イラスト入り
最高の作品が来ました。橘紅緒さんの『唇で壊される』に並んで、
私のなかで文句なしの神小説となりました。
***以下ネタバレあり***
攻めの宝坂と受けの椎名は、まだお互いが社会人になる前に
とあるバーでチェロ弾きと客として出会っているんです。
出会いの時点でふたりは一目惚れのような恋に落ちている。
が、とある事情から、宝坂はゲイである椎名を冷たく拒絶します。
椎名は心に傷を負い、
自分のセクシュアリティに対してトラウマを負ってしまった。
そんなふたりが、数年のときを経て、同じ警察署で再会することになるんです。
(岩本薫さんの『捕獲者ーロッセリーニ家の息子』を彷彿とさせるような
再会モノBLでもあります)
攻めの拒絶にも事情はあって、ふたりの誤解は早々に解けるんですが、
そこからすんなり「じゃあ付き合いましょう」とはなりません。
自分だけが相手を好きなんだと思い込みながら、
でも、それを直接相手には伝えられないから、
椎名は 宝坂に可愛がられている後輩刑事に八つ当たりをしてみたり、
宝坂は 宝坂で、椎名(の恋人のフリをした色男)の従兄弟にバチバチ静かなる牽制をしかけたり‥‥
起承転結がはげしい恋愛ドラマ‥‥昼ドラのような濃さ!
椎名の従兄弟がね、また良い。
彼が恋人のフリをしてくれたおかげで、(すでに一度こっぴどく傷つけられている)椎名が、惨めなキャラクターにならずに済んだ。
蓮川愛さんの美麗な挿絵で、この濃いストーリーが読めたことに
感謝いたします‥‥!
以上。
面白かった〜〜〜
攻めに性虐待の過去ありなので地雷のある方は
お気をつけて。
年下だけど地位は上、普段は敬語なのでジェントルなのに受けには変態チックな攻め×京都弁の敬語年上受け
もうね、属性だけでお腹いっぱいですよ。しかも切ないすれ違いあり、親子の確執ありとエピソードがてんこ盛り。ページを捲る手が止まりませんでした。
京都弁&着物姿が色っぽい受けがいいですねぇ。攻めを課長呼びしてるのもえっちでよろしい。
脇キャラも魅力たっぷりで続編とかあったら読みたいぐらい。従兄が特にお気に入り。挿絵もイメージとあっていて大変満足な一冊でした!
雪人は学生の頃に自覚し始めたが、その時に恋に落ちたのがバーで演奏するチェロ奏者の男だった。。。
偶然、出会った二人は懐かしむような会話だったが、宝坂が放った言葉で雪人は愕然とする。。。。
その失恋?でダメージを受けた雪人は実家に帰り警察官となる。その際に家族へカムアウトするもの同じ警察官の父親には絶縁されてしまう。
そんな折、異動になった雪人の上司が宝坂で…
そっからはもう。究極の両片思いのお話でした。雪人がかわいそうで、切なくて、胃がキリキリするようなやり取り。もう読んでるこっちは「こんちくしょう、小鳩め!!」って思いながら読んでました。
嫉妬から、ってことになってるけど、遅刻ギリギリだとか、書類を丸一日かけて書き直すとか、そもそも社会人的にイケてないやつよね?ましてや取り調べでの失敗は自分のミスなのに逆恨みじゃないのか?!
上司にゲロっちゃうとかも、普通ならもっと恐縮するよ〜
最後はハッピーエンドだと知りつつも、何?このすれ違いは!って思いながらヤキモキ。
後半で、思いが通じてからは、なぜか変態プレイがお好きな宝坂。原因は従兄弟の名演技にあったんですね(笑)さらに、普段は理知的な話し方なのに、最後はめっちゃ砕けた口調の宝坂にも笑えました。
ホント、良かったね、雪人!って言ってあげたいくらい。
そっからは速攻で指輪の交換もするし、親にも挨拶行くしで、宝坂の本気度もみれて感無量。
無理のない関西弁で進行するのも、京都が舞台だけあって(京都っぽくない部分もあち、こりゃ大阪弁では?とか)目先がかわってて面白かったです。もう途中はしんどかったですが、思いが通じてからはラブラブ?も見れたしスッキリした〜
受けの雪人と攻めの宝坂との再会ラブ、雪人が東京に住んでいた頃に出会った二人。
ゲイタウン近くのライブバーでチェロを弾く宝坂に淡い恋心を抱きながら毎週通い
同じ曲をリクエストしながら見ているだけの片思いの相手から後にかなり辛らつな言葉で
振られてしまい、それがきっかけで仕事も辞めて実家のある京都に戻り、
警官になった雪人が新たに移動した部署で上司となって現れるのが宝坂なのです。
気持ち悪いとまで言われた相手との再会、それなのに片思いの恋心が切なく残ってる。
絶対M属性でしょうと思える雪人ですが意地っ張りで嫉妬深くて宝坂が本当に
好きなんだねと感じるのです。
そして8年前はどこか刺々しい若さのある攻撃的な雰囲気もあった宝坂ですが、
再会したときにはまるで菩薩ですかと言うくらい微笑みありでさすがキャリアですねと
礼儀正しく、過去に雪人を傷つけたことまで謝る大人になっていました。
でも実はそんなことは全然なくて、8年がかりの誤解や後悔すれ違いが解消されてからは
本来のオレ様ぶりが発揮されて、雪人が振り回されながらも幸せになるのが良いですね。
何度も偶然の出会いをしながらもその出会ったときの状況やタイミングでタイトルどおり
恋が迷宮に入り込む。
後半になればなるほど面白くなってきて蓮川愛先生のイラスト目的の作品でしたが
内容にも惹きこまれました。
1度とことんぐちゃぐちゃに絡まってしまった感情が緩んではこじれ、とけかかっては
またこじれ、そんな繰り返しをしながら初恋を実らせる、素敵な作品でした。
長い恋をすれ違いからぐるぐるしているお話で、辛かったりもやもやする部分もあるんですが、最後まで通すとなかなかよかったです。
京都府警が舞台の東大出身・エリート警察官同士のお話ですが、冒頭から二人の出会いは最悪です。
まだ警察になる前の雪人と宝坂は東京で出会い、雪人に淡い思いを寄せられていると気づいた宝坂は、ホモなんて気持ちわるい死ねっと辛辣な言葉を突きつけます。
これで雪人はショックから不安定になり、勤め先を辞めて京都の警察署に勤めるのですが、そこで8年振りに再会した宝坂はあまりに別人。
物腰の柔らかい紳士になっていたので、本当に同じ人か?と思いました。
冒頭の出会いがあれだったので、他人を突っぱねた子供のような人間だったのが温厚で懐が広い紳士の鏡のような人間になっていて宝坂のキャラがちょっと掴めない…。
この宝坂、友人から二重人格と呼ばれるくらい、職場では寛容な紳士を徹底してるようで、ホントに年下なのかと思わせます。精神年齢的には雪人より10歳くらい上に見えてしまいました。
雪人は雪人で、8年前に酷いメにあって転職までするはめになった恋をまだ引きずっていて、かといって既に婚約者のいる宝坂にアタックするでもなく諦めていて、なのに職場で会えないかとそわそわして宝坂と仲のよい後輩には嫉妬して八つ当たり。
女々しいというのもと違うんだけど、何がしたいのかどうなりたいのか、わかりにくいな~と思いました。
正義感があり、警察としての指命を掲げていながら父親に反発して「警察は辞職する」と言ってみたり「恋人がいて同棲するつもりだ」と宝坂に嘘をついたりするところも何だかしたいことがわかりにくいと思ったり。
鳥谷さんの受けキャラは、女性よりも綺麗とか、見惚れるほどの絶世の美人、みないな容姿が多い気がするのですが、せっかくそんなに綺麗に生まれていながら、かなり卑屈というかなんというか…。
なかなか進まなさそうな展開と、イマイチ受けも攻めも掴みにくいキャラで最初はうーんて感じでした。
うーんて思ったのはもう一つ、宝坂の二重人格(?)的なキャラである職場での紳士的な性格がどうも苦手でした^^;
8年前の本性を知ってるからか、嘘ぽく感じてしまったというか。
もともとの口が悪く俺様な年下というタイプは攻めとしてとてもタイプなので、どっちを宝坂と思えばいいのか…。裏の顔は好みで、普段の顔は苦手って、なかなか味わえないキャラだとは思いますが、片方の性格が苦手なのがなんだか惜しかった。
でもギャップを出す攻めというのはお話として大好きでして、もっと早く出してこちらの本性を堪能させてくれていたら神評価を付けたかったのですが、でもこの本性に戻る瞬間というのは一回しか出せないカードなので、ギリギリで出すからいいのかな?と思います。
8年前の宝坂の酷い台詞にも意味があり、彼は彼で雪人と同じくらい苦い思いを今までしてきており、その二人が再会して誤解を解いてすぐわかりあえたかというとそうでもなく、またそこから互いに恋人がいると思い込みぐるぐるして…とちょっとじれったかったり回りくどいと思う箇所もあるけれど引き込まれました。
宝坂が警察に入った理由もちゃんと順序だてて書かれているところもよかったです。
あと、言葉責めが好きなので楽しめました。
普段の敬語での言葉責めも、俺様な本性を現してからの言葉責めも。
でも少々SとMっぽいですが、鳥谷さんのお得意の変態度は低めだと思ったら、これ、もとは投稿作品だったのですね。しかしこんなに面白いのに投稿作品というのはさすがだなあと思います。
変態度はそこまでではないですが、えろさは結構濃厚だと思います。
傲慢な年下×年上美人がお好きなかたに是非是非オススメしたいです。