ボタンを押すと即立ち読みできます!
甘いルックスの同室の優等生ジョシュが実はゲイで……。 話題のMM【海外ゲイロマンス】を“BL超訳”で読む嗜みを貴女に――
細くてひ弱なで、高校時代にスポーツマンに苛められていたトラウマがあるアダムとゲイだと誰にもカミングアウトできずにいたジョシュ。
ひょんなことから互いの性癖が発覚したルームメイトの二人。
お互い手探りで、ゆっくり段階を踏みながら、それでいて濃厚にアブノーマルにプレイに挑戦していく姿が初々しくて刺激的でたまりませんでした。
ジョシュはサドなのに、思いやりがあって行動の端々からアダムへの想いと優しさが溢れてるのが素敵。イケてるスポーツマンなのに健康オタクで緑茶とあとジブリ映画が好きって可愛い。
プレイの特殊な臨場感は生唾もので、他愛ない日常生活とのギャップにどきどきさせられました。
翻訳の文だなあ!という独特な文体で、単語も「キュート」とか使っちゃうんだ!ってそこも楽しかったり。慣れると癖になりそうです。
大学生のアダムは、ルームメイトのジョシュのPCを借りようとして、彼がPCに保存しているゲイSM動画を見てしまう。
それまではろくに口を聞いたこともなかった二人だが、ゲイという共通点を発見し、急速に仲良くなっていく。
二人は一緒にゲイ動画を見るうち、互いに欲情を覚え…。
日本のBLと異なる点は
愛だ恋だとシリアスに悩むのではなく
もっと即物的でエロありきなところ。
SMプレイを楽しみつつ
友情も育んでいく二人が微笑ましいです。
スポーツ万能の好青年・ジョシュ(隠れゲイ)と
地味だが気は強く弁も立つアダム(家族にカミングアウト済み)。
正反対な二人だけど、SとMという点では抜群に相性がよく、様々なSMプレイを試していきます。
はじめは触り合うだけだったのが
ベルトで手首を縛ったり、首輪をしたり
パドルでスパンキングしたりと徐々にエスカレート。
こう書くと痛そうですが
アダムが最中や事後にもっとこうして欲しいとか
「いい子だ」って言葉に興奮したとか
ストレートに欲求を口にするため、
攻めが受けを一方的にいたぶるのではなく
対等感があるのが良いです。
エロいことはするし、
一緒に映画やカフェテリアに行く等友情も育むけど
恋人ではないのでキスや挿入はラストまでお預け。
こんな展開にも王道の良さがありました。
ラストは、アダムがホモフォビアの同級生にカミングアウトし、それに触発されたジョシュもアダムとの関係を公表。
それによって互いの真剣な気持ちを確かめ合うという、爽快でロマンティックな展開です。
で、いざ本番となるのですが
アダムがジョシュにフェラ&尻の穴まで嘗める等、日本のBLではなかなか見られない受けのオフェンスにすごく興奮しました♪
両想いになったあとも
恋人というより「セックスもする親友同士」という感じで、ラブラブだけど夢見がちでないところが現代っ子だな~と興味深く読み終わりました。
※原書は2013年発売で、作中には映画名など時事ネタも登場します。
ちなみに気になっていた「超訳」(翻訳者の文章に日本のBL作家さんが更に手を加える)ですが、文章が翻訳調でないという点で、海外モノが苦手な読者にもとっつきやすいという点が長所なのかなと。
個人的には普通に早川麻百合さんの「翻訳」で読みたかったですが、ネームバリューのあるBL作家さんのお名前があることでより多くの読者の注目を引き、海外MM小説の知名度上昇のきっかけとなるのであれば、こんな試みも悪くはないかなと思います。
ハーレクイン社のBL、今後のラインナップにも期待しています♪
この一冊をどう言う位置に置いて読者として
対峙すべきか…と暫し考えましたが、答えは実に
あっさりと提示されました。
それは装丁が雄弁に物語っています。
つまりこの表紙は本体と4分の3程度の長さの
カバーによって構成されているのです。
必要に応じては本体の表紙だけでも充分都合が
良い様に構成されています。
本体だけで密やかに読むも良し、カバーにも
物語らせて雄弁に読むも良し、と言う訳です。
さて、この物語の舞台は我々のいる場所と
かけ離れた場所である様で実はそうそう離れていない
場所であると言う事が文中にちりばめられた
小道具によって暗示されています。
そう言う場所で展開されている骨太のロマンスです。
傍目からは時に煽情的である部分もあるかも
知れませんが、作中の当人達にとっては
生きる糧でもあるロマンスです。
だから、ある種の期待を込めて読んだ方には
一抹の不満を齎す可能性もありますが、それはそれで
こう言う物語だと言う事で。
海外作品の超訳ということで、普段読んでいる日本のBLよりゲイ小説といった趣が強いように感じました。
特に、受けのアダムの性格付け。
自分の欲望に忠実というか、ちゃんと自己主張すべきところはしているところがそう感じさせるのかな。
セックスプレイ的には、受け入れる被虐側が実は主導権を握っていてっていうのはBLでもあるような気がするけど、カミングアウトの件とか、こういう強さって、日本のBLの受けの子にはなかなかいない感じで、新鮮だった。
新鮮といえば、カバーデザインも素敵。
紙の質感や造本も含めて、今までにない感じ。
中村明日美子さんのイラストも素敵。
おお、ハーレクインロマンスと同じ版型だ。しかし装丁が… キッツイわあー。広い帯がイラストで飾られていて、本体のタイトルとマッチングしている。一見美しいですが、本棚に他の本と一緒に並べたら、擦れて傷みやすいんじゃないかなあ、と、ちょっと心配。
雪代鞠絵さんの超訳の新作ということで、読みました。ホントは雪代さんオリジナルの小説が読みたいんだけど。
本の背には、雪代鞠絵さんの文字が大きくて、原作のラナ・マクレガーさんの名前は限りなく目立たない。
協力翻訳の早川麻百合さんの名前にいたっては、奥付けを見ないとわからない。いいのか、これ?
最初の方で「懸想」という言葉が出てきて、「ああ、雪代さんの文章だなあ」と思いました。ふいにちょっと古風な単語が出てくるのが、雪代さん流の手法ですね。うれしいなあ。
海外BLを読むのは、初めてです。
正直言って、私はSMや調教のよさは、まったくわかりません。でも、読後感はたいへん爽やかでした。