俺が泣き虫だってことを、きっときみは永遠に知らないままだろう。

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表題作Heaven's Rain 天国の雨 Limited Edition

藤岡暁天
櫻凜

あらすじ

「人間の幸不幸を学ぶ必要のある者が天使に選ばれる」二十一歳の櫻凜は、バイト先の弁当屋に訪れる会社員、藤岡瑛仁と不毛な関係にある。病弱な凜は瑛仁への想いを最期まで貫こうと考えているが、藤岡にもまた、生涯想い、守ろうとしているものがあった。無言のうちにできたいくつかのルールをもとに続く、すれ違いの関係。そんな折り、瑛仁の弟、暁天が現れて、「兄から手を引いて俺のところへおいで」と凜に告げ……——天使だった男と紡ぐ、永遠に続く幸福への旅路。

初回限定で付録小冊子あり。

作品情報

作品名
Heaven's Rain 天国の雨 Limited Edition
著者
朝丘戻 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
発売日
ISBN
9784861347863
4.3

(127)

(85)

萌々

(25)

(4)

中立

(6)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
17
得点
543
評価数
127
平均
4.3 / 5
神率
66.9%

レビュー投稿数17

宿命を背負って

瑛仁への揺るぎない想いを持ちながら思考はいつもマイナス気味で、
不毛な恋だとわかっていてもそれに一生を捧げようとさえ考えるいじらしさに胸が苦しくなり
いつか訪れる彼との終わりを無意識のうちに受け入れている凛の姿に切なさが募ります。
暁天が登場したらしたで今度は気持ちがかき乱されてしまうし、彼の幸せはどこにあるんだろうか?みたいな八方塞がりな現実が本当にツラかった…。
ただこの時点では瑛仁との未来が明るいものであればいいな、などと願っていたので
ここから想像していたものとはまったく違う方向に広がっていくストーリーに引き込まれまくりでした。

過去に遡り前世での繋がりが明かされていくと、
それぞれの人生の中でぶつかる困難や葛藤が繰り返されていくことに理不尽さを感じずにはいられません。
魂自体の宿命だと言われてしまえばそれまでなんですが、凛の魂の報われなさが本当に悲しくて
なんでこんなにことばかり彼の身に降りかかるのだろうかと苦しくなりました。

でも。"天使として"リンの側にいたタカさんの存在意義が変わったように、
輪廻した先の世界にも少しずつ変化が起きていることに救われます。
短命ではあるけれど凛の寿命が長くなっていたり
一緒に過ごす時間がより濃密になっていたり、
ふたりそろって『幸せ』を噛み締めている様子が本当に眩しくてすごくあたたかい気持ちになりました。

何度転生しても別れは必ずやってくることや、
凛の居なくなった世界を暁天は生きていかなくてはいけないことなど
やるせない部分はたくさんありましたが
それでも暁天と凛が出会うという運命が変わらないのは魂が強く結ばれている証だと感じられるところには
苦しさ以上の幸せが溢れていました。

瑛仁や明美には色々と思うところがありますが、
それも含めて暁天と凛の『運命』なのでしょうね。
そしてこの次のふたりの人生にも、きっと幸せが待っているんだろうなと感じました。

ファンタジー要素はありながらでもしっかりと現実的な部分もあり、
たくさんのことを考えさせられるような。
ボリュームのある一冊、読み応えがあってめちゃくちゃ面白かったです…!

2

攻めと受けをずっと応援してる

作者様の作品はこれが初めてです。


ネタバレありです。


攻め 暁天
受け リン
攻めの兄 瑛仁

受と攻の兄は不倫関係。
攻の兄が既婚者。

<お気に入りのポイント>

兎に角、攻めは受けに執着していて、受けに相手にされなかったといって、簡単にへこたれない。執着といっても、ネチネチやメンヘラタイプのものではなく、どちらかと言うと、硬派で優しいオサーンが頑張ってる感じ。

受けは、最初は攻めにドン引きしてて、関わりたくなかったので、辛辣な言葉を吐く。私はネタバレ無しで読んだ為、隠された事情を知らず、心の中で、この不審者(物語の攻めなんですけど、、)にもっと言ってやれ!警察に突き出せ!と、受けに加担しながら読んでました。

このお話で一番ときめいたのは、攻めが必死に受けにアピールしている場面です。そういった攻めが受けをデートや行事に誘う場面は多々あります。その時の2人のやり取りが大変良い。そして、受けは段々と恋に落ちていく。

攻めが何度でも受けを探して好きになってくれるなんて、ロマンチックです。

<悔しいと思ったポイント>

このお話では、登場人物が皆幸せになるハピエンです。それはそれで良かったものの、個人的に、奥さんに不誠実で、受けを利用してた攻めの兄には、正直ムカつきました。利用してたと言っても、受けを酷く扱っていた訳ではないので、周りからドン引きされる訳でもなく、そこがまたずるいというか。受けも無実では無いが…。

不倫は奥さんも納得した上での関係ではあるけど、攻めの兄は結局、美味しい所どり。本人も色々悩んでいたのは分かる。しかし、男との関係も楽しんで、彼と別れて、最終的に妻も子供も手に入れた。良かったねと素直に言いたい所だけど、酷い奴じゃなかったのなら、もう少し受けに優しくして欲しかった。特に、別れる際にはもう少し気の利いた事を言って欲しかった。それが無かったので、受けも別れた前も後も長い事苦しんでて気の毒だったし、攻め兄に対する悪印象が残りました。…そう思うのは私が卑屈な人間だからかもしれないですが…。
そんな理由で、攻め兄と彼の妻視点の章は早回しで読みました。

1

究極の愛

初読みの作家様です。

はっきり言って文章はそこまで上手いとは思いません。物語の進め方も始めの方はなんだか冗長で、「あー失敗したかも…」と思ってしまったくらいです。各章の一人称もみんな「俺」で、誰が語っているのかが読み進めないとわからない。一人称語りで、見たこともないような難しい漢字の形容詞?がいきなり入ってきたり。
現代ものなんだー、と思っていたら、怪しげな事を言い出す攻めの弟が登場。再び「失敗か…」と思いつつ読み進めると…。

ここまで純粋に、愛し、愛される二人を描いた作品はないのではないか?とまで思えるほど入れ込んで最後まで一気に読了。

ファンタジーといえばそうなんですが、もっと普遍的な、「愛」を伝えてくれる物語でした。

1

リンが羨ましい 

YOCO先生絵師本をコレクションしているため、ブックオフで購入。
凄く分厚い本。小冊子がついていなかったので、電子版を購入。重いので、電子版のほうが楽。
あとがきにある「あめが消えるところ」も、読んでみたい。

「天使だった男と紡ぐ、永遠に続く幸福への旅路。」
「人間の幸不幸を学ぶ必要のある者が天使に選ばれる」
「涙は魂の叫び」
・・・意味不明な説明文だけど、とにかく読んだ。

主人公のリンは心臓病、短命を覚悟している。
リンには相愛になれない恋人が居る。恋人には妻がいる。
ある日、恋人の弟から「俺のところへおいで」と声をかけられて、恋人の弟と交際することに。

天使だった恋人の弟、暁天曰く、
 瑛仁の弟、暁天の前世は天使。そして今世は人に生まれている。
 何度生まれ変わっても、リンを見つけて恋をして、リンを看取ることの繰り返し。
 譬え肉体を持っている時の交際期間が短くても、それで十分幸せなのだ
・・・と、リンとの関わりを説明する元天使。
既婚者の兄とリンの不毛な恋は、暁天と出会うきっかけに過ぎなかった。

リンが発作を起こす、余命は僅か。
弱ったリンの枕元で、また生まれ変わってリンを見つけて恋をする、と言い切る元天使。
それを聞いたリンは、死への恐怖が消える。
やっと、二人の来世は明るい人生になりそう、という示唆を置いて完結。 

寿命が長ければ幸せ、じゃなくて、生きる時間の密度に意味があるんだなと思った。
「またいつか会える」と思えば、死に別れても、絶望はしない。
「死んでまた出会う」約束を交わした二人にとって輪廻は長い長い旅に過ぎない。
輪廻と時を経た再会の約束は、とても仏教的。
何度生まれ変わっても必ず恋人と出会えるリンは、もの凄く幸せな魂の生涯を送っているのかもしれない。
あ~、リンが羨ましい。

3

碧雲

編集機嫌切れなので、ここにメモ。
構成がすっきりしないで、経緯を把握しにくい。

作中、主人公二人にとって脇役の藤岡瑛仁の同級生の美少年や妻の明美についての説明と過去が盛り込まれれているが、どうして必要なのか疑問。

生きていれば、色々なことが毎日起きるので、凛を取り巻く人達について書いて、別れた後も心配がないということや、
タカさんと出会う為の切っ掛けとして、藤岡瑛仁が必要だったのかもしれないけれど、
物語の展開上、重要な要素ではないので、別の番外編で書いたらスッキリしたんじゃないかと思う。

物語の流れの淀みになっているように感じて不快だった。
凛が再生して、タカさんとの出会いを思い出す為に、どうしても必要な事項ではないと思う。
それよりも、小冊子で別にした内容のほうが、本編に入れるべき内容だったんじゃないかと思う。


じっくり読んでください

病弱で一途な子。凛の最初の印象。
可哀想だから、瑛仁との関係が凛にとって良い方向へ向かいますように。と、思いながら読んでいました。だって、表紙の2人でしょ。
でも、違った!
あれ!?天使?何このせつない2人。。。
一気に瑛仁との関係を打ち切って貰いたくなり、瑛仁がひどく嫌な人間に思えてきました。

でも、読んでいて自分の気持ちがコロコロと変わり、嫌な登場人物だなぁと感じても、朝丘先生の作品は、一人ひとりの人格をしっかり作り込んでいるので、最後にはそんな気持ちはなくなるのです。それも、わたしが朝丘先生の作品を好きな理由なのかなぁとこの作品を読み感じました。

リンが暁天と出会い、生きることを明確に考えるようになる姿は今までと別人!
暁天は何があってもリンが好きで、一緒にいようという気持ちは揺るがないので、後半幸せに浸りながら読むことができます。

出会って一緒に住んで、たぶん2人でいられた時間は5年ほど。。。
その短い幸せのために、暁天がどれだけ必死にリンを探し、長い間一人でいたかと思うと切なすぎる。
そして、来世でも同じようにしようと思ってる愛の深さ。
この先も2人が出会い結ばれることを願ってしまいます。出来るなら早くに出会わせて、一緒にいられる時間を多くしてあげたい。

読み終えて、思い起こすと後からジワジワとくる作品です。

5

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