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快楽を貪り生きてきたアバズレ。
オメガバース大好きで、いろいろ読んでるけど・・・
王道のオメガバースとはぜんぜん違った。
エロも少ないし、運命の番とか、ラブラブとかそうのでは無い。好みは別れると思う。
オメガバース要素を含んだ、根本的な人の心の再認識とか言うか・・・気づきものだね。
ストーリーが、1つ目は死ネタだったし、2つ目は一途な旦那さんが妻の浮気相手のΩに会いきて・・・と言う内容。
けど、とても刺さったよ。
Ωの体質からストーリー展開するんだけど、それぞれの心の救いのお話だね。
2編のストーリーで、短いけどしっかり内容は伝わりました。
これはこれで好きかも。読み終えたあと、新鮮でした。
なんで『蛇のセイカツ』をメインしたんだろう?
ぜったい『春待ちの、』の方がいい。
絵も上手いのに、他のレビューのとおり、タイトルと表紙で損してます。
『春待ちの、』は泣けました。とってもいい話。
巻末の4コマ漫画『答え合わせ』で省いたエピソードがあったとネタバラシされてたけど、それを全部入れて膨らまして、『春待ちの、』をメインにしてほしかった。
神評価にしましたが、『春待ちの、』は神で『蛇のセイカツ』は中立くらいかな。
蛇のセイカツは、ピンと来ないので評価無し。
蛇のセイカツにチョビットだけ登場する「ひろの」の、死んだ弟の思い出を描いた「春待ちの」が良かった。
伝えきれない想いがあるなら、日記でも手紙でも良いので、
書いておくと良いですね。いつか伝わるかもしれない。
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「春待ちの」
二卵性双生児、兄のひろのはα 弟のせおのはΩ。 幼馴染のゆうまはα。
三人で山で捕まえた昆虫を虫篭に入れたら、片方が死んでいた。
「カブトムシとクワガタは一緒にしたらダメ」と母親が言う。
学校で、せおのがヒートになり、ゆうまがラット
せおのはその後中退、ゆうまと結婚、出産。20才で発病、22才で亡くなる。
「クワガタとカブトムシは一緒にいられない」と、せおのと別れたひろのは、その後、一度も帰郷しなかった。
せおのの訃報を受け、久しぶりに帰郷。弟の死を受け入れられない。
せおのの遺品整理に呼ばれ、未投函のひろの宛の手紙の束を渡される。
最後の手紙の結びに震える字で「幸せになってほしい」と書いていた。(芸が細かい)
ひろのは、せおのが伝えたかった「ごめん」の意味を知り、泣く。
双子の間に溝を作ったのは「バース」の性別と、同じ人を好きになったこと。
後悔が残るひろの。
・・・思い出の走馬灯のような、幻影を描いたような作品でした。
巻末のギャク四コマ漫画は、ひろののその後を書いてほしかった。
表題作と同時収録1編からなる短編集。
どちらも恋愛ものとしては不完全燃焼でしたが、
物語としては胸を貫かれたような読後感で、
とてつもなく惹きつけられました。
本作品以降、新作の書籍化はないようですが、出版されたら絶対読みます!
正座待機していますので、いつの日か新作が出ますように!
不幸な巡り合せから双子の片割れと片思いの男を
失ってしまった、ひろのの再生の物語『春待ちの、』
喪失感から愛する二人の元を去ったひろのの元へ
5年後、双子の弟・せおのの訃報が届きます。
葬儀に出るため久々に地元へ戻ると、そこでかつての想い人で
幼馴染、そして、今はせおのの夫となったゆうまに再会します。
根底にあるのは愛に違いないのだけれど、
恋という言葉を使うにはあまりにも重すぎる。
たった一つの不幸によって、
ひろのとせおの、ゆうまの関係は一気に壊れてしまい、
三人が三人とも、たった一人の片割れを、愛する人を失った。
みんな誰一人、心から幸せになりきれないのが切なすぎました。
傷つけられ、身も心もボロボロなのに、ひろのに「ごめん」と謝るせおのは
きっと兄がゆうまに秘かに想いを寄せていたことを知っていたんだろうなぁ。
もしかしたら、せおのもゆうまが好きだったのかも。
ひろのにしたって傷ついて、絶望しかなかったはずなのに、
打ちひしがれるゆうまに「相手がお前で良かった」と
言ってあげるのしんどすぎやしませんか…
もう辛すぎて、これ以上ページをめくりたくなかったです。
誰が悪いでのもなく、本当に偶然の不幸。
だからこそ、誰もが受け容れなくてはいけなくて、
そのためにひろのは二人の前から去らねばならなかった。
せおのの遺した手紙を読んでひろのが涙を流す場面では
もう私まで涙が止まりませんでした。この演出はずるい…!
双子でその片割れだけがΩとか、もうこんな設定を思いつくのがすごすぎる。
オメガバースに悲劇はつきものだけど、この作品もまた
その先に悲しみや切なさしか思い浮かびませんでした。
そして、さらにその絶望の先の光を
一筋見出したところで物語は終えてしまいました。
ゆうまとひろのはどうなるのだろう。
もう昔の淡い恋とは違いすぎてしまって、単純に
二人でハッピーエンドというわけでもない気がします。
だって、いくら望んだ形ではなかったにしても、
せおのとゆうまが過ごした記憶はゆうまの中に刻み込まれているわけで。
ひろのにしたってせおのは大切な弟で、忘れられるはずもなく、
でも、自分が幸せになる権利だってあるはずで…ああ、複雑!!
これはもう恋ではなく愛の問題で、人との繋がり方や
生き方、葛藤する姿を描く切ない人間ドラマでした。
その次は快楽主義のΩ・るかが、ある奇妙な男との出会いによって
生き方を見直す再生の物語で表題作の『蛇のセイカツ』
性に奔放で快楽主義、番も作らず抑制剤も飲まず、発情期には
秘密クラブに通ってやり過ごし、Ωとしての性を謳歌する、るか。
ある日、秘密クラブで周囲から浮いた雰囲気を放つ男が
自分にまっすぐ冷たい視線を向けていることに気がつきます。
その男「せい」は、るかを抱くこともせず、乱暴にイカせ、
快楽に溺れるるかに対する嫌悪感を隠そうともしません。
にもかかわらず、るかが誘えば「いいよ」と会ってくれるせい。
無口で無表情で何を考えているか全くわからない。
それでも、これまでの自分の周りの人間とは違うせいに
会う度に惹かれ、初めて他人に興味を抱いたるか。
けれど、せいには実はある目的があって…
オチにちょっとびっくりでした。
そうかぁ、それがここに繋がるのかぁ、と。
初めて恋を知ったるかにはちょっと辛いけれど、
新しく生き直そうと思えたのはよかったのかもしれません。
こちらもまた『春待ちの、』と同様に再生の物語でした。
るかの友人として、ひろのが少し登場しています。
二つのお話の後には『答え合わせ』と称して
4コマ形式で登場人物たちのその後がコミカルに描かれます。
それで結末が変わるとかではなく、裏話的な要素が強めでした。
でも、この4コマで少し救われる部分もあるのかも。
いつかこういう形ではなく、番外編として続編を読んでみたいなぁ…
短編、中編集。
最初に収録されているのは中編(第3話で完結だったかな?)です。
ふたごのせおのとひろの。しかし体の弱かったせおのは亡くなり、その葬儀のためにひろのが久しぶりに帰省したところから物語が始まります。
双子とゆうま、3人は幼なじみ。ひろのとゆうまはお互いに淡い恋心を抱いているようですが、そんなときヒートになったせおのとゆうまは関係してしまい、結婚して子供も設ける。
せおのの死後、ひろのとゆうまがなんとなく支え合って生きていくのだろうな、と思わせる余韻を残してお話はおしまい。
しみじみとさせるストーリーで、オメガバースを扱ったヒューマンドラマという感じでなかなかよかったです。
他に、オメガで相手を定めず薬も飲まずに享楽的な生活をしている主人公、るかと、一夜の相手としてやってきたせい。
無口だけどどこか優しいせいに、るかは、人を愛してもいいなと思い始める。しかしせいは、るかが以前一夜を供にした相手の夫だった。
せいは去ってしまうが、るかは生き方を変え、居候していたひろのの家を出て自立し、薬ものんで社会生活を始めようとしています。職場の後輩?丸ちゃんと少し仲良くなった感じで、今後ラブに?という明るい未来の雰囲気を残しつつ終了。
表紙を見ると、H目的のオメガバースかなと誤解してしまいます。私も長らく積ん読で手を出していなかったのですが、読んでみたらお話がしっかりしていて面白い。今後にも期待の作家さんです。