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表題作関連が、3/4くらい占めてます。
目次見てびっくりしたのが【恋人タラシはじめました(短編)】が雑誌掲載の作品でその他、全てが描き下ろし作品だっていうじゃないですか!
てっきり【妄想くんのふたりあそび】が雑誌連載作品でその他が描き下ろしだとばかり思ってた!すごいなー。
【妄想くんのふたりあそび(長編描き下ろし)】【その後のはなし(描き下ろし)】【恋人タラシはじめました】
「大人になったら王子様にきてもらうんだ」と願い続けて27年の昴。だけどいくら待っても王子様がやってこない現実にすっかり諦め、今は理想の王子様を妄想するだけの日々。
そんなある日、これ以上ないってほど理想的な男が目の前に現れ、これぞ理想の王子様だ⭐︎と思った昴。
昴は妄想力もたくましいけど実は結構行動力もある人間でしかも極端(良い印象の為に69万円のスーツとか!)でちょっと危ういところが感じられるのは確か。でもそんな極端な感性、良く言えば豊かな感受性を持ってる人間が過去心無い男に傷つけられてしまったという出来事は彼が臆病になるには充分すぎるほどの理由だと思います。
もし人間が出来た王子様にすら受け入れらなかったら、もう誰も自分を受け入れてくれる人はいない…と正面からぶつかる事を避けて、この想いを長く細く続けるべくストーカーになってしまう昴。そして彼を陰から見つめてはあれこれキャラやシチュエーション妄想に耽ります。
ところがある日、王子様が高校生だということが判明し愕然とする昴。だけど生身の彼・聖くんとまともに話せたことがこのうえなく嬉しくて天にも昇るような気持ちになるのですが、王子様どころか普通の人なら尚更自分を受け入れてくれるはずはないと気づき、恋心に終止符を打ちます。
すばるの感情の起伏がダイレクトに伝わってくるので読んでて心が揺り動かされます。
聖くんに夢見ることをやめてから「どう思われたっていい」と開き直った昴。そしてずっと長く聖くんを見続けていたからこそ彼が悩みを抱えていることに気づくことができ、ちょっと辛辣なアドバイスをします。
その場凌ぎの適当な慰めではなかったからこそ聖くんも本音をさらけ出し、二人の距離がどんどん近くなっていくのですがそれに揺れる昴の心が複雑で切ないです。
前半はひたすら昴のモノローグだけで進みます。彼の気持ちや言葉は全部自分の中にとどまっているだけ。
それが王子様ではなく聖くんとして接するようになってからは気持ちや言葉を聖くんに伝えたい、そして共有したいと変わっていく様子が何よりいいなって思います。その原動力みたいなものがとっても伝わってきて胸いっぱいになる。
思い通じ合った後も聖くんもすぐに妄想の世界に飛んでいってしまう昴をバカにする事なく、「昴には時々餌与えなきゃダメだな」と理解して、しっかりつかまえてくれる様子が描かれて好き。
【春の導火線(描き下ろし)】【夏樹が飛び出したその後の春ちゃん宅(描き下ろし)】
表題作の昴くんの身内が登場します。
元恋愛詐欺師の塾講師と昴の甥っ子・春くんのお話。
Mっ気&かまってオーラを無自覚に放っている春くんに、元恋愛詐欺師のセンサーが反応し吸い寄せられてしまうんだけど、元恋愛詐欺師ということもあり春くん逃げて〜と最初は思ってた。
だけど春くんの暗い背景などを聞いて、萎える‥と思いつつも離れていかず、劇的なセリフを言うまでに至ったところが良き。
描き下ろしの「夏樹が飛び出したその後の春ちゃん宅」でのみんなで鍋を囲む様子、テーブル下の様子など楽しめてフフフ。
ちょいおまけで神。
ふわふわキラキラした表紙に惹かれて読みました。とってもよかったです!!
「妄想くんのふたりあそび」
王子様に憧れるコンビニ店員昴くん。そんな彼の前に理想の王子が現れた!
昴くんの妄想は激しくて、多少ストーカーみたいになってしまうんですが、すごく一途でいじらしかったです。
でも昴くんの思考回路が何とも悲しくて…。
本当に幸せになれてよかったと心から応援したくなるお話でした。
「恋人タラシはじめました」
「妄想くん~」で出てきた昴くんの身内の春くんが出てくるお話です。
自分の母親のことがトラウマになっている春くんと、そんな彼のことが好きになった元・恋愛詐欺師の小川。
こちらも応援したくなるカップルでした~。
どちらのお話も可愛くておすすめです。
2作目は「恋人タラシはじめました」ではなく「春の導火線」でした。
すみません。
けっこう病的なお話なのですが、読めば読むほど最後のほうのキラキラ感が眩しくて、胸がいっぱいになるような感じでした。
最初は主人公の昴が変わり者なのと、攻めの聖のイメージが(昴のせいで)2点3点するので、カップリングとしての萌えはホントに最後の最後まで持てませんでした。
でもお話がよくできていて、グイグイ引き込まれました。
昴はゲイで色々あって、幸せな恋をすることを既に放棄していて、今では妄想だけで満足する生活。
そんな昴の前に理想の男性、聖が表れ、昴は聖と恋愛する妄想にひたりながらこっそり聖を付け回します。
財産をほとんどはたいて隣に引っ越したり、撮影機材を買って寝ないで撮影、編集。ホントにキモチワルイ。
この気持ち悪さと絵の可愛さ、昴の妄想のコメディーさのギャップは見事です。
もちろん聖は理想の完璧な男性などではなく、ストーカーを続けるうちに昴もそれに気づきます。
ここで昴の恋は終わりますが、お話が終わるかというとそこからがストーリーのほんとの始まり。
昴が今まで逃げてきた、妄想でない誰かと向き合うということの始まりです。この2部構成がとてもよかった。
解説にあるように大長編て感じで読みごたえがありました。
後半からはだんだん聖視点にシフトして行き、それも面白かったです。
病んだ暗さ、幸せな恋の美しさが両方見事に描かれています。
でも必要以上に重くなく、それなりに楽しんで読めたのも好きだなあと思いました。
困難はあるだろうけど、いつまでも末永く幸せでいてほしいと思うカップルです。
作者さんの初コミックだそうですが、このゆるゆる~とした絵の雰囲気はとても好きなタイプです。
そんなで、絵的に稚拙な部分もあるかもしれないのですが、引き込まれ感はハンパない威力があります!
小さい頃王子様が迎えに来てくれるのを夢見た昴は成長と共に、恋をしても相手にとって自分は恋愛対象になれないのだと悟り、初めて関係を持った先輩に好きになれるかもという気持ちを打ち崩され、
恋をしたい気持ちを王子様が迎えに来てくれる妄想で補う、恋愛引きこもりになってしまった27歳。
そんな彼が、店に宅配便を出しに来た男子が夢見た王子様そのものの風貌だったことから、もう辛い失恋はしたくないとストーカーになってしまうのだがその王子は何と高校生だった!?
この昴の妄想は実に乙女で愉快ではあるのですが、そこまでしてしまった彼の想いを考えると実はとても痛くて切ないのです。
「王子様」・・・絶対どこかに自分を好きになってくれる人がいるはず・・・の象徴だと思います。
まさに夢に描いた王子の出現に舞いあがって妄想を実現に移そうとした時、ふと立ち止まって考える現実。
恋愛対象になれるかどうかもわからない。
今までにも受け入れてもらえなかったのだから今回だって・・・
では、長く彼を見ていられる為にはどうしたらいいのか?それがストーカーだったんです。イタタタタ。。。
部屋は王子である聖くんの家の真向かいに引っ越して部屋は聖の写真まみれ。もうちょっと病気だと思います!
でも、それくらい彼はこじらせてしまって傷付いているのですよね、過去に。
そして聖が高校生だと分かった時、理想の王子でなかった落胆は隠せないものの、彼には別の感情が生まれていました「話せて嬉しい」だけど王子でなかったから彼の片恋は終わりを迎えたのです。
そして5か月後、久々に見た聖は王子様とは全然違う背中を丸めた、今まで見ていた彼じゃない。
もう王子じゃないから声をかけられるんです!
聖の悩みを聞いて、口に出した言葉は彼を元気づけてそしてもう一度昴に恋を自覚させながら、新しい関係が始まっていくのです♪
昴がすごく痛い人かとおもいきや、何だか彼の考えや思いにすごく引き込まれてしまい、
無事、聖が大学合格を果たして待っていた昴にキスをするシーンでは思わず涙が!?
胸がキュンキュンって鳴る音が聞こえてくるようでした☆
聖は年下なのに、昴は聖より精神年齢が低い感じがして、でもだからこそ聖に合うんだろうな~と思います。
聖が昴を好きになるその理由や何やらは、もういいのです。
昴はかわいらしい素敵で純粋で素直な人だから、だから好きになったに違いありません(それとちょっぴり庇護欲も?)
とても素敵なお話でした。
【春の導火線】
こちらは表題の主人公・昴の甥っ子 春と恋愛詐欺師と自分で振り返る次男の塾講師・小川の物語。
春が昴の事を唯一の身内と言っていましたが、昴の姉の子供で、その姉はもう亡くなってるんでしょうか?
中学生ともう一人小さい弟との3人兄弟です。
春の母親は男にだらしなく(?)そんな母親に似ているかもと性欲を抑えて生きている人でした。
次男の塾に迎えに来た日、偶然小川と出会い、春にムラムラを覚えた小川が春にアプローチを掛けてというもの。
春が男だけどかわいい、とはまっていく小川と
母親のようになりたくないと思いながら抗えない春。
1本だけの短編なので、春の部分がもう少し掘り下げあったらよかったな~と思わなくもないですが、とりあえず小川が腹をくくったことでメデタシとなっています。
ちょっぴり消化不足ですが、しっかり者っぽいそしてブラコンの次男と小川の確執が見えてそれがとても面白そうです。
題名がちょっとなー、、と思わなくもないですが、読んでみてビックリ!
掘り出し物のような素敵な作品でした♪
初コミックスの作家さん!
絵がさらさらしていて、
小嶋ララ子さんみたいな感じです。
ストーリーもララ子さんみたいな
暗さのある重めな感じでした。
理想の王子を求める主人公が出会った
理想の人が高校生だった!という内容。
せっかく出会えた王子も同性だと恋愛対象に
ならないと考え、片想いのトキメキを
終わらせない為にストーカーになってしまう
とっても、ぶっ飛んだお話‼︎
だけど、その考え方とか、行動がララ子さん
特有のダークさの様に感じられて、
重みのあるストーリーになってます。
同時収録は、主人公の甥っ子長男のお話。
これも、家族の話が入って、重めなストーリーです。
重めなストーリーは、内容が深くて好きなのですが、
話の展開が惜しい‼︎
片方の気持ちが分からないまま結ばれたり、
言葉足らずな場面が結構ありました。
Hだけを求めるマンガ特有の展開の早さとは、
違うんだけど、ここはもうちょっと見せるところだろ!
と思う部分が多かったかな?
あと、同時収録の作品も、ここで終わりか!!
とビックリ!
初作品としては、主人公の考えは極端だけど
恋愛に対する辛さがあって、ストーリーの焦点は、
ぶっ飛びながらも良かったです。
ただ、ストーリー運びは、強引さがあったかな?
ララ子さんとか好きな方は、好きかもしれないです(^^)