心と体に甘く響く純度100%ラブ!

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作スイーツキングダムの王様

杏藤憧一郎
25歳,有名洋菓子メーカーの息子で専務
矢野珠希
17歳,バイト三昧の高校3年生

その他の収録作品

  • スイーツキングダムの生活
  • あとがき

あらすじ

母譲りの美貌で男女問わず手玉に取ってきた珠希(たまき)は、バイト先のコンビニでちょっと親切にしただけの浮世離れしたサラリーマン・杏藤(あんどう)に告白される。
もちろん断る気でいたが、彼が大企業の御曹司(おんぞうし)だと知り付き合いを始めることに。
だが純粋過ぎる杏藤に、珠希もいつもの調子が出ない。
汚れきった自分を優しいと言い、大切なもののように扱ってくれる杏藤。そんな彼に珠希の心も……?
(出版社より)

作品情報

作品名
スイーツキングダムの王様
著者
砂原糖子 
イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403522734
3.4

(57)

(10)

萌々

(19)

(18)

中立

(6)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
16
得点
186
評価数
57
平均
3.4 / 5
神率
17.5%

レビュー投稿数16

砂原節炸裂です。

やはり砂原作品は心に屈折や痛みを抱えてる人を描くと途端に輝きを増します。シリアスになり過ぎずにコメディーな箇所も散りばめられてあり緩急が効いてバランスが良いです。宇宙人的思考の御曹司(攻)×美少年の馬鹿校の高校生(受)の二人共が育った家庭環境に問題があるが故に一筋縄ではいきません。よくあるシンデレラストーリー身分違い萌えでないのがこの物語に奥行きを見せています。だからこそもどかしいけど、出会うべくして出逢ったという特別感があってとてもキュンときました。ディズニーを出すのは著作権やら難しいのかも知れませんが、架空の夢の遊園地は楽しそうでした。

3

ネタバレしてます

面白かったです。出先で読んだのですが、途中なんだかかなしくなってうっかり泣きそうになりました。
主人公は母親の仕事の関係上いろいろあって性格がねじれていて、序盤はそれでちょっと嫌な感じの子だなぁと思ったのですが、斜め上を行く思考回路をしているくせにときどきひどくまっとうで正しいことを口にする杏藤さんに、放任を主義としているわけではなく殆どネグレクトじみた仕打ちを受けてきた珠希君にとってそれは、そういうふうにだめなことはだめだとちゃんと言ってくれたりたいせつにしてくれたりといったことが悪い意味ではなく衝撃で、どんどん絆されていくのを見ているうちに、そして彼のさびしさを知るうちに、気の毒になってきて遣る瀬なくなりました。
年上と付き合うときは小遣いを貰うくらいどうということもなかったのに、杏藤さん相手にはせびることができない。それは相手の誠実さを前に、そんなことをしてはいけないのだということを、本当はよくよく理解していたからなのだと思いました。
自分の派手だった恋愛面の過去を明かしたことで杏藤さんと気まずくなってしまい、別れを切り出した珠希君は、つらいのを隠して励ますようなことまで口にして、いい子だなぁと思うと同時、かなしくてならなくなりました。そうして杏藤さんに誰にも言えずにいたことを話した、その素直な気持ちの吐露に、外出先であるからぐっと堪えましたが目の前が滲みそうになりました。
珠希君は杏藤さんと出会えて本当によかったと思います。真面目で温厚、ルックスも申し分ないけどときどき言動が突飛な杏藤さんに、この先ずっとだいじにされて、仲良くしあわせに過ごして欲しいなぁと思いながら読み終えました。
ちょっと笑ってしまったり、せつなくなったりハラハラしたり、そういうのがぎゅっと詰まってて一気に読めてしまうと思います。珠希君は誘い受とか襲い受にあたるのかも知れませんが、私はそれが苦手なのですが問題なく読めました。砂原さんがおすきな方なら楽しく読めるのではないかと思われます。

1

王道………のはず。

大企業の御曹司 × 美少年高校生

というBLの王道ど真ん中の設定なのに、ぜんぜん王道に見えないのは何故でしょう; やはりキャラクターwのせいなのでしょうか。

攻めの杏藤は御曹司ですが、超箱入り(これには事情があったのですが)のため言動が宇宙人です。
受けの珠希は高校生でも、経験豊富(これにも事情が…)。スレた子でした。

……完全に立場逆転です。
御曹司×美少年なら、オレ様な攻めを、受けの純粋な心が落とすとか……大抵は、純粋とか純情なのは受けな気がします。

しかし、本書では立場逆転。超純粋で天然なのは杏藤の方です。告白するためにパンについてくるシール集めちゃうくらい純情な奴です。
この時点で、うっかりカワイイとか思ってしまった私はダメですね……。
後は完全に珠希に感情輸入して泣いてしまいました。
珠希も一見スレた感じですが、コンビニのバイトは真面目にやっているし、グズグズの母親を見捨てられなかったりと、本当はいい奴です。

二宮悦巳先生の絵も素敵でした!!! 特に、カラーと、一枚目の美少年珠希とぽ~っとする杏藤の絵が大好きです。大好きな先生方の作品が一気に読めて、かなりお得でした〃

この話、続編とか出ないんでしょうか? 王道であれば、この後「同棲」とか「入籍」いう展開になってもおかしくないですが……。宇宙一鈍い杏藤のことです。一筋縄ではいかなそうです(^^;ゞ

本当に面白かったです。

0

お互い初恋だったんだ!

題名からして甘そうv
でも砂原さんだからどっか痛いんだよ、、と用心しながら読み始めると。。
何とヤンチャで蓮っ葉をふるまう高校生と、宇宙人のような天然社会人。
え、コメディなの?
でもね~、大体高校生の設定も宇宙人みたいな性格っていう設定も一つ裏返せば痛い性格ってことだよね。
等と思いながらもグイグイ引き込まれる面白さ!
むしろ、それぞれの言動のすれ違い、気持ちの取り違えが胸に痛くて、切なくて、何だー!これ、キュンキュンするじゃないか!
よくありそうな王道的(?)設定なのに、さすが!ツボ(性格からエチまで)は押さえられていて、こうきたか!な展開にとても満足なのです。

バイト先にやってきた、まるで初めて日本にやってきたような誰もが知っているコンビニのシステムを全く知らない男・杏藤にセオリー通りに対応しただけなのに、ものすごく感謝&感動されて好かれてしまった高校生・珠希。
家庭の事情もあり、歪んだ遊び人のような風を装っている珠希は、杏藤が金持ちなのを知り、最初は金づると思い付き合いをOKするのだが、段々と彼の事が特別になり始めて今までの付き合った男女のような態度はとれなくなります。
好きだからセックスしたいと思う珠希と、すきだから大事にしたいと思う杏藤の気持ちはすれ違い・・・

今まで出会ったどの人とも違う杏藤に、珠希は大人の汚い面ばかり見て生きてきてしまった為に、すごく新鮮だったんじゃないかな?
彼の色々なまるで深窓の御坊ちゃまみたいな面を馬鹿にしていたのに、初めて彼の家に行ってゲームを思い切り子供みたいに二人で愉しんだことから、その時、彼の事情を知った事により、彼が一段階珠希にとって身近になったんですね。
歳の近い友達みたいな感覚でいたのに、ある時、理屈をこねる大人のような発言をする杏藤に珠希は失望してしまったり。
それは、珠希の抱える事情と過去を杏藤が知らないから仕方ないことですよね。
だから二人が、それぞれを知り、理解しあうことで、近づいたり離れたりしながら、結果距離を縮めていく姿は、すごくまっとうに感じるのです。
杏藤、世間知らずなのに、何故か会社ではしっかり仕事して、社会適応できているのにビックリです!
きっと人と交わらずに育ったということなので、人の気持ちや裏を読んだりという、そういう機微に疎いというのはあるかもしれません。
そこが彼の宇宙人たる最たる部分なのかもしれませんね。
二人で行く遊園地のシーンが最も気持ちが寄り添う部分。
しかし、そこで驚愕の!?
そこでもまた訪れるすれ違い、、、何か悲しかった。
珠希、わかってるんだけど、杏藤が純粋であるだけに、世を知らないだけに彼が一人で勝手に深く傷付いてしまう様、知らず知らずのうちに傷つけてしまう杏藤が、せつなかったです。
ラストのまとまるシーンについては、ちょっと都合よかったかな?とも思うのですが、そのくらいの強引な持って行き方がなければ杏藤は積極的になれないし、珠希もさらけ出すことができなかったんですよね。
もう!初めてのエチなのに、濃厚でしたww

『スイーツキングダムの生活』においても、再び二人はすれ違います。
しかし、杏藤の天然ぶりに思わず苦笑。
でも年相応の珠希の姿が何だか可愛らしくて、愛おしかったのです。
母親と何故か和解してしまうのには、母親がまるで今まで長年暮らしてきた生活と性格を、相手が変わっただけでこんなにも変わるもんか?というのがどうにもガテンがいかないのではありますが・・・
それでも、杏藤の摩訶不思議な「家族」理論に笑わせてもらいましたw

何だろう、それぞれに複雑なモノを持っているのに、すごくあったかくて、優しくて、居心地の良いお話でした。
余り痛いと構えたのも少し空振り?
安心して読めます。

2

んー

微妙でした。
前半は面白かったんですが、後半がなァ…。
攻めのエキセントリックさ、最初は面白かったんですが、後半になるほど笑いも萌えもなくなっていったというのが大きいです。
とくに後半は、ひたすら不自然さを感じてしまいました。

攻めの仕事であり、タイトルにもなってるせっかくのスイーツが、ストーリー上でいまいち生きてないのも気になりました。
コンセプトの上では「甘い食べ物がもたらす魔法のシアワセ感」みたいなものを演出したかったんだろうなと思うんです。セオリーですし。でもなんか、とってつけたようなスイーツ絡みのエピソードだなと。

とってつけたような感じがしたのはそこだけじゃなく、母親とのエピソードでも同じことを思いました。母親絡みのエピソードはひたすらナンダカナァだったんですけどね。
甘いというかぬるいというかリアリティがないというか。
いっそ母親を出しゃばらせないで欲しかったです。
そもそも親子そろって最初からヤサグレ感がないのが気になってたんですよね。つまり、「取って付けたようなヤサグレ感」に「取って付けたような和解への道」だと感じたんです。

あとエッチシーン。
せっかく「年下受けは経験豊富だけど年上攻めは童貞」という設定なのに、エッチシーンにその設定が生かされてないと思いました。
攻めは最初からテクニシャンでフェラも上手いし、受けはメロメロにされるし。
ここはせっかくこの設定なんだし、逆に受けが導くパターンを読みたかったなと思いました。
続編でも受けは攻めを待ってるだけだし。相手が経験値一回きりの男だと解ってるんだから、受けの側から仕掛ければいいのになと。

2

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP