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表題作ニアリーイコール

国立遥
仁居が以前勤めていた高校の数学教師,26歳
仁居恭明
塾バイト掛け持つ英語非常勤講師,27歳

その他の収録作品

  • プロローグ 2005
  • 川べり暮らし
  • ノットイコール
  • エピローグ 2015
  • あとがき

あらすじ

幼い頃に両親を亡くし孤独の中で生きてきた仁居は、高校時代はじめての恋に溺れ、その一途さゆえに相手を追いつめ捨てられてしまう。以来十年、人を愛することに臆病になっていた仁居は、ある日、元同僚の国立と出会う。人懐っこく優しい国立は独りきりの仁居の生活にするりと入り込み、心をひどく波立たせた。自分の重すぎる愛情で大切な人を失う恐怖に、国立から距離を置こうとする仁居だが……。

作品情報

作品名
ニアリーイコール
著者
凪良ゆう 
イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523854
4.3

(282)

(168)

萌々

(72)

(25)

中立

(7)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
46
得点
1210
評価数
282
平均
4.3 / 5
神率
59.6%

レビュー投稿数46

No Title


過去の傷を抱えた2人が出会って恋に落ちる。恋に落ちたことを認めたら、終わりの始まりなんじゃないかって思ってしまって認められない仁居が切ない国立が抱える問題も色々とあるんだけど…。2人の関係は少しずつ進んだり戻ったり。

国立の妹千夏や佐田の存在、出てくる登場人物みんな弱さがあってでも少しずつ前を向く感じが良かったなぁ。そして猫のニーニが癒していくのも☺️

作中「けれど人間は立っているだけで影ができてしまう生き物で、それを失ったら人ではなくなってしまう。」って一文があって人には色々な側面があるんだよなぁ、影で表現されていたのがすごく印象的でした。

1

呪縛が解けるまで

なんでもない日常を、ドラマチックに描写するのが、上手いと思った。

冒頭は、仁居が幼稚園から帰る途中にある「多幸川」での、母子の会話。
「幸せが沢山流れる川」と母子が会話する幸せそうな情景

それが、暗転する大雨の日。
経済苦から、両親が入水心中を決行。あの「多幸川」で。
道連れを止まり、母は「幸せになって」と言い残してドアを閉める。

引き取られた叔母宅を追い出されて、独り暮らしを始める仁居に恋人ができる。
でも、佐田との交際は投書が原因で、突然終わる。
佐田の別れの言葉、「お前の愛は重い」は、ずっと仁居を呪縛する。

似たもの同士の仁居恭明と国立遥が、交際を始める。
でも仁居は佐田の呪縛が解けないままだった。
捨て猫を育てながら、二人はゆっくり親密になっていく。

勤務先の高校で、国立は佐田と出会う。
川べりのアパートの窓辺で、恋人の訪問をじっと待つ仁居の姿を、佐田が国立に話す。
 投書があり、若く力無い佐田は、仁居のせいにして想いを絶っていた。

永遠の孤独が続くのかと思ったけど、やっと二人とも壁を越えることができた。

結末部が良い。・・・国立に、思い出話をして、仁居は気づく。
悲しい思い出ばかりじゃない。 両親に愛された楽しい記憶を忘れていた。

こういう話、心に沁みる。

★nearly equal (ニアリーイコール)「≒」
「おおよそ等しい」という意味。 「同じそうで同じじゃない」という事。
 国立と妹、そして仁居の事だと思う。

1

始まりと終わりよければ全てよし

【祝】攻め視点あり!!!

 恋は盲目タイプの一途受け。好きな人に会えるためならズル休みだってするし学校だって辞める。でも初恋の佐田はその仁居の愛情を重いと感じて、離れていった。
 母親は「たくさん愛して愛されて幸せになって」といい、初恋相手は「お前の愛は重い」と言う。混乱して出た結果が「愛してほしいなら、愛しすぎないようにしなければ」だった。

 攻めの国立も仁居もゲイだから、女関係の心配はなく読める。
 もともと同じ高校の非常勤講師と教師だった二人。ゲイの男性が集う店でお互い恋人を連れて鉢合わせして接点を持った。
 それから数年、電車で再会してからちょくちょく会うようになる二人。仁居に恋人がいない情報をゲットしたからか、距離を縮める。

 産まれたばかりの子猫を拾って二人で世話して疲労してるシーンが、新米パパママの子育て感が出てて微笑ましい。
 
 国立が告白しても、過去の失敗が怖くて付き合えない。失敗って何? って聞かれても言えない。攻めも少し似たような性格。
 凪良マジックなのか、悩みを打ち明けないのも踏み出さないのも、女々しいとかウジウジしてるように見えない。全然いらつかない。

 いやーでも国立の恋人たちが言う通りシスコンだ。妹も兄に甘えすぎ。溺愛とかそういう関係ではないけど、恋人よりも妹を優先とかありえない。
 家族に対して、しかも身内贔屓なしで、同じ年代の他の人よりも美しいとか思うのがやばい。

 まさかの、仁居の元カレ佐田と今カレ国立が、アーチェリー部の代理顧問と指導員として出会う。佐田の過去の恋人の話を聞いて、特徴で仁居のことだと気づく。
 佐田とあったおかげで、仁居と国立の関係がひとつ進んだ。過去の恋愛に嫉妬してる国立が良い。

 ダブルブッキングみたいな感じで国立妹と仁居も会う。
 妹が図々しすぎ。正月と盆は兄と一緒に居させてくれ、って。社会人同士の恋人からしたら大事な短い休みなのに。
 仁居がもちろんっていうと、本当に好きなのか? って聞いてきて。なら盆は兄と一緒にうちに来てくれないか、って。そこは違うだろ、と。徐々に慣れていくんじゃなく早く国立を自由にしてやれよ、と。
 国立が今まで振られた理由は、セックスができないとかじゃなくシスコンだからだ。
 いっそのこと仁居が、兄妹の邪魔したくないから別れるって言い出して、妹から引き離して欲しかった。

 と、ここまでだと★3〜★4の評価だったけど、妹は他の男とくっついて兄離れしたし、二人は同棲したし結果良ければ全て良し。二人の出会い方とかやり取りがめちゃくちゃ好きだったので★5評価。

1

一幅の絵のような、美しく切ないお話

連作短編集。すごくすごく良い本でした。
本当に繊細で美しくて淋しくて孤独で静かな穏やかな、素敵な作品でした。
読みながら何度も涙しました。
淋しくても淋しいと口にできない主人公が愛しくて心から幸せになってほしいと願って読んでいきました。
子猫のニーニ可愛かった。
感銘を受けすぎて、まともに感想が書けず、何か形容しようとすると自分の発出する単語がすべて陳腐に思えてくる、それくらい高潔で不可侵な作品世界でした。
BLだから仕方ないけど、妹のメインのお話も読んでみたいです。

2

がジンワリとした温かさがあって好きです

こちらの作品は恋愛観に対してトラウマに近い不安を抱えていた各々の2人が出会い、恋に落ち、ゆっくり一歩ずつ距離を縮めていくお話です。
最中の性描写はこの作品はほぼないですがジンワリとした温かさがあって好きです☺️

1

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