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弟に抱いたのは愛情、そして恐怖。
禁断の兄弟愛が読みたくて、色々検索してあれこれと覗き見をした挙げ句に選んで買ったこの本。
よかった……!
もうすごくよかった!!
神としか言いようがないと心の底から思いました。私は、非の打ち所のない完璧な名作だと思いました。
他の方もレビューしておられる通り、ネタバレを読まずに読んでほしいこの本。
私は、ネタバレにならない程度のレビューを軽く読んでしまいましたが、でも実際に読んで、それも読まないでおけばよかったと後悔しました。その方が絶対楽しめた。
なのでこれから読まれる方は、レビューもあまり読まない方がよいのではないかと思います。
とはいえ、読んでから「こんなはずじゃなかった」を防ぐための注意点は下記の二点。
・ミステリー展開であること。
義理の兄弟が、恋人として共に暮らしているところから始まるのですが、兄(受け)はいつも悪夢を見る。その悪夢は一体何を示しているのか……?というミステリー展開。とはいえ、BLにミステリーは不要、と思われる方もご安心を!ラブ要素はしっかりあるし、しかし同時にミステリー要素もかなり面白い。ラストにすべてが収まる。とても満足感が高いです。
・執着攻めによるエロと萌え。
最初のうちはラブラブなんですけど、受けが謎解きをし始めると同時に、段々と攻めが執着愛を拗らせていくので、愛ゆえの無理矢理展開は嫌いじゃないよという方にはオススメ。執着攻め萌えです。また弟×兄というカップリングの醍醐味である、受けを肉体的に支配しているくせに精神的に縋り付く攻め、というのも楽しめます。
そのくらいでしょうか。
もう、冒頭からラストまでしっかり楽しませもらいました。
終わり方も、私は弟(攻め)がもっとトチ狂った救いのないメリーバッドエンドも好きですが、このラストがやっぱり一番いいと思う。
こういう作品に「神」評価を付けるために、私は今まで安易に神評価を下さずに来たんだよ……!と自己肯定できた作品です。
初読み作家さん。ここに登録されてる設定が思いっきりネタバレ。見ずに読んで良かった。(ガチ兄弟が登録されているが、自分的にはそこが明かされる場面も衝撃だった)
爽やかな表紙と挿絵の本作、なのになぜか最初から不穏な空気を感じる。ところどころ伏線っぽい描写にひっかかり、徐々にモヤモヤが濃くなっていく。よく分からないけどただただ怖いという、変な感覚に。
そして徐々に弟の真陽もその狂気を増していく(監禁・凌辱要素あり)。兄の光が逃げようとするたびに、真陽の束縛が酷くなっていく。いつまで経っても物語はとある部屋の中だけで進み、二人以外の気配がない。凌辱シーンは生々しいのに、それ以外は形が曖昧で、ぽつぽつと違和感を落とされていく。
真相は少しずつ見えてくるが、その度に真陽が機嫌を損ねて邪魔してくる。光が真陽に捕らわれる恐怖に怯えるのと同調するように、読み手も真相が見えない恐怖に怯える。ここらへんは私がサイコロジカルホラーが死ぬほど苦手なので過度に恐怖を感じていたせいもあるかも。とにかく怖かった。
物語の種明かしは容赦がなかった。あれは実はこういうことだった、の連続で、あれもこれもそれもどれも覆されて、すとんと納まる。
エピローグ手前で終わっていれば、感情をぐちゃぐちゃにされた状態でスパっと切られる、ある意味美しい結末になっていたと思う。商業以外ならありそうな、行き場のない感情に困って叫びたくなるタイプの。
かといってエピローグが悪かったわけでなく、さらにもう一捻り展開がある。その前で終わるのとエピローグまで読むのとでは全く違う読後感だろう作品で、そこがとても好きだった。
逃げられるくらいなら殺してしまえ、という真陽の執着は徹底しており、最後まで変わらない。一方光は……?という結末。個人的にこれを求めていた!というツボにハマった神作品。いろんな意味で万人受けは難しいが、私は好き。
物語の骨格は、兄弟モノ、執着モノですが、うまくストーリーを作られていて、読んだ後にズッシリ重みが来るという、久しぶりに読み応えというか後からじんわりくるお話でした。
オチ(というか、ネタバレしない方が良いと思う)があるのですが、あぁ、そうよね、そうだったのか、と思う訳で、その後の二人を心配してしまう壁の気持ちになりました。
何よりも、非常な執着を表に出している弟はその通りに兄に執着しているんですが、兄の方も弟に気持ちがあるので、心の底では離れたくない、そして離したくないという想いを持っているんです。でも、弟のように“素直“にはなれない。
歳上の理性なんでしょうか。ねじれてしまった想いがこういう結末になったのは幸せな事なのかもしれません。
兄弟ものですが、設定が変わっていて最後まで楽しめました。
非常~に好き嫌いが別れそうな作品…最初から最後まで含めて、なのですが、あとがきを読んだ限り作者さまはそれも承知で書かれてるのかな~という印象でした。
この作者さんの本は初めて読んだのですが、救いようのないくらいドロドロした話だったので、普段は明るめのお話を書かれる方だと知って驚きです。
設定が不思議で謎に満ちている分、ラストまでの展開が物足りなくてそこが少し残念でした。
光は6歳離れた大学生の弟・真陽とマンションで二人暮らし。
兄弟だけど恋人同士、という兄弟もので最初から恋人というのは珍しいなあと思いました。てことは恋人になるまでのあれこれや葛藤は見られないのかな?と思ったのですが…この二人はすんなり仲のよい恋人とも違う感じです。
光はフリーで校正のお仕事をしていてマンションからは外に出ません。ですが、次第に長く続けているはずのこの生活に疑問を持ちはじめます。
何か真陽は隠し事があるのでは…と疑い始めた光は、真相を探ろうとしたところ真陽に拘束されマンションに監禁されるという冒頭の幸福感とは一転したドロドロした展開に。
なんとなく謎の裏側は見えているのですが、それでも答が知りたくてつい駆け足に読んでしまいました。
結果的には予想した以上に複雑な真相が待っていて驚き。
弟の執着心が見たことないくらい強いのですが、いわゆる普通の監禁ものとは違う奇妙さが引き立っていて面白いです。
でも中盤から監禁状態になったあとがあっという間で物足りないかな?と思いました。
BLですが、普通の恋愛部分のようなものはほとんどなく、謎を読んでいく読物風です。
なのでラブストーリーが読みたい!てかたむきではないかも。
兄弟ものとしても、仲がよいを通り越してぞっとするくらいの執着心です。
兄を逃がさないためにあの手この手で殺す方法まで考えてるいる弟です。
兄弟ものが好きなかたでも読み手を選ぶかも。
真陽の存在が初めからふわふわしていたのと、いろんな出来事を経て好きになっていくという過程が一切なかったので萌としてはどうかなあという感じでした。
執着ものとしてこれ以上のハッピーエンドはないのでは、というラストです。
いわゆる普通のハッピーエンドとは違いますが、このエンドありきで書いたお話だというので、いろいろ腑に落ちない所があるにはあるのですが完成度の高いお話だと思います。面白かったです。
ただし、明るい兄弟ものが読みたい方や、ほの暗いラストが苦手な方はご注意です。(本人たちは幸せですが)
ここまでやってくれる兄弟ものは自分は結構嫌いではありません。好きすぎて殺そうとするというのも(個人的には)ありなのかな・・・と思ってしまいました。
デビュー作から拝見させていただいていて、色々な作風を見せてくれていますが、
今回は一転、かなりシリアスでミステリアスなお話でした。
表紙が田倉トヲルさんですが、とても惹かれる雰囲気のイラストです。
このお話、追ってしまうと壮大なネタバレになってしまうので中身にはあまり触れない方がよいのかと。
原稿の校閲をフリーランスで仕事している光が主人公。
彼の夢で物語が始まります。
それは、男に犯される夢・・・悪夢と言っています。
では彼はノンケなのかと思いきや、同居している弟・真陽と恋人の関係でありセックスをするシーンもあります。
そこで覚える違和感。
そして彼が校閲する原稿の内容や、彼の過去が間に挟み込まれながら
あれ?何故?どうして?
それまで甘い二人だったはずなのに光が外へ出ようとすると豹変する真陽は光を監禁し犯します。
一体二人に、光に何があるのでしょうか。
兄弟の禁忌の物語でした。
弟の執着愛もありながら、兄がそれから逃げているようでいて実は兄も執着を持っていた。
禁忌の関係を見せるための新たな取り組みかと思います。
ただ、全ての謎が解けた後そこに残るのは複雑な心境。
過去が全てを物語る・・・そんな手法をとったのかもしれませんが、断片としての登場なのでそこへ突然強く訴える「執着」に違和感を覚えました。
萌えはないのですが、挑戦をした作者さんへの評価になります。