電子特典コミック付き
ヨコシマが現れたその理由が自分にあるとそれぞれに思い込む靖弘と優吾は
自分の気持ちを伝えられないからこそ、その内側では相手をすごく大切に想っていて。
好きだと伝えたい、でも相手を困らせたくないという葛藤が
ヨコシマを呼んでしまったのかもしれないけれど結果的には蓋をしておかなければならない気持ちではないと気付いて
ヨコシマの心さえも解放してあげることが出来て本当に良かったなと思いました。
そして、きつねの神様のちょっとマヌケな顔がすごく可愛かった〜!
ちょっぴりホラーっぽくもあり、心あたたまるエピソードもあり。
不思議な世界でのお話にわくわくするような気持ちにもなれる作品でした。
じゃのめ先生、こういうファンタジー系も描けるんですね。元々のタッチが既に幻想的な要素を含んでいるので、世界観とすごくマッチしているなぁと新しい魅力を知れた気分です。タイトルにもある、ヨコシマな感情。お互い相手のことは清廉潔白で、自分だけが邪な気持ちを抱いていると思い込んでいる2人。非日常的な環境で共に過ごすことで、現状を打破するきっかけを掴みます。神様の手を借りつつ、最後は自分の意思で選択する流れが良かったです。靖弘も優吾もすごく思いやりを持っていて、素敵なカップルになるだろうなと思いました。
じゃのめさんのファンタジーは、初めて読みました。
思ったよりガッツリファンタジーです。
高校の卒業旅行の為、靖弘の亡くなった祖母の家に向かう2人…
靖弘は、幼馴染の優吾がずっと好きだった。
実は、優吾も靖弘のことが好きです。
しかし、2人ともこの思いを打ち明けるつもりはなく、自分たちの気持ちにフタをして見て見ぬ振りをしています。
この気持ちはイケナイものなのだと…
そこに漬け込むのが神の一部である、「ヨコシマ」という男。
2人を煽り、好きという気持ちを悪いものだと思わせようと幻惑します。
ヨコシマに流されてしまった優吾を助けに戻る靖弘は、やっと自分の気持ちを素直に伝え、好きという気持ちは悪いものではないのだとヨコシマに言い聞かせます。
夢か幻か…気付けば2人は解放され、いつもの日常に戻っていきます。
3ヶ月後に再会し、お互いの気持ちを確かめ合い結ばれるのですが、思いのほか靖弘が男らしかったです。
靖弘は祖母の家での体験から、好きだとかシタいとか躊躇わずにに言っていいのだと分かったので、欲望にも素直。
グイグイ引っ張っていく男に変わったのかと思いきや、PCで男らしさとか理想の彼氏とか色々検索していて、見えないところで努力する姿が可愛かったです。
幼なじみの優吾(受け)を密かにずっと想っている靖弘(攻め)。想いを伝えるつもりはないが、高校を卒業したら離れ離れになってしまうので、記念に亡き祖母の家へと優吾を誘う。しかしたどり着いた祖母の家には不思議な力が働いていて、2人は外へ出られなくなってしまう。閉じ込められた状態で、靖弘は自分の邪な気持ちを煽ってくる人外の男・ヨコシマと出会うが…。
ダークめなファンタジーBLでした。
ヘタレな攻めと、男前な受けです。関係を壊すのが嫌で受けに想いを伝えようとはしない攻めにちょっとイライラしました。その後ファンタジー展開になるのですが、やはり攻めは煮え切らなくてイライラ。攻めの受けに対する欲望を煽る妖・ヨコシマ(正体はのちに判明するのですが、その時点では正体不明の妖)が、受けを手込めにする幻影を攻めに見せるのですが、その時点で幻影なのか現実なのかわからないはずなのに助けようともしない攻めに幻滅しました。助けろよ、と思いました。受けが自分の身体や命を犠牲にしても攻めを助けようとする人なので、余計に攻めのダメダメさが際立ったかんじ。
終わりの方でようやく根性見せてくれたので、ちょっと持ち直しはしましたが、個人的にはこの攻めのヘタレタイプは好きではなかったです。
作品としてはなかなか高レベルなのですが、BLとしては好みではなかったので、評価は5段階中で3番目、という意味でこの評価です。
じゃのめさんの絵も作品も大好きで新刊楽しみにしてました
表紙はとてもカラフルで円を描いたような不思議な
感じだなと思ってました
お話を見て表紙の雰囲気に納得でした
幼馴染で生まれてからほぼ一緒に居た二人
ランドセルは並んで背負っていたのに
制服に袖を通す頃には距離ができ、高校が離れたら
挨拶を交わすくらいになってました
高校卒業後、進路の関係で離れ離れになると
親から聞いた靖弘
意を決して卒業旅行へ誘います
この誘い方のヘタレ具合が可愛いんです!!!
じゃのめさんの描くヘタレ攻めが大好きで大好きで...
思いの外あっさりOKな優吾
いざ靖弘の亡くなった祖母の実家へレッツゴー
楽しく過ごすはずが、よくわかんない「邪」な気持ちを
えさに生きてきた物の怪?に遭遇します
そして、時空の歪みに入ったのか現実の世界につながらず
戻れなくなりました
ここで表紙の世界観が掴めました
パラレルワールドの様な雰囲気を表現したのかな
あの表紙はと思いました
そして物の怪「邪」を呼び寄せたのは
靖弘と優吾二人が互いに相手に寄せる想いだったのです
同性で幼馴染に抱く恋心は不純で邪だと
そして、ただ側に居たいだけではなく劣情もあるのだと
「邪」は決めつけ、彼らの想いを餌にしようと閉じ込めます
認めたくても認めてはいけない気持ち
恋心は同性だと不純なのでしょうか
いや、違うと自分の気持ちを認めた時に
「邪」の思いも受け止めて現実へと戻れるたのです
ここまでくる二人の会話のテンポの良さ、ふっとした笑い
せつなさ、甘さがとても楽しくきゅんきゅんしながら見てました
二人が結ばれてからの描きおろしがまたかわいい!!
遠距離だから靖弘の微妙な変化に不安を感じてしまう
優吾
そこにまたあの「邪」がやってきて千里眼を与えます
見たくない現実だったらどうしよう...と戸惑いながら
のぞく優吾
結果、影の努力は見てはいけません...でした
甘いんですよ、もうほんと勘弁して...胸いたいわっ!
みたいな笑
幸せな二人から私も幸せ貰いました
じゃのめさんのセリフ回しに笑い、キュンとして
じゃのめさんらしい世界でした
疲れた時に読み返して萌えたい一冊です
じゃのめさんの次回作にも期待です!!