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セックスレスな一顕、片思いしている同居相手には相手にされない整、間違いメールから始まるふたり。同期なのにちょっと敬語な一顕がなんか好きだった。あのメールがお互いだってわかった時、かおりとのあの一件から衝動的に整に連絡する時...読みながらこの関係性の変化がドキドキした。大人同士の話だよなぁ。2人が抱えていたもの、パートナーとの関係、2人の距離の詰め方全てが好き。身体は重ねたのに心を繋げるのに不器用な2人。不安定さもある関係だけどそれも良かったな
心理描写がとてもリアルで、胸に迫るものがありました。
一読では気持ちが追いつかず、再読して、やっと追いついた感じです。
整と一顕のやり取りにページ数が多く割かれていて、じっくり丁寧に描かれていました。
ノンケの一顕が、男性に惹かれていくのはどんな状況がきっかけなのか、読む前は気になっていましたが、そんなことを考える暇もなく、読み終わりました。
顔が見えないメールのやり取り、電話よりも考えながら本音を伝えることができるし、同性同士で同じ悩みを抱えて、だんだん互いのプライベートに踏み込んで、惹かれていく様子がとても自然でした。
好きなのに、求めても通じ合えない閉塞感。
好きだけではどうにもならない恋愛のリアルに、グラグラきました。
美術館で同じ像を見て、互いにメールするところなんて、もうお互いすごく好きになってる。感動したとき、すぐにその気持ちを伝えたい、一緒に共感して欲しい。
2人の気持ちがわかりすぎて、ドキドキしました。
一顕と整の関係と同じくらい、和章と整の関係が切なく、真面目で不器用な和章とのすれ違いに涙が出ました。真綿で首を絞められるような苦しさ。
和章は救われて幸せになって欲しい。
別れるということは一緒に過ごした時間や記憶を背負っていくこと。
きちんと別れた関係が土台にあって、新たな関係が始まり、日々を積み重ねていく。
先生の言葉の選び方は素敵で、惹きつけられました。
素敵な作品でした。
男性性視点でのセックスが主軸にある物語。
一顕の気持ちにわかりみが深すぎました。
求めて拒まれたら男だって辛い。
1人でいるより2人のほうがその苦しみは大きい。
一顕と整の男同士2人のやりとりがシンクロしていき、
気持ちを繋ぐ。
男性の整だからこそ救えたとも思う。
男として傷ついた一顕の苦しさを聖が受け止め
一晩目で堕ちていく怖れに変わり
二晩目で「どうすんの」と途方に暮れる
台詞が狂おしかったです。
濡れ場はいやらしさより無垢で純粋で喜びを感じました。
「ふったらびしょぬれ」では
2人の身体からの関係から
恋心が後からくるおもばゆさ。
先生の書く人物達はいつでもシンパシーを感じずにはいられないのでした。
いつも楽しみにしている一穂先生のあとがき。
完全版の前に出た書籍の購入者さん達への
お詫びが書かれています。
よって無し。
きっと前作には書かれてるのでしょう。
先生の細やかなお心遣いを感じました。
雨の音から始まる、重々しくじっとりとしたイメージから、主役二人それぞれの物語が表現されて、少し交差し。また一気に絡まりほつれ結びついていく。
毎回一穂ミチ先生の作品は読み始めにドキドキワクワクさせられるのですが、このお話は特にじっとりとした湿度を感じさせられ一瞬辛いのですが、読後はめちゃくちゃ良かったです。
印象に残っている、タワマンに住む先輩の表現もねっとりとしていて、ある種理解できてしまうし、でもこの気持ち悪さの表現が非常にしっくりくる。読んでいて一顕の彼女が変なのではと思わされるけれど、別れる時の勇ましさと勢いは全く嫌じゃなく清々しさも感じられました。
整も見かけと違うだらしなさ加減が魅力あって、大変好きです。それぞれが別々に生きてきた過去(元恋人など)を受け止めながら、一緒に生きていくというところもすごく腑に落ちて好きな部分です。
それぞれの気持ちに痛いほど引っ張られてしまって何度も何度も胸が苦しくなるくらい、
どっぷりと浸り、入り込ませてくれる作品でした。
うーん、すごい。本当に素晴らしかったです。
一通の間違いメールをキッカケに人生が変わってしまった主人公ふたり。と、それぞれの相手。
なんだか非現実的なようでいて、実はそんなことないのかもしれない…と、思ってしまうような。
男女の、そして同性同士のやり取りの数々に
ハッと息を呑んでしまう部分がいくつもありました。
セックスに対する考え方や挑む姿勢は男女ではだいぶ違いがあるけれども、それを面と向かって聞くのはなかなか勇気が要ることです。
でも結婚を考えているのなら、そこから目を背けていては前に進めないのもわかっていたと思います。
セックスレスになるキッカケそのものがないなら、尚更。
お互いがそこから逃げずに話し合うことができていれば、一顕にもかおりにも違う人生の選択があったのでしょうね。
ずっと近くにいたのにお互いの深くまでを探ろうとしなかった整と和章も、もっと早くにぶつかっていれば離れることなく居られたのかもしれません。
でもそれは、すべてが"過去になった"から気付けたこと。
皮肉なようだけれど、それもまた現実で。
誰も悪くなくて、みんな悪い。みたいな、
どの道へ進むこともできた彼らだからこそ
背負っていくものなのかなと感じました。
実写ドラマ化の記事にあったあらすじに惹かれて購入しましたが、本当に読んでよかった…!
以降のシリーズも読むのが楽しみです。