俺が、あんたを抱くはずだったのに……っ

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表題作愛を囁くピアニスト

桜若恭一,ピアニスト,作曲家
北川亮太,花屋

あらすじ

配達先で、麗しい王子のような桜若に一目惚れした生花店の北川。「町のお花屋さん」である、自分のフラワーアレンジメントを気に入ってくれたのも嬉しかった。仕事を依頼されて桜若が人気ピアニストだと知るが、北川にとって彼は可愛い魔性の男でしかない。煽ってはぐらかす桜若に翻弄され、気持ちは高まるばかりだった。そして晴れて両思いに! ところが、桜若はバリタチで……!?

(編集部より)
魔性の美中年に魅了され、抱く気満々な北川くんですが――いいように転がされ、可愛がられてます♪

(出版社より)

(出版社より)

作品情報

作品名
愛を囁くピアニスト
著者
花川戸菖蒲 
イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625330
3.4

(13)

(2)

萌々

(4)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
43
評価数
13
平均
3.4 / 5
神率
15.4%

レビュー投稿数4

花のオーラに感応しちゃう特異体質の運命のお相手

世界的に有名なピアニスト兼作曲家で王子様のようなキラキラオーラを振りまき
更に老若男女問わず妖しい小悪魔的微笑で惑わす攻め様と個人経営の町の小さな
お花屋さんの受け様との運命的な官能ラブなのです。

受け様の特異体質が大きく前面に出るような展開ではないのでファンタジーでは
ないのですが、受け様が中学生の時に初めて見た名も知らぬ花に触れただけで
下半身が反応しちゃうような現象になり、更にはお花相手に自慰までしちゃう、
ある意味変態チックなお花に感応しちゃう受け様が、配達で出向いたコンサート会場で
一目を惹きつける美貌の王子様みたいな攻め様と出会うのです。
その攻め様に見惚れ、手が触れ合っただけで、過去に1度だけ欲情を掻き立てられた
お花と同じような状態になり、まるで名前も知らないあの花に再会したように感じる。
受け様は攻め様を花の妖精ではないかと本気で思ってしまう程なんです。

攻め様は清楚で白い花が良く似合う王子様みたいな人なんですが、初対面の時から
何やら受け様に蠱惑的な微笑みでアプローチしてきたりしてたじろぐ受け様。
受け様の印象は変わった人だと言う事なのですが、次第に仕事で逢うようになると
そのおかしな言動や天然的に誘惑しているような雰囲気に受け様は次第にハマっていく。
そして攻め様を口説き落し抱いて見たいなんて思うようになるんです。

攻め様の雰囲気は年上で蠱惑的なのに可愛らしい雰囲気でとてもバリタチには
見えない感じなんですよね。
受け様も自分が抱かれる側になるなんて考えてもいなかったのですが流され騙される
ように抱かれてしまう事になります。
とにかく浮世離れしてる言動が多くてその為に受け様は一人色々と振り回される事に
なるのですよ。
そして二人の出会いが偶然ではなかったのかも、なんて思わせてくれる
花にまつわるエピソードがあったりして面白いです。

そして気になるキャラが攻め様の友人未満?のポチと呼ばれる御仁ですね。
攻め様が本命で好きみたいなのですが、攻め様にはポチと呼ばれかわされてる。
最後は受け様に触った罪で野良犬にまで格下げされるのですがなかなか美味しいキャラ
彼にも幸せが見つかるといいなぁ、なんてお気の毒なのに笑えるのです。

4

ピアニスト×花屋の息子

コンサートにアレンジメントフラワーを届けて知り合うピアニストの桜若と花屋の息子・北川の2人ですが、攻めである桜若の言動がかなり変わっていて掴みどころがないキャラでした。
このお話、この一風変わった桜若が攻めとして受け入れられるかどうかで好みが別れそうな気もします。

冒頭でいきなり花を届けにきた北川を口説いてきますが、ホントにいきなりです。
この唐突感にちょっと驚きつつ…北川が花の匂いに感情を左右される体質だというのが面白かったです。
イライラしたり楽しくなったり、ただ、せっかく面白いその設定をもっと活かしたらいいのになーと惜しくも感じました。

北川は昔、嗅ぐと発情してしまう不思議な花を一度見たきり、ずっと探しているのですが、桜若からはその同じ匂いがして、傍にいると発情してしまいます。
そして桜若が気になっているうちにベッドイン…というような内容でした。

手を出してきたのは桜若の方が先ですが、はっきり付き合いたいと思っているのは北川のほうかも。
何せ桜若は考えていることがわかりにくいです。
王子様のようでおっとりしてるのに手が早く、しかも遊び人の疑いもある。それで北川はかなり振り回され、不安になり…。

面白いのは、2人が受けにも攻めにもなりそうなキャラだなーと思うこと。
北川は力仕事のため体格もよく、男らしく、付き合うことになった時には桜若を抱く気満々でいます。
一方の桜若は色っぽくてどこか女性的というか、なよっとしているわけではないのですが、北川が「抱きたい」と思わせる雰囲気で、でも北川はあっさり組み敷かれてしまいます。

ベッドシーンでの桜若ははかなり攻めぽかったです。
えろシーンは多くないのにとてもえろい…と感じてしまうのはの抱き方が丁寧で言葉の選び方にもドキドキするからだと思います。
桜若は相手を愉しませることをモットーにしていて、抱きたいから抱くのでなく、愉しませるために抱くというのがよかったです。
相手が気持ちよくなってるのを見るのが好きで、後ろで気持ち良くなれない相手なら自分が抱かれてもいいし、お互い快感をわけあうのがだからどっちが上か下かの垣根はないよ、という考え方。
だからか、北川がすっごく気持ち良さそう。

不思議な匂いの花と桜若のつながりもちゃんと謎(?)がとけるし、脇キャラも面白く楽しめる作品でした。
でもシリアスになりきれず、内容もそこまで凝っているという感じではありません。
ライトなお話をさらっと楽しみたい人におすすめです。

3

抱くはずだったとか

「かわいい魔性の男がバリタチだった」とか
何とも心惹かれまくりのあらすじだったのですが、
このことは、別に話の軸では無かったように思います。
どっちかというと、魔性で天然?すぎる性格に
振り回されるストーリと言った方がよさそうです。

花屋の北川は、ピアニスト桜若にフラワーアレンジの力を
気に入られ、仕事を依頼されるようになります。
そして、お互い惹かれあって・・・

というものでした。
変わってるな~と思ったのは、
北川が花のオーラを感じる質だというところ。

胡蝶蘭に触れると恐くなったり、違う花だと楽しくなったり。
そんな質の北川は、昔一度だけ、花に欲情してしまったことがあります。
その花は、珍しいものなのか、一度見た以降、
見ることはありませんでした。
でも、桜若に初めてあった際、その花を見たときと同じ感覚にとらわれたんです。
読み手としては、
何でだろう?と興味を惹かれ最後まで一気に読んでしまいました。

何とも、浮世離れした攻だったので、
花をからめた展開で、それも合っていて良かったです。

2

花に感応する

主人公は、花屋さん。
家族で営んでいる自営業の跡を継ぐ北川亮太。

あるピアニストのコンサートに、ファンがオーダーした祝い花を届けに行った亮太は、貴公子か王子かという魅力を振りまく男性と出会う。
その男性こそが、ピアニスト本人の桜若(サワ)。
亮太が作ったブーケやアレンジメントが気に入ったサワは…
…と始まります。

美しい花に感じる官能を、サワに感じてしまった亮太。
有名なピアニストという肩書きを知らない亮太に癒される桜若。
結局は「一目惚れ」同士の2人です。

亮太はノンケだったので、自分が「抱かれる」側だとは一瞬も思っていないという葛藤は少々ありましたが。
何より、桜若から与えられる快感/絶頂にすっかりやられております。
のほほんと天然な桜若。
でも、亮太の方は。
「住む世界が違う」。
自分を低く見る卑屈さがどうしても出てきてしまう。
会社勤めをしている友人の愚痴を黙って聞くことしか出来なかった。自分も彼らとはまた違う重荷を背負っているのに。
誰にも本音も弱音も吐けなかった…そんな心を、超セレブな桜若は黙って聞いて吐き出させてくれた…

結局は、肩書きや職業や、その規模や名声など。何も関係ない、ただ魂が引き合うから…という恋をする2人が描かれています。
その描写は甘くてエロくて。
これからも2人は恋仲でしょう。あとは亮太がご両親にどう説明するか?かな。

読後感も良く、おすすめ作品です。

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