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表題作色闇

闇の司法官・牙神尚照
盗賊の二代目で美貌の男娼・月弥

あらすじ

貴くも妖しい色香を持つ美貌の男娼・月弥。
盗賊の二代目、犬神の早太郎としてかつて江戸を騒がせていたが、闇の司法官を務めている牙神尚照に正体を見破られてしまう。
捕らわれ、犯されたあげくに、密偵となることを強要された月弥は、牙神によって火盗改方・中郷主膳の許に送り込まれる。
月弥は中郷に抱かれるようになり、牙神への憎しみを募らせるが―。
官能の美を描く、至極の愛の物語。

作品情報

作品名
色闇
著者
山藍紫姫子 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784043702022
4.2

(17)

(8)

萌々

(6)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
71
評価数
17
平均
4.2 / 5
神率
47.1%

レビュー投稿数5

牙神さんが素敵

いやー、牙神さんがどんどんかっこよくなっていくのがよかった!
あんな飄々としていながら仕事もできて余裕も遊び心もあって、だけど恋にも溺れる粋でアツい人でした。
そんな大人な牙神さんに翻弄されてしまう月弥ちゃん。無理もないねw

鬼平犯科帳を意識されたんだろうなぁという舞台で、大人が若い子に溺れながらも粋なやり取りをしていくうちに、いつの間にか大人の魅力に月弥が絡め取られてしまいます。
・・・このシチュエーションって、橋本あおいさんの「between the sheets」と同じですね。
時代物で文体も山藍さんのややレトロな妖しさのあるものなので、一見わからないけれど、いろいろ取っ払っていくと結局そこです。いやいや言ってる月弥が落されていくのがかわいいし、それを落とす牙神さんの手管がまたステキなのです。
これ、シリーズ化して続編書いてほしいけど、捕り物のネタ出すのが大変なのかなぁ。BL版鬼平として楽しく読めました。

2

大江戸捕物帖+山藍流耽美エロ

「アレキサンドライト」もよかったですが、こちらのほうがよりBLっぽくて私は好き。時代劇が好きな大人の姐さまにおすすめ。

追っていた盗賊に妻子を殺された過去を持つ、もと火盗改方•牙神と、彼によって一族を捕らえられた元盗賊の二代目で男娼の美少年、月弥の、恋と官能の物語。
牙神は過去の事件をきっかけに表向きは隠居しているが、裏では闇の仕置き人のようなことをしていた。堕胎薬を売ったり、男娼をしていた月弥の正体に気づいた牙神は、彼を縛り上げて凌辱し、強引に密偵として仲間に引き込んだ。以来月弥は仲間の仇と牙神に憎しみを抱いたまま、彼に囲われて生きている。

愛憎渦巻く二人の心理的な駆け引き、嫌だと言いながらも抱かれると乱れてしまう、月弥の艶やかさが見もの。
月弥は密偵として送られた先のお殿様を誘惑し、抱かれてしまったりするし、牙神への憎しみを募らせる一方なので、本気で寝返ってしまったのかとハラハラさせられる。というか、大の男を敵味方問わず次々と惑わせてしまう、月弥の色香がとにかくすごい。
どうなることかと思ったが、結局は牙神が、大人の余裕で月弥を包み込んでしまうBL的な展開に。クライマックスはもう本当に牙神が素敵過ぎるし、月弥も可愛くて萌え萌え。面白かった!

巻末に収録されている「狗」。
こちらのほうが先に発表された作品だそうで、二人の出会いのお話。
本編ではすごーくエグい責め苦で屈辱の極みだったというように、月弥視点で説明されているエピソードで、正体を吐かせるために、縛って吊るしてみたり後ろから酒を注いだりと、やってることはたしかに酷い。
けど、牙神視点のせいか、初対面から月弥の美貌に魅せられてるのがわかるので、覚悟してたよりは残虐な感じには見えなかったかも。ラストシーン、唯一の肉親を人質にされ、薄の原で牙神に捕まり、ついに憎い男の狗として屈伏させられてしまった月弥。
そこはかとなく見え隠れする、牙神の執着に萌えた。

それにしても、凌辱から始まる関係も、受けが攻め以外と致すのもわりと苦手要素なんだが、山藍先生のお耽美な文章だとなんかスルッと読んでしまうな。不思議。

0

妖艶淫乱

江戸時代。
山藍紫姫子先生 お得意の時代劇!!
16歳の少年に皆が溺れていきます。
とにかく美男子。
黙っていれば どこぞの良いトコロのお坊ちゃまです。
でも実態は 密偵の仕事をしてます。
元男娼の手練手管で狙ったターゲットを必ず落とす!!
落ちたいものよのう・・・。
こんな妖艶淫乱に私もハメタイです!
山藍先生も筆がノッテいたのか エロエロの変態が炸裂しています。
時代劇らしく 最後はスカッと事件は解決します。
興味のある方は 必ず読むべし!!

1

牙をむき頬を寄せる色事

時は江戸時代。
表向きは隠居だが、隠密に事件を調べ裁く役目を担う
有能にして漢前な牙神と、
彼の密偵として或いは色童として囲われる月弥の
愛憎の物語です。

何と言っても魅惑的なのが、
花も咲きほころぶような色香を纏った16歳の少年月弥です。
時に男を惑わす手練手管で、
その艶の下には矜持と毒を隠し持ち、
小さな獣のごとく牙をむく姿は美麗にして野性的。

牙神にとっては家族の敵で、かつて取り逃した賊。
また月弥にとっては我が身を傷付け
盗賊仲間を皆殺しにされた敵であるので、
お互い体を重ねても心は見えず、仄暗い交わりにも美しさがあります。

牙神の心情描写はほとんどないのですが、
密偵として放つも2ヶ月も音沙汰が無く、
厚顔不遜な彼が恋煩のように
食事も喉を通らなくなるのですから、
すっかり虜になっている様子が伺えます。
月弥にしても、役目を終えたと同時に牢に放り込まれ
裏切られたと僅かに悲しむ姿に
もう怨み以外の感情が芽生えているのが分かりますね。

牙神の元に戻り、拗ねる月弥と宥める牙神の
ラブラブモードに入ってからはひたすら甘かった(笑)
情事の間の睦言はほどんど交わされず、
月弥の喘ぎのみでも充分官能的なのですが、

「いや・・・ 気が、変になる」
「馬鹿、なってしまえ」

とどめを刺されて悶絶!す、素晴らしすぎます。

山藍作品の色々な凄さは覚悟していたのですが、
実は初読みに選んだ「花夜叉」は読み切れませんでした。
無念なり。
この作品は背徳的であったり凌辱系ではないので、
めげずに再挑戦して良かった。
単行本では水上有理さんの美麗な挿絵が堪能できますよ。

4

歴史萌えです!

盗賊の二代目として江戸を騒がしていた月弥だったが、牙神に捕らえられ育ての親を人質にとられ、彼の密偵として働く事に。

元は、盗賊ということを隠し男娼の真似事をして働いていた月弥は絶世の美少年。
当然牙神も手を出しています(笑)
そして密偵としてもぐりこんだ先の火盗改方も。
それが手なんですけどね~。
実際、月弥は牙神に捕らえられ、無理矢理密偵として働かされて恨んでいる事もあり、演技なのか本心なのか分かりかねる場面も多々あります。
そうは言いながらも本心は惹かれているんでしょうけどね。
江戸時代版ツンデレ、ってとこでしょうか。
牙神は、大人の男でそんな月弥を大きな心で包んでくれるいい男だと思います。

2

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