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切ないわけでも、痛いわけでも、甘いわけでもなく、淡々と進んでいく、ふわふわしたお話という印象です。
高校時代から親しくしていた2人は、時折キスを交わすが恋人ではない。海東(攻)は飛馬(受)のことが好きだが、飛馬に恋愛感情はない。しかし、海東の結婚するという言葉に、飛馬の心が揺れていき…?というお話。
序盤は特に、2人の淡々とした生活模様がひたすら綴られています。
BLらしいシーンなどは少ないので、退屈といえば退屈です。
でも、読んでいくうち、2人はこのくらいの距離がベストなのかなーと思えてきます。
文章は綺麗だし、キャラもしっかりしていて、楽しめました。
中盤になっても、飛馬がほんの少し変わる程度です。
BL色はかなり薄いのですが、やっぱりこの2人だからいいです(笑)
物語全体を通してみても、起伏が少ないです。
感情についても、関係についても、ちみっと変わるくらいの。
それでも楽しめたのは、作者さんの愛でしょうか?w
きっと、楽しんで書かれたのだろうなと感じました。
萌えは少ない。とても。飛馬の行動にのほほーんとなるくらいでした。
でも、不思議なことに、すごく引き込まれる物語でした。
神です。続編読みます。
主人公飛馬は、人付き合いが面倒で一人でいるいることが、楽だと思って家にこもって仕事をするデザイナー。
飛馬の人柄は、表題作を読むとよくわかり、本人も自分の性格を、よくわかっているように思えます。だからか、飛馬のそっけなさにイラっときたりもしました。海東に対しての態度がひどい。。。
なんで、こんな扱いなのに海東は、一緒にいようとしたり、尽くしているんだろう。。。
飛馬にとってのキスは、何てことないことなの?!海東以外は、嫌悪感あったけど。その程度?!
そんな思いで読んでいました。
それが一変。『卒業の日のはなし』『社会人になってからのはなし』を読むと、海藤目線でのお話なので、どんどん飛馬が可愛く見えてきます!!
本当の飛馬は、海東にしかわからなかったんだ!
そう思うと、2人の関係が現在の状態に至ったのがわかりました。
『ふたたび今のはなし』で、飛馬が男前にこれから先、一緒にいたいから現状の関係を変えようとして、進展した感じ。
でも、なんだか煮えきれない。下巻を読むのが楽しみです。
多くは語りますまい。
作者さんがHPで書きためていった元高校同級生の二人のはなし。
何でもない日常がただ淡々と。
でも、そこには互いが特別たる何かが絶対的に存在していて、それが普通となっている。
それが為に、前進しない姿に読者はヤキモキしてしまうのだろうが
このヤキモキ具合が妙に心地よいものになっているのです。
キスは嫌じゃない。
唇をふれあうだけのそれは、まるで挨拶かそれの存在を確認するためだけのものだったりもする。
毎日会わないと不安になるわけじゃない。
随分会わない時もあれば、時間を見つけて顔をみるだけの短時間でも来てくれる存在。
ひきこもりのような外へ出ない生活に、いつも「今度はここへ行きたいね」という決して果たされない外出の約束。
でも、それは決して不快を覚えるものではなく、その約束が嬉しい。
相手が自分を好きだと言うことは知っている、でもその相手が自分とどうこうしたいと言わないから、それでいいと言っているのだから今のままでいいじゃないか。
そんな時に聞かされた突然の結婚話(しかも直接本人ではなく友人から)
お前は俺が好きだったんじゃないのか?
そこからが、互いの関係を見直す第一歩。
海東はあくまでも優しく、飛馬を見つめられるだけで側にいるだけで、その存在をうけいれてくれるだけでいい、という姿勢。
しかもそれは高校時代からもう10年近くも。
飛馬は、その海東に甘えるように一見彼を傷つけているんじゃないか?と思えるような、煮え切らないズルズルな姿勢。
しかし、その影には激しい独占欲もあったりする。
初めて果たされた遠出の約束に、恋人になると言ってそのキスを受け入れた飛馬。
しかし・・・
彼等の優しすぎる姿に、イライラしたら負けです。
朝丘さんのここ最近のお話は、その主人公達を受け入れられてナンボの話が多いような気がします。
これをじれったくて嫌、と思うか、
だからこそ、素敵と思うか。
読者を選びながら、彼等の話は「ふたりのはなし」へ続きます。
自分は、この二人にすっかり引き込まれました。
ただの友人から恋人になる、というだけの話ではありませんでした。
ただのゆっくりのんびりゆるやかに恋をするというお話ではありませんでした。
海東も飛馬もちょっと変わっています。
でも彼等は等身大として、その考え方も態度も自分には大アリなのです。
静かで、すこし揺れてまた静かになって、まるで鼓動の様な雰囲気です。
表紙の、温かみのある雰囲気と透明感がみごとに作風にあっています。
職業ややりとり、好きな食べ物やカラオケでの歌のチョイスなど、とても親近感が湧く要素がちりばめられています。どこかにこういう人いるかも、と思うかもしれません。
淡々としていつつも二人の心情を丁寧に描き、すこしずつ二人の気持ちが寄り添っていくのを描き出す作者さんの文章はとても優しくて私は好きです。飛馬の「必要な沈黙」のくだりはとても共感しました。この作家さんの感性がとても素敵です。
キスをいやだと思わないからと受け入れてしまうという設定は少々突飛ですが、主人公は天然さんのようなのでそこまで違和感も無く。
全体を通して、この空気感が好きな人にはたまらないであろう作品でした。
二人の心理描写が丁寧で、焦れ焦ゆったり展開。
読書時間をゆったり取れる時に向く作品。
挿絵が、ゆったりした内容とマッチしていて綺麗。
でも残念ながら、人物の見分けがつきにくい。
●二人は同級生。
飛馬玲二:エディトリアルデザイナー。
美少女フィギュア収集趣味。口元にホクロ、小柄な美形。
継母や父、兄と上手く付き合えない、孤独好き。
海東は、傍に居ても苦にならない人。時々仕事をよこすので助かっている。
海東を失いかけて、気持ちに気付く。
海東響:カメラマン お人好しのゲイ。
飛馬が大好きで、触れたりキスしたり頑張っている、でも飛馬は無反応。