著者渾身の和風異界トリップロマン、完結編! !

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表題作鬼狩りの森で(2)

小角,異世界の鬼狩り
和記,ラノベ作家志望の大学1年生

その他の収録作品

  • 茸狩りの森で②
  • あとがき

あらすじ

たとえ元の世界に戻れなくても一緒にいるって約束するーーー‼︎
平行世界トリップロマン・ついに完結‼︎

同じ日本なのに、文化も歴史も違う平行世界(パラレルワールド)──。
双方を繋ぐ門が綻び、このままだと世界滅亡の危機⁉︎門の謎を探るうちに、異界の能力者・小角(おづの)と恋に堕ちた和記。ついに門を閉じる方法を発見するが、閉じたら最後、二度と二つの世界を行き来することはできない…⁉︎現世に戻るか、異界で恋人と生きるかーーー異世界トリップ完結‼︎

作品情報

作品名
鬼狩りの森で(2)
著者
宮本佳野 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
シリーズ
鬼狩りの森で
発売日
ISBN
9784199605659
3.7

(10)

(2)

萌々

(3)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
37
評価数
10
平均
3.7 / 5
神率
20%

レビュー投稿数5

恋の成就の可能性

平行世界物ファンタジー設定の恋物語。
こちらの世界の和記と明、あちらの世界の小角と宮司、ユエに領主。
それぞれの思いが交錯し合う恋愛模様は宮本作品ならでは、
そこへ時空の門が立ちはだかることで、こちらとあちら、想いの行方、それぞれの決断がよりくっきりと表れます。
小角と結ばれた和記は、こちらの世界に帰れる最後のチャンスに、一緒に門をくぐれない小角を置いてはいかれないと、小角と離れたくないと、あちらの世界へ残ることを選びます。
一方明は、宮司と心は通じているのですが、一人こちらの世界へかえってきます。
結局、恋が成就したのは和記と小角だけ。
ユエの小角への想いは歪んで魔物を呼び寄せ、宮司は領主に身を売り渡し、明は門がまた開く時を待つだけ。
わかりやすくハッピーエンドで終わらない所が、宮本作品の味わいであり醍醐味です。


2

完結

さて、読み終わってみると、もっと読みたいなあ、という感じですが、2巻で完結です。

美しい小角。しかし村のためとはいえ生き物をあやめる仕事に胸を痛めている。
そんな小角に惚れ、体の関係を持っているユエ。そこに人間界からやってきた和記。

メインカップルだけで閉じない恋愛関係は宮本さんの得意とするところ。恋愛にまじめに向き合っていなかった小角ですが、屈託のない和記との出会いで変わっていきます。
一方の兄や、ゲイの明の関係も気になるところですが、そちらはあまり掘り下げられず、鬼の世界のほころびをどう解決するか、メインカップルの恋の行方、この2つがラストに向けてお互いに絡まり合いながら盛り上がっていきます。

ファンタジーと、入り組んだ恋愛関係がお好きな方にぜひおすすめしたいシリーズ。

0

異世界トリップロマン完結

大学1年の和記と理系院生の明が
魑魅魍魎が跋扈するパラレル世界の日本にトリップ。
門を守る鬼・小角と共に、
二つの世界をつなぐ"門"の謎を追うファンタジー完結編。

1巻で気になっていた、カップリングが明らかに♪
濡れ場はそう多くはないけど
全てを見せないことで醸し出される色気が素敵です。
また、どことなく春画を思わせるむっちりした裸体に
和風情緒を感じますvv


まず、和記と小角。
なんと、入れたことがない小角!
和記は、ゲイの明から色々聞いてきたらしく、潤滑剤を手に「ちょっと待っててね」と毛布の中でゴソゴソ…。
小角が「したことない」なら自分が攻めるチャンスもあったのに、受のスタンスを貫き自らほぐすなんて…ホント健気でイイ子(涙)
小角が心を開くのも分かる、ひたむきな明るさが良いです。

[※ユエ(村の用心棒)とは挿入ナシの関係。
ユエ×小角orリバを予想していたので意外でした!
どっちも経験済だというユエの話を詳しく聞きたかったな…w]

ユエの末路はとても哀しいです。
小角への気持ちを鬼につけ込まれ取り憑かれ、最期は小角の手にかけられ…。
呪いが解けてからは想いを口にすることなく、
ただ小角に謝りながら逝くのが切ない。
小角は和記から安らぎを得つつも、
今後もかけがえのない親友を忘れることなく生きていくのでしょう。

次に、明と宮司。
宮司は、ユエを殺し投獄された小角を救うため、領主に身を捧げます。
事後、冷水で身体を洗う宮司を、明は抱きしめるが…。
宮司は明を突き放すが、明に軽蔑されることは辛い。
プラトニックで切ない関係です。

クライマックス。
脱獄し、追われる小角を連れ、明と和記は閉じつつある"門"へ向かう。
鬼である小角は向こう側の世界へ行けるのか。
宮司と明はどうなるのか―


【※ややネタバレ】
敵に打ち勝つような正統派ファンタジーを期待するとスッキリしない結末です。
不安定化する"門"の前に、四人はほぼ無力なので。
しかし望み通りとはいかずとも、
今いる場所で精一杯生きる姿に希望があり、結構好きなラストです。
宮司は、優しくて面白い領主様と幸せになればいいじゃんと思うのですが、それじゃ明(とキノコ)が可哀想かな…w
いつかまた二つの世界が繋がることを願います!

3

愛する人の為の選択

何らかの影響で突然開いた平行世界への門。
その世界へ入った現代に住む青年二人が出会った人々。
SFファンタジーな設定の元繰り広げられた話もこの2巻で完結。
一番の興味は1巻では予想が付かなかったカプリングと結末。
この平行世界に独特な世界観があり、魔物の存在、鬼と呼ばれる兄弟、それが当たり前に存在している世界だけど一体何が悪くて、何が正しいのか。明確な、世界に関する決着はついておらず異世界を超えて「愛」は存在するといった、それが為の設定になっているような気がするので、白黒はっきり付けたい人には、ちょっぴりモヤモヤするかもしれない。
かくいう、自分もちょっぴりモヤモヤを感じた一人なのだが、寝かせてもう一度1巻から読みかえすと、人間が中心なのだということが読みとれて、思わずそれぞれに萌え萌えしてしまうのでした。(モヤモヤからモエモエねw)
あくまでもファンタジーは設定であり、恋愛で盛り上げるという意図がちゃんと明確になるこの2巻なのでした。

和記は宮司の弟であり鬼狩りの小角が気になっているのだが、それは彼がその容貌から村人から恐れられたり忌み嫌われたりしていることと同時に、この世界で生きにくさを感じてそれでも諦めて生きているように見えるからかもしれない。
偏見のない和記といると小角は癒されて特別に思うのだが、世界が違う人間でありいつかは別れが来るかもしれないからと積極的になれないだけだったかもしれない。
それは宮司も多分同じだと思う。
和記の仲間の明ちゃんが宮司を好いているのだが、彼が明ちゃんにつれないのはそのせい。
でも小角よりはっきり意思を告げる事ができるだけ彼の方が適応力が強そうだ。
領主が盛んに宮司に求婚しているが、自分的にいつか明ちゃんがこの世界に戻ってきて宮司と結ばれることを願ってしまう。
三枚目キャラで、人外に好かれやすい明ちゃんだしねv
きのこ今回はちょっぴり出番すくなかったけど、健気だよ~♪天狗にも好かれてるみたいだし(笑)

そして盛り上がりは、小角と和記が恋人になったことからユエの片想いが魔物を引きよせてしまったその結末。
人の弱い心、醜い心に付け込んで現れるソレに乗っ取られてしまうほどの気持ちのあったユエが憐れでもあり、小角がちょっと罪つくりな気がするのだ。

そしてラスト!
そういえば最初の始まりって、小角と宮司が現代世界に現れたのが発端だったよね。
じゃあどうして小角は現代へ行くことができなくなってるの?と1巻を見直したら神社の鳥居から先が彼等の世界で姿を表わしただけで現代へ足を踏み入れたわけじゃなかったのでした~
弱っちい、誰かに甘えてばかり頼ってばかりいるように見えた和記が小角の為に動く、そして決意する、愛する人の為の選択。
健気で強いって最強ですね。
彼の成長物語的要素もあったのでした。

1巻では白髪で青い目、そんな異形感の濃かった小角がこの2巻では柔らかい感じになってました。

2

時空を越える恋

宮本佳野先生によるパラレルワールド・ファンタジー、第2巻。

理系の明は「門」の綻びは磁場の乱れのせいかもと考え、2つの世界を行き来して道具や機器を持ち込んだり。
一方和記は小角に告白。小角は特に嫌でもなく、しかし低温な感じで和記を受け入れる。だが抱き合っているところをユエが見ていて、小角を愛するユエの心の苦しみに妖魔が潜り込む…
妖魔に取り込まれたユエを斬った小角は村人に捕らえられ、処刑の危機に。
小角を助ける代わりに青蛾に恩を売る領主。(←決して無理強いはしてないです。私的には領主さんそんなに悪い人じゃない。)
いやいや躰を差し出す青蛾。
そんな青蛾に傷つく明。
そして勿論、小角が心配でたまらない和記…
天狗の力も借りて牢から小角を奪取する一行。いよいよ門の綻びが大きくなり、追われている小角をこちらの世界に連れて帰ろうとするが!

…小角だけはじかれちゃうんですね…
和記は小角と共にいる事を選び、明だけ元の世界に戻る。世界はまた静かになり…
…こういう終わり方になるとは思いませんでした。
和記の恋物語としては、ハッピーエンド。
でも小角は引き続き逃避行だし、明はもうあちらに行けないし、和記の家族はただ旅に出てると思ってるし。
でも和記の前向きさが、この結末を不思議な明るさに変えている。
また門は開くことはあるのでしょうか。多分明が研究者になって死ぬまで研究し続けるような気がします。

0

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