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表題作昨日をもう一度

神藤千昌、フリーターで修史の同級生
高森修史、母校で教師

その他の収録作品

  • 水のやり方(描き下ろし)
  • カバー下:漫画(2P)

あらすじ

母校で高校教師として働いている高森は
ある夏の日に、高校時代に好きだった同級生の神藤と再会した。
高森が神藤への気持ちを忘れられないのと同じように、
神藤もまた、昔好きだった人を忘れられず悩んでいるらしい。

神藤の想い人が実は"教師"だということを知っていた高森は、
その身代わりとして抱いてくれと言い出して…

作品情報

作品名
昨日をもう一度
著者
らくたしょうこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
ISBN
9784813031949
3.8

(92)

(29)

萌々

(33)

(17)

中立

(10)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
12
得点
338
評価数
92
平均
3.8 / 5
神率
31.5%

レビュー投稿数12

青春の頃を憧れを大切にしすぎた二人が最高

二人とも、高校の同級生なのに殆ど接点がなかった。
むしろ、受・高森先生が一方的に憧れて、勝手に距離感を近く感じていたような。
高森先生が、攻・神藤をアイドルのような、崇拝対象にしたまま、大人になってしまった印象。
それは、神藤にとっての、高校時代に付き合っていた女性の先生も同じで。

高森先生は、女性先生の代わり。
神藤は、高校生の頃のキラキラしていた神藤のかわり。
なんとも歪な同盟関係(カラダの関係あり)がはじまります。

いい大人になった二人が、歪な青春時代をやり直しているようで、かと思えば、それぞれの今の自分達として触れ合う時間も出てきて。

過去を精算した後の、改めて今のお互いとして付き合い始めた二人がめちゃくちゃ可愛いです。
下の名前で呼び始めたエピソードとか、めちゃくちゃ気になります。

あんなにうじうじしていた神藤が、ふっきれてから恋を自覚して、ガツガツとアタックしに行くところは、めちゃ可愛いです。そして、かっこいい。
本来は、交わることのなかった二人が今こうして寄り添ってるのをみると、憧れを大切にしすぎてもだもだしていたことも、無駄じゃなかったんだと思いました。
二人の続きが読みたい!

0

テーマに対しての伏線が細やか

らくた先生の作品はずっと気になっていたのですが、初めて読ませて頂きました。


高森と神藤の関係はお互い過去に囚われていて、
その過去“だけ”と向き合う為に始まるのですが…

あることから高森は神藤を始め自分以外の周りの人々が前を向いて未来へ進んでると感じてしまうのですが、これはこの作品において大きなテーマなのだと思うのですが、その心情の変化や原因などが丁寧に描かれていました。

そして、小さな設定1つ1つに意味を持たせてると感じさせられます。

高森の趣味が観賞植物で、生きている!と感じるから…とか。
過去に囚われて成長してない高森と対比的な趣味で、より一層高森が過去から抜け出せていない様子が表現されてるように感じます。

自分だけ過去のキラキラした思い出から抜け出せず成長出来ていないと悩む高森が可愛く、どこか他人のように感じませんでした。

現実は過去の美化された記憶とは異なり泥臭く、ダサいものなんだよなぁ…と思い当たる節があるためか、すんなりストーリーが入って来ます。

そして実際神藤は高森が言うほどカッコよくないです(笑)

でも、生きてる!と言う人間味が非常にあって好感しかないキャラクターでした。

高森も適度に性格が悪いので、ダサい神藤の良い理解者であり、ツッコミとしてもお似合いでした!

キャラそれぞれに人間味があり、
1冊で完結してますが、キャラのバックグラウンドも容易に想像でき、伝えたいテーマも明確で
置いてけぼりにならず、ストーリーに入り込める素敵な作品だと思います。

2人のやりとりが、現実味があり微笑ましかったです。

長々と書いて支離滅裂になりましたが、
キャラ立ちしている2人の恋愛はずっと見てたい、喧嘩もして欲しい(笑)と応援したくなる作品でした。

5

人は自分の中の幻想に想いを募らせるから、現実を知るのが怖い…

「相手のことを知らなければ知らないほど、自分で幻想をふくらませて、想いを募らせていく」
Twitterに流れてきた言葉になるほどなぁと頷いていたのですが、本作はまさにそれ!なストーリーです。


母校で教師をしている高森は、同級生の神藤が女教師とキスしているのを見たことがある。
キラキラしてる同級生の秘密と知らない顔を知ってしまった高森は、大人になった今もあの瞬間に囚われたまま…

そんな時、高森は神藤に偶然再会して、学校に行きたいと頼まれる。
神藤が女教師と過ごしていた部屋、自分では絶対に行けないと思っていた扉の向こう側に神藤と一緒にいる。
神藤はあの時の劣情を、高森は片思いの気持ちを思い出して、キスをしてしまう。

そして神藤もあの時に囚われたままだと知った高森は、学ランを着せた神藤に、生徒に欲情する変態のフリをして、
「神藤くんは生徒の代わり、俺は先生の代わり、高校の時先生にしてたみたいに俺を抱いてよ」と…


神藤は、凛とした理想の教師との背徳感に夢中になっていただけだって、うすうす気付いているのに、過去に囚われたまま現実を見れずに、今を生きていない。
高森を抱くのも、あの時の思い出をやり直しているだけ。
高森が抱かれているのも、今の神藤ではなく、高校の時に片想いしていた昔の神藤。
そうして二人は、目の前にいる人間とではなく、過去の幻想とカラダを重ね続ける…


幻想のなかで想いを膨らませたら現実を見るのは怖い。
でも自分では過去の幻想と過ごしているつもりでも、肌を合わせた時の体温のリアル感のほうが幻想より強いんじゃないかなぁ?

神藤が女教師に会って謝りたいと言うから、高森は神藤と女教師が会うセッティングをする。
それまでも女教師がまだ同じ学校に居ることを言う機会はいくらでもあったのに、高森は話そうとしなかった。
神藤と女教師がリスタートするのが怖い、それって、今の神藤を好きだってことでしょ?

神藤は、女教師と会って、自分との傷なんて全く引きずってないことを知ると、傷つきつつもスッキリする。
そうして高森への気持ちを自覚する。
神藤のこの切替は唐突な展開がするけど、それまで高森と肌を重ねてきて、神藤自身の中にも高森への気持ちが育ってきてたってことだと思うんです。


二人とも過去の幻想にケリをつけて、今の自分自身で相手に向き合いはじめた。
スタートラインにやっと立った二人ですが、憑き物が落ちてノーテンキに明るくなった神藤と、意外と底意地の悪い高森は、ケンカしつつも仲良くやっていくんだろうなって思えます。


大洋図書リアルイベント記念本『SUMMER』に掲載されていたロゴ無しの表紙絵が好きだったのと、やんちゃ君とまじめ君が昔話をする番外編に惹かれたので、コミックスも読みましたが、哲学的な香りがするストーリーでおもしろかったです。
シリアスな設定だけど、二人のやり取りがコミカルなので、重くなりすぎずに読めたのも良かったです。

3

もっと読みたい

BL作品ではあっちもそっちも美形だの妙な色気だのイケメンだのと言われるキャラクターが多い中で、堂々とフツメンと言い切られ、私服はダサいと女子高生に笑われる高森が愛しい。Hollywoodって書かれたTシャツ…ダサい笑

突飛な設定の世界観でもないのに、久々に会った高校の同級生に童貞マジやばいとか変態エロ教師とか言われるの、リアルに考えたら面白すぎる。
シリアスっぽい1話からうってかわって、2話のはちゃめちゃ加減が大好きでした。常識人かと思った高森はだいぶ変な人だったし。でも人間こんなもんだと思うから作り物っぽさが無くて好き。
登場人物の「生きてるんだねぇ」感は、漫画読んでて欲しいものの一つで、まさに生きてる感を語り合ってくれて嬉しい。

終盤の甘い2人がとっても良かったな〜
2人とも決して完璧な人間じゃなくて、欠点が沢山あって、そこも好きだと思えるところが描かれている素敵な作品でした。

萌2〜神

2

知っていくほど好きになる

シリアスになりそうなストーリーをコミカルに仕上げているのがすごいです^^
高校の時のキレイな思い出から抜け出せない元同級生二人のお話。

チャラいフリーター×フツメン高校教師

学生時代の憧れ・千昌に再会した高森。
ずっと忘れられなかった思い出の千昌が身近になり、
今まで知らなかった本当の彼を知っていくーー
昔の思い出ってキレイなまま残りがちですよね^^;
実際にはそれほどではなかったことも、
思い出の中ではキラキラ輝いていたり……

実はチャラくてダサい千昌と口の悪い教師・高森。
お互いを知ってもそのまま受け入れていく二人がとても良い!
そして、会話や表情がコミカルで楽しかったです^^
描き下ろしのサボテンを枯らして落ち込む千昌は可愛すぎてキュンとしました♡

1

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