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表題作駆け引きはバーにて

片想いの相手で経営者 設楽佑司
バーテンダー 水嶋暁人

その他の収録作品

  • 駆け引きはベッドにて
  • あとがき

あらすじ

バーテンダーの水嶋暁人の店に高校時代の片想いの相手、設楽佑司が訪れる。当時から大人びた雰囲気だった彼は、さらに洗練され独特の色気を漂わせていた。今まで忘れていたのに、自分に引き抜きをかけるため度々店に現れる設楽に再び惹かれていく。だが彼の瞳は未だ元恋人へと注がれていることにも気付いてしまう。気持ちを断ち切ろうと、断られることを見越して引き抜きの条件に「俺と寝てもいいなら」と持ちかけたのだが……。

作品情報

作品名
駆け引きはバーにて
著者
義月粧子 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778112721
3.4

(31)

(6)

萌々

(11)

(8)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
102
評価数
31
平均
3.4 / 5
神率
19.4%

レビュー投稿数8

今ひとつ。。

丁々発止のカプ作品が好きな作家さんです。健気受けが得意と言われるようですが、これは私には苦手キャラでして、こちらはまさにその健気受け登場作品なのでした。

しかし、まず誤字脱字の類いが多いですね。1文に二箇所助詞が抜けているような文もありました。あとは一文ごとに改行というのも読みづらい。

それから、概ね受け視点で書かれているのですが、ところどころ三人称になったりと、視点が移り変わるのも読みにくい原因でした。

そして極めつけですが、攻めにまったく魅力がなかったです。
高校時代、同級生にメロメロだった攻め、設楽に片想いしていた水嶋。大人になって再会し、仕事がらみで接するようになるけれど、設楽は別れても当時の恋人が好きで、でも相手はすでに今彼がいるので、適当に遊んでいる。水嶋に誘われれば体の関係は持つ。
というような攻めでした。まあ、ただ恋愛に不真面目なだけならまだしも、水嶋を大事にするシーンがほぼなく、ひどいことを言うばかりで、人を見る目がないしまるで子供。
最後までネタばらしをしないためなのかもしれませんが、とても好きには慣れない攻めでした。

水嶋が一流のバーテンダーで、仕事には誇りを持っているし、美人でモテモテ、という設定なのでまだ救われますが、それにしてもほぼラストまでカタルシスがないというのはなかなか読むのがつらいですね。

というわけで、申し訳ないんですがこの評価になってしまいました。


1

バーテンダーの恋

サマミヤ先生の挿絵目当てで購入していたのを久しぶりに発掘。昔はすごく好きでしたが、今読み返すとなんて傲慢な勝手な男なんだ!とちょっとプンプンモードなので、すいません、中立より萌です。昔はめっちゃ好きだったんだけどなあ。好みは変わるということか。

看板一つ出していないバーで働く水嶋。その店に同じ高校で一学年下だった鳴瀬と設楽が訪れるようになります。高校の時から設楽に好意を抱いていたのですが、設楽は鳴瀬といい雰囲気。忘れようと思っていても、バーを出したいという設楽は水嶋に新しく出すその店で働かないかとスカウトをしてきて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
鳴瀬(高校時代の設楽の恋人)、今井(設楽の共同経営者)、工藤(水嶋の高校の同級生)、仁志田(水嶋の店で働く)、関口(鳴瀬の今の恋人)等々。結構さらっと色んな方が登場するので、?となることがありました・・

**むっとした箇所

設楽がなあ・・・・鳴瀬に思いを残しているのもあって、水嶋に対しては「ふん、付き合ってやる」的態度に見えるんです。それがどうにもこうにも気に食わない。てめーなんぼのもんじゃと思ってやがる!
水嶋のぐるぐるも、色々気持ちが入り組んでいて、ややこしいというかめんどくさいというか。
人間、そんな簡単じゃないんで、まあこんなもんかと思うようにするのですが、攻め受けとも今一つシンクロしきれなかったです。かばって刺されちゃうところなんか健気一直線で大好きだったんだけどなあ。私がスレてしまったのかもしれない。

挿絵のサマミヤ先生の絵ですが、この年代の絵は線が今より少し少なく眼もやや大きめに感じます。こっちの方がちょっと好きかな。先生方の絵を並べて比較してみるのもまた楽しいかったです・・またどっかから古い本引っ張りだしてこよう。

1

ここにもいた!人魚姫

同じ作者様の人魚姫救済劇第2弾、だそうです。
第一弾『傷痕に囚われて』とは全く関係ないお話ですが、人魚姫萌えのある作者好みの展開は私も大変好みで同好の士であることを再確認した作品でした。

高校の頃の片思いの相手には、可愛い恋人がいて他所には目がいかないくらいラブラブ。
その上あろうことか図書室でのエッチ現場まで目撃してしまうんですから最低です。
数年後に思いがけず再会します。

攻めが高校の時に付き合い別れた今でも未練タラタラな元カレは頭の悪い恋に恋する乙女のまま成長しないおばか加減に呆れます。
そんな男が大好きで放って置けないと何年も尻を追っかけてる攻めの浅はかさが見えるような気がして、そんな男のどこがいいのさと言ってあげたくなりました。

しかし攻めは、経営している会社が潰れそうになった時に助けてくれたことも知らず、追い詰められた自分の元カレを守ってもらった時も自分勝手な思いから邪険に扱うような考えの浅い男です。

男を見る目のない水島ですが、影でどんなに奉仕しようとも体を張って設楽が守りたいものを守ったとしても振り向いてもらえずとも見返りを求めない無償の愛の切なさに萌えました。

ん〜いいな、人魚姫。。。
報われない一方的な与える愛からの愛される幸せに至る萌えを今作品でも堪能させていただきました。

3

淡々と、でも思いは深く

「大人の片思い」といった雰囲気が漂うしっとりしたストーリー展開でした。

高校時代、1つ後輩に片思いをしていた受け。
でも彼にはラブラブな彼氏がいて…。

10数年経って、再会。
攻めは高校時代の元カレに今も未練がある様子。
その恋する横顔は決して自分に振り向くことはないと知っている。
最初から成就しないと諦めている恋。

受けはそれでも、少し近づけるなら、彼の助けになるなら、と。

しかし、攻めはその想いに気付かない。
それどころか勘違いして受けを詰る!!
受けを「信用できない人間」と位置づけ、元カレを守ろうとし…。

作者さんのあとがきを引用させていただくと、これは『人魚姫萌え』だそう。
言い得て妙な萌え表現になるほどなぁと思いました。


さて。人魚姫こと受けさん。
献身的な姿が逆に残念だなという印象が強かったです。
バーテンとして店に立ち、店を守る姿が毅然としてカッコいいと思ったのに、
攻めに誘われたらアッサリと店を他の子に任せて、攻めの店へ移動…。

そこはもう少し強気でいて欲しかったし、
攻めの言うことに逆らえない惚れた弱みがなんだかなぁ…とモヤモヤ。
献身的なのが悪いわけではないけれど、プライドは保って欲しかったな。

あと、プライベート時の口調に違和感がありました。
キャラに合ってない気がする…。

攻めは義月作品お馴染みの【誤解で受けを詰る】最低な攻め。
受けのどこを見りゃそんな誤解をするんでしょうね?
結局上っ面しか見てないんじゃん!ヽ(#`Д´)ノ怒

でも他の作品に比べたらクズ度は低かったように思います。
攻め視点の話が入ってたおかげかな?

1つ後輩なんですが、最初からタメ口で「あんた」呼ばわりだし、年下感はゼロでした。
偉そうな年下攻めも良いんだけどー良いんだけどー…同じ学校の先輩後輩ならチラッとでも年下っぽさ欲しかったなぁと。チト残念。


すごく良かったなと感じたのは、
攻めから誤解をされ詰られても、取り乱すことなく淡々としてる受けの姿。

最初から成就しないと諦めている恋。
ああ、終わりがきたんだな、と静かに受け入れて。
攻めの前で崩れることなく毅然とし。
その姿が、カッコよく寂しげで、ジワっときました(;ω;)

あと、攻め視点のお話も良かった!
些細な誤解もすぐに解いて謝って。
仲良く想い合ってるのが読めて、ハッピーエンドにニヤニヤしました。
長年の片思いが報われて良かったです(﹡´◡`﹡ )

4

健気にも程がある

元彼が忘れられない経営者×健気なバーテンダーの話です。
表題作と続編の2本が収録されています。

「駆け引きはバーにて」
水嶋(受け)の目線で進んでいきます。
水嶋は高校時代の片思い相手の後輩・設楽(攻め)に請われてバーテンダーとして店を手伝うことになります。相手の弱味につけこむ形でセフレになるも、設楽が別れた恋人・鳴瀬を高校時代からずっと好きでいると思い知らされる日々に疲れます。好きだと告げてもふざけるなと一蹴される始末で…。

「駆け引きはベッドにて」
設楽の目線です。表題作を設楽目線で振り返った後、後日談として軽い嫉妬と甘いエッチ、それに鳴瀬が工藤を好きになるというおまけつきでした。

水嶋がとにかく健気です。設楽に内緒で今井の窮地を救ったり、鳴瀬のために負傷するなど、涙の出そうな健気っぷりです。好きだと告げても信じてもらえない場面では胸が痛かったです。

一方、「ベッドにて」の設楽の目線で振り返ると更に顕著なのですが、設楽は子供っぽい一面があります。独占欲はともかく、水嶋への暴言は辞めるとはいえ仕事相手に対する社会人の態度ではありません。

そこが、できた人間ばかりじゃない登場人物に、物語として厚みを出してはいますが、水嶋ほどの男が惚れる相手としてはちょっと物足りなくも感じました。独占欲だけでなく、水嶋だけに甘えてキツくあたってしまうとか、もう一押し欲しかったです。

水嶋を健気と好意的に取れるか、設楽を工藤や笹本という男前より水嶋に相応しい魅力的な男だと感じられるか、恋敵ともいえる鳴瀬を可愛く思えるかが、作品を楽しめるかどうかだと思います。

4

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