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表題作誑惑遊び 前編

新任教師 竹下昭一
生徒で女郎屋の息子 若松清

あらすじ

新任教師、竹下。彼は授業を受け持った生徒、若松の独特な色気のある雰囲気に違和感を覚える。なんでも若松は女郎屋の息子との事で他の教師からは煙たい存在であった。まじめな竹下は若松の置かれた環境に同情し彼に接近してゆく。そんな竹下に興味を持った若松はその魅力で竹下に迫るのだが…「俺、その辺の女よりうまいから」そうささやく若松の本心は!?。鬼気迫るエロスとサスペンス!!

作品情報

作品名
誑惑遊び 前編
著者
辰巳ドロ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ステップラボ
3.2

(7)

(0)

萌々

(4)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
22
評価数
7
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

耽美でダークなエログロサスペンス

初めて読んだ辰巳ドロ子さん作品がこれ。

レトロでホラーな作風に、丸尾末広を思い出しました。
あそこまでグロくも壮大でも無いのですが、
暗く幻想的な作風は、近いものを感じます。

時代は、女郎屋が残っていることや
人々の服装から判断するに、昭和初期あたりでしょうか。

女郎屋の息子で、内に狂気を抱える若松と、
若松に見初められ、
堕ちていく若き教師・竹下のドロドロ愛憎劇です。


この前編は、若松が竹下に執着しだすまでの物語です。

女郎屋で男女の睦み合う声を聞きながら育ち、
周囲からは蔑まれ、性の道具にされてきた若松。
下心なしに自分を気にかけてくれる教師・竹下に、
ほかの大人とは違うと興味をもつ。

このままヘタレ×襲い受でラブラブになってくれれば可愛いけど、
若松がただならぬヤンデレオーラを身にまとっているので
そんな甘い展開は望み薄であることは
前編の段階から容易に想像がつきます。

若松は、竹下が街中で女性と仲睦ましげに話すところを目撃し、
何やらよからぬことを企んでいるようで…。
不穏な気配を漂わせ、後編に続きます。


※1 後編に微グロあり。苦手な方はご注意下さい。

※2 絵が綺麗で、とくに女の子が可愛いです。
竹下の恋人・容子さんの可憐なワンピース姿と、
やたら大サービスな胸元に目にが釘付けに…w
正統派ホラークイーンですね。

4

mayonnaise

Krovopizzaさん、こんばんは!

辰巳ドロ子さんいいですよね*^^*
BL好き=ファン層というわけではなさそうで、
同志様どれくらいいらっしゃるのかな…と思ってたので
Krovopizzaさんがレビュー書いてくださって嬉しいです!
すごくわかりやすくて惚れ惚れします…v

私も作風を表現するのに「古屋兎丸さん…ガロ系…」とか色々考えたのですが、
Krovopizzaさんの書かれている「丸尾末広」さんという表現に
ああ~そうだ!とうんうん頷いてました。
今後の新作も楽しみですね☆*^^*

学生服に緋襦袢のコーディネイトが素敵すぎる

前後編合わせて40ページの短編なので、前編にまとめてレビューを書きます。

◆あらすじ◆

時代は曖昧にされていますが、背景の横書きの看板が左から書かれていることからすると、戦後でしょうか。ただ、雰囲気はとてもレトロ。「女郎屋」も存在する「昔の日本」です。
中心になってくるのは、家が女郎屋のせいか妙な色気を漂わせている生徒・若松清(受け)。教師たちは誰も彼に関わろうとしませんが、新任教師の竹下(攻め)だけは若松を公平に扱おうとします。
そんな竹下に、妖艶な視線を送ってくる若松清。なかなか籠絡できない竹下を罠に嵌めるため、若松は、情夫(?)の不良学生に竹下の婚約者を襲わせて――
全編フルカラーのエログロ・ダークな倒錯の世界です。

◆レビュー◆

辰巳ドロ子さん――すごく期待感を高めてくれるPNですね。
耽美・ドロドロ大好物の私としては、もう気になって気になって。で、ついに初読みです。

いやいや、期待に違わずでした。
子供の頃、オトナの漫画をこっそり読んだ時のイケない高揚感。そんな記憶が蘇ります。
懐かしさ、見てはいけないものを見たくなってしまう気持ち…心の中のほの暗く湿った部分に眠っている欲望が呼び覚まされるような、ミョーな感覚。この読み心地、たまりません。

しかし何と言っても、表紙絵の、学生服の上に緋襦袢をはおった清!このコーディネイトが素晴らしい!(しかも下半身ナマ足ですよ(涎))
これは清の定番コーデらしく、本編でも自宅では白シャツに緋襦袢スタイル。
これって、実写でやるとかなり陳腐になってしまうと思うのですが、二次元だと何ともなまめかしくて、絶妙。美しく、娼婦の淫蕩さと狂気とを纏った彼の雰囲気にピッタリだと思います。

ストーリー自体は、短編ということもあり、とてもオーソドックス。
はい、「竹下よおまえもか…」なわけです。でも、理性が激情に押し流され、人間が豹変する瞬間の描写は、ありがちであってもやはり惹き込まれてしまいます。
この作品でも、その瞬間が非常にクリアに描かれています。
相手を征服した瞬間が、相手の手に堕ちる瞬間。ああ、こういうの、ゾクゾクきます。

もっとも、この作品の醍醐味は、ストーリーそのものよりも、そこにあるエログロでダークな世界観を楽しむところにあるような気がします。
この世界観を演出するのにとても重要な役割を果たしているのが、色。
特徴的な赤の使い方が、レトロかつ淫猥で禍々しい雰囲気を醸し出しています。
また、恐怖漫画チックなグロシーンも挿入されていて、それもまた、この作品の濃厚な味付けになっていると思います。(虫が苦手な人ははげしく要注意です!)

ただ、レトロな色彩に彩られた世界の中で、人物の描き方はおや?と思うほど新しい感じ。
お女郎さんたちも健康的なカワイさで、イマドキ風。絵的には華やぐけれど、作品の世界観とはちょっと遠ざかってしまうのかな。。。まあ、これは好みの問題かもしれません。

もうひとつ、絵に関してどうしても気になったのが、清の足。
彼の足の肉付きやバランス、私にはどうしても女の足にしか見えなくて。こういう病み系のキャラが大好きなだけに、彼には少年の足をしていてほしかった。。。そこだけが残念です。(これも私だけのこだわりです、はい。)

いろいろ好き勝手に書いてしまいましたが、トータルでは辰巳さんのエログロの世界とても魅せられました。またぼちぼち作品を追いかけたいと思います。

2

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