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広まっても困るけど何でこんな認知度が無いのか不思議なくらい好きな作品。
受難の日々はコミカルに描かれてますがその他作品はどこか鬱々としていて艶っぽく、最近のbl漫画じゃあまり見ないような雰囲気を感じました。
旧版に、作者さんいわく”お蔵出し作品”の『埋葬』と『受難の日々』、そして従兄弟との禁断愛のシリーズに描き下ろしと、3本が追加された新装版です。
作者さんが7月の都条例改正の件もありこの作品の新装版の発行はダメかもしれないと危惧されていましたが、無事発行になってよかったと思いました。
先日、オークラから発行された池玲文さんの作品もそうでしたが、条例によってどのように規制が入ってくるのか、本当に不安になります。
今回新装版に当たって、手直しは入ったようですが、旧版を引っ張り出してこれなかったのでうろ覚えの記憶との比較ですが、、、多分、、、局部の描写が修正かかっているのかもと思われます。
レビューは旧版で行っているので、既存作品については割愛します。
ただ、言えることは一見SMのような印象を受けるけどSMではないということ。
前作レビューの言葉をそのまま掲載すると「この本が痛くて切ないのは、それは単にSMという行為だからではなく、二人の気持ちがボタンを掛け違った状態で進むからです。
たった一言、そこに愛のこもった言葉があれば、それは甘美な世界になるはずなのに。
そういう意味で、不器用で身勝手で理不尽が存在する世界が描かれています。」
『埋葬』は作者さんが初めて男の合体シーンを描いたと解説されています。
言われてみると初々しさが!
友達かな?が愛犬の埋葬の晩に結ばれるお話
『受難の日々』「絶対隷奴」という雑誌に掲載されていた作品ですね、なのでエロ全面出し。
思わずクスっと笑ってしまう結末です。
帯『「正さん 僕のことが好きなの?」「そんなの関係ないだろ」』
帯の推薦文を京山あつきさんが書いているのですがそれが実にこの作品の神髄を表しています。
「弱くて犯され続ける でも読んで頭に浮かぶ字は悲でもなく酷でもなく、闘なんです 京山あつき」
す……素晴らしい!やはりプロの推薦文は違うなあ……こんな推薦文読んじゃったらもうレビューとか恥ずかしくて書けないじゃん!とか思いつつレビューをば。
新装版です、書き下ろしは作品紹介1Pとあとがきで旧版単行本未収録作品も入ってます。
短編集で、強引に犯される話が多いのですが印象的なのは少年達の瞳です。
巻頭の「さくら色のあと」の連作での少年は瞳孔が書いてない瞳は一見うつろにさえ見えるのですが、それでもしっかり意志を秘めている。
カナ子さんの描く痛さと、けれどそれだけではない少年達の話。
絵柄は今より古いですが、それでもカナ子さんのマンガは本質的な部分では今と共通していえる箇所が相見えます。
旧版を入手しそこねた方、まだ読まれてない方でカナ子さん好きの方は是非。
茶鬼さんのレビューを見て、そういえば条例のことがあったと思い出し、
規制がかかったら本当にBL業界はどうなるのでしょうかと考え、
発行されているうちに買っておこうと急いで買い求めたあにかです^^;
明治さんもあとがきにてなかなか現在の社会事情から描けない内容のものが多いと仰っていましたし
光彩書房から発行された『甘い針』を再編集し、新たに幻の短編『埋葬』、『受難の日々』。そして描き下ろしを収録した新装版です。
旧版の出版が1999年なので、やはり絵はすこし古い・・・かな?
ですが、何より表情が良かった。
明るい話ではないし
ストーリー重視というよりはエロ重視であったでしょう。
でも、惹かれるその目に・・・
それがよく表れているのが従兄弟同士3部作2話目の『さかなの目』。
1年の間の孝也の心境の変化がその目で語っていた。
だからこそ次の『浮躁』のエンドが良かった
正を見つめるその瞳が生きた人間のものだった
痛いシーン、通じ合っていないシーンが多い作品集で
読む人によってSMであろうというピアッシング、緊縛や鞭
それに加え強姦まがいな無理やりなど、たしかに今の社会事情からこれを出版するのはためらわれるだろうなというのはわかった。
でも、根本的なところで、この作品には愛があると私は思う。
作品の中にはたしかに息の詰まるエンドがあったりしたが、
愛なしでは得ないだろう。
そういう意味でも、今回手にとれて良かった!!
規制がかかった時点でこういう類いの作品が手に入らなくなるのだろうかと思うと身悶えますね・・・
「さくら色のあと」「さかなの目」「浮躁」「夏の風景」(従兄弟同士3部作+番外編)
お互いに好きなのに、始まり方を間違えてしまったためにすれ違ってしまう、というお話。番外編が入ったことで、修正され始めた二人の関係が見えてほっとします。
「綾人」
執着おっさん攻めです。脅して~、とかピアシングとかSM要素はありますけど、たった一度会っただけの綾人をずっと忘れずにいたあたり(しかも綾人は忘れている)、このおっさん結構本気の粘着ですね。綾人もなんだかんだほだされてるし。脅しから身体をつないでじりじりと落していく、というところにSMぽさを一番感じます。(調教?)
「志乃」
同じおっさんでも、愛のないおっさんです。だから、身体だけでなく心も痛いです。すれ違ったまま、枯れていってしまうお話。志乃の後姿が哀しい。
「春のまえ」
突然留学した兄の友達に借りたままのものを取りに来てほしいと家に呼ばれて行ってみると・・・、なお話。この弟、少しブラコンぽくて、三村家の息子シリーズの雰囲気に似ています。兄の友達、という人がねじれていて、やっぱりこの人から兄は逃げたんじゃなかろうか、と思ってしまいます。弟君にはぜひ気を強く持って、逃げ切ってほしい!
「蜜月記」
カメラマンとモデルの子の切ないお話。絵柄がだいぶ古いです。さらっとした小品。
「埋葬」
亡くなったペットを埋葬した日に結ばれるお話。死んだあとは火葬よりも土の養分になれる土葬がいいという千葉と暗い土の中で虫食まれていく土葬は嫌だという佐野。カタチなんてどうでもいいという千葉をきれいだと思う佐野。そのまま二人は結ばれます。最後の佐野のモノローグがいい感じでした。
「受難の日々」
これだけコメディです。お口直しにちょうどいい。
掲載誌の関係もあるのか、全体的にH多めで、すれ違いものなので少し鬱な感じです。
出てくる少年たちはたいていひどい環境にいますが、それに耐えさせるのはいったい何なのか。無垢で純粋で耐えることしか知らない少年の愚かさと、かつて自分もそうであった痛みとで男たちは自らを罰しているのかもしれません。そういうところにSMの構造を見てしまいました。本当にMなのはどっちなんだろう?
SMの精神性の部分がよく描かれていると思います。