家業柄、不良少年たちに囲まれて育った郁己。反発からずっと優等生でやってきたが、元不良少年の大信から突然「好き」と告げられ…?

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表題作空を抱きしめる

宇野大信/鳶職人/23才
阿万崎郁己/ゼネコン勤務/26才

その他の収録作品

  • 夜も抱きしめて
  • あとがき

あらすじ

鳶・土木業の傍ら非行少年の更生を引き受ける阿万崎家。その長男・郁己は周りへの反発から、ゼネコン勤務の今に至るまで優等生を続けている。だが、少年たちの中にあって不思議と荒んでいない大信とは気が合った。勉強熱心で勘も良く、若くして鳶の職長になった大信は眩しく、安らげる存在―そんな相手から「好きだ」と告げられた郁己は…。

(出版社より)

作品情報

作品名
空を抱きしめる
著者
李丘那岐 
イラスト
ヨネダコウ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
空を抱きしめる
発売日
ISBN
9784344823525
3.7

(45)

(7)

萌々

(21)

(16)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
167
評価数
45
平均
3.7 / 5
神率
15.6%

レビュー投稿数10

イラストで魅力倍増!!!

中堅ゼネコン勤務の郁己(26)の実家・阿万崎工業は
祖父の代から鳶職を続けており
更に少年院上がりや保護観察など
訳ありの少年たちの更生を引き受けています。
彼らを見て育った郁己は
悪い素行を親がいない所為にする彼らを嫌い、勉学に励みました。
少年院まで行った大信は、郁己より3歳年下ですが
人一倍強い正義感で仲間を守るために傷害事件を起こしてしまいました。
それでも明るくて郁己に懐き、
いつしか現場の職長を務めるほどに。
高所恐怖症の為父の跡を継げなかった郁己は
そんな大信を羨望しつつ
弟のように、友人のように思っていましたが…。

郁己が、頼られると断れない性格なので
そこにうまくつけこんでいく大信が確信犯でしたww
でも決して嫌な気持ちにはならないんです。
そうやって大信に甘えられて、
こうして一緒にいつまで過ごせるだろうと
寂しくなるあたり、
後に独占欲ともなってくるので。

クセのある当て馬・田上という男が登場しました。
郁己が15歳の頃、田上が18歳の時に
阿万崎工業で1年程下働きをしたそうです。
郁己が志望していた有名進学校に通っていたようで
勉強を教えてもらい色んな話をするうちに
どんどん田上へ憧れていったのに
ある日「お坊ちゃんは甘いんだよ」と
理不尽な怒りをぶつけられてしまいます。
行為は未遂で終わりますが
慕っていた男に裏切られ酷く傷ついた郁己が気の毒でなりませんでした…。

その傷を癒してくれるような大信は、
いつでも前向きで一生懸命で逞しくて
とても眩しい存在なのです!

大信とのドライブ時に偶然田上と再会してしまい
更には自社ビルを建てるというクライアントが
副社長の田上だなんて…まさに踏んだり蹴ったり…。

何かにつけて郁己を煽って怒らせて楽しむ田上は
性格悪いなーとも思うんですが
ヨネダさんのイラスト効果か、どうにも憎めなかったです。
自分にはない郁己の純粋さが羨ましかったんだろうなと。
クライアントだから二人が会うのは仕方ないんですが
大信がいちいち嫉妬するシーンも楽しかったです。
油断してたら郁己が田上に食べられそうなくらい
色っぽかったんですよ!ww
意地悪だけど不思議な魅力のある男でした。

大信の妹分の女の子のトラブルに巻き込まれ
二人それぞれの方法で解決しますが
組に知り合いのいる郁己が意外過ぎてびっくりしました!
人の弱みは握っておけって事でしょうか…?(違うけど)

長年の片想いと情熱に絆された感のある郁己ですが
これからずっと逞しくて優しい腕に包まれるなんて
羨ましい限りです!!!
大信、たまに年下っぽさが可愛らしくて
素敵な年下ワンコ攻めでした♪

2

郁巳がかっこよすぎかな

ほんとに男前なんですよ、郁巳が。

鳶の家に生まれながら高所恐怖症で、家業を継ぐのを諦めてゼネコン勤めをしている郁巳。
郁巳の両親は、郁巳が子どもの頃からずっと、保護観察の少年を預かっては、仕事を教えながら更生させる事を続けています。
そんな少年の中で、特に郁巳に懐いて、今では若いながらも現場を取り仕切るまでになっている大信。
この大信が、ワンコのように郁巳一筋。
で、ひたすらに郁巳を慕う大信に、郁巳が、どうトラウマや葛藤を乗り越えて受け入れるかっていうのが、郁巳の仕事と絡めて進むお話です。

とにかく、この郁巳が、悩みながらも前向きで、普通に格好いい。
トラウマの元凶になった田上との関係も、ちゃんとお仕事はお仕事として全うしているし。
なんか、普通に格好いい成長物語で、大信とのエチシーンはあっても、ヨネダさんの挿絵以外はエロく感じない。
それがいいことなのかどうかはさておき、最終的な読後感は、実に爽やかでした。

で、これ、田上の話とか、あのヤクザさんの話とか、そっちの展開が気になるので、スピンオフが出るといいな。

1

忠犬番犬ッスね(´∀`)

まったくもって、素晴らしい番犬年下攻め様でしたね(*^^*)

受け様はゼネコンに勤める郁己。
実家の工務店では、非行少年の更生先として受け入れてきた。
攻め様は、そんな受け入れた元非行少年の大信。
今では立派な鳶として現場を任される日々。

そんなガテン系の大信が、郁己さん郁己さん、と笑顔で駆け寄ってきて、見えない尻尾を振り続け。
一方で郁己を傷付ける相手には牙を剥く。
まさに、忠犬&番犬、プラス年下攻め様。
甘えとお願いを上手に使い、我慢もするけど、必死でいいわぁ(≧▽≦)

で、ツン多めに見えた郁己どけど、いやいや、チョロいやん。
郁己の照れ屋さんなのや素直じゃないのが分かってしまえば、デレが見える。
なんだ、可愛い人じゃないの。

郁己のトラウマとも言える田上との再会。
この田上、本当に面倒臭い。
その昔、本当は郁己に惚れていたんじゃ…。
それを自分からぶっ壊しておいて、こいつ( ¯꒳¯ )

やっと腹を括った郁己の告白ぶりが、なんだからしいなぁ。
高所恐怖症だから無謀ではあるけど、だからこそ、だし、飛んできた大信も、その後の余裕のない本音にもにまにま( *´艸`)

イラストはヨネダコウ先生。
男臭くて素敵。
また田上がめっちゃ胡散臭くて、らしい!
2人のえちシーン。
郁己の背中は色っぽいし、大信の筋肉はガテン系だしで目の保養でした(*^^*)

0

大型ワンコ参上!

鳶職人で不良少年の更生に携わる父を持つ受け様と
不良少年上がりで鳶職人の恋を描いたお話です。

受け様は父親のような鳶職人になりたかったのですが
高所恐怖症でどんなに憧れても父のようにはなれなかった。
攻め様は受け様の家で鳶として修業し今では一人前の職人。
攻め様は昔から受け様が大好きで懐く姿は大型ワンコそのもの!
受け様も弟のように可愛がっているのですが
頭脳明晰なわりに鈍いので攻め様の気持ちが伝わりません。

しかし昔受け様の家でしばらく暮らしていた男が現れた事で
攻め様が暴走気味になってしまいます。
不良上がりでキレると誰にも止められない攻め様。
それを唯一止めることが出来るのが受け様です。
ほんとにお馬鹿でワンコな攻め様は一途な思いを受け様に
伝えますが、一言で玉砕。
でも諦めることは絶対に出来ないと・・・・

受け様は過去の出来事の為に同性との恋愛には戸惑いが・・・
しかし、攻め様を突き放すことも出来なくて。

クールな見た目だけど優しい猛獣使いとおバカワンコ型猛獣の
純情一途な恋愛はかなり体力が必要みたい(笑)
こんな大型ワンコが傍にいたら良いかも!なんて思うお話。

4

さっぱりしていて気持ちがいい

ヨネダコウさんのイラストがよかった!!
そして、一番やられたのが、作中の足場の上の姫だっこイラスト~♪
萌え萌えしますぅ!!キュンキュンしますぅ!!
イラストだけでも一見の価値あり☆
・・・で内容の方も表紙がちょっと暗めなんですけど、鳶の世界とゼネコンと、ちょっとヤンチャでしっぽブンブンな大型ワンコと、ツンデレだけど男前とか、潔い感じで後味がすっきり。
むしろ、自分には爽やかな青空のイメージではあります。

主人公・郁巳の家は建設土木業。
面倒見のよい両親は、少年院出や保護観察のついた少年達を預かって更生をさせるために住み込みで働いてもらっているということもしています。
そんな環境で育った郁巳は反面教師のように優等生できましたが、決して彼等を蔑んだり、見下したりしてるわけではないです。
そんな彼にまるで犬のように懐いてるのが、少年院出の大信。
彼は特殊な建築物の足場を組むのが得意です。
彼は決して不良だったというわけではなくて、情に厚くて真剣なあまりキれると暴力をふるってしまうと言う、誰かの為に暴力をふるってしまって院に入ってしまったと言う、キれなければいい奴なんです。
常に郁巳につきまとって好意はだだ洩れ、あげく「好き」とまで言うのですが、郁巳は突っぱねてしまう。
そんな時にクライアントとして郁巳の前に現れた、過去郁巳の家にお世話になっていた田上という男。
彼は郁巳の信頼を裏切ってトラウマを植え付けた男なので、苦手なのですが、何かとちょっかいをかけてくる。
クライアントであるがゆえに、ムゲにも出来ず、大信の嫉妬を呼び、
そして、大信の元に相談があると女性が来てから大信が夜外出するようになったのに、郁巳はヤキモキして・・・

最初から最後まで大信の大型ワンコぶりが冴えてました!
もう言うことない程の懐きぶり、そしてそれがガテンの鳶の作業着をきてるんですよ!!
これだけでノックアウトさせられました♪
そして、郁巳。確かにツンデレですw
年上というのもありますが、大信の扱いが上手い!
彼がトラウマを抱えるという部分を持っているものの、男性に対する恐怖というよりは、信頼に対する裏切りへのトラウマというほうが大きい感じで、でもそれをずっと引きずってどこか暗いとかそういうわけではなくて、結構消化できていて、田上へのちょっと苦手感でおさまっている点が、彼がうじうじしてなくて男前だな、って思う部分でした。
何より、大信が友人女子のトラブルを抱えた時に、実家の人脈を使うシーンに彼のしたたかさと豪胆さを見て、彼が好きになりました(!?)
そして、田上ですが、最初郁巳に嫌がらせして喜んでいるんですけど、本当にそれはお遊びで、結構イイ奴だったんですよ。
彼も何か片想いを抱えているような・・・それは仕事のパートナーの社長?
田上も魅力的なキャラだったので、もっと彼の事が知りたいな~と思ってしまった。

全体を通しても後味爽やかで、よかった♪

4

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