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表題作唇にコルト

失業中のバツイチ元警官 平井輝之・29歳
裏稼業を持つ探偵 平沢翼

その他の収録作品

  • 唇にソルト
  • あとがき

あらすじ

探偵事務所をひらいている平沢翼は、実は裏の稼業で殺し屋をしていた。あるバーで、元刑事の平井という男と出会い…。
(出版社より)

作品情報

作品名
唇にコルト
著者
佐倉朱里 
イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
眠り姫とチョコレート
発売日
ISBN
9784344820968
3.4

(10)

(1)

萌々

(3)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
33
評価数
10
平均
3.4 / 5
神率
10%

レビュー投稿数5

とある寂しがりな殺し屋のお話

佐倉朱里さんの作品はこれまでファンタジーしか読んだことがありませんでした。ざっくりとした言い方になりますが…上手な人は現代モノも上手なんですね。物語の見せ方が非常に巧みで、プロローグで気になるエピソードをチラ見せしておいて、その後じわじわと事実が明らかになるという展開に惹き込まれました。

主人公の翼(たすく)は殺し屋です。ただし物語自体に血生臭さはなく、ナイスガイな攻×寂しがりな美人という素敵な二人が出会い、カラダとココロを通わせながら恋をするお話でした。

翼は主人公なのに読者にも明かしていない秘密が色々ある男です。飄々としていてつかみどころがない。それがまた面白かったです。輝之と一緒になって、なんとか翼の本音を知りたい気持ちで読んでいました。一方の輝之も、揺るぎない信条があって頭もいい、素敵な男性です。出会いのシーンではもっと気障な男性だと思ったのですが良い意味で裏切られました。

翼は結局、殺し屋のまま…というエンディングも私は満足でした。それは今後、輝之と過ごす中で変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。今はそれが自然なんだろうと思います。翼にはいつまでも一筋縄では行かない美猫で居てほしいなぁ。

朝南かつみさんのイラストもため息が出るほど素敵でした。別の絵師さんがイラストをご担当されているスピンオフ作品があるようなので気になりますが、如何ともし難いとはいえ…ちょっと二の足を踏んでいます。

0

サーバルキャットとシェパード?

自分的にこの佐倉さんの文章って好きなんですよ、何となくドラマチック(浪漫的劇的といういみではなく、ドラマみたいな描写とか雰囲気という意味)でちょっと大人な雰囲気が。
今回はそれが朝南氏の絵がとってもクール!!
もうっ、この方のイラストがつくだけでも中身が数割増しでアップしちゃうっていうから恐ろしい絵師さんだと思います♪♪
表紙も格好いいんですが、中扉のカラーイラスト!!
フフフ・・・カウンターのバーテンダーが相手しているのは何と!サーバルキャットと大型犬!
最初、このバーテンダーのペットかと思ったら・・・これは主人公達ww
ドキワクするじゃないですか!

「シュリンフォード事務所」なんておよそ探偵事務所らしからない名前の探偵会社をしている翼(たすく)が、男をあさりたくなった時に訪れるバーで出会った男・輝之。
翼にかすかに残る硝煙の臭いに気がついた彼はただものではない?
一夜の激しい関係を持った後、偶然宅配業者として現れた彼と再開すると、輝之はマメな日参(ストーカーとも言う?)で、翼に迫り、何となく身体の関係が続くうち、翼は輝之に惹かれていく。
しかし、翼は人を愛してはいけないのです。
そんな時、翼の裏の仕事を輝之に知られてしまい・・・

探偵に裏稼業。
ホームズに心酔する祖父が集めた家具類でお洒落な事務所、
翼自身も仕事中はメガネにスーツとストイックな雰囲気を醸し出し、オフの時と全く違う印象を与える美丈夫。
まるでドラマか映画のような、という設定に鼻白んでしまってはこの話は面白くない。
自らを狩りの上手い猫=サーバルキャットと比喩するまんま、本当に猫らしくて、しかも普通の猫、野良猫じゃなくて、高貴で気高く野性味あふれる姿で、エロについても逃した獲物は暗い尽くすくらいの激しさで、イイ感じ。
片や、輝之は最初は遊び人みたいな謎のあるイイ男かと思いきや、何だかワンコでそのギャップが笑ってしまう。
でも、そのワンコはバカワンコとかラブラドールとかそんなんじゃなくて、ドーベルマンほどの獰猛さはないけれど、鼻の効くシェパートとかライオン狩りをするアイリッシュウルフハウンドな感じの大型犬。
この猫とワンコの特徴がすごく上手いバランスで対比されていて、なのに大人な獣同士って感じがすごくイイのです!!

ただ、、ちょっと残念な部分、、、
翼には過去があり、それがトラウマとなり傷となり、彼が裏稼業をする理由にもなっているのですが、それが今一つ弱い。
またそれをすることになった経緯も?
そんな危ない仕事なのに、割とあっさりと障害を買わせてしまえる部分がライトすぎる。
また、輝之についてもバツイチなのであるが、その理由はあいまい。
そして警察内部の不正をかぶせられて辞めさせられたという過去を持っているのだが、物語上は、彼にはそんな影もみじんも見せずに、割と飄々としてワンコ部分を強調している。
ただ、やる時にはやるという獰猛さも秘めたという、設定なのであるが、ここまで優秀そうな人が何故に?みたいな違和感がどうしもぬぐえない。

大人なクールな雰囲気に流されて、? な部分をスルーしてしまえば、かなり純粋に楽しめて萌えられる作品だとは思います。
そこんとこ、難しいですね~!

4

こちらはビターチョコ

スピンオフ作品の「眠り姫とチョコレート」から読んだので、主題もテイストも私の想像と違っていて、ちょっと戸惑ってしまいました。「眠り姫」がミルクチョコなら、「唇からコルト」はビターチョコという感じ。とはいえ、シリアスなんですが、そう重い語り口でないのですんなり読めました。なお、私はイラストレーターさんが違うのは気にならなかったです。

主人公の平沢(受)が殺し屋を生業にしているうえ、平井(攻)は正義感を捨てきれない元警察官なので、惹かれ合っていても抱き合っていても、素直に恋人同士になりはしません。二人の恋愛だけでなく、平沢は殺せるのか平井に止められるのか、と結末がすごく気になりました。

無知なので調べたところコルトは拳銃らしく、唇に拳銃をあてるなんて色っぽい構図だなと思ったものです。マスターのも可愛いんですが、弾丸くわえた平沢のカラー口絵も見たかったです。挿し絵もどれも色っぽさを感じて素敵ですが、一番のお気に入りは事後に煙草吸う平沢でした。

1

スタイリッシュな大人の恋物語

先に眠り姫の方を読んで、こちらを知りget。
佐倉先生、相性がいいのか、肌になじんで とても読みやすい。
そして大好きな大型犬×寂しがり女王受け と感じたのですが
萌2に近い萌。
馴染みすぎて しゅるるん と読めちゃったから萌2に到達できず。。。自分でも無念。

受けさんは殺し屋稼業もする探偵さんという設定。
(元外人部隊というところがちょっと無理ないか?という気がしますが・・)
攻めさんは不祥事をかぶらされて辞めさせられた元警察官。
その二人がなんとか二人で生きていこうとするまでのお話。
受けさんは攻めさんに惹かれてはいるものの、攻めさんの出自を知って
絶対相容れない存在と、関係を断ち切ろうと悶えます。
結局無駄なあがきとなり(笑)最後は、ふっ切れて、手のひらの上で受けさん転がす転がす。
いやーいいわ、小悪魔、女王様。

うっかりすると ずどんと重くなりかねないネタもあるのですが
女王様と大型犬、そしてマスターなどが巧妙にガス抜きをしてくれるのか
軽妙な感じで 良かったです。

最後に 朝南先生の挿絵のお話。
すばらしい・・・・
カラー口絵は、なぜか当本のメインカプではなく(笑)、マスター。
マスターの左右にはべる サーバルキャット?とシェパードなの?
これが当本のメインカプ(爆)あ、先生のもふ 初めてみたかも。
くー、もっと見たかったっ

この本の後、お亡くなりになられたのですね。
淋しい。眠り姫、青山先生のマスターも素敵でしたが、
朝南先生のマスターでも読んでみたかったです。
先生と同じ時代を生きてる って実感したかった。。。
先生を認識したのがちょっと遅かった。悔やまれる。
ただただ 本当に素晴らしい絵を有難うございました(涙)

0

キャラ萌え、シチュエーション重視よりも雰囲気重視っぽい

2011年刊。
表稼業・探偵業、裏稼業・殺し屋の翼(たすく)と、元刑事だけあって飄々としているようで観察眼の鋭い輝之。

洒落たハードボイルド調なのかと思いきや、高尚めいた部分もチラリとあるし、肝心の翼や輝之に体臭味がないというか、ベッドシーンも盛り込まれているというのに生々しさを排除している感が見受けられ、活きの良さってのを感じない。
キャラ萌え、シチュエーション重視じゃなく雰囲気重視なのか…
どうも抽象的にしか捉えられず、話にも攻め受けにも入り込めなかった。

おかげで探偵事務所に雇ってもらう目的に加えて雇い主を口説くのに足繁く通う輝之に対して、翼のガードが固いんだか緩いんだか分からん。
決して輝之との距離を詰めないと心に決めている割には成り行き上何回かエッチしているし。
なのに終盤になって、翼が古傷を負った過去を語るくだりから一気に血の気が通ったかのような感覚にはどうしたらいいんだと頭を抱えたのだった。

あ、でも二人の行きつけのバーのマスターと料理人・関口は素敵だったな。
なんとなくこの話、脇役メインのスピンオフのほうが読みやすそうだね。

1

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