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直近で一番好きな作品でした
中学生から始まる物語です
出会いは体育用具室で柏瀬が男根を咥えてるのを目撃した星谷
そこから星谷は柏瀬のことが気になって仕方ない
いつも体育を見学している柏瀬に「何で?」と問う星谷
「生理だから(にや)」と答えた柏瀬
もう、星谷の中では柏瀬でいっぱいになります
「男だと思ったら本当は女の子?」など
ありもしない事を考えて頭がパニック
でもだんだん柏瀬の謎が解き明かされていきます
体操服を着れない理由など
柏瀬がフェラしていた相手は男性体育教師でした
その教師と婚約を発表したのが二人が慕う女性教師
星谷は柏瀬を詰ります
男性教諭との関係の事で
「俺が悪いのか!」と憤る柏瀬「俺だってあいつが大嫌いだ」
深まる謎と見えてくる真実
徐々に距離が縮まり友情が芽生える二人
柏瀬の置かれた凄惨な現状が明るみになった時に
二人が信頼していた女性教諭も失います
そうして星谷は柏瀬に強い同情を寄せ
側にいるようになります
星谷との関係を恋だと想っていた柏瀬
しかし、優しい星谷は同情じゃないかと不安になり
疑心暗鬼になる柏瀬
星谷自信も不安だったんです
何の理由もなく同性の自分達がずっと
一緒にいるのは不可能だと
そんな或る日妊娠検査薬を持って
やってくる星谷
体の関係がある二人の子供が
できていればいいと思い検査を迫ります
結果...陰性。
そりゃそうだ、男性同士だもん
泣き笑う二人
出来てて欲しかった
「二人で世界を変えたかったんだ...」
この言葉に滂沱しました
一緒にいる理由が欲しかった
そうじゃないと俺たち居られなくなる
お前と居なくて誰を好きになれると言うのだと...
鬼が笑った
子供ながらに考えていたんです、二人でいる正当な理由は
ないかと
社会通念でいう夫婦や家族の重さ
外れてしまう怖さ
考えれば考えるほど居られなくなる俺たち...
星谷の両親は凄く暖かい人達なんです
そんな人と結婚したいという柏瀬
きっと遠回しにお前がいいと言ったのかなと思いました
柏瀬に凄惨な仕打ちをした先生や親
それに対極するように暖かい星谷両親
人間の善悪の両面を見せる上手さに脱帽でした
思春期の男の子の可愛さ馬鹿さ
大人の勝手さ愚かさ醜悪さと優しさ包容力
そして、恋から愛へ
様々な要素を丁寧に収束した素晴らしい構成でした
痛さもありますがそれを乗り越える愛があります
その後の二人を見て下さい
鬼が大爆笑するんです
笑えて泣けたラストでした
こんなに見て良かった、そして何度も手に取るであろう
作品に出会える事がBLを見る上でも醍醐味です
この作品は生きづらさを抱えそれでも生きていくそんな
人が心を寄せられる作品だと思います
ヒデサトさんサイコー!!!です
初めて作品に触れた時のインパクトも大事だけど、時間が経ってから思い出されるものの方が本当の意味でインパクトがあったといえるんじゃないかと思うことがあります。…年齢的なものもあるのかもしれません、が。
今年読んだコミックでよく思い返すのがこのお話。結末を力業で寄り切られたイメージが残っていたのですが、読み返すとこんなにも奥深くてヒリヒリする物語だったかしらと。
中二で出会った同級生、星谷と柏瀬のお話です。思春期の性、男と女、家族、妊娠。マジ語りするのがちょっと気恥ずかしい、デリケートなテーマが扱われています。親に恵まれなかった柏瀬が星谷に求めていたのは、家族の愛。自分が女だったら、星谷との間に子供が出来て、家族になれたのかな?なんて、真剣に思ってる。
思春期って性を意識せざるを得なくて、時に受け入れるのが難しかったり、好奇心から無茶をしたり。生まれ持ったもの、生まれてしまった境遇を引き受けて生きていくには、相当な自覚と覚悟が必要ですが、柏瀬がメチャクチャ辛くて苦しかった時期に、星谷と出会えたのは幸運です。
高校に進学してからも頻繁に柏瀬の家へ泊まりに来る星谷。星谷は単純に優しいから自分と一緒にいてくれるのだと思い至った柏瀬は、星谷からの自立を決意します。しかし、星谷は星谷で柏瀬とずっと一緒にいられる理由を探していて…。
セックスは新しい命の誕生に繋がっていくもの。男同士では叶わないことだけれど、だからといってそれが家族として共に生きるための必須条件というわけではない。
もちろん、作品にはBL的な萌えもありましたが、二人の姿から様々なことを考えさせられました。個人的に2016年の作品で、地味ながら最も衝撃を受けた作品かもしれません。
ものすごい漫画を描かれる(いい意味で)作家さんだよなー
っていうのは分かっていたのですが、
『おれ、被害者』のイメージが強過ぎて、こちらは気にはなるけど、
何本かレビューがあがるまで静観しているつもりでした。
基本的にラブラブ&ハピエンが好きなので。
しかし、やっぱり何だか気になって、買って、読了。
いやー。ほわ〜〜〜〜〜ってなりました。
すごく好きなお話でした。
わー、でも木村先生だもん、やっぱりね、っていう所もありますけど。
星谷も柏瀬もどっちもかわいい。ふたりがお互いを想う様子に萌えです。
何度も言いますが、私は『おれ、被害者』(←でも好きなんです)の
あの衝撃的な1ページがトラウマになっており、
こちらでも物語が終盤にさしかかり、ページが残り少なくなっても、
大どんでん返しが来ないかと正直ヒヤヒヤしていましたが、
皆様、大丈夫でございました!
こうなると、絵はうまいしストーリーテリングは巧みだしで、
今後の作品もきっと衝撃は受けても後悔はしなそう。
作家買い決定です。
私は電子でも読むのですが、修正の問題もあり、
気に入った/気に入りそうな作品は紙で買います。
こちらは表紙カバー下から初回封入ペーパーまで含め大変美味しいので、
味わい尽くしたい方は紙で買われる事をおすすめします。
中学生の星谷(攻め)は、クラスでも浮いている柏瀬(受け)のことが気になっている。以前柏瀬が、体育倉庫で体育教師と淫行しているところを見てしまったからだ。しかし星谷が憧れている女教師がその体育教師と結婚するということを知り、柏瀬を責めると、「俺が悪いのか」と激昂されてしまい…。
最初は中学生時代の攻めの幼い正義感や、高校時代の攻めのまっとうな人間の無神経さがすごく受け付けなかったのですが、だんだんと持ち直しました。
受けはいわゆるかわいそうな子で、親からはひどい性的虐待を受け、それから助けてくれるはずの教師からさえも虐待を受けています。
読む立場として、歳をとって年々こういうのがダメになってきているのですが、このかわいそうさと、攻めと出会えてよかったなと思う落差にすごく感情を揺さぶられました。もう受けが今後の人生でつらい思いをしないといいな、と思ったり、それほどまでに感情移入して読ませる作品をすごいなと思ったり。
攻めは、小さい頃はウザ…もとい、ちょっと鼻につくキャラでしたが、いいふうに育ってくれてツボな人に成長しました。身長がのびて、ビジュアル的にもとても好みです。
本編がヘビーだったぶん、その後を描いたクリスマスの話や、封入ペーパーの旅行の話なんかは、成長した攻めと相変わらずな受けの様子が可愛すぎてどうしようかと思いました。
そしてタイトル、どういう意味があるのかなーと思っていましたが、「来年の話をすると鬼が笑う」ということわざのアレでした。受け取り手によって印象が変わるような、いろいろ深い意味も持たせてあるので、そちらはお読みになって確認してください。
なんだろうなんで何回も読み返したくなるんだろう。
主人公達を最初からまた確かめたくなる。こんなだったんだ、こういう感情だったはずなのにと。
愛情を受けずに育った柏瀬だけど、ほんとに嫁いだとしても、ウエルカムに違いない天然な星谷父母の元で、一生幸せに暮らして欲しい。
しかしあの体育教師、クソでしたね。婚約者だった女性教師は、気の毒だったけど、結婚前に本性がわかってよかったと思うと同時に、もっと早くあんたが気づいてれば、柏瀬はあんな目にあわなくてすんだのにとも思ってしまった。