciences~)が一番読みやすくておもしろかった。

他のお話は、ストーリー展開そのものは好きなんだけど、どうもね、
あの、ストーリート系? B系? なファッションがね、
どうしても好きになれなくってぇ、、、
ファッションがこれでさえなかったら、「神」にしたい位なんだけど、
ヒゲとか、ドレッドヘアとか、腰履きパンツの股の太いわたり巾とか、
がに股のふくらはぎとかにね、いちいち、萎える、萎える
絵がお上手な分、ファッションや体型がリアルで、私にとっては、それがそっくり裏目に出ちゃった感じ。
作品としてはほんとにおもしろいので、とーっても、残念。

2

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