BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
こちら、ナツ之えだまめ先生のデビュー作とのこと。
素晴らしく官能的でした。まさに”体から籠絡される”受け。
「ストーリーに引き込まれるか」「何度も読み返したいか」と言われると、ちょっと疑問符が付くかなあ…というところで、萌え評価で。
以下、内容です。
取引先の翻訳会社社員である年下男・貴船(攻:ハーフ美形)に、突然エレベーターでうなじに口づけられた伊織(受)。
伊織は妻との離婚調停中のノンケ。突然のことへの驚き冷めやらぬうち、熱を出し相対した伊織の自宅を貴船が訪れ、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたと思ったら、いつの間にか優しく抱かれー。
体から籠絡されていく伊織ですが、手慣れた貴船の愛撫に「本気になってはダメだ」と自分から別れを切り出すけれどー
と続くストーリー。
セッッシーンは貴船が優しく、時に激しく伊織を心から求める様子が描かれていて、伊織じゃなくてもちょっとうっとりしてしまうほど。
ただ、女たらし(というか愛を知らない?)で2ヶ月ターンで付き合う女性を変えていた貴船が、一目惚れ的な感じで男性である伊織に惹かれるのはちょっと強引かなあ、と。
また受けである伊織も、早々に心身ともに貴船に陥落するんですが、ここ、もう少し深みというか納得できるプロセスが欲しいなあ…と思っちゃいました。
どちらの気持ちにも深く感情移入することはできなかったかなあ。
ブラコン気味の伊織の弟くんも、最初こそ貴船に敵対心剥き出しでしたが案外兄とその恋人の関係を受け入れるの、早かったな。。と。
大好きな兄のうちに遊びに来たら男の恋人がいて、その夜隣で二人おっ始め…なんて結構相当嫌なシチュじゃないかと思うのですが…
二人の心の距離が近づく様子を、別のエピソードなども絡めてもう少し深く見たかったなあと思いました。
いやぁ、素敵な話しすぎて綺麗にまとまりすぎな感じもしますが、攻めの頑張りと受けの柔軟性が際立っていたってことにします(笑)
元はノンケのプレバツイチの伊織が、これまたノンケ(のハズ)で数々の女性との浮名を流していた貴船。貴船は遊びながらも真剣に恋したことがなかったんですよね。ある日仕事で出会った伊織に恋してしまう。
そこからは妻持ちの伊織を思いつつも人のものとして諦めていたのに、どうやら離婚調停しているらしいと。そこからはもう、心のなかでどうやって振り向いてもらうか、好きになってもらうか、作戦を立てて…
二人の間にはきっと運命の糸がつながっていたのかな。じゃないと伊織の方もそんなにスムーズに受け入れられないよね。エレベータでうなじにキスされるとか、なんじゃそりゃ!って。
そこをスルーしてしまえば、弟君のように、最後には応援しちゃうというか、貴船は伊織だけに本気の恋なんだよって途中で言ってあげたくなる。
大島さんがいいポジ持っていきましたね。
途中、離婚調停の話もちょっとしたトラップに「どうなるんだ?」とやきもきしながらも落ち着くとこに落ち着いて良かった。
気持ちよくスッキリ読めて読後感が最高でした。
ノンケ(妻帯者)が男に溺れるお話が読みたくて購入、ド性癖過ぎて頭痛を催すほどでした…(笑)
熱がある時に事に及ぶのは安静にさせてやれとしか思えないけど、心は許さないのに身体の細胞が相手を欲し喜ぶギャップが堪らなかったです。
ページ飛ばせばすぐエロってくらいに行為描写は多めなのですが、相手は手練手管に長けた元遊び人なのでヴァリエーションがあり、しかも言葉も愛撫もかなり丁寧なので、すっごい(言葉が見つからない)
マンションに帰ってきて即キスして、みたいな即物的な描写も大好きなのですが、そういうことが一切無いのにガチガチの甘々ドロドロで圧巻でした。
お話自体は、貴船への気持ちに悩む伊織以外はそこまで目立ったことは無くシンプル。いつか振られると思っている側が逆に振るのよくあるよね、貴船かわいそうに(笑)
それでいてシーンが思い浮かぶようなドラマティックな絵的センスや、相手と肌を合わせた時の化学変化みたいな表現が良かった。
私のイメージでは座裏屋蘭丸先生「リカー&シガレット」な雰囲気だと思うので、濃厚なムードには少しあっさりした挿絵に思うものの、表紙は素敵です。
もう少し冒頭のうなじへのキスから、悶々とする伊織が見たかったな。
作者についていこうと決めて、読み途中に作者の発刊リストを確認するぐらい読み終えるのが惜しかったです。続編出てたから安心して読み終えました(笑)。
あらすじや内容はみなさんが書いている通りなので割愛しますが、とても官能的で涙がててきました。
私がこの本を手に取った当時はBL小説の経験不足だったのですが、今何度も読み返しても「なんて淫猥だなんだ…」と感じます。
この本の魅力ですがなんと言っても濡場の多さです。最初はこんな奴に絆されてたまるか、などと強情な姿勢をとるものの、だんだんと彼の身体が欲してしまう〜という流れが語彙力を失って「エモ」となります。また、文章も珍しい形態でそこも硬派なイメージを持ちつつ、ここまでかというくらいに淫らな言葉を使いあの手この手で脳と心を攻めてきます…。とても好きです。
タイトルの「泣いた」はこれはガチ泣きです。ヲタク特有のとりあえず泣いたと言っておくアレではないです。細やかな心理描写と、リアルな表現で脳内にスっと入ってくると自然と涙が出るタイプなのですが、この丁寧な濡場。涙無しには読めません……。
出会いというか、接点を持つためのできごとがいささか不自然であるという他の方の感想もありますが、BLというフィクションの元では特筆してするほどではないと思います。
という理由で神です。これに出会えてとても良かったです。
フルール文庫を久し振りに開きましたが、字の大きさと余白の多さに読む前から残念感が。読書初心者向けというか、軽い雰囲気を感じてしまい、あれ?フルール文庫って大人向け目指してなかったっけ??ってなりましたね…特にしっとりと濃厚エロなこの作品には合わない感が。
内容は半分以上がっつりエロです。(こう書くと安っぽくて申し訳ない)
下品ではなく、優しくてお上品なエロ。受がひたすら気持ちよさそうなのはとても好みです。
でも萌えたかと聞かれると…うーん
ささりませんでした。
エロシーンは全部が同じようで飽きてしまうし、お話は物足りない。
中立評価にしようと思いましたが
攻の「恋人が出来ると指先を綺麗に整える」
というエピソードがすんごいツボにささりまくったので萌にします。