穏やかで、奇妙で、どこか切ない、3人のビューティフル・ライフ

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表題作ビューティフル・ライフ

あらすじ

一方に恋をして、一方を愛した

裕福な家庭に育ち、容姿端麗で、若くして会社を経営する、誰の目か ら見ても完璧な幸仁。
幸仁の幼なじみで、アパレルブランドに勤め、 一見ぶっきらぼうだが、面倒見が良く優しい性格の明。
そんな二人の 共同生活に、ある日突然入り込んできた謎の青年、海。
穏やかで、奇妙で、どこか切ない、3 人のビューティフル・ライフ。

【特典についてのお知らせ】
購入者特典スピンオフPOPは、『神さまはこの恋をわらう』と同じ形式のポストカードサイズのカラーのものを予定しています。全部で3種類、ランダムでおつけいたします(種類はお選びいただけません)。

作品情報

作品名
ビューティフル・ライフ
著者
阿賀直己 
イラスト
ぱち 
媒体
小説
出版社
ルナマリア(星雲社)
発売日
ISBN
9784434188862
3.4

(36)

(19)

萌々

(1)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
5
得点
112
評価数
36
平均
3.4 / 5
神率
52.8%

レビュー投稿数5

美しい日々

幸仁、明、カイ。
三人の登場人物の美しい日々がもどかしいほど丁寧に描かれていた。
恋情と愛情(友情)の両方が胸の内にある時、無条件に走り出してしまうのが恋情だなぁと思う。
しかし恋は月日が経つにつれ愛に変わるという。だとしたら、この三人の生活はどう変わるのだろう。また、三人でひとつ屋根の下ビューティフル・ライフを送ることは出来ないのだろうか。
ボーイズラブと言うには文芸色の強い話だった。
挿絵がすごく綺麗。

2

はっきりしてくれて一安心

先日、イラストに惹かれて衝動買いしましたが、期待よりは楽しめたと思います。

表紙からもわかるように、メインキャラクターが3人いることで誰と誰が結局愛し合ったのかという部分が曖昧に終わるのかなぁ…と予想しましたが、そこをはっきりしてくれたことはとても良かったです。
それに残された1人も歪むことなく納得したし、その納得の仕方も好きでした。共感できるな、とも思えました。

ただ何故に萌×1なのかというと、文章の書き方が少し残念だなと思ったからです。もっと上手く書ける人は書けるのでは…。
出てくる登場人物3人とも、至る所に外見が整っているぞという描写があるのですが、その描写がもっと上手なら尚良しですね。
まぁ、素人の見解なので曖昧ですがww

でもBLの中ではかなりボリュームのある本ですが飽きずに読破したので、読む価値はあると思います。
長さもストーリーに対して丁度良いのではないでしょうか?

2〜3日はもつ作品(・ω・)ノ

5

腑に落ちる!

三角関係だけどドロドロ感もなく痛みより、三人がそれぞれを慮ってるところが良い。だから三角関係だけど、落としどころに腑に落ちました。ただ濃厚さを求めていた私には物足りなさを感じました。イラストが秀逸です、センシティブ好みの方にはオススメです。

1

愛する関係と恋する関係がもっと見たかった

通常のBL小説は文庫サイズだと思うのですが、この本はペーパーブックのような仕様で、400ページ近くあります。書店やアニメショップなどのBLコーナーで探すのに結構苦戦しました。

内容としては、友人が恋した男と友人と、友人の恋した男と愛し合う男の三角関係の話になっています。三角関係でありながらも、お決まりのようなドロドロ展開や罵り合いもなく、友人の恋と自分の恋の間での揺れ動きと、友人関係の変化が中心となっています。何も変わることなく、しかしこれからどう続いていくのかわからないような寄りかかり合った友人関係が、突然現れた非日常的な人物によって恋愛がもたらされたことで少しずつ新しい形になっていきます。静かな雰囲気の中で繰り広げられる心情描写が、これからこの3人はどうなっていくのだろうという期待を生んで、分厚いページがどんどん進んでしまいました。

BL小説の中ではかなり毛色の違った作品だと思いました。内容が、ということもありますが、それよりも文章の書き方が、という点です。
一般的な大衆小説のような書き方で、登場人物の服装、持ち物、部屋などの他にも、周囲の人々に至るまで非常に細かく書かれています。
描写の深さが感じられます。BLの登場人物達というのはどれだけ描写を丁寧にしてもあまりリアリティーがない感じ(フィクション性が高いという意味ですが)の人が多いのですが、この登場人物達はごく当たり前の現実に存在している人物のように感じられます。人物達の日常の些細な出来事や過去の話など、ストーリーの本筋にはあまり大きな影響がないのではと思われるような部分にもかなりページを割いた描写がされています。これが、人物達が存在しているリアルさを生み出していて、一般的なBL小説が主要人物とその恋愛の強調をするのに対して異なっているように感じさせるのだろうなと思いました。

ただその一方で、あまりにも描写や説明が長いと感じさせることがあり、言葉が通り過ぎてしまうことはあったと思います。この小説の中には、帯にも記載されていた言葉なのですが「一方恋をして一方を愛した」というように印象的で、いいフレーズの言葉があるのですが、本の中だとそれらが埋没してしまって魅力が生きてこないところが残念でした。話も内容というよりは展開が印象に残ってしまうような感じで、読み終わった後で「結局別々に暮らすことになったけど、どんな変化があって、どういうやりとりがあって、どういう風に書かれていたんだっけ?」と思い出せないことが屡々ありました。話の展開という、起こった出来事は思い出せるけれどもあれだけ書いてあった心情の部分が思い出せないというのは、非常にもったいない気がしました。

それから、この小説は恋愛以上に2人の友情関係が重要だったと思うのですが、この2人の友情関係は何かが違えばきっと恋愛関係になっていたのかもしれないような関係性を持っていたのではないかと思うのですが、外からやって来た恋愛の力に押されて、うやむやに友情に落ち着いてしまったという感じがしてしまいました。男同士の友情というのは分かり難いし描きにくいとは思うのですが、もっとそこの揺れ動きや変化を見たかったというのが本音です。そうであったので、この小説のラストが恋愛に終始して終わるところにあまり納得を見出せなかったのかもしれません。

長くいろいろと書いてしまいましたが、描写の力によって作品をしっかり成立させているところはボリュームに見合った納得の出来だと思いますので、ドラマチックすぎない日常の恋愛話をたくさんの活字で読みたい方には勧められるかなと思いました。
読んでから自分自身いろいろと考えることもできたのでよかったかなと思います。

5

検索すると…

ある海外芸能人のファンフィクにしか見えないという感想が複数ありました。私も同じ感想です。
一般の人から見たらこれはこれで独立した三角関係BLなのかもしれませんが、ファンフィクを読んだ事のある人間にしてみれば、既視感のある関係性のパロディに見えました。そういう意味ではオリジナリティが感じられなかった。
文章が陶酔気味で、これは単純に好みでしょうが個人的には肌に合わず引いてしまうところもありました。

百歩譲ってファンフィクを手直しして商業作品にするとしても、せめてイラストや人物描写・名前を本人を想起させないものに変えないのは何故なのでしょう。個人的には、意図的に特定人物を匂わせようとしなければこうはならないと感じました。
(同じ事を出版社に問い合わせましたが、元は確かに二次創作だとした上でその質問に対して説明するつもりはないという主旨の返答でした)

ここからは、内容のレビューというより作品そのものへの意見になります。すみませんが、不快でしたらスルーお願いします。

貶してかかるつもりはないですが、権利者に無許可の二次創作として書いたものをわざわざ微妙に改変して商業行為をする事を、私は好意的に見る事ができません。

元の作品の元ネタになっている人のファンとしては、こういうものが一般書店に並んでいる事に驚きました。
表紙を見た時、えっ?これってファンアートでしょ?それを商業で売ってるの?とひやりとしました。実際は名前は変わっているので二次創作をそのまま置いている訳ではありませんが、全くの初見でそういう印象を持ちました。
既存ジャンルや実在人物のイメージを、作品に利用しているように見えました。モデルにしているというだけなら問題はないでしょうが、一人ならず同一視している読者がいるというのはいきすぎではないでしょうか。
表現や出版の自由と責任を考えた時、誰かの人格や価値を傷つけたり、利用するもの、していたもの、可能性があるものは細心に避けるのが、社会に対する個人と企業の責任だと思います。
この作品に対してその配慮がなされているとは感じられず、とてもモヤモヤした…それが全体の感想です。

18

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