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表題作秘恋は咎に濡れ

四堂匡鷹,34歳,元新聞記者の野党議員
真船椋一,27歳,衆議院議員の政策秘書

同時収録作品秘恋は咎に濡れ

従兄弟の衆議院議員 藤末彰良 35歳
彰良の政策秘書 真船椋一 27歳

その他の収録作品

  • sign
  • あとがき

あらすじ

「お堅そうなくせに、ずいぶんと情の深い孔をしてる」
与党議員・藤末彰良の政策秘書を務める椋一。
彼にとって従兄の彰良は絶対的存在で、かつては性の道具にもなっていた。
その彰良の汚職ネタを政敵の野党議員・四堂匡鷹に握られる。
四堂の新聞記者時代の弱味を探り当てて交渉に赴いた椋一は、彼の逆鱗に触れ、身体を蹂躙されてしまう。
以来、たびたび四堂に抱かれることになるが、荒々しくも彼の愛撫は甘やかで、いつしか男の熱を心地よく感じるようになり――。

作品情報

作品名
秘恋は咎に濡れ
著者
沙野風結子 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796404525
4

(104)

(34)

萌々

(47)

(18)

中立

(1)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
18
得点
413
評価数
104
平均
4 / 5
神率
32.7%

レビュー投稿数18

秘書と代議士は鉄板

受けの椋一は、子供時代に世話になっていた彰良に支える秘書。
彰良は、椋一を人形のように抱き、駒のように使っていた。

そこへ野党、彰良の政敵である四宮が現れる。政策を通すために、彰良のスキャンダルを持って…

沙野さんの書かれるストーリーは、いつもながら萌ポイントと、深みのある関係を書かれるので読み応えありました。最後に明かされる四宮の過去も、そうだったのか…と。そして何より、今作の目玉!があとがきにあるので(笑)答え合わせするのも楽しみです。
今回の目玉は「○歯」でしたか!確かに、読んでてそこは仔細なとこまでこだわって書かれているなーと思ってました。その部屋の情景が目に浮かんで、別の意味で悶えてました!

彰良も、椋一のことが好きだったんだろうけど、もう間違った表現になってるし、一度でも想いより仕事(政治)をとったからこそ四宮に掻っ攫われる状況になったんですよね。もう少し違った愛情表現なら椋一も離れなかったのかも知れません。本人もそう語ってたけど。

私が読んだのは図書館で借りた旧版だったので、signは読めてません。
あーー電子書籍で買うかなぁ〜

0

心臓病の医療ミスを追求する物語

笠井先生の表紙にクラクラしてしまいますが、
中身は、「医療にかかわる隠蔽と汚職」を追及している記者上がりの政治家の信念についての物語です。

従兄の与党議員・藤末彰良の政策秘書を務める椋一。
彰良の政敵、野党議員・四堂匡鷹の新聞記者時代の弱味を探り、交渉に赴いた椋一。

四堂匡鷹の記者時代に、医療ミスについて取材したことが切っ掛けで恋人として付き合った或る青年の自殺。
その真実を知り、自分の生き方を変えたいと願うに至る主人公。
自分だけではなく、妹も従弟の為に政略結婚の材料にされ犠牲を強いていた。
四堂のおかげで、生き直すことが出来た椋一兄妹。

ドロドロした話に感じるのは、笠井さんの表紙絵のスリコミの効果だと思います。
中身は、そんなに不真面目なテーマじゃない。
医療ミスの隠蔽の為に政治家とタッグした医療界のヒヒ爺達の悪だくみを暴くお話でした。

こんなに簡単に、あの業界に棲む鬼退治が出来たらいいですね。

0

最後まで目が離せない

kindle unlimitedにて読みました。
笠井先生の色っぽい表紙に惹かれただけだったので、失礼ながら内容には全然目が行っていなかったのですが、昨今読んだ中でもかなりの良作でした。

最初は好きな人に振り向いてもらえない不憫な受け、椋一を軸とした話なので、関係性がなかなかドロドロしているのと、政財界のあれこれでかなり痛い&シリアス系です。しんどい展開なのですが、随所に登場する攻めの四堂がかっこいい。なぜ四堂が椋一を好きになるのか分からないのですが、最後まで読むとなんとなく分かります。四堂は生まれながらのヒーローで、困った人を放っておけないのです。しかも色事よりも使命感が強い。「好きになってくれる相手を好きになれない切なさ」を抱えて生きてきた人なんですね。責任感が強いのは、感情で動くからこそだと思います。助けてあげたい気持ちだけじゃ恋できない。彼のそういう人間臭いところがこの物語のハッピーエンドの発端になった印象です。

他の政界のキャラクター設定も細かいですし、派閥争いなど作り込まれててよかったです!薄っぺらいお仕事BLじゃないので読み応えありますが、一気に世界観に惹き込まれました。沙野先生の本をもっと読んでみたいと思います。

2

万年筆の正しい使い方

俺様攻めのスパダリの王道BL。うん、とても面白かった。沙野先生の作品初読みですが、非常に読みやすくて楽しかったです。

職業BL?というんでしょうか、恋愛よりも政治家の世界を主軸にした駆け引きを、男の身体を貢ぎ物として描くある種の王道BLでした。
王道なんですが、上滑りするような構成ではなくバッググラウンドも丁寧に描かれ、しつこさが無いので最後まで中だるみを感じる事なく読破できました。とにかくバランスが非常に良く、自分には合っていました。受けの気持ちの変遷や全体のエロの量やタイミング、物語の展開も程よく紆余曲折あり、ポイントポイントで期待を裏切らない攻めの活躍。どれをとってもBLエンターテイメントととして申し分ないです。
また万年筆の使い方が、似たような作品の中で突出した個性となっているのが作家さんの力量が発揮されており、とても良いスパイスとなっていてムフフと味わい深かったです。
受けが比較的モブや当て馬に酷い扱いをされる展開が所々見受けられるので苦手な方は注意かもしれません。

2

表紙買い


表紙とあらすじを見て購入しました

三十代にもかかわらず政治の事には無頓着で
初めの部分はネットで用語や役割を調べて読みました(とてもいい勉強になりました)

2007年に書かれたものなので今風の表現の仕方や展開の新しさはないだろうと思いながら読みました。
ちょっと台詞がくさいかな?とか次が読めてしまうような部分も確かにありましたが、来て欲しいところに来てくれる、期待を裏切らない内容で個人的にはとても楽しめました。性交シーンもたっぷりありました(笑)

主人公が可愛そうな目に遭うのが悔しいかな好きな方にはおすすめかもしれません。

1

初読み作家さん

初読み作家さんです。
地雷、受けが不憫、エロい。この3つのワードが頭をよぎりました。とにかく受けが攻め以外の人とするという描写が苦手で。受けが可哀想で、読んでて辛くなります。しかし、引き込まれるのは事実で、地雷だけど、次はどのような展開になるのか気になって、めくるページが止まりませんでした。何回も何回も読んで、ようやく今書いてます。
とても引き込まれる作者さまだと思います。題材も政治のことで、正直政治には興味ありませんが、読んでいて勉強になりました。今の日本もこういう感じなのかな・・と思ったり。とても面白かったです。
また、イラストが大好きな笠井先生!!とても美しい挿絵でした。

3

呪縛

タイトルからずっと気になっていた作品でした。表紙も笠井あゆみ先生の過激な体位ですよね。

椋一の彰良の呪縛からの解放と四堂によって初めて自我を持ち自分の生きたい道を選ぶことができました。

椋一が不憫で可哀想で辛かったです。彰良に捧げ尽くしてきたことや鬼畜の所業を受け入れさせられるところなど。不幸な境遇で育ち唯一守ってくれた特別な存在の彰良をいつまでも一途に慕い苦しむのがもどかしかったです。

でも!あることから関わることになった四堂が窮地を何度も救ってくれて愛情を注ぎ椋一を日向へと連れ出してくれましたね。
四堂も悲しい過去を持ちそれ故信念と志を持つ理想の議員です。関わる前から椋一のことをずっと見てたんですね。

最初のうちは政界の勢力争いや権力者の名前が何人も出て来て難しかったですが、どんどん引き込まれとても読みごたえのあるお話でした。
椋一良かったねえ、妹さんも良かった。二人ともこれから自分の人生を、自分が選んだ愛する人と生きられるね!

彰良がお咎めなしなのが許せん。政権の勢力も落ちて献金リストが公表されそうだったり、繋がりのある病院の理事長も権力争いで負けそうだしそれくらいか。彰良も椋一に執着していたんですね。でも酷すぎです!

sign
お互いに大事な所に万年筆でサインして燃え上がりましたね。万年筆大切に使うことでしょう。
同居への迷いも消えて良かったです。

入れ歯を外したひひ爺にされるところは萌えませんでしたが新鮮でした。
濡れ場が多くて椋一が何度も酷い目にあってそんなに苛めないで~!彰良に監禁されたときはどうなるかと思いましたがそこでも四堂に助けられたし良かったです。

6

表紙がよかった

読み進めていくうちに「あれ、読んだことある?」と思ったのは新装版だったからです。BL読みすぎの弊害ですね(笑)あるあるというか。表紙が笠井さんでとてもよかったです。色んなプレイあり(万年筆とか)強引なシーンもありますがカップルになる二人のエロはラブを感じました。

主人公の椋一が流されというか、ちょっと自分がなさすぎなのは気になりますが(エリートなのに)ガッツリ俺様な攻めに惹かれていくところが凄くよかったです。

もっとあまあまな二人も見たかったので萌え2で。尻に敷かれる四堂さんもちょっと見てみたかった(笑)

2

万年筆プレイ

従兄である彰良への忠誠心を刷り込まれてきた主人公・椋一が、彰良の政敵である四堂の強引さに振り回され、その優しさに救われるうち、やがて惹かれていくお話です。政治家同士の駆け引きに巻き込まれる椋一がひたすら気の毒でした…。

それにしても彰良の愛情表現が分かりにくい!そりゃあ愛想を尽かされるよ、と。彼のようにキレ者の男(しかも敏腕政治家)が不器用を通り越して幼稚な執着心を振りかざすのを見ると心配になってしまいます。

四堂は一体いつから椋一を好ましく思っていたのかなぁ。四堂サイドのお話も読みたかった。巻末の1ページおまけ漫画がとっても甘くて良かったです。

1

痛いしエロいが、愛もたくさん詰まってます

作家買いです。作家買いなんですが、この方の本はリアル書店で買いづらいものが多いんですよねぇ…www
沙野さんと笠井さんはゴールデンコンビだなと思いつつ、でもこれもかなりキテます。

沙野さんらしい作品でした。ハイスペックな攻めに、暗い過去を持つ健気な受け。はい、大好物なんです。こういう設定。内容はすでに書いてくださっているので感想を。

四堂先生は文句なくカッコいいです。過去を反省し、真摯に議員としての使命を果たそうとする。ちょい悪な感じもまた良し。強引で、俺さまで、でも椋一を心底大切にしている。
けれど、そこまで椋一に固執する理由というか、恋心がどこで育っていったのがいまいち分かりづらかったのが残念といえば残念でした。

対する椋一。酷い仕打ちを受けながら、それでも彰良を慕い傾倒している姿は憐れなくらいでした。孤独な子ども時代を過ごしてきた彼にとって、彰良が唯一の太陽だったんですよね。
自分に対する仕打ちのみならず、議員としての姿勢や、妹の由芙子に対する態度に疑問を抱きつつ、それでも彼に縋るしかなかった彼の気持ちが哀しかった。
それでいてあのエロさにも圧倒されました。貞淑な顔して~ってとこがまた良い。

でも個人的に一番好きだったのは当て馬の彰良でした。
祖父や父親が築いてきた基盤を継ぐべく努力をしてきたであろう彼の、椋一への抑えきれない想い。議員として致命的でしょうね、椋一との恋は。
自分の気持ちを抑えつけ、それでも募る椋一への恋慕の気持ちに折り合いをつけようとしていた彼の恋心が何とも切なかった。
彼のスピンオフが出ると良いなあと思います。彼は既婚者ですが、どうか次こそ愛した人と結ばれて幸せになってほしいと願っています。

椋一の意に沿わない行為があったり、痛いシーンもあったりしますし、沙野さんらしくちょっと特殊なプレイ(万年筆プレイ最高です☆)もあり、エロエロしいのですが、どのキャラもお互いの愛情を欲していて切なさもあって非常に良かった。

そして笠井さんの挿絵がこれまた素晴らしい!
最後の1ページ「ラブラブな朝の1コマを描いてみました」
凄く良かった~☆
可愛い椋一に、椋一にメロメロな四堂先生。眼福なイラストでした。

8

表紙から悩殺。(*´∀`*)

買いなおしてよかったー。よかったんだよぉう。

笠井先生有難うございます!!!!(ノД`)・゜・。ホロリ

四堂(攻)も椋一(受)も作品のイメージを具現化した素晴らしい色気ですっ
ついでに言うなら彰良もほどよく男前で嫌な野郎で当て馬として
立派に見えました。笑

笠井先生のイラストを拝見するためだけに購入してもおつりがくるぐらいの
美麗な挿絵の数々、いくつか笠井先生が挿絵の作品を拝見してますが
今回のアングル等群を抜いてエロエロしいんじゃないでしょうか。(*´д`*)ハァウ
いずれも甲乙つけがたく、もはや皆様に直接ガン見してほしいです。はい。
強いて言うならば、何故に口絵のカラーがないの!?とは思いますが。苦

もはや作品の内容については他の姐様方が余すことなく語ってくださって
おりますとおり、俺様な政治家が敵対する政治家の政策秘書を略奪する
昼メロ愛憎劇場です。笑
(まるで四堂が悪者みたいだ・・・違うけど。笑)

不幸体質の椋一を一層不幸に仕立て上げる彰良の手腕は凄いなぁと
地味に感心。
しかも不幸にしてやろう!って言うのではなく、自分のモノという
認識から出る行為だから始末が悪い。
ホント四堂に強引に略奪されなきゃ一生不幸の檻で囲われていたんだろうなぁと思うくらい、彰良は椋一に執着し、椋一もまた彰良に依存する関係。
あぁ、四堂に出会えてよかったね、椋一。•つД`)・゚・。


身体から繋がり、愛を受け入れるモノって実は初めて読んだかも。
四堂のねっとりと甘い愛撫と眼差しに椋一が懐柔されていくシーンは
結構ぐっときたデス。(*´∀`*)

『 おまえを丸ごと、俺のものにしたい 』

ホントは愛されたくて愛されたくてたまらないのに、見てもらえない
椋一の悲しさや柵ををすべて受け入れて、丸ごともらってやるだなんて
どんだけ男前なんだよ、と。
まぁ、自分を全く顧みないからイラっとして強奪したんだけどね。笑


いやぁ、椋一の貞淑妻淫乱受けっぷりは秀逸でございますヨ。
心は嫌がっていたときでさえ、あの悶えっぷりは誰でも欲情しちゃうって。笑
カエルじぃさんに凌辱されているシーンは決して萌えるようなシーンではないはずなのですが、そこは笠井先生の素晴らしい挿絵により、椋一の葛藤とせつない表情に萌えってなりました。笑
イラストの威力はんぱねぇ。

更に。なんでこう、料亭とかに用意されてる寝具はえろっちぃ紅殻色なんですかねぇ。行燈の花模様とか。
古風ないかがわしさが倍増するアイテムですよね。
そこも見事に表紙で描かれているのでそちらも必見ですよ。( ´艸`)ムフフ


やっぱり王道だけど、俺様攻めが危機的状況な受けをどんな時でも助けに
駆けつけるっていいよなぁ。(*´エ`*)ウットリ
しかも、日々、偉そうで一方的な決め詰めの発言しかしないくせに、
常に受けを気遣っててホントは受けが欲しい言葉と行動を示してるなんて。

『 おまえは、俺以外は必要ない 』

俺様。俺様以外のなんでもないセリフが甘ったるいっヾ(≧∇≦*)〃キャー
あー。ほんとホイップクリームのように甘々だ。
甘々といえば。
最後にラブラブな朝の一コマが描かれていますが、もう、本当にあっまあまっです!
ベットの上で四堂の胸に顔を埋めている椋一が「四堂先生」と呼びかけても
返事をしないのに「匡鷹」と呼ばれると「ん?」って反応して。笑

『 煙草はほどほどになさって下さいね… 』
『 …あー 』
『 お体が心配です 』
『 じゃあ口寂しくなったらキスさせろよ? 』

おぉぉぉぉぉぉぉ。
口寂しくなくてもするくせにーーーーーっ (≧∀≦)ムキャ
(当然ですが、ベットの上で二人は全裸ですよ、と。笑)

凌辱とか無理やりなシーンが割とありますが、最終は溺愛甘々で終わるので
安心して読み進めてほしいです。
俺様攻めが受けにベタ甘にエラそうに甘やかすのがお好きならぜひぜひ♪

8

サインプレイwww

わたしの大好きな、沙野風結子先生流ハイスペックイケメンがツンデレ美人を口説いて落としてエロエロしまくるやつ!!

『処女執事』を読んだとき、この『秘密は咎に濡れ』となんか似てる?と思ってしまったのですが、沙野先生は作品によってはキャラたちの関係性やストーリーに若干かぶるとこもあるかもしれないんですけど、お話の舞台となる背景や世界観がいつもしっかりしていて毎回新鮮味がちゃんとあるのと、性描写がいちいちエロいからついつい購入してしまう作家さまです。

そして笠井あゆみ先生の挿絵との相性はBL小説界トップクラスではないかと勝手に思ってます。
沙野先生の淫靡な文章に、笠井先生の妖艶な挿絵の組み合わせはちょっと心臓に悪いレベル。
今作品もジジイの歯なしプレイをガッツリ挿絵に描くなんて最高です!

お話の内容は、説明され尽くしている通り。
与党議員の藤末に小さい頃の恩義から、自分の身を捧げ、妹の人生も犠牲にしてきた椋一。
藤末が全てだった椋一の世界を、力強くも甘く壊してしまうのが、野党議員の四堂です。

沙野先生曰く、受がふたりの男の間でよろめくお話です。たしかにそのひとことにに尽きます。
四堂は、かなり強引でオレ様だけど、椋一の能力を認め、なんだかんだ椋一には優しいスーパー攻様なので、椋一が惹かれてくのは解ります。
藤末が最初から最後まできな臭くて気に食わない奴だったけど、結局は椋一が好きで、そんな自分を認めたくなかったのかな?最終的には可哀想な奴でした。

椋一はどちらの男とも身体の関係を持ちますが、特筆すべきは四堂と椋一のサインプレイ!攻が受の穴に、受が攻の棒にそれぞれ所有の証としてプレゼントの万年筆でサインするという、シラフで見たらたしかに滑稽ですが、とても卑猥でたいへんよろしいエロだと思います。
花シリーズの小冊子かなんかでも万年筆プレイがあった記憶があるけど、沙野先生お好きなんでしょうね!

やっぱりお堅い仕事をしている男たちが、ドロドロにエロエロしているのはとても良いですね!

5

四堂さんに私はどこまでも付いていきます

政治界が舞台。
主人公(政策秘書)の所属する党と敵対する党、さらにその中間の党の三角関係(?)
での間の確執。一波乱さってまた一波乱・・・

自分の主である彰良を盲目的に慕っている主人公の真船。
その真船を駒としか見ていない彰良。
この2人の想いの差に少なからずショックでした。
そんな時、四堂さんが割って入ってきて、最終的に真船も私も四堂さんに惚れてしまいました(笑)

純粋に四堂さんのような人が傍にいたら心も体も元気になるのにな~と思います(笑)

また、最後の方で訪れる愛の時間で、キーワードとなる万年筆の新たなる使用方法をみて
きゅん、としてしまいました。

3

痛かったり甘かったりエロかったり…

沙野風結子らしい濡れ場が多くて楽しめました。
入れ歯ぷれいには萌えは感じられませんでしたが、引くってほどでもありません。
痛いシーンもありましたが、四堂の愛や嫉妬が感じられて良かったです。

2

美麗な文章と挿絵で読ませる王道エロス

主人公の椋一(りょういち)は、三世議員・藤末彰良(あきら)の政策秘書。
幼いころ両親を亡くし藤末家の居候として育った椋一にとって、彰良は恩義ある藤末家の人間、かつひそかに想い続けている存在でもあります。そのせいで、彰良に政治の具として蹂躙されながらも、彼に逆らうことができず、むしろ献身的に尽くそうとします。
一方、藤末と同じく代議士で、藤末と政策問題で対立する四堂匡鷹は、椋一に興味を持ち始め…

主人公椋一が、冷酷な仕打ちをうけながらも逃れられずにいた藤末の呪縛から、四堂の愛情によって解放され、四堂の想いを受け入れていくストーリー。三角関係ものです。
う~ん何となく既視感が?…ああ、そう言えば昼ドラっぽいんですね。
攻め二人の俺様ぶりや、薄幸受けの従順健気さも、古典的(?)な王道ものという感じ。
もう少し遊びがあっても…と物足りなさを感じる半面、これはやっぱり濡れ場メインの作品なので、ストーリーは敢えて分かりやすさ重視で正解なんだろうなと。

濡れ場の描写のこまやかさは、この作家さんの作風でしょうか。
濡れ場を読みとばしたくなるBL小説もありますが、この作品は汗の滲み方一つにも生々しさがあって、「読ませる濡れ場」という感じ。選び抜いた言葉に彩られた地の文に煽られていくのが心地良すぎて、攻めの煽り言葉や受けの喘ぎ声が邪魔に思えるほど(笑)
しかも、ここぞという場面には狙いすましたように笠井あゆみさんの濃厚挿絵が入っているという。
挿絵って小説の中ではあくまで補助的な位置づけのものだと思っていましたが、この方の挿絵は文章との対等なコラボレーションの域に達している気がします。
作品全体に漂う少し古めの雰囲気も、スタイリッシュな挿絵で程良く中和されているような。この挿絵は文句なしにGJですね。
そしてトドメは、プレイの斬新さ! キーワードは「万年筆」。政界の重鎮さまの「歯なし〇ェラ」も強烈でした。
とにかくエロス満載で、表紙に偽りなし、いやそういう意味では期待値をはるかに上回るかも。安定感抜群の文章力と構成で、官能の世界を満喫させてくれる作品です。

藤末は、本当は椋一に愛情を抱き続けているものの、野心のため椋一への想いを断ち切ろうとしていたんですね。でも、本心を告げた時には、すでに椋一の心は四堂に。
藤末が椋一を失ったのは全く自業自得なんですが、数代続く代議士の家を背負う立場ゆえの彼の苦しみも伝わって、藤末がほんの少し哀れに思えました。

にしても、正義の法案を通過させるために手段を選ばず奔走してた四堂が、最終的には法案よりも恋愛優先??(一応今後も取り組んでいくという気配は匂わせてありますが)
勿論それでこそBL!なんですが、そこはやっぱりちょっと萎えたかなぁ。
四堂が代議士でなければもっと素直に読めたかも…

5

ドロドロで痛いけど愛なのよ

痛い系で受けである椋一がドロドロ状態に身も心もボロボロになる可哀想だけど
歪んだ愛も執着も、過去の優しい時間があるから、それを心の拠り所にしている
健気で切ない未来の見えない恋に縛られている椋一のお話でした。

痛い系で苦手な部類ではあるのですが、この作品は読んだ後味が悪くないし
読んでいる時も代議士ジジイの入れ歯にはちょっと引いてしまいましたが(笑)
椋一の一途な忠誠心と言うか愛を一方的に受け取っている従兄弟で若手議員の
悪者役に分類される彰良の自身でもどうしようもない執着と歪んでしまった愛が
見えるからかも知れないです。
そうは言っても酷い人には違いが無くて、彰良に洗脳状態で傾倒している椋一は
憐れな愚か者なのです。

それが彰良と敵対する野党の若手議員との出会いから次第に凝り固まった感情が
揺らいで、それでも相手に求められても子供時分からの刷り込みに近い思いで
彰良の側から離れる事が出来ない。
既に彰良と肉体的な関係が何年も無いし、愛情をその関係で得た事もないのに
子供の頃に優しくされ気にかけてもらったことが逆に忘れられない。
まるで見返りを何も求めないワンコなのかも知れないです。

それでも、人格を無視されるような扱いを受け、彰良の為に妹の幸せまで奪い
次第に脳裏に浮かぶのが自分を強引な手口で奪いながらも愛情を感じさせる四堂の姿。
過去の呪縛から解き放たれ、やっと新しい道へ、愛する者と進むことになるお話。
彰良だって立場が違っていたら・・・そんな風にも感じてしまう内容でしたね。

6

もう、色々とアレですよ♪

07年ラピスを旧版の新装版だそうです。
前のイラストの砂河さんも悪くはないのですが、この笠井あゆみイラストについて最初に言及させてください!
この表紙v口絵カラーがないのがちょっと残念ですが、巻末にその後の甘いワンシーンイラスト付き。
そして、中のイラストも~!たまらないですぅ。
小説のイラストでも行為シーンは顔のクローズアップであったり全体であったりするのですが、その構図が見事に大胆で挑発的。
読者に向けてまるでAVアングルで見ているような際どいポーズで見せつけてくるのです。いやぁ~じつに眼福でありまして、実にこの物語にあっているのですよ!
以前も書いた覚えがありますが、このイラストで評価が本当に上がります。

お話のほうも、自分的に好きな「くるおしく君を~」みたいなのの政界を舞台にした路線の愛憎劇。
作者さんがあとがきで”よろめき”と称していますが、確かに昼ドラのような(自分的好き傾向の昼ドラw)展開ではありますが、キャラが好きというよりも展開が好きであります。
そこに配置される、マニアックなプレイも興味を引き、楽しませてもらいました。
ザ・エンタメです☆

親が亡くなり、母親の兄に引き取られた椋一兄妹。
周囲に苛められ、冷遇される中で唯一気に掛けて優しくしてくれた従兄弟である彰良に16歳の時犯されるが、彼を慕う気持ちが勝り彰良が結婚するまでその関係は続く。
本当は弁護士になりたかったが父親の地元基盤を引き継ぎ政界に出馬した彰良の望みもありそれを諦めて彼の政策秘書として働いている。
医師会と繋がることで力を保とうとする彰良の政敵とも言えるのが、野党の議員で医療過誤について厳しく追及した法案を通そうとしている四堂。
この四堂が闇献金リストを餌に自分の法案を通したい為の根回しを彰良に依頼してきたことから、それを何とかしたい彰良に、椋一は四堂の調査を依頼される。

椋一は彰良が好きなのです。
不遇だった時に彼に助けてもらったことから恩が愛情になったのではありましょうが、何だか丸めこまれて飼いならされて従順な手駒にされてしまった感もあるのですが、
彰良が椋一を犯す時に必ず顔を隠して行為に及ぶというのが、後に語られる彼の本当に恐れていた理由(本気で椋一におちてしまうこと)も予想はできるのですが、何せ酷い奴なので、いささか本当かどうかも怪しい気がします。
しかし、彰良は自分の利益が最優先の人でその為にも愛情は切り捨てられて、自分を好きなら自分の為に何でもできるはずと酷い仕打ちも平気という歪んだ愛情の持ち主だったのだろうと、結構残酷だけど複雑で奥が深い人だなという印象で、全く嫌いにはなれないキャラクターでした。(歪んだ人って興味をひかれるのですw)

一方四堂は、政治家としてまっとうな志も持ちながら手腕も持ち、卑怯な手も使ったりしますが、権力に固執していない分彰良よりは、いい男だと思います。
いや、案外諒一が接近してきたことで逆に彼を使えちゃったりもして、やはり頭はいい人のようなのか?

椋一、彼は不憫ですね~
彰良に騙されて、じじぃ議員に人身御供に出されてそれでも彰良への気持ちを再確認してみたり。
だけど、彼の役に立っていることが彼の傍にいることと大いなる間違いの刷り込みがなされているから、ちょっと悲しいです。

注目したエロは、その老人議員が入れ歯をはずしてフェラするシーン!
そして、書下ろしの【sign】の中での愛あるエッチで行われる万年筆での体内サイン♪
ほんとっ!沙野作品はこうしたウフフ~なプレイが飛び出すから好き☆です。

結構ベタなよくある昼メロ調なのですが、そこに描かれる複雑な人の気持ちと関係が魅了し、またエロシーンもまんべんなく、バランス良く入る楽しめる作りの作品という部分で、そして何よりこのイラスト効果というのもあり、今回は萌×2評価をしたいと思いました。

12

愛を刻むsign

07年の同タイトルに書き下ろしを加えた新装文庫版。
本編はとにかく椋一が可哀想だったので、書き下ろし『sign』で幸せそうなその後を読めて良かった。笠井さんのあとがきイラストのラブラブな朝の一コマも必見です!!!

政界モノですが、そう小難しい話ではなく、
恋により自我に目覚める椋一の心情や、椋一に執着する彰良と四堂という二人の男の対照的な描写を楽しむ感じです(+エロスも)。
まるで人形のように、身も心も彰良に捧げていた椋一が四堂と出会い、心身にじわじわと生を取り戻していく。
その過程がとても情熱的で色っぽくて好きな作品です。


主人公の椋一は、従兄弟にあたる議員・彰良の政策秘書。
幼い頃から、優しく聡明な彰良をひたすら崇め、恋心を抱いていた。
彰良の結婚前は、性欲のはけ口となることも受け入れ、
身体関係がなくなった今も、彰良のために尽くす。
四堂は、彰良に不利な政策を掲げる野党議員。
椋一は四堂の汚職ネタをつかみ、取引を持ちかけるが…


椋一は彰良を想うあまり、その捨て身すぎる生き方の異常さに気づかない。
自分の夢も、妹の恋も犠牲にしてしまいます。
しかし、彰良はそんな椋一を交渉の生贄に差し出す。
老議員に入れ歯ナシで口淫される椋一を助け出したのは四堂で、その後も敵対勢力に暴行をうけた椋一を介抱してくれる。
荒々しくも優しく触れてくる四堂により、生の感情や快楽を引き出され、彰良の人形だった日々から脱却する椋一。
彰良から救ってくれ、妹の離婚にも協力してくれる四堂は、アウトローな見かけによらず王子様のようでした。

彰良は、政界という特殊な世界に生きるうちに感情が麻痺してしまったのか。
若き日の優しい姿や、椋一を犯すとき、決して顔を見ようとしなかった真意。
もし状況が違えば有り得たかもしれない幸せの可能性を残して訣別するラストが少し切ないです。

四堂の汚職ネタは椋一の誤解で、実はある人物の死を今でも悔やむ情の深い人物。
一途な椋一とはかなり甘い関係になりそうという予想通り、
書き下ろし『sign』では、大変ラブい後日談を堪能できました。
相互のサインプレイはエロくてヤバい!!笑
彰良の呪縛の象徴のようだった万年筆が、最後に愛の証という意味合いに変化したというのは良いですね。個人的に一番の名場面です(歯なし老議員も別枠でインパクト大ですが笑)。

9

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