百草の裏庭

hyakusou no uraniwa

百草の裏庭
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×222
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
10
得点
144
評価数
38
平均
3.8 / 5
神率
18.4%
著者
青井秋 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784829686447

あらすじ

子供の頃、薬草摘みの最中に倒れた妹を助けてくれたのは、異形の男だった。
十年後、マルセルは嫁ぐ妹を見送ると「一緒に来い」と言われた約束を果たすため、彼のもとへ向かう。
死の覚悟をしていたが──
「友になって欲しかったのだ」
存外に優しい目をしている彼、ギーゼルベルトの孤独を知り……。

表題作百草の裏庭

ギーゼルベルト,森に棲む異形の男
マルセル,薬草売り

同時収録作品stalks

庭師
温室に居る子供

同時収録作品passage

リーマン
同じマンションに住む学生

同時収録作品侵食

菌糸に侵された研究者
植物の研究者

同時収録作品旅の途中 前後編

(仮)カスペル,学生
(仮)ヨーアン,学生

その他の収録作品

  • 冬の支度(描き下ろし)

レビュー投稿数10

人外との交流を描いた静かな作品ばかりの短編集

一冊全部丸ごと「百草の裏庭」なのか、と思って購入。
意外と短い作品で、後ろ半分ほどは他の短編だった。
非BLに近い。

どれも何かの精霊と出会った人の物語。
なんというか、真夏の炎天下に都会や森で見る白日夢のような、気付いたら消えていた幻のようなものとの出会い。
ただ表題作の「百草の裏庭」だけは、実体を持つ異形の男性との恋のようなもの。
BLのくくりを入れないほうが、多くの読者を掴めたんじゃないかと思いました。

描写が緻密で綺麗。電子版で拡大しても粗がない、十分見ごたえあります。
いつものように、とても美しい作品でした。
次作が楽しみ。

1

素敵でした

心が浄化されるような1冊でした。
いつも表紙や装丁やページ表記が素敵ですね。

あまり価値を見いだせなかった自分が誰かにとってはとても大切で。
なぜ自分なのか?きっと誰とでもうまくやれるのに…。

百草の裏庭は村の青年と森の異形の男との不思議でほっこりして、心を寄せ合う素敵なお話でした。

他の短編もとても良かったです。

旅の途中
消えてしまいそうなどこかへ躊躇いもなく旅立ってしまいそうな友を、いつもどこかへ連れ出す人気者の彼。
なぜ構うんだ?と聞かれて…。
絵本の話と重ねて作者の足跡を辿るような。

どれも美しくてちょっぴり切ない感じがして、幸せになってと祈りたくなる作品集です。

1

優しく心に沁み入る短編集

『ゆうづつは藍にとける』に続いて読んだ青井秋先生の作品です。

こちらは、表題作の他に4作品が同時収録されています。
『stalks』
『passage』
『浸食』
『旅の途中』前後編

『百草の裏庭』
黒い森の異形の男性 ギーゼルベルトと薬草売りのマルセルのお話。

幼い頃、マルセルの妹のベルタは薬草摘みの最中に毒虫に刺されて倒れてしまいます。
そこに現れたのは、黒い森の住人 ギーゼルベルトでした。
ベルタを助ける代わりに「一緒に来い」と交換条件を提示されたマルセル。
「妹が嫁ぐまでは待とう」
それから10年後、ベルタが嫁ぐ日が来ました…。

青井秋先生の丁寧で優しい絵柄と作品の雰囲気がマッチしており、童話を読んでいるような錯覚を覚えました。
独特の世界観が広がり、静かにゆっくりと浸透するようなストーリーになっています。
黒い森のほとりには人の世の終わり
向こう側の住人が住んでいる
その住人に会えば、魂を取られてしまう
人は、外見にとらわれると本質を見失いがちです。
マルセルも化け物にしか見えないギーゼルベルトの優しく穏やかな心に気が付けず、恐怖に怯えていました。
ベルタが嫁いだ日、始めてギーゼルベルトの胸の内を聞かされたマルセルは、自分が勝手な誤解をしていたことに気が付きます。
「僕と友達になってくれますか」
最後までお互いに大切な「友達」のままですが、人の数だけ愛情のカタチも異なります。
この先、2人がどのような関係を築いていくのか…そっと見守りたい。

描き下ろし『冬の支度』
10月になると森全体が色を変え、冬の支度が始まります。
まだお互いに知らない事が多い2人。

同時収録『stalks』
お屋敷の温室で庭師が出会った男の子のお話。

同時収録『passage』
何をやっても上手くいかないサラリーマンがピアノの音色をきっかけに男子学生と出会うお話。

同時収録『浸食』
仕事の調査から戻ってきた恋人が未知の菌糸に侵されていたお話。

同時収録『旅の途中』前後編
小さい頃から一緒にいるヨーアンとカスペルのお話。

どのお話も、青井秋先生らしい繊細で幻想的な内容になっています。
BL要素は薄いですが、それぞれの未来に思いを巡らせました。
透明なのにぬくもりを感じる…誰にも秘密で宝箱にしまいたくなるような短編集に仕上がっています。

いつもの日常を離れて癒やされたい方にはとくにおすすめです。

7

植物が美しい

これは絶対に紙でほしいと思っていた本。
表題作は、繊細に書き込まれた濃密な植物の中で、ゆっくりと育まれる異形の者との恋。
森の奥で、一人暮らす時間が長すぎた異形の男ギーゼルベルトの望みを知ったマルセルは、、。
微笑みの気配、食卓の灯火、もう知ることはないと思っていた物語の続き。
二人の間には静かに愛情があって、二人はずっとこのまま暮らしていくのだろうけど、ここには描かれていないその時間のその先の限りを思ってしまうと切なくなる。
他の収録作品も、エロは全くないけれど、これは確かにBL。




3

カバーイラストに吸い込まれてしまう

1ページずつじっくりと読んでしまう美しさ。
ぱっと本を開いてみると、そこには少し不思議なお伽話の数々と、緻密に描かれた植物たち。

表題作と、4作の物語からなる短編集です。
それぞれのお話に関連性はありませんが、どの作品も植物や小物、装飾が本当に美しくてため息。
カバーイラストや目次からもう既に素敵すぎるのですけれど、作中・短編ごとの幕間に描かれた植物モチーフのデザインも美しくておしゃれなんです。
合間に登場する、草花の採取地のメモを書いているのはマルセルなのかな。
こういう遊び心も読んでいて楽しい。

同時収録作品も、青井秋先生にしか描けない独特の雰囲気のものばかりで非常に魅力的なのですが、今回は中でも表題作の「百草の裏庭」が飛び抜けて好き。
読め始めてすぐにギュッと何かを掴まれました。
異形の男性・ギーゼルベルトの姿形も、穏やかな口調から出る嘘のない透明な言葉もすごく好み。
マルセルと過ごしていくうちに、少しずつ柔らかく変化していく彼の表情が愛おしいです。

お互いの知らない部分、自分と相手の異なる部分を知っていく。
「もっと知りたい」を重ねていく。

季節、植物、食事、そして会話。それらを通して2人の距離が縮まるにつれて、孤独で薄暗かった暗い森に小さな明かりが灯るかのように、静かな優しさがふわりと広がるお話でした。
四季折々の自然と共に穏やかに生きる彼らの素朴で特別な関係性が心地良くて、なんだかずっと見ていたくなってしまいますね。
手の表現が印象的。

3

ゆったりとした時間のお話

相変わらず青井秋先生の繊細な画力が凄いです。
植物や動物などが綿密に描かれているだけで無く、詩的に表現されているのがとても素敵です。

ページの数字の隣に描かれた小さな植物にも目を奪われました。

こちらの作品は短編集でしたが、表題作が1番好きでした。
青井秋先生作品なのでエロは皆無です。なんなら表題作にはキスシーンさえありません。

マルセルが妹にギーゼルの事を説明する言葉や、ギーゼルの身体にそっと触れる指先などで彼に対する好意を感じる事が出来るのです。

ギーゼルは真っ直ぐな言葉をマルセルに告げるので、いかに彼にとってマルセルが大切なのかが分かります。

2人の関係性に凄く萌えて憧れました。

その他の作品もゆったりとした時間の中で進んでいて、コロナ禍の生活で癒しとなるようなお話ばかりだと思いました。

1

ゆっくりと優しい

表紙の不思議さに惹かれて、試し読みに引き込まれて。
森の奥でひっそりとひとりで暮らす異形の男ギーゼルベルトと心優しき青年マルセルのゆっくりと優しく穏やかな日常。

唯一の肉親の妹の結婚式の日、10年前にした約束を守る為にマルセルは誰も踏み入れない森の奥に住む異形の男の元へ死をも覚悟して来たマルセルたが、異形の男ギーゼルベルトはだった自分を見て逃げ出さなかったマルセルを知りたく話したいと。

ストーリーは、マルセルとギーゼルベルトの孤独に触れ自分の中で何か感情がゆっくりと優しく育つお話で、まるで穏やかなピアノの調べや詩集の様。

他にも表題以外の短編が収録されているが、どのお話もゆっくりと優しくでも何かが感じられる作品です。

0

じんと心に沁み入ってくる短編集

◆百草の裏庭(表題作)
 童話のような、絵本にして欲しいような、温かく穏やかで素敵なお話でした。青井先生のタッチには本当にこういう雰囲気がよく似合いますね。異形な見た目のギーゼルベルトですが、不穏な空気を漂わせることはまったくなく、彼の心の温かさにはただただ癒されます。どうしてそんな見た目なのかも分からないし、彼はずっとこの姿のままなんですね。けれど、本質を見てくれるマルセルは、そんなことが微塵も気にならないほど自然に彼に接していて。初々しい恋人のような、古くからの親友のような雰囲気の2人が微笑ましかったです。

◆旅の途中
 黒髪のカスペルの見た目がとても好みだったんですが、この街では彼のような外見は異端で。唯一ずっと彼の傍にいてくれるヨーアンのことも、カスペルは素直に受け入れられず、なぜ自分なんかと一緒にいてくれるのか訝しく感じている。場所が変われば常識も変わり、どんな人にも自分に合っていると思える所はあるはずですし、そこに辿り着けなくても、1人でもありのままの自分を好きでいてくれる人がいれば心は安らぎます。時間をかけて、カスペルがヨーアンに素直に甘えられるようになればいいですね。

0

ゆっくりと育まれるから。その後を知りたい、短編集。

BLあるある「Beauty and Beast」である。
丸っと表題作でお送りして欲しかった。
ヨーロッパの何処か。黒い森に棲まう、異形の男・ギーゼルベルトは、黒い肌に黒い髪。厳つい顔。頭には大きな角。ただし彼は魔法で姿を変えられた王子では無い。その見た目のせいで、森深く誰にも知られる事なく静かに孤独に生きて来た。ただマルセルに逢うまでは。
妹想いのマルセルは、病に臥した妹を救けて貰った代わりに、その命を差し出す覚悟で森へと向かう。ギーゼルは、友達が欲しかっただけなので。了承したマルセルは、一番の友達になる事を約束する。2人は人目に触れない様に。穏やかに。注意深く暮らして行く。
…そう。恋人にはならない。っていう⁈
いや、良いんだけどね。何がなんでも劣情ぶつけて来なくても良いんだけどね!ギーゼルの、多分甘いであろうおずおずとした「初めて」は見たかった気もする。

同時収録は、
◆ stalks(=茎)
百草に因んだのだろうか。
種を結び、命を繋ぐ。連綿と続くいにしえの習わし。
それを恋に擬えた詩の様なストーリー。

◆passage(=通路)
社畜である主人公は少し疲れている。「…俺の人生、何も無いな。」
ある日。不意に流れて来たピアノの旋律の美しさに心和む。
その音を奏でていたのは、近所に住んでいるという学生だった。
すれ違い、言葉を交わす。男にとって。日常が変わった瞬間。
彼等に恋が始まるのはもっと。ずっと先。きっと優しい物語だろうから。
見てみたかったなぁ。

◆侵食
互いに研究者で、恋人同士。ある日。恋人は研究の旅から帰ると、その顔の半身を未知の菌糸に侵されていた。今のところ生きるのに不都合は無いという。
私はボリス・ヴィアンの「泡沫の日々」を思い起こさせる。肺の中に蓮の花を咲かせる美しい娘のことを。
美しい恋人は、今日も我が身の半身に花の様なものを咲かせている。
彼は考える。こうなっていても。彼が愛おしい恋人なのだろうか。
『人は何をもって、自分を自分だと認識し、証明できるのだろう。』
少しだけ哲学っぽい思想を忍ばせて。名もなき2人の話はたゆたう。

◆旅の途中 前後編
名もなき主人公たちの3編を挟み、ここに中編。
しかし。名前が付いているだけで。この2人もまた恋未満の、詩の様に儚い物語。
異国の血が混じっていると思われるカスペルは、幼ない頃から周囲に馴染めなかったけれど。何故かヨーアンだけは構って来た。大人になって。彼等は旅をする。
何故。ヨーアンは何かとカスペルに構うのか。
「どうしてか。…本当にわからない?」
夜に溶けて行く言葉は優しい。

短編の間に差し込まれた植物の絵。壁紙の様に並べられた草花。
温かくて柔らかい、不思議な森の物語集でした。
寒い夜に、温かくして。ミルクココアをお供に。好きなとこを何処からでも。
ゆっくり読みたい本です。

6

美しい

表題作は森に住む異形の男と薬草売りの青年のお話でした。

ギーゼルベルトは"異形"ではあるけれど、彼の纏う柔らかな雰囲気は
恐れるものの対象ではないことが感じ取れて
そしてマルセルと接していく毎に温かさが増していく眼差しがとても素敵でした。
黒い森で孤独を孤独と感じなくなるほどに
ひとりでいるのが当たり前だった彼の日常に
マルセルの存在が柔らかく溶け込んでいき、
新たな日常が出来上がっていく様子が本当に美しかったです。

どのお話も優しくてちょっと不思議で美しい、
とても素敵な作品たちばかりでした。

0

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