ナイトガーデン

night garden

ナイトガーデン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神94
  • 萌×238
  • 萌14
  • 中立13
  • しゅみじゃない7

202

レビュー数
23
得点
677
評価数
166
平均
4.2 / 5
神率
56.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルール文庫ブルーライン
発売日
価格
¥690(税抜)  ¥745(税込)
ISBN
9784040669052

あらすじ

静かな山の中で祖父と暮らす石蕗柊のもとに、祖父の昔の教え子だという男・藤澤和章が訪ねてくる。このまま一生山を出ずに生きていく、そう思っていた自分はなんて狭い世界しか知らなかったんだろう……生まれてはじめて触れた人の肌の熱さに和章への想いを自覚する柊。だが彼の瞳はいつも柊ではない“誰か"を見ていた……。「ふったらどしゃぶり When it rains, it pours」から一年、消えない傷を抱えた和章の愛と再生の物語。

表題作ナイトガーデン

藤澤和章、休業中のプロダクトデザイナー、28歳
石蕗柊、植物園のアルバイト、21歳

同時収録作品ブライトガーデン

藤澤和章、プロダクトデザイナー、28歳
石蕗柊、植物園アルバイト、22歳

評価・レビューする

レビュー投稿数23

なかったことにはできないけれど。

キャラ萌え的な楽しみ方とは全く違う部分で感情に訴えてくる大好きな作品。

「ふったらどしゃぶり」で、主人公にとって大事な存在だったはずなのに大きな痛みを与えていた……だけど、その行動の理由がいまひとつ解るようで解らなかった人物、藤澤のその後の物語です。
端的に言うと、彼が救済されるお話なのですが、過去の過ちは過ちとして、全て解決したり許されたわけではありません。しかし、生きている人間として新たな道を歩み始めるまでが描かれています。

そこに絡んでくるのが、老教授とその孫である柊。彼らもまた抱えているものがある人々なのですが、お互いに欠けた部分を刺激し合い、傷つきながらも道を見つけるのですね。

藤澤の作る作品や、人里離れた山の情景、植物園などの舞台装置もうまく使わらていて、派手ではありませんがしみじみとした小説でした。

「ふったら〜」とは世界やストーリーが連続しているのに、作品の味わいはだいぶ違っています。一作一作をきちんと成立させながら、繋がりも持たせる構成のうまさはさすがです。

時間を空けて、時々読み返したいと思える一冊です。

0

前作の救済

前作「ふったらどしゃぶり」に登場していた当て馬である和章のお話です。
私はこの和章、正直言って大嫌いなタイプでした。
傲慢で卑怯で人間味がなくて、人の心を慮れない優しくない人種。
そんな状態ですから一体どんな受、もしくは攻がこの男を救ってくれるのだろうかと興味がありました。

前作の思い人との決別から逃げるように恩師のツテで田舎の山奥に越してきた和章が出会ったのは、恩師の孫で植物園でバイトをする柊でした。
自分とは正反対のタイプに、最初は反発しあっていたけども、徐々に柊の過去などが明らかになってゆき、ふたりの距離が縮まってくる……という感じ。

中盤までは何だかもうずっと和章の胸くそ悪さに嫌悪感みっちりで、そこまでたどり着くためにたっぷり2週間くらい費やしました。
温度感のない冷静っぷりは相変わらずで、何度も何度ももう読むのをやめようと思ったのですが、恩師が倒れたあたりから漸く楽しくなってきました。
お互いの脆さを補い包み合う関係は前作よりも萌えました。

ただの卑怯だった和章が、柊と出会ったことによりどんどんと人間味を増して行き、幸せになっていく姿は嬉しかったです。
読んでいて辛い出来事もたくさんありましたが、それを乗り越えて幸せになっていく2人を見てほっとしました。でも萌えるかというと、作者の持ち味でもある蘊蓄が邪魔して、結局あー面白かったで終わった感も否めません。

0

前作のネタバレもあり><

一穂ミチ先生「ふったらどしゃぶり」、「ナイトガーデン」読み終えましたのでまとめて感想を書かせていただきました。

個人的に前作は切ないというよりおもしろい話だった。一言にいえば、各自の事情によりたまった男2人がやっちゃってそれで恋に落ちた、という話。BL作品だから萌えるんだけど現実だったら納得できないかもしれない。それに恋愛感情に疎いわたしから見ると、一顕が好きなのにセックスに抵抗があるかおりの考えもちょっと理解できない…。
あくまで個人的な感想だけど、カナライと一顕の間は恋愛感情より共感の方が強く感じれる。体を認められたい、好きな人と愛し合いたい、2人の中のこの感情がメールのやりとりで鮮明になって、そしてようやく同じタイミングで爆発した。
エンドについて、一顕の場合はなんとも言えないけど(セックスレスの同棲は確かに辛かっただろう)、整の場合はなんとなく「これは違うだろー」って思った。和章は何も悪くない、もちろん整も何の悪いことをしていない(当事者の角度から考えればってことだけど)。だけど、なんでお互いあんな苦しい思いをした/させたのに最後はこんなことになったのだろって思ってすごく悔しい。そしてこのもやもやした気持ちと、和章が幸せになってほしいという願いでスピンオフを開いた。

予想どおり、「ナイトガーデン」は前作より断然好みだった。救済話って感じかな?和章視点がとても好きだった。人生にたった2回の恋は全て誰かの死がきっかけってのはほんとうに切ない。素直にそれを死者の恩恵だと受け入れるか、それとも恐怖で拒むのか…
整の時は受け入れるのが怖かったけど手放しすることもできず、そのまま整を囲み閉じてしまった。だからこそ今度こそ傷つけたくない、という思いで柊を抱いてしまったあと、一歩引くことを選んだ。
でも前回との違うところは相手の心が強かったことだ。柊はほっておけない存在でもあれ、悪循環に陥った和章を解放してくれた強い存在でもあった。
2人とも幸せになって本当によかった。この幸せは恋が実っただけの話だけではなく、各自成長して、もっと強い人間になったという意味も含めている。昔からお互い成長させる話が大好きなので、すごく楽しく読ませていただきました。
でも1つだけ気になったところっていうか、個人的な性癖(?)なんだけど、和章×柊ではなく、柊×和章のほうがもっと萌えたと思う。なんとなく和章のようなは繊細な男は受けのほうがイメージに近い感じがするんだね…。前作ではタチだったってこともあるんだけど、誰かのためにネコになってもいいと思うタチのほうがもっと愛おしく感じるって思ってる。
でもこの2人がこれでいいならいいんじゃないかって思った。それにいつか都会に住んでいるお二人の話また読んでみたいな…
こんな素敵なストーリーを書いた先生、ありがとうございました!

1

良かったです(^_^)v

前作「ふったらどしゃぶり」を読んでみて面白かったので、すぐに後作「ナイトガーデン」を読み始めました。
前作の主人公たちがとても好きでしたので、今回はどうだろうと心配しましたが杞憂でした。
むしろ和章のことがよく理解できるようになり、今ではこちらの作品の方がより好きになりました。
和章は寡黙でちょっぴり冷たいイメージです。
例えば花をキレイと感じる情緒がなかったりします。
でも本当はとても繊細で優しい心を持っています。
たぶん生きることに不器用なんですよね。
そこのところ、今回の主人公である柊とその祖父が上手く接してあげてくれたなー、と思いました。
柊と祖父ですが、とてもよく似た二人です。
二人とも第三者から濡れ衣を着せられ、それに対し真っ向から対立し戦う道もあったはずなのに、逃げるという選択をします。
ここのところ、欧米人には多分受け入れられない感覚じゃないかなーと思いました。
戦わないで逃げるということはそのことを認めることになってしまう、そういう意味で欧米人は逃げたり自殺したりを好みませんもんね。
もっとも相手のあることなので、自分が濡れ衣だと騒げば、自分を陥れようとした人たちが逆に世間から白い目で見られる、そういったことを良しとしない、本当に心の優しい祖父と孫だったんだろうなー。
そう考えていくと、そんな人間を描ける作者様の優しさをつくづく感じずにはおれません。
今後お気に入りの作家さんということで、電子書籍化されてる本のみですが、全て読みつくして行きたいなと考えております。
祖父は他界してしまいましたが、和章と柊は幸せになれて良かったね。
素敵な物語を有難うございました。

2

スピンオフ

「ふったらどしゃぶり」スピンオフ。
「ふったらどしゃぶり」よりも読みやすかったのですが、ページを捲るワクワク感が湧いて来ず…
なんとか半分までは読み、残りは流し読みしてしまいました。

こちらの作品は、どうしてもストーリーの先が見えてしまうのが駄目でした。
駄目押しは「和章」という人物がどうなろうと、別にどうでもいい感が湧いてきてしまったことです。
「ふったらどしゃぶり」で和章のことはかなり気になっていたので、こちらのスピンオフを読むのを楽しみにしていたのですが、なぜか読み進めるほどにどうでもよくなってきてしまって…

非日常BLばかりを求めているわけじゃないのですが、なんだろう…アダルトさが足りないのかな。
残念ながら自分には合いませんでした。

1

ナイトガーデン(和章作)が見たいです

ふったらどしゃぶりでは私の中で好感度低いキャラベスト2だった和章と、金髪碧眼の山籠もり系(?)男子柊くんのお話です。
読み始めて最初に感じたことは、 和章って、こんな人だったんだ… ということです。 同じく一穂作品の、「雪よ林檎の香の如く」と「meet,again.」に出てくる栫さんと(人間っぽくないという点で)タイプが似てる…といいますか。
ふったらどしゃぶりでの和章は、(セリフだけでしたが)人間らしかったと思うのですが、全然温度がない和章。 やっぱり幼馴染との関係が切れて壊れてしまったのか… と考えながら読み進めていきました。
一方柊ですが、ほんと登場からかわいいったらありゃしない。 山の上から滑って出てくるなんて天使が降りてくるみたいだな、と。
さすがに温度がない和章も驚くよなあ…。
今回も竹美家ららさんの挿絵がまた良い雰囲気を出してくれていて…、特に時計を直すシーンの挿絵がとても素敵でした。いや、あのシーンの挿絵もこのシーンの挿絵も… と言い出すと止まらないのですが。
ふったらどしゃぶりよりも好きかもしれない、と思えたのは紛れもなく前作があったからこそなので、このお話に前作があってくれたことがとても嬉しいです。
和章についてですが、ふったらどしゃぶりの中では本当に悪い人だと思うのです。でもあの一連の行動にも和章なりの根拠や葛藤があって、ナイトガーデンでの人間っぽくない和章を作り出している。
そしてナイトガーデンの和章もまたやっぱり色々考えていて、そこに柊が入り込んできて働きかけていったことで、和章は自分の前科に恐れを抱きつつも、幸せになれたんじゃないかなあと思います。
それは柊においても然りなのですが(被害者と加害者という違いはありますが)。
とにかく、整も平岩も(たぶん一顕も)元気で良かった~。 やっぱり大団円が好きです。幸せな気分をもらえました。

2

彼らを見失わないように

前作「ふったら~」は大人気作ですが私の中では刺さるものがなく、おのずと今作にも手が伸びていませんでした。何度か冒頭を読みかけては本棚に戻し、また読み直してはの繰り返し。ようやく読破しました。とてもよい読後感です。

引き込まれればとんとん拍子でした。さすがの一穂文学。冒頭で何度か挫折してしまうのは、やはり叙情的な、無限に広がりそうな作品世界の中で迷いそうになったからと思います。
人それぞれと思いますが、私は一穂先生の作りこまれた繊細な文章には果敢にぶつかっていきたいタイプです。何も考えたくないから物語に耽るのではなく、何かを見つけ出したいから、考えたいから読み込んでしまう。相手の気持ちを慮れるやさしい人たちを見失わないように、自分も動き出したくなるような感覚が好きです。その流れが決して面倒ではなく、楽しいからやみつきになるんですよね。

今作でも、受けの柊や攻めの和章が葛藤する場面で心を打たれました。一瞬の行動でも、その戸惑いの中には不安や苦しさを抱えている。自分らしさに抗えない、芯の通ったキャラクターにまた出会うことができました。「ふったら~」をもう一度読もうかと思います。

1

結局、読み手次第なのかも

最初に読んだ時は、正直おもしろいと思えませんでした。ごめんなさい。
『ふったらどしゃぶり』を読まずに、先にこちらを読みました。
評価が高い作品だし、本屋を探して『ふったら~』が見当たらず、スピンオフだけど大丈夫と判断し読み始めたのですが、登場人物たちに好感を持てず、苦手な一冊だと記憶していました。
それが今回レビューを書こうと『ふったら~』と続けて読んで、びっくり。
おもしろい。
以前は、暗いなぁ・・・としか思えなかった和章が魅力的に、好きじゃなかった柊が可愛くみえるんです。
『ふったら~』では心情をほとんど語らなかった和章が、こっちではちゃんと人間的な感情を持っていて、どう考えて何に苦しんで怖がっていたのかが、はっきりと伝わってきました。
読む順番って大切なんですね・・・反省。

『ふったら~』は雨音、『ナイトガーデン』は風の音がずっと聞こえるているようでした。緑の葉を揺らす風の音とふりそそぐ木漏れ日と。
止まっていた二人が前に進みだす、静かだけどとても温かい話です。
他の皆様のレビューも賛否両論。私自身も読み返して評価が変わりました。もう一度読んだら私の評価もまた変わるかもしれません。そういう小説もおもしろいなと思います。

3

和章が嫌いだとムリ

『ナイトガーデン』と、その後の二人を描いた『ブライトガーデン』が収録されています。
『ふったらどしゃぶり』がすごく好きだったので、そのスピンオフと聞いて迷わず購入しました。
が、私には合わなかった……。
うーん、趣味じゃない。
何がダメだったのかな。
多分、『ふったらどしゃぶり』の時から、和章が好きではなかったというのが、大きいと思います。
考え方にちっとも共感できなくて、勝手なヤツ(怒)!と、むしろ嫌いな登場人物……。
メインになるということで、意外な一面でもみれて好きになるかと期待したけど、嫌いなものは嫌い。
最後まで、好きになれずに物語は終了。

『ふったらどしゃぶり』で和章があまり好きではない人は、本作品でも好きになれない確率が高いです。

4

贅沢なボーナストラック

本作程度の甘さがどの作品にも含有されて
いれば、この作者さんの評価の振れ幅は
現状より少し狭まるかも知れませんね。
少なくとも上方向に。

本作単独で読んでも実際の所そうそう
混乱する事はありません。
そう言う所がこの作者さんは折り目正しい
ですね。
本一冊の空間を用いて力技も使わずに
世界をきちんと分けている。
しかも毎度の如く、生みの親のエゴを
極力排して産んだ子供〔小説〕をポンと
読者に委ねている。
ただその委ね方が余りに思い切り良く
鮮やか過ぎるものですから、せめて
添え書きの少しは欲しいと思う読者も
いる訳で。
この一冊は表立った添え書きはないですが
行間に色々潜ませてあるので受け止め易いので
しょう。

3

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