外国人ホテルオーナーとブライダルプランナーのシンデレラロマンス!

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表題作誓いのキスは君だけに

クリス・ホテル創始者の孫でホテルトウキョウCEO
里中玲・斬新なプランで評判のブライダルプランナー

その他の収録作品

  • ホテル王の幸福な休日

あらすじ

系列の有名ホテルのブライダル部に招聘された駆け出しブライダル・プランナーの玲。しかし玲を招いたホテルの創始者の御曹司・クリスは、失恋で自暴自棄になっていた夜、玲を一晩中ベッドで慰めてくれた人で…!?
(出版社より)

作品情報

作品名
誓いのキスは君だけに
著者
御堂なな子 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784044548056
3.2

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萌々

(1)

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
3
得点
16
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

出ました!!セレブ攻めのキメ台詞

密かに好きだった親友の結婚でヤケ酒で気を紛らわせていた晩に、見知らぬ男との一夜限りの情事を後悔していたウエディングプランナーの玲。
しばらくして玲は国内一のホテルのブライダル部に引き抜かれるが、彼を抜擢したCEO・クリスはその時の行きずりの一夜の相手だった。

この話はさらりと読みやすい上に、新しい職場での人間関係、親友に失恋した傷心の昇華、身分の違う上司に熱く甘く口説かれて気持ちが傾いていく様子が上手くまとまっている。

仕事面では新しい職場で先輩たちの間に壁があったり保守的な総支配人に邪険にされたりと波風が立ったりするが、ズルズルと人間関係の陰湿さを引きずる嫌な雰囲気はない。
また玲がホテル内の荘厳な大階段に魅せられて、その場所にこだわっている想いがウエディングプランのコンペ案で上手く表現されているのもクライマックスの見どころだ。

読んでいて玲の仕事ぶりにも楽しめるが、やっぱりこの話のメインはセレブでもある上司のクリスと無事結ばれるまでの過程だ。
御堂さんの小説を読むのは『いとしい背中』に次いで二冊目となるが、こちらも負けず劣らずのいい甘さ加減だった。

クリスが上司として部下の仕事ぶりを見守るスタンスを保ちながらも、好きな相手を見る目は始終甘々で愛しくて堪らない雰囲気が駄々漏れなので、仕事と恋と公私混合しそうな危うさは感じたけれど、その辺りは一線引いていて安心できた。

でもさすがに外国人セレブ攻めらしく、気持ちが揺れ動く玲に対しての台詞が甘い甘い(笑)。
セレブ攻めって台詞のキザさで読んでいる側が照れる時があるけれど、彼の「一目惚れは家系だ」って一言は、数多いセレブ攻め口説き文句の中でも際立っているに違いない!!と感じたのだった。

1

ほんと、攻の気持は受へ一直線。

若いながらも新進気鋭のウエディングプランナー里中玲はずっと片思いしていた親友の結婚式の後、失恋しヤケ酒を飲んでいた。そこへ現れたのが次期ホテル王クリストファー・ノーランド。
しかし、その時点では玲はクリスがゆくゆく自分が働くことになるホテルの創業者一族の一人とは知らず。
酔いつぶれた玲をクリスは優しく介抱してくれて…失恋した恋の相手の名前を呼びながらクリスに縋りつく玲をクリスは優しく慰めてくれたのでした。

特筆すべきは攻のクリスの言葉の甘さ。
日本人キャラならクサ過ぎる台詞も、アメリカ人であるクリスが言うと様になっている。
麻々原さんのイラストの王子様然としたクリスの容姿も手伝って、甘過ぎる台詞が全く嫌ではなく、むしろもっと甘い言葉を囁いてほしいとさえ思ってしまった。
クリスが玲に向ける感情はひたすら相手を包みこみたいという愛情で、揺れ動いてぐるぐる回っていたのは玲だけ。クリスを軸に、玲は右へ左へと行ったり来たり。
頑張り屋で仕事熱心な性格だから、そこがちょっと可哀想な所で、立ち直りかけてはいるが失恋の痛手、新しい職場で本来の自分の力が発揮できない事、突然の引き抜きでやってきた自分に対して先輩プランナー達のそっけなく冷たい態度。
そして、お約束的に登場したクリスと並んでもそん色なく美しい令嬢の存在。

クリスの玲へのアフターケアが少なすぎるのも気になるところ。
誤解を解く為にもっと行動すべき、多少の強引さも見せてほしい!なので、うんと甘やかすシーンは読んでいてとても楽しいのだけど、どうも全てにおいて押しが弱いと感じたのはクリスが強い感情をむき出しにするというシーンがなかったからかな?
その辺が少し残念でした。

クリスが玲を自分の元(セラフィナ・トウキョウ・ホテル)へ引き抜くことについて、三ヶ月もかかった理由を語っているシーンがあるのですが、この部分私としては凄く良かったです。
立場上強引にでも引っ張れるけれど、自分の気持ちの衝動でそうしていいものか?迷ったり考えたり。
勿論、玲が素晴らしいプランナーであるというのは折り紙つきだが、それにしてもやはり私情が……
強引に走らなかった部分は好感もてます。

色々と都合よく進む部分があり、最初の出会いの偶然(必然的偶然だが)は良しとしても、作中での玲とクリスの「ばたったり」偶然多すぎる!と思ってしまいました。
あとは、セラフィナ・トウキョウ・ホテルの売りとも言うべき大階段にまつわるあれこれ。
この大階段には創業一族ノーランド家のドラマや、様々な想いを抱く人たちがいて、物語の中のポイントであり、玲のブライダルプランのキーにもなっている。しかし、あまりにも玲が固執し過ぎていてことあるごとに「大階段」と持ち出すのが、少々、もういいよ分かったってば!となってしまう。
クリスにもクリスの生家一族へも繋がることだし、それだけ、思い入れがあるといえばそうなのですが。

エピローグが長く、少し間延びした感じもありました。
でも、最後の気持ちを確かめ合った後のイタすシーンは甘やかでとっても良かったです。

『ホテル王の幸福な休日』
新しいオフィスへ一番に招待するという言葉通り、クリスは玲をまだ誰も立ち入っていないオフィスへデートの休日を利用して招くのですが、これがまた甘いお話で。
今までは階は違えど同じ職場のセラフィナ・トウキョウ・ホテル内にいて、いつでも会える距離。しかしクリスが本格的なオフィスをホテルの近くに構えることになり、そう離れた距離ではないけれど、離れてしまうのが寂しいという玲の告白に、クリスは甘え下手な恋人が、甘えてくれるということにもうメロメロで。誰もいないオフィスではキス止まり、でも凄く恥じらう玲にクリスは本当に愛しいと言わんばかりの眼差しを向けるのです。
可愛い恋人のお願いはなんでも叶えちゃうし、叶えるように努力する!と言わんばかり。
甘いデートの一日がスタート!という流れで終わっていました。

1

失恋に効くのは新しい恋

今回はホテル創始者の孫でホテルトウキョウのCEOと
斬新なプランで評判のブライダルプランナーのお話です。

受様視点で攻様との出会いで得た新しい仕事と恋の顛末と
攻様視点でのラブラブ後日談を収録。

受様は
従業員20人余りの小さな会社に勤める
ブライダルプランナーです。

若い男性のプランナーは少数派ですが
教会式から人前式まで様々な式に立ち会い、
自分のプロディースで幸な姿に
やりがいを感じています。

おかげで営業成績は右肩上がりですが、
受様が最近とみに仕事に夢中なのには
二つの理由があったのです。

それは三ヶ月前の夏のある日のこと。

その日は受様は親友の結婚式。
二人の出会いの場所である海辺での式は
親友の希望で受様がプロディースしたもの。

人前式のクライマックスには
イルカのジャンプというサプライズもあり
とても良い式でたが

受様は親友にほのかな恋心を抱いていた為
ホテルの最上階で行われた二次会も抜け出て
ひとり地下のバーで自棄酒を煽っていました。

そこで出会ったのが
鮮やかなブロンドの髪と紺碧の瞳を持つ
高貴ささえも感じる男性でした。

この男性こそが今回の攻様になります♪

攻様は偶然親友の式を目にした様で
企画者が受様だと知ると流暢な日本語で
式の様子を褒めてくれました。

しかし受様はその褒め言葉で
より失恋の傷が疼き益々カクテルを煽り、
グラグラに酔っぱらった受様は
名前も知らぬ攻様に介抱されてしまいます。

そんな攻様との一夜で
失恋の傷は随分癒されたとはいえ
軽率な行動を忘れたくて
仕事に励んでいる様な受様でしたが、

ある日、
日本最高峰のクラシックホテルの
創始者の孫であるCEO自らの誘いで
そのホテルのブライダル部に
引き抜かれる事になります。

銀座の一等地に建つそのホテルに
向かった受様を待っていたのは
若きCEOである攻様その人で?!

攻様はCEOに就任する一年前まで
ホテル王の名をほしいままにする
彼の父の片腕を務めた程の実績があり

ホテルの伝統と格式を守るだけなく
新しいモノを取り入れる様としますが
古参の幹部は攻様の策を良しとされません。

そこで攻様は
受様を気鋭のプランナーとして
高く評価していてこのホテルに
新しい風を引き込む事を期待したのです。

果たして受様は
攻様の期待に応えられるのか?!

本作の攻様は
ゴーイングマイウェイな俺様では無く
お仕事ではちゃんと人の話も聞く方なのですが
受様相手のプライベートでは
なりふり構わず押せ押せでして
受様はかなり振り回されております(笑)

次期グループ代表に内定している攻様に
期待を負って引き抜かれた受様ですが

老舗の格式を重んじる古参従業員や
経験と人脈がある先輩プランナーの壁は高く
なかなか自分らしさを発揮できません。

心配した攻様に相談するうちに
一目惚れだと言う攻様に押し切られる様に
更なる関係を持ってしまうのですよ(笑)

ココまで来たらお仕事を頑張りつつ
攻様とくっつくのかと思うのですが

攻様の婚約者だと言う噂の大株主の娘が来日、
二人の結婚式のプランをプレゼンすると言う
コンペを行う事になって受様は
攻様から個人的な接触を断たれてしまいます。

このあっさりさ加減に受様との事は
遊びってかという新たな疑惑が浮かびますが
ハッピーエンドはお約束なはずなので
最後までハラハラ満載で楽しく読めました。

続編は攻様してでの後日談。
見た目な王子様な攻様ですが、
攻様は受様といるといつでも発情モード♪
代表として入る新オフィスに案内したはずが
しっかり押し倒しておりました(笑)

今回は本作同様、親友の結婚式のモヤモヤで
攻様と一夜を過ごす受様のお話で妃川螢さんの
『スペイン貴族は甘いのがお好き』をお薦め。

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