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表題作諸行無常というけれど

高校の同級生で外務省職員 一之瀬 33歳
パンダ航空国際化欧米係長 朽木七会 33歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

平和な日本から、内乱勃発中の戦地へ海外出張!? 不運体質の朽木(くちき)は、旅行会社のトラブル処理係。今回押し付けられた厄介な任務は邦人救出!! そのパートナーは、外務省のエリート外交官・一之瀬(いちのせ)──なんと高校時代の同級生だった。経験豊富で頼れるけれど、不遜で傲慢で…こいつと運命を共にするなんて冗談じゃない! 危険な異国で犬猿の仲の男と二人きり──吊り橋効果から恋は生まれる!? 

(出版社より)

作品情報

作品名
諸行無常というけれど
著者
谷崎泉 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
諸行無常というけれど
発売日
ISBN
9784199006760
3.5

(20)

(6)

萌々

(3)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
68
評価数
20
平均
3.5 / 5
神率
30%

レビュー投稿数5

波瀾に満ち満ちた受け様の日々

旅行会社のトラブル処理係の受け様と外務省勤務の攻め様との何の因果でこんなことに
ってしまったのかと言うような淡々としていながらも何処かコミカルでシュールな作品
著者の既刊の「ナアレフの恋人」シリーズに通ずる流れと雰囲気があるお話でした。

受け様は大手の旅行会社の出世間違いナシと思われていたバリバリの営業マンだったのに
有る事が理由で、次第に運気に見放されたようになり、今では左遷先と言われる部署の
係長で、トラブル続きで忙しい日々を過ごしている。
そんな日々の中で学生時代の同窓会があり、行きたくないけれど、友人に渡すものが
逢った為に、数時間遅れで同窓会に合流し、そこで高校3年間同じクラスだった攻め様と
再開するが、受け様は一切記憶が無い、それは受け様の学校がいわゆる名門金持ち学校で
受け様は庶民ながら勉強が出来たので奨学金で通っていたような学生、でも攻め様は
根っからのセレブで、高校時代も一つも接点が無かったのに、会場で声を掛けられ
半分無理やりのように付き合わされ、目覚めた時に、淫らな動画を撮られていて、それを
ネタに、学生時代の友人の一人の居所を探し出せと脅される事になるのです。

そんな個人的なトラブルに過去の友人の事で巻き込まれ、更に会社でも受け様が担当する
地区のツアー先が、内乱勃発で旅行者が帰国できない事態になってしまう。
そして、最悪は続いていて、外務省の担当者が自分を脅している攻め様だったのです。

このお話を読んでいて思うのは、本当に受け様には何も罪も落ち度もないのに哀れだと
思えるのに、どこかコミカルでついつい読み込んでしまうのです。
二人の過去も明らかになって行くのですが、受け様の付いてない様子が笑えます。
そして今後も受け様の災難は続いていくようなラストなのです。
それでも、きっと文句を言いながらも攻め様に押し切られる感じで付き合うように
なるんだろうなって思えるお話でした。

3

キス魔から始まるストックホルム♪

最初読み始めたときに、この作品は「夜明けはまだか」みたいな感じのちょっと遅々とした展開の作品になるのかな?という予感がしました。
しかし、
こちらは1冊でまとまっております。
主人公達に隠された謎と、巻き込まれた出来事によりどんどんと面白くなっていく♪
最初、コメディなのかな?と思ったらそんな雰囲気も含めつつそうでもない。
かといってシリアス一辺倒でもない。
単に主人公のちょっとやる気のないようなかといって無責任でもないような、ユニークな性格設定にこの作品のカラーが付けられているからかもしれません。
「恋愛」を期待してしまうと薄いかもしれませんが、やはり谷崎さんだな~と思わせる(好きなのですみませんw)これからの始まりを思わせるエンドに、「萌え」というより、面白い!と思った作品です。

作者さんの過去作品にパンダ航空を舞台にしたお話がありましたが、今回はパンダ航空の子会社の旅行会社が主人公の勤め先です。
ただパンダつながりというだけで独立しているので、単独で全く問題ありませんよ♪

主人公・朽木が訪れた同窓会で全然声も交わしたこともなければ、その顔や存在さえも忘れていた一ノ瀬から声をかけられる。
お開き後、呑みに誘われ、ある癖があるため酒を公の席で飲むのを控えていた朽木だが、つい口当たりのよいシャンパンを飲んでしまい、
そこでどうやら見せたらしい悪癖を盾に、一ノ瀬から脅されることになる。
一ノ瀬は、高校時代に朽木と仲のよかった東という男を探しているようなのでした。
彼は東と朽木がデキていると思い込んでいたようです。
そんなあるとき、中央ヨーロッパの国で内戦が起き、現地に残されたツアー客の出国を手配せねばならず、その担当部署に勤務する一ノ瀬と、チャーター機で現地に飛ぶことになります。
しかし、勝手な行動をとったツアー客の為に朽木は現地に取り残されることに。
帰国を諦めなければならなくなった朽木の元に一ノ瀬がやってくるのでした。

誤解と思い込みから始まるこの関係。
朽木の酒による悪癖も影響してどうも一ノ瀬の興味は引いたようです。
一番のキーポイントは、一ノ瀬がゲイであることw
そして、危機的状況を二人で乗り越えるという、ストックホルム症候群を二人が実践することなのですが、二人ともそれをわかってらっしゃるwww
それぞれに、本来は職場で優秀だったはずだったのに、現在の左遷とも言える位置にいるその理由も、二人を結びつける重要な要因。
関係もだから勢いの面が大きく、二人はこれからという感じです。

どうも見るからに、一ノ瀬が朽木に惚れたような♪
朽木の危機的状況でもよく寝られるとか、パニックに陥らないという、そんな楽天的とも違うあっけらかんとした性格が、妙に気に入りましたw

ごく普通の恋愛展開を求めると外れてしまいますが、この作家さんの持ち味である恋愛物語が主軸にならない恋愛物語、も独特で好きなのであります。

2

流されているんだか

ポジティブすぎているんだか、

アルコールで前後不覚になっちゃう主人公が、高校の同期会で、在学中にはほとんど接点がなかったクラスメイトに陥れられるお話。
酔って記憶がないのをいいことに、脅されて、押しつけられた、理不尽な要求は、卒業式後一度も会っていない高校時代の友人の居場所探し。
何故そんなことを自分に要求されるのかわからないまま、主人公は律儀に捜索をしていくのですが、、、

この後、仕事絡みで内乱の地で二人困難に巻き込まれるのですが、こっちの、お仕事絡みのストーリー展開は、なかなかハラハラドキドキで、とってもおもしろい。
でも、同窓会での二人の出会いとその後の展開が、どうも納得できない。
主人公同様、訳わからないまま巻き込まれて、その訳は追々明らかにされるとはいえ、この手の傲慢男が何より嫌いな私としては、朽木の柔軟なポジティブさにいっぱいプラスつけても、萌一つが限界かな。

そもそも一之瀬が、朽木と東が出来ていると思いこんでいた大前提が、Charaのフェア小冊子読んでなければ理解できないんだもの。

1

それなりに面白いが、作者への期待値未満。

谷崎作品は好んで読んではいるものの、
これはできの悪い「しあわせにできる」みたいで
残念ながらいまひとつだった。

傲岸不遜な金持ちの御曹司で外交官の一之瀬と、
綺麗で有能ながら、何とも運に恵まれない朽木。
高校の同級生だった彼らが同窓会で再会したのだが……

一巻は恋愛って感じはない。
強姦で始まってとりあえず体はつなぎ、
心も繋がる予感……みたいなところまで。

一之瀬は外交官、朽木は旅行会社勤務ということで
海外での紛争に巻き込まれるなど話は面白いが、設定が些か独りよがりだし
うーん、恋愛になる以前で終わっているし……。
キーになりそうなやはり同級生の東は
結局はっきりその存在が出てこないまま終わり……、
そのあたりは二巻で回収されると期待しよう。

セレブが出てきて世界を股にかけて的な設定の割に
どこか所帯染みているというか、生活感があるところが
谷崎作品のおもしろいところだが、これもまたそんな感じ。

パンダ航空は、調べてみたら「恋泥棒を捜せ」という作品があるらしいが、
全くそちらの人物たちは出てきていないようです。

あまりLOVEを期待せずに、おもしろいラノベくらいの気分で読むならば
それなりに◎。
ただし、強姦(?)というか最初の二人の始まりは好みが分かれるところか。

1

吊り橋効果?がいなめない

リーマンものかと思ったら、主人公に様々な試練がおそいかかる波乱万丈なお話でした。ラブストーリーと言える部分は期待していたよりかなり少なく、普通のお話として読むにはそれなりに面白いと思います。
でも恋愛物としてどうか、と言うと、私はう~んと思ってしまう箇所がいくつかあります。

旅行会社に務める朽木は、過去に色々あって今の「トラブル対策の部署」に左遷させられたという、冒頭から苦労が見えるキャラクター。
同窓会で全然覚えの無い同級生・一之瀬から脅され、東という同級生の行方を探すよう強要されます。

BLとしての要素は薄いと思います。途中というか、ほとんど終盤までそういう雰囲気にはならず、BLでなくても成り立ちそうな展開に一体どこまで読めばいいのか?とただ静観するしかなくて、それが私には結構じれったく感じてしまいました。

後半、一之瀬と朽木は仕事で内戦の勃発している国に行くことになり、そこで空港が閉鎖されて帰れなくなり、陸路で日本へ帰るルートを探します。
そしてそのあたりからやっと恋愛のようなものが芽生えますが、既にお話はかなり後半のほう。
しかもハードな道中での出来事なので、ちょっと突貫工事的というか、いきおいに乗って深い関係になった、という吊り橋効果的な印象を受けました。

急にくっついた!と感じたというか…朽木はゲイではないし、一之瀬のことを冒頭からあまり快く思っていません。
一之瀬はゲイですが、けっこう性格が悪く、同級生の間でもそれは知られていて、はっきり言って朽木が一之瀬のどこを好きになったのか?という感じでした。脅されていたのに…というのが一番疑問に思った要素だと思います。

肝心の東捜しですが、朽木は今も東との接点を一つだけ持っていますが、それがお話で特に役に立つかというとそうでもないというか、肝心の東の事って結局それほど重要でもなかったのが拍子抜けでした。

私はてっきりこの東という人物がなにか恋愛要素にからんでくるのかと思っていたのですが・・・。
ただ、こちらは続きがあるようなので、そっちとセットで読んだらもっと違う感想を抱くのでしょうか。

朽木の「過去」についても、明かされるのがかなり終盤の方な割にはそこまで引き伸ばすような内容でなかったように感じます。
何にせよ期待していた「恋愛もの」としてはちょっと物足りなかったなぁという感じでした。

1

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