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タイトル通り、「三カ月に一度」をキーにした複数カプのオムニバスです。
それぞれの登場人物はリンクしていません。
どの物語も短いながらじんわり心に残り、全ての続きが読みたくて仕方ないです。
エロは控えめですが、物語の内容に引き込まれてますので物足りなく感じることはありませんでした。
頁を追うごとにテーマがやや重くなってきますが、どすんとし過ぎて読んでて辛いしんどい…となってしまわないところが、青山先生の爽やかな作風であり、表現力の素晴らしさなのだと感じました。
「3ヶ月」をテーマにした短編集でした。
それぞれサブタイトルのようなものがあって、それにそってストーリーが展開しています。
5つのお話が収録されていましたが、個人的には「実」が好きでした。
自分の恋愛対象に揺れる仁科の心はきっと自分がゲイであることに気付いているのに、それを認める勇気がなくて鈴原の好意も素直に受け取れなくて…
ゲイだと認めるのはこわい、でも鈴原に惹かれる自分をとめられない。
日常に紛れていそうなお話だったなと思いました。
「3ヶ月に一度」がキーワードになっているオムニバス。
どれも「もうちょっと読みたい…」という気持ちにさせられます。
【みつきにいちどー占ー】
明日の寝食さえ不安になるほど客が来ない占い師と、ひやかし客風のリーマン。
「あのとき助けていただいた鶴です」的な展開。
このやりとり、もう少し見てみたいなあと思わせるテンポの良さが楽しい。
この2人だけで十分1冊ストーリーが作れるけど、あえての短編なんですよね…。
【みつきにいちどー実ー】
一瞬、1話目のリーマン!?と思ってしまうほど見た目がそっくり。
髪型もスーツもネクタイも一緒なので、「白井が3ヶ月に一度、誰かに恋をしていく話なの?」と身構えましたが、別人でした。ご安心ください。
3ヶ月に一度、システムのメンテに行くリーマンの仁科と、客の鈴原。
普通であることにしがみつくリーマンが、やりたいと思ったことへ飛び込む勇気と行動力のある相手に出会って…という話で、こちらは一応すっきり終わっています。
萌えるか萌えないかはあなた次第です。わたしは、うーむ…。
【みつきにいちどー恋ー】
この話、良かったですよ。
父親ではなさそうなリーマンと3ヶ月に一度、ファーストフード店で会っている同級生が気になる風紀委員。
「父親みたいなもの」と言いつつ、その表情は父親に向けるものではなくて…。
風紀委員の気持ちが透けて見えるし、同級生の気持ちも分かるだけに、後半で明かされる真実が切ない。それを知った風紀委員の願いも切ない。
【みつきにいちどー銭ー】
ナオが大学一回生のとき、三回生だった登に一目惚れされて絆されて以来の腐れ縁。
今は三ヶ月に一度、登がお金を借りに来るのが唯一のつながりになっていて…。
途中まで良かった。
ツンデレ嫌いがツンデレに寛容になれるという珍しい現象が起こってました。
ただ相手が悪かった。
変人を愛せるのは一途だからで、浮気性の変人に魅力を感じるのはダメンズ好きじゃないと難しいんじゃないかと思った次第です。
【みつきにいちどー骨ー】+描き下ろし
幼馴染みの男女2人に途中から加わった友人。
男2人に女1人というアンバランスな3人の関係は、気持ちのベクトルがひとりだけ宙ぶらりんでも、3人だから楽しくて、3人だからうまく行っていたのだが…。
ページをめくるごとに、自分の腕や背中にぞわぞわと鳥肌が立つのを感じました。
設定的には読んだことがあっても、心理描写や3人目の動き方で全く違う話になるんだな。
他の人には理解できなくても、自分たちが良ければ良いんだけど、結局1人は2人の人生に振り回されただけじゃないのかなと思って、2人がすごく勝手な人間に見えるけれど、1人もそれを望むなら、それ以上の幸せはないのかなと考えたり。
考えさせられます。
考え方は人それぞれだから答えはないんだけど、読み終わってからもしばらく考え込んでしまいました。
最終話で「3ヶ月」にこだわった理由が明らかになります。
ここで全身鳥肌でした。
こういうプロットの妙ってたまりませんね。
ストーリー重視派の方も満足できる作品だと思います。ぜひ。
「三ヶ月」をキーワードにした短編集。
どれもハッピーエンドではあるのだけれど、
そこはかとなくどこかに「哀」が漂う。
それでもやっぱり、どのカップルにも幸あれと願わずにはいられない。
それぞれ単品で見ると、なるほどね…と読み流してしまいそうな感じもしますが、
一つのキーワードに括られるだけで、
すごくまとまりのある一冊に仕上がっています。
最後に「骨」を持って来たのが印象深い。
ストーリーテラーな青山さんらしいお話だなと。
総じてどれも、テーマは重めですが、
さらりと読めてしまう。
それが「よかったねv」と読めるか
「物足りない!」と読めるかによって評価が大きく変わるかと。
私は前者だったので、「萌×2」の評価で!
5カップル5作品の短編集です。
「みつきにいちど(三月に一度)」がキーワードとなっていますが、実際に「三ヶ月」がポイントであるのは、表紙イラストにもなっている最後の「-骨-」だけです。
人間の体は皮膚なら一ヶ月、骨ならみつきで入れ替わる。…変わらないのは死んだ小夜子の骨だけだ、それが言いたかったがための作品集だったのではと思いました。
他の、「占」「実」「恋」「銭」は、いずれも「三ヶ月ごとに会う」といっただけで、特に「みつき」である必要があるとは思えませんでした。
その分、テーマ的には薄味に感じますが、どのカップルも可愛らしく、この先も彼らの幸せを願わずにはいられませんでした。
ただ、「骨」では、主人公の片思い相手は、主人公の幼馴染(小夜子)と結婚しています。私は、主人公・片思い相手・小夜子の愛情と友情の三人関係が大好きなのですが、苦手な方はご注意ください。