日本最大級のハイブリッド書店
続編の「週末迷図」(私はwebで無料で読みました)まで含めたレビューになりますが、泣けました!この続編のラスト号泣です!
エロ一切ありませんがそんなの関係ないってくらい大満足です。読み返してまた泣くという。
最初は受けがいい具合に「イラっとくるムカつく後輩」で、それがどんどん可愛くなっていく描写がひたすらに萌えます。
そして攻めがスパダリで癒されます。でも余裕ブッこいてるテンプレスパダリ、っていうんじゃなくて、等身大スパダリとでも言いましょうか、リアルにいそうで(いますようにw)そこにキュンときます
そして心理描写が丁寧で、出てくる言葉がいちいちかっこいい
「そんなバクチ打つ?」←やだかっこいい…
作者が「大人向けとして描いた」と書かれているように、心情をじっくり丁寧に描いた素晴らしい作品だと思います。
仕事の上司と部下・年齢差13歳で配属先で知り合ってまだ二週間という関係です。最初は上司の柳澤視点で描かれていて、部下として配属された新卒四年目・いわゆる今時の若者の結城にいまいち好感が持てず、ちょっと意地悪してしまう…というもの。
キャラクターがとてもよく作られていて、結城を見ていても「こういう若者いる」って思ってしまうし、柳澤が結城を嫌う理由も、「別に悪い子じゃないのに好きになれない」って言うのがリアルに共感できます。
互いが互いを牽制している。それが、結城が借金をしていることを知ってしまってから、少しずつ関係が変わっていきます。
途中から結城視点に切り替わり、表面はイイコな部下全面な結城が柳澤を鬱陶しいって思っていたり借金のことがバレて悶々したり、その心理描写もリアルで見事です。
どっちにも感情移入できて、柳沢が次第に結城を「可愛くてたまらない」って思うようになるのも、結城が柳澤に軽蔑されたくないって思い始めるのも共感できてせつなくてたまらなくなります。
本当にもしリアルにこんなことがあったらどうするんだろうとざまざま見せ付けられた気分です。会社内恋愛で、上司と部下で、13歳歳の差で、男同士。普通なら蓋をしたくなるんじゃないでしょうか。こんなバクチ打つ?って言う柳澤の台詞も、あいつが女だったら、って台詞も現実味を帯びていて深いです。
結果的に2人は話合い、そういう関係にはならないままラストを迎えますが、安易なベッドシーンなどで終わるよりずっと心に残りました。
ただ残念なのが、作者が続きを描くつもりでいらっしゃること。どうせなら商業誌で最後まで描くか、一応これで終わりという結末にしておいて欲しかったです。若干もやもや感が残ります。
この作品はなんど読み返したことか。。。
何度読んでも最後にないちゃうんですよね(笑)
続きが出てないことが不思議でしょうがない。
派手さはないです。
下手すると特筆できるプロットがあるわけでもあまりないです。
訳アリ後輩とやさしい先輩の話。
ほんとそれだけなんですけど、心理描写がとても切なくて。
派手ではない、下手したら本当にありそうな話。
だからこそ好きだなって思いました。
もう無理だろうなとは思っていても、やっぱり続きがみたいです(笑)
随分前に読んでとても引き込まれたのを覚えています。再読してみて、改めて柳澤と結城の繊細で自然な心情描写に非常に魅せられました。一ノ瀬先生の美麗な絵は現実離れしているのだけど、2人の性格や会話、仕事の描写なんかはすごく私達の日常に馴染み深いんですよね。犬猿の仲の2人となると、漫画らしい演出で分かりやすくいがみ合うような導入が多いかと思いますが、この2人の出す嫌悪感には共感できる点が多々あって。丁寧なのに微妙に上から目線にも聞こえる無意識な言葉遣いが鼻についたり、深く考えずにぼそっと言われた言葉が自分の矜持を踏み躙ったり。育ち、価値観の違う人間の噛み合わなさで、気付けば相手を嫌いになっていることってありますよね。
ただ、偶然にも柳澤が結城の境遇を知ってしまうことで、2人の関係性は方向を変えます。柳澤が勝手に、お坊ちゃん育ちで八方美人な世間知らずだと思っていた結城は、実はとても苦労人で生き辛さを抱えている人間。そんな一面を知り、今まででしゃばりだと感じていた言動が、違った見え方をしてきて。でも、結城は相変わらず強かさや狡さを見せることもある。可愛いけれど、憎たらしい。この相反する2つの感情が両立してしまう、それが恋の面白いところですね。結城も、柳澤の言葉に幾度か傷付けられるけれど、それは自分の深読みが過ぎたのだと知る。お互いの印象がめくるめくように変わっていく描写が素敵でした。一ノ瀬先生の作品を初めて読む方にも、BL初心者の方にもオススメしたい作品です。単行本化されていない続編も本編を凌ぐほどの余韻を残してくれました。
号泣しました(T ^ T)
この本を読んだ方はUruさんのプロローグの歌詞を検索して、曲も聴いてみてください。
上記の曲は当然この漫画とは全くの無関係ではありますが、今聴くとこの歌詞は恐ろしい程に結城の心情と重なりすぎて鳥肌が立ちました。
実際、本編ではキスして今度家に(告白しに)行く約束をして終了しますし、続編同人でも改めて柳澤が泣きじゃくる結城に告白する形で終わります。当然セックスはしないし、正式にカップル成立したかすらも分からない。そんな二人の恋はまさにプロローグ(序章)でしたね。
百聞は一見にしかず、作者のpixivで全話見る事も出来ますが、U-NEXTなど有料配信されている媒体で購入する価値は充分にあります。
一つ引っ掛かるとすれば、柳澤の母親の言葉で親の人生と子供の人生は別という事を認識したにも関わらず、そこから出した結論が引き受けた以上は自分の問題だと言うのは正直ズコーッてなりましたw
ただ、これは先生の後書きの文中でも補足してありますので、悪魔で「正しい結論」ではなく「結城の結論」であるという事なんでしょうね。勿論、この先結城の考えが変わらないとは限らないし柳澤と一緒に過ごす事でよりよい答えが見つかるかも知れません。
それと続編同人である週末迷図も絶対にセットで読んでください。初期のやな奴ムーヴは何処に行ったのか、未来が不安で仕方ない結城の心に寄り添う柳澤は性格も顔も何もかもが急激にイケメン化してて少し笑えましたw