ずっと、兄弟だと信じてたのに……!?

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作ブラザーコンプレックス

日比野俊和
25歳,小説家,長兄
日比野尚志
17歳,高校3年生,次男

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校二年生の日比野尚志には自慢の兄と弟がいる。
人気小説家の八歳年上の兄・俊和に、
ぶっきらぼうだけど優しい一歳年下の弟・裕介だ。
ふたりともかっこよくて、女の子に人気がある。
一方、尚志はというと、どこからどこまでも普通だった。
友人からはブラコンだとからかわれることもあったけど、
裕介は大切な可愛い弟だし、兄の俊和にはなんでも話すことができた。
だから尚志も俊和のことならなんでも知っているつもりだった。
だけど、ある朝、尚志は俊和に男の恋人がいることを知って!?

(出版社より)

作品情報

作品名
ブラザーコンプレックス
著者
椎崎夕 
イラスト
穂波ゆきね 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
ブラザーコンプレックス
発売日
ISBN
9784813012641
2.9

(20)

(3)

萌々

(3)

(6)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
6
得点
50
評価数
20
平均
2.9 / 5
神率
15%

レビュー投稿数6

兄弟の関係が少しずつ変化していく

高校生の尚志は8つ年上の兄・俊和の部屋から男の恋人・結城が出入りするのを見てしまう。兄の事なら何でも知っていると思っていた尚志は、兄に「秘密の恋人」がいたことにショックを受ける。ある日、尚志は町で結城を偶然見かけ、後を付けてみることにした。後を付けられていることに気が付いた結城は、尚志を問いただす。尚志は俊和への無自覚な思いを抱いていた…的なお話。登場人物それぞれのキャラが濃く、何かサイドストーリーがありそうな感じがします。

2

さらっと明るく悩んでハッピーに終われるお話でした

友人の勧めで読んでみました。
兄弟萌え属性のない私にとって自分からは読まないと思う関係性でしたが…

でき過ぎた兄 俊和をリスペクトしている尚志が、偶然兄に男の恋人がいることを知ってしまったことからぐるぐるすることになるのです。
幼いころから兄が好きにもほどがあるというくらいべた甘な関係にブラコンを自覚しながらもそれ以外の感情はないと思っていたのに、なぜか男と付き合っていると知ってからそれが気になって気になって…

俊和の恋人の存在
俊和の友人からのちょっかい
兄弟関係を守りたいと思いながら諦めきれない俊和の揺れる気持ち
そんなもろもろの出来事から、大好きな兄に自分の知らない部分があることに気が付いた尚志が自分の立ち位置について深く考える機会が生まれたのだと思います。
近くにいていつでも会えて、兄の役に立つことがうれしいと思っていたのにそれだけじゃないという結論にたどり着くまでの心に変化を追っていきます。

非の打ちどころのない兄と、才能ある弟に囲まれてよくグレたりすねたりしないでいい子に育ったものです。
いい家族の中で愛情いっぱいに育てられたのでしょうね。
特にお兄ちゃんからは過保護に可愛がられていたでしょうし、末の弟もお兄ちゃんたちが大好きなんですね(もちろん普通に兄弟としてです)
特別な能力や目立つ才能があることだけが人として優れているとは思っていないとってもいい子だと思います。

少し先になるでしょうが、親や弟にはどうするのかとか前途は多難だと思いますが
きっとお兄ちゃんがなんとかしてくれるのでしょう。

椎崎夕さんは大好きなのですが、兄弟関係のほかに、本命の相手に手を出せないとか振り向いてもらえないから他で処理するとか、それはそれこれはこれ的な慰めを他に求めるというのも好きじゃない設定なので残念ながら萌は少なかったです。

兄は幼いころ家庭の事情で養子に来た血の繋がりのない兄弟ということでぎりぎり許容範囲でした。ほっ。。。

3

温かい気持ちになりたい方におすすめ

超ストレートなタイトルです^^

兄弟物で、「兄に男の恋人がいることを知って」とかいう文句があることから、なんか相当ドロドロしたラブストーリーが繰り広げられるような予感がありましたが、いい意味であっさり、というか甘い感じでしたね。
受けの高校生が予想に反してかなり行動的なのと、脇役の弟がいい味出してたりとか、最初は全く感情を見せなかった兄が変貌する様子とか、受けがところどころ絶妙に天然なとことか。
伏線の張り方も、ミステリー並みの大それた感じではないですが、謎が解ける度にキュンキュンしたり萌えたり、っていう感じで、BLの伏線ってこんな感じが理想かな、となったり。
最初の受けのストーカーシーンとかにやにやしますw
割とほのぼのしているので、温かい気持ちになりたい方におすすめです。

4

ブラコンから恋愛へ

兄弟モノでありますが、多分この本はブラコン前提でそれがどういうふうに兄弟愛と違って恋愛になりうるのか?
そういった差というか、それへと認識が変わる過程を描いた作品だと思います。
とても地味で派手でない誠実な作品のため、華がないといえばそれまでですが、作者さんの意図ともって行き方は、読者を納得させるためにあるのだとはおもうのですが、
自分的に兄も弟も共にキャラがどうも好きでなかったようです。
そして、体の関係を持ちたいほどに欲情を感じるのか?とそのあたりも疑問な主人公たちなのです。
自分にとってはやはり、兄弟愛・ブラコンの歪みでしかないのではと。
でもそれが意図するものであり正しいのだとするならこの話は相当に羊の皮をかぶったオオカミ作品なんでは?と。。。

尚志には8歳年上の小説家の兄・俊和とバスケの得意な弟・裕介がいる。
何か分岐な出来事があるときに尚志がいつも見る夢。
兄との別れを嫌がって泣く子供時代という夢なのです。
朝、兄のマンションへ弁当を届けに行った際出てきた男性。彼と兄は恋人同士?
直接兄に聞けない尚志は、偶然見かけたこの男性を追って、関係を知ることとなります。
この尚志の兄への執着はいったい何なのか?

優秀な兄と弟の間でコンプレックスを抱えたりもしたが、その優秀な兄弟が自慢でもある。
弟が自分から離れて行ってしまっても別に平気だけど、兄だけにはどうしてもこだわってしまう、離れたくない。
この差はいったい何なのか?ということでこの作品は兄弟間恋愛を、尚志サイドとしては成立させようとしているような気がする。
俊和については、彼の出生の秘密にまつわり、尚志がかわいくてたまらなくそれが高じての感情らしいということはわかる。

いつも、兄弟モノを読むときに兄弟欲情のボーダーラインはいったいどこにあるのかと考えてしまうのだ。
大事な大好きな弟を他の奴に渡したくない(特に男となれば)
そしてお世話になっている親を悲しませたくないとか、そのあたりは通り一遍等である気がする。
確かに誠実に主人公の気持ちを中心に恋愛へむけていったのはわかるが、いつもエッチシーンでつまづいてしまうのだ。
兄弟モノの実は難しさだろう。
残念ながら、萌えはないのです。


4

まっさらな弟の戸惑い

今まで恋とかいまいちピンとこない尚志は
8歳年上の長兄・俊和が大好き。
無精なホラー小説家の兄の世話を焼くのも手間をいとわずやってあげたくなる。
高校時代、厳しい校則を緩和させるように動き
伝説の生徒会長様とまで言い伝えられ
同じ高校に通う尚志は誇りに思っているのです。


年子の弟・裕介もバスケに一生懸命で実力も有り、
勿論兄弟として好きだけれど、
きっと3~5年留学なんかで会えなくなったとしても
元気でいるならそれでいいと思う普通の兄弟。

弁当を届けようと連絡も無く向かった俊和のアパートに
合鍵を初めて使って入ると、
見知らぬ綺麗な男が兄のシャツを羽織るだけの姿で…。
寝室には裸の背中を見せたままうつぶせて眠る兄。

後にその男・結城はセフレだったと知り
尚志は動揺・困惑・嫉妬…
様々な今まで知らなかった感情に押しつぶされそうになります。
俊和は大人だし、知られたとは気づいていないので
何も無いような態度をするのですが、それがまた尚志を傷つける。

結城は俊和から血の繋がらない弟を好きだと聞いていたし、
自身も決してもう会えることの無い相手をずと想い、
お互いの利害が一致していただけなのですが。

実の兄だと信じていたのに、
同じ兄弟なのにどうして俊和と裕介へと気持ちが違うのだろうと
逡巡する姿が健気でした。
俊和から想いをストレートに告げられても
キスをされても決して嫌じゃないのに
すんなり「おれも好き」とはいかないのが焦れ焦れしつつ楽しめました。

大学時代同じサークルだったという、ちょっと曲者の新庄に
ちょっかいを出されかけ
いつもの余裕がなくなるとか
ずっと好きだった“弟”と言う建前の尚志に
歯止めをかけていたにも関わらず
「結城さんとは、してたんだよね。だったらおれともしてほしい。
そういうの、駄目?」なんて言われて
尚志を思いやりつつ、後半箍が外れる兄…♪
Hの描写は兄の優しさが伝わるようでほくほくしましたw

可愛い弟に恋を自覚させ、自分色に染め上げていけるというのは
相当たまらんものがあるでしょう。
素敵な兄に誰より愛される尚志も羨ましいけど
俊和の結構むっつりっぽいところも良かったです☆
唯一、健全で気が付かない裕介、バスケ頑張ってねww

そりゃもう穂波さんのイラストはいつも素敵すぎです!!


4

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP