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表題作の君によせるブルーの二人が出てくる話と、ほかに3つのお話が収録されていますが本当にどのストーリーも綺麗です。透明感があってじーんとしながらも楽しめる。
表題作は受けの子がバリバリ方言なので方言好きの方は是非。二人のやりとりも本当に純粋で可愛くて素晴らしいです。可愛いな〜。
短編は、個人的には雨のゆめふるが好きです。少し不思議なストーリーなのですが読んだ後もしみじみとあの話よかったなあとなる感じ。
普段ぐっちゃぐちゃのヌメヌメのドロドロのBL漫画を一生読みすぎて胃がもたれている方是非読んでみてください。BL界の胃腸薬みたいなとこある。
◆アザーブルー〜君によせるブルー(表題作)
必要最小限の台詞と、田舎の情景が合わさって、静かな雰囲気の中でメイン2人の関係性に集中して読める作品でした。悠太の方言(多分広島などの中国地方?)がとても味があって可愛らしかったです。突然航平に思いもよらぬ告白をされて一旦は突き放してしまうものの、その後ちゃんと自分から一歩踏み出そうと、勇気を振り絞って行動してくれた悠太に嬉しくなりました。
◆不帰の森
異界のものが登場する、ファンタジー作品。不思議な世界観でしたが、短いページ数の中でもしっかり余韻を残してくれました。狐が僧坊の魂を喰った後、互いに相手の心を通して見た世界はどんなだったでしょうか。どちらにもそれぞれの美しさ、切なさなどがあるのだろうなぁと思います。
◆雨のゆめふる
人の人生設計をする「脚本家」の仕事をしている主人公・安田。こちらもファンタジーですね。彼は自分が脚本している対象の人間・瀬川と心を通わせるタブーを犯してしまう。自分は脚本する側ですから、相手のことを何でも知っているというフェアじゃない関係なわけですが、そもそも彼はこうなることまで設計していたのか?と考えると、やはり人間1人の運命なんて、誰にも決められないものなのだと思います。
相変わらず精妙な線画で人を選ぶ作風、
ストーリー自体はオーソドックスなアオハルなので余計に青井さんの特異な作家性が浮き彫りになってます。
作中でも言われてる通りに船から降りるだけの動作でさえ映画のワンシーンの様だし、
どの登場人物の目にも琥珀や翡翠が埋まっているよう。
好きな作家さんが編集さんに言われたのか売上を気にしてか、
急に小綺麗になって個性を捨ててしまった例を見てきたのでそうならないよう祈ってます。
この作家さんはちるちるさんで結構注目されていてずっと気になっていた作家さんなのですが、単行本をようやく読みました。
作風が絵柄にとっても表れている気がします。
爽やかで、優しいそよ風に吹かれているようで、余計なものがない。
こういう作風の作品は大好きなので、これから注目する作家さんになりそうです。
表題作シリーズの他に短編が3つ収録されています。
表題作と『Night&Go』は現実世界のお話ですが、『不帰の森』と『雨のゆめふる』はファンタジー要素があります。
どのお話も良かったのですが、印象に強く残ったのは『雨のゆめふる』です。
脚本家と言う設定が面白くて素敵だと思いました。
人の人生の「脚本」を書いているのにやけに人間くさかったり。
黒電話で受ける指示とか、古い映画を観ているようでした(この数行、何のことだか分からないと思うのですが、ネタバレしたくないのですみません)。
主人公2人を見守る「脚本家」のお仲間がまたカッコイイ。彼の物語はどんなだったんだろう、と思わず思い巡らさずにはいられませんでした。
こういう余韻も楽しめる作品だと思います。
この方の作品を初めて読みました。
田舎の港町を舞台にした静かなお話。
物静かで淡くて悪い人は出てこなくて、あまりに綺麗にまとまってるので物足りない感じもしましたが、心洗われる、という表現がぴったりな作品でした。
東京から引っ越してきた航平と、地元の学生・悠太。悠太が使う方言も、かわいいです。
お話は、何が起こるというようなものではありません。
告白されたりキスされたり、それに悩んだり…その時々の悠太の態度が乙女ぽい気もするんですが、リアルさはないけどこういうのがBLだなあと思います。
タイトルになっている「君によせるブルー」はおまけの短編でしたがこれがよかった。
航平と悠太は仲がいいと回りから言われます。友達は二人の関係に気づいているようですが、あれこれ口に出さずにふーん、というくらいなのがいい感じでした。
こういう、町の情景やそこに住まう人々が上手く描かれている漫画って感心します。
残りの読み切りは独特の不思議な雰囲気のものが多く、ピンとこないと合わない作風かもしれません。
私はちょっと読みにくいと感じるものもありました。こればかりは好みだと思いますが、雰囲気漫画という感じですね。
他の作品ではどうなのか、他の既刊も読んでみたいと思いました。