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表題作悪辣色男

鮎川斉昭
会員制高級クラブのオーナー,32歳
川崎貴文
リストラされ攻のクラブに再就職,39歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

堅実な就職先、型どおりの結婚。
今まで常識的に生きてきた川崎は、ある事情から会社をリストラされてしまった。
川崎は躊躇いつつも、男ばかりが集う高級クラブに再就職する。
オーナーの鮎川の「身を売る必要はない」という言葉を信じたのだ。
だが、地味で冴えない川崎にやっとついた指名客が求めたこととは……!?
「本当は、嫁さんにねだられなくなってホッとしてるんじゃないのか? 女なんか嫌いなんだろう?」
川崎のついた「嘘」を知っているかのように、川崎を脅し、追いつめてくる鮎川。
黒い魅力に、秘められた願望は暴かれていく――!!

作品情報

作品名
悪辣色男
著者
中原一也 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
ISBN
9784812499276
3.4

(47)

(3)

萌々

(19)

(21)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
14
得点
156
評価数
47
平均
3.4 / 5
神率
6.4%

レビュー投稿数14

徹底して主人公の印象が薄い(褒めてる)

冤罪ではあるが痴漢の加害者とされ、
それを理由にリストラされてしまい、
妻と子をかかえて……
そんな主人公が働く先としてたどり着いたのは夜の商売。
ホール係といわれてきたはずが、男性を相手にするといわれて……

表紙はさておき、中にある挿絵もそうなんですけど
徹底して「主人公の印象が薄い」んですよ。
意図してそうされていると思うんですが、これがすごくて。
作中で行くと度なくそういう描写がされているから、その印象通りなんです!
そんな男がどうしてこの「悪辣」な男と関係を持っていくのかが
もう!秀逸すぎて!!
そんなところから罠張ってたの~~!!と途中で気づかされるんですが
まさかそうなるとは思わなかったなーって読み終わって感心しています。
読み終わって改めて表紙のイラストとタイトルみて
「ほんとだよ……そりゃ悪辣だよ」って思いました……。

とはいえ、痛い描写は少ないですし、
エロシーンもどちらかというと淡々とすぎていくのですが、
それよりも「妻」ともう一人の女性の描き方ですよ……。
お み ご と !

0

あっぱれな執着

会員制クラブのオーナーである攻め鮎川と、痴漢疑惑が原因でリストラされ、無職の受け川崎。

紹介された求人に面接に行ったら…
鮎川のゾクゾクするような色気を奈良さんのイラストで表現されると、まんまその通りで…。お話自体は、攻めが実は学生時代にバイトしていた家庭教師の中学生だった、というものなのですが、川崎の性的嗜好に気がついてしまう過程が上手く描かれていて、なかなかに面白かったです。
ただ、萌か?というところだと、うーん、萌ではないな。
どちらかと言うとノンフィクションを感じさせるような(当たり前ですが、風ってことです)執着の中に見つける愛というか、目覚めというか。

中原さんの作品!っていう感じでもありました。
軽いハッピーエンドじゃないのに、最後はホッとしてしまう。。。

1

やはりそこが萌ポイントでしたか?

レール人生を生きてきた平凡な37歳既婚者が男に堕ちる…のを期待して読んだのですが、どちらかというと羞恥プレイが主だった気がします。
普通の飲食店だと思った求人は女人禁制のクラブで、自分以外のスタッフは若くて美しい…
その劣等感や、制服に隠された開発されていく身体の羞恥心と戸惑いが複雑で良かったです。可愛いような情けないような、淫靡なのか蓋したいのか混ざり合った感じで。もう少し鮎川が川崎に夢中になってベタベタして欲しかったな。種明かしもあっけなく。

1

絵師買い

Amazonの書評でも、絵師の評価が高い。
リアルな描写に笑ってしまう  そこまで描くの、と感心。


0

嫌よ嫌よも好きのうち?

気になっていた中原さん、現代モノ・単巻ということで、こちらで初読み。一冊目がこれで良かったのか……?という一癖ある内容だが、作者らしいとの感想もあったのでまあいいか。

文章はクセや特徴が綺麗に削ぎ落とされていて、内容だけがスルスル入ってくる。読んでいるのに文章の気配を感じないというか、なんかステルスな印象。

受けの川崎は外でも家庭でもとにかくずっと我慢している。最初はいつかキレて爆発しそうに見えて怖かったが、攻めの鮎川が出て来てからは様子が変わった。拒みながらも本音では拒みたくないらしく、一見流され系のようでいて実は嫌よ嫌よも好きのうち系の受けだった。
それにしても鮎川も名のあるモブも、川崎を追い詰める描写がねちっこい。一つ一つのシーンでいちいちしつこく責められるうえに、川崎も上手く反応を返せなくてもどかしい。
本質を隠すために分厚い殻をまとった川崎の中身を暴こうとしているので、それぞれが必要なシーンではあるが、川崎の心理的に抵抗する描写もしつこいため全体をクドく感じてしまう。
間に挟まれる過去エピソードは妖しい空気と萌えがいっぱいで良かった。

鮎川の事情が明かされてからの手のひら返しはあっさり。受けた仕打ちが悦びに変わるほど気持ちが傾いていたようには読み取れず、唐突な愛の告白に驚いた。

口では嫌がっているが本音では悦んでいるんだろう、暴いてやるぜ~っていう開発調教エロと、陥れて手中に収める拗らせ執着BLの王道を組み合わせたようなお話。
ラストはそれなりに綺麗に収まったが、これからが心配な二人だと思った。

女性陣は皆酷い有様で、良文だけが癒し。ただただ彼の今後が幸せであることを願う。

0

執着調教攻めと追い詰められ受け

不器用執着調教年下攻めというのでしょうか。すごい執着ですね。

攻めの正体は年齢差や手の描写や名前からそうかな?と思ってましたがやはり。しかも一連の展開まで仕組んでいたとは!

途中までは主人公が気の毒でたまりませんでした。追い詰められる受けは読んでいて辛くて。妻も子もいるのに一体どうやって結ばれるの?と思って読んでました。
正直に生きなかった性癖を認めなかったことがそんなにいけないの?とも。

でもお互いに17年囚われていたのですね。
愛を知らない攻め。初めて自分を見てくれた受けを自分の物だと。
なかなか辛い調教でした。あそこの洗浄はこの作品で初めて遭遇しました。客を取らせずひたすら調教する、これも愛情表現なのでしょうか。

受けもそうなるかな?と思ったら離婚して子供を引き取り生活も立て直して幸せになれて良かったです。

最後の告白エッチも良かったですが、騒動が落ち着いてからの二人の様子も読みたかったです。でも攻めが愛してると言えましたね。受けが攻めを救えたのでしょう。

一度は自分の性癖を自覚することに怖くなり逃げましたが、知らずに再会してやはり助けてあげたい救ってあげたい想いが芽生えましたね。

アダルトなお話でした。半分くらい辛かったです。

0

『可哀想な受け』がお好きな方にオススメ(オヤジだけど)

電子書籍で読了。挿絵あり。奈良画伯のイラストは暗くてやるせないお話のムードにぴったりでした。

いい加減な軽口ばかり飛ばしているけど実は力があるオヤジが活躍するコメディあるいは人情ものを描く中原さんを『白中原』とすれば、このお話は『黒中原』。イメージとしては『淫雨』に近いトーンです。攻めが必要以上に拗くれていて、受けがとても可哀想な目に遭う所とか。

可哀想は可哀想なんですが、川崎さんには体を張ってでも頑張らなければならない明確な理由がありますので、ある意味、朝ドラや昼ドラを見るような気持ちで読んじゃいました(変かもしれない)。帯ドラマと同じで『着地点がご無理ご無体な所ではない』というBLのお約束もありますし。こういうお話、嫌いじゃないです。

読みながらちょっと心配だったのは、川崎の子どもの存在です。「どう決着をつけるんだろう?ご都合主義で終わらなきゃいいな」と思っていたのですが、大変納得のいく終わり方でした。流石。

2

タイトルに偽りなし

一言で言うと攻めの異常なほどの執着物で、そうした作品は大好物なのですが、一筋縄ではいかないです。
前半は受けがとにかく不憫で可哀想。。
攻めも好きな相手なら、何もそこまでしなくても。。というほど受けを貶めて惨めさを増長させます。
特に最初の頃は全く愛を感じられなかったので、受けもここまで惨めにされて好きになるという心情って何なんだろう。。という素朴な疑問。
吊り橋効果で好きになる的な??
執着を拗らせすぎた男の話という感じでした。

1

実はしつこい執着愛。

真面目に生きてきた平凡な男が、自分の押し殺していた性的嗜好を目覚めさせられていくというストーリー。こういうエロ描写重視のBLというのも、もうだいぶパターン出尽くしてて新鮮なネタやシチュエーション探すのも大変なんだろうなぁ……などと思いながら読みました。

皆様も言及している腸内洗浄のシーンは、ス○トロの領域に踏み込まないよう気を遣ったのでしょうねという感じ。個人的にはもっと直接的な表現でも全然構わないのですけど、BLにそういうのは求めない人も多いでしょうし。

妻と子の扱いや顛末については、モヤモヤとする部分が残りましたが、アラフォー男がエロティックに目覚める執着愛の物語として読み応えはありました。

1

悪辣で不器用

読み終わった後に表紙を見返すと、隠されてるヒントがあって
奈良さんの絵はいいなぁ…と改めて実感。


淡々と続くジメッとした空気
受けのモノローグは情けなさを語り
そんな受けの哀れな姿を見下ろす攻め
タイトルにあるのは【悪辣=情け容赦ないこと】

と揃ってて、ダークな雰囲気が漂う表紙とタイトルにドキドキでしたが
小説初心者の私でも序盤で展開が読めてしまいました(^^;

着地点はハッピーエンドとはいえ、たどり着くまではしんどかったな…。
とにかく受けがなんかもぅ哀れ。
もっとシャキッとしろ!!と背中叩きたい反面、
同情したい気分もあり。。。

腸内洗浄のシーンは悲しくなりました。
排泄を攻めに見られ、シャワー浣腸され。
その結果、自分の体が何を望んでるのかを思い知らされ、守ってきた物を打ち砕かれ。
声をあげて泣く描写とそのシーンの挿絵で悲痛な感情が伝わってキツかったです(´•̥ ω •̥` )

執着攻めは好きだけど…好きだけど…ううううーん?
エロを仕込むキッカケとなったホテルでの事件。
受けが抵抗出来ず最後までヤられてたらどうしたんだろう?
長年かけて計画を練った割にホテル事件は結果ありきでしっくり来ない…。

でも初挿入時に悪ぶった態度を貫き通せず余裕が崩れたのは萌えた♡
それまでの態度から一転し、嫉妬して怒りあらわに襲いかかるのが良いわー(∩´///`∩)
執着攻めの嫉妬は美味しいですな。
その後、本音を見せた時の悪辣男の不器用さにニヨニヨしちゃいました♪

途中、受けの内向的な性格に少し気が滅入りましたが
ラストは幸せそうな姿が見られてほのぼの出来ました。

そういえば途中から出て来なくなったけど
高級クラブの教育係・桜井くんの存在が良かったです。
穏やかな口調と気遣いに癒されました。
彼も幸せになってるといいなー。

4

表紙はエロ控えめですが・・・

39歳妻子持ちがリストラされ、やっと見つかった再就職先は男性専門会員制倶楽部で、オーナー直々に仕込まれちゃって、女に興味がないことを認めずに生きてきた受の価値観が壊されるけど、受はM属性だったので嫌だといいつつ感じてしまい、最後は攻を愛してしまう、というお話です。
攻が受にねっとりと執着しているので、話の雰囲気は暗めです。
私はエロ目当てで購入したので満足でした。
受が妻子持ち、腸内洗浄の描写がある、が地雷の方は避けた方がいいかと。
女人禁制の高級会員倶楽部が舞台ですが、受の相手は攻一人。(未遂有)
軽くは無いですが、さらりと読めるので、羞恥攻めエロの補充にはいいかと思います。

あと個人的に、パパとパパのお友達(と紹介されている)の関係を息子が知った時どうなるのかなーと、将来が心配になってしまいました。

3

仄暗い調教モノ

川崎の回想シーンで、鮎川の正体や痴漢〜入店までの経緯も早い段階でわかってしまったので、ページを捲るワクワク感がなくなってしまい残念だった。
そして、登場する女性が酷い人ばかりで悲しい…

残るはエロシーンしかないのだけれど、立派な受け様になるための調教シーンがほとんどで、腸内洗浄の仕方までも指導が入った。
調教も羞恥プレイばかりで川崎が可哀相と思いきや、当の本人は実はM気質だったので、心は辛そうだったけれど身体は嬉しそうだった。
この調教シーンは自分的には緩かったかな。


3

エロは多めだけど…

会社をリストラされた妻子持ちの地味な男39歳が、
(受け:表紙後ろの茶髪の男、挿絵ではあんまり地味には見えない…w)
なかなかいい仕事が見つからず、男性相手の会員制高級クラブで働くことに。

そこのクラブのオーナー(攻め:表紙の手前黒髪の男)から、
執拗にエロいことをされ、そもそもその原因は…と過去を遡りつつ進む物語。

この本は、エロいことがとにかくいっぱいです。

受けは、本当は男が好きなのにその想いを封印してずっと生活してきた人で、
「嫌…」と思いつつも攻めの手管に快感を覚え、抵抗できません。
加えて、生活のため…という理由も加わり、攻めの強引な要求に逆らえず、
それをいいことに攻めは言葉責めしつつ、要求をエスカレートさせ~~という展開。

うーーん、エッチシーン何回あったかなぁ。
正直何度もありすぎて、反対に単調な気がしてきたほどでした~

特筆すべきこととしては、
攻めが無理やり受けに腸内洗浄をするシーンがありました。
せっかくだから、ここ、もっと生々しくてもよかったのになーーー
って思ったのは自分だけかなぁ(;^ω^)
あとがきによると、
「やりすぎだから改稿しましょう」と担当さんに言われないか、
中原さんは心配だったようなんですが、今回無事に載って大丈夫だったようなので、
次回は更にもうちょっとエスカレート~~だといいな♪w

あ、それから、
徐々に明らかになっていく過去話が、全部分かってみると意外に、
ひっぱった割にそんなものだったの?って感じで、ちょっと残念でした~~

ただ、受けの息子(素直ないい子♪)の存在や、
受けのパパとしての顔、その息子に接する攻めの態度などが、
なかなか和ませてくれてよかったし、最後に攻めがデレる部分は可愛かったです。

7

一途でサディスティックな執着

タイトルがピッタリくるストーリーで攻めになる鮎川は悪辣過ぎでした。
でもその裏に見える愛し愛されることが何より出来ない不器用さが愛しい気がする。
もしかしたら、受けになる7歳年上の川崎もそんな風に思ってしまったのかも。

川崎は25歳で結婚し3歳の一人息子がいて、結婚生活が破綻しているのです。
でもそれを解っていながら離婚しないのは川崎自身の罪悪感もあるかも知れません。
川崎は大学生の時に家庭教師をしていた中学生とのある出来事がきっかけで
自分の性癖がノーマルではないかもしれないと言う不安からそれを打ち消すように
早々に結婚した経緯がありますから、本当の自分を認めることが出来なかったツケが
39歳になって一気にやって来たみたいです。

でもそれも本人が知らないうちに実は鮎川に巧妙に罠に嵌められる展開で、
後半ギリギリまで川崎は気がつかない。
この話は中学生の子供に好かれ異常な執着何年も持たれ、捕まってしまった男の話。
鮎川の異常なまでの執着は育った環境が大ですが、それだけでもなさそうです。
かなり手ひどくプライド木っ端微塵なまでにサディスティックいたぶられるけれど、
今まで心の奥底に隠していた性癖が鮎川の手により解放れ、恨むどころか
言葉もなく態度も冷たいながらも自分に対しての熱を感じてしまい、
いつしか川崎自身が鮎川を愛し始めてしまう。

川崎に対して本物の悪党にはなりきれない鮎川の微器用すぎる歪んだ気持ちを
真正面から、鮎川本人も気がついていない気持ちを受け取ろうとする川崎。
一人息子が時々ほのぼの感を漂わせてくれて強弱があって良かったです。

5

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