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かわい有美子先生のSATシリーズが大好きで、それから既刊も色々読み漁っています。
笠井あゆみ先生の表紙が素晴らしいこちらの作品。
京都で町医者を営む2歳年上の幼馴染・智明 × 左足を引きずり、刃物専門店を開いている夏生というカプです。
いや、静かに進むめちゃくちゃ雰囲気のある両片想い物語なんですが、なんですが、、
最後の最後のページの誤字が残念すぎて、、思わず「えーー!」と叫びました;
攻めの名前が当て馬の名前になってるんです。
そのほか中盤にも「攻めが攻めを振り返る」だったかな?「受けが受けを振り返る」だったかな?…小さいんですが、ちょっと興醒めしてしまうミスがあり、そこがなんとも残念でなりません。。
幼馴染の京男同士の、波風立てない、けれど心の奥底を時折見せて探り合う恋模様。
「ぶぶ漬けでもどうどす?」じゃないけれど、そんな一筋縄ではいかない二人のやりとりに、かなり焦ったさを感じました。この焦ったさを楽しめるかどうか、で作品の評価が分かれるんじゃないかな。
自分は正直なところ、攻めの智明より当て馬の宗近とくっ付いて欲しかったような気もする…
粋ではないけど、ストレートに想いをぶつけてくる宗近の分かりやすさが好きでした。
なかなか心の内を見せない智明にかなり焦ったさを感じたけれど、終盤、硬い結界が崩れて二人が抱き合うシーンは痺れました。
「なっちゃん」呼びではなく、本名の「夏生」って呼ぶその呼び方がセクシーで、攻めの長年の想いがこもっていて。欲を言えば、もう少し二人のそんな甘いシーンが見たかったなあ。
京都の町屋に浴衣に弓道(道着姿の智明、格好良かった…!)、和菓子に祇園祭…
そんなはんなりとした京都の雰囲気がおおいに感じられる、両片想い幼馴染の物語でした。
笠井先生の画集から辿りつきました。初・かわい先生です。
イラストとタイトルがとーても素敵だし、京都BL(そんなジャンルがあるのか…)ときて、買わずにはいられませんでした。
これ好きです。たぶん繰り返し読んでしまいそう。
幼馴染みの静かで優しいスローラブで、ゆるやか~にゆるやか~に進展するのですが、京都ガイドブック的な魅力もあって、独特の時間の流れや風情に、こちらの日常を忘れるような心地よいひと時を過ごせました。
刃物職人として自営している夏生と医者の智明は2つ違いの幼馴染み、ずっと一緒(一般的には”べったり”という)だった学生時代からそれぞれの仕事の都合で別れていた期間を経て、今はご近所さんで毎日のように顔を合わせている、、2つ違いっていいな!というのと、長年の付き合いゆえに醸し出されてしまっている、他人が入り込めないような親密さがありすぎる2人の挙動や会話に結構萌えました。いやもう、何も起こってなくても、こんなに仲良しすぎるとザワザワしますよ!
夏生の店のヘルプにきている、恩師の息子・宗近は夏生に好意を抱いているので、そんな2人の関係性に当然ザワザワしちゃうわけで、不器用ながらもアプローチをしていくのですが、、玉砕するんですよね。京オトコの塩対応、結構きっついな、と思ってしまいました。感じよく拒絶の意志表明されるのって、東の人間からするとかなりきつめのパンチです。いやもー、イメージ通りの京都の人がそこにいました。生々しい。個人的には、宗近っていい男だと思うので、どこかで救済されてほしいです。
そんなわけで、”僕が別の人とつきあっても、あなたいいんですか~?”的な攻撃をお互いに仕掛け合った挙句に、”そんなんいやや”(?)の展開になるという、あれ、もしかして、最初から最後まで京風にいちゃいちゃしてたのをみせつけられていただけでは?!と気づきます。京都行きたくなったよー。
ただ、、他の皆さんの指摘されているように、ラストシーンの名前違いは痛恨のミスすぎます。あそこまで、ビンビンだった心のtnkが一気に萎えました…。これ、めっちゃくすぶったため、すごく好きだったんですが、高めの評価をしづらいところです…。100%校正されつくした修正版が出たら必ず購入します。
京言葉いい……
身近にこんな喋りをしてくれる人がいてくれたらなぁ……。
お互いに相手が「特別枠」な両片思いなんだけど、あからさまな言動はしないし、本音ははぐらかしたまま……
だけど男二人で花見行って膝枕とかしちゃうんですね。
32歳と30歳で「仲良しこよしな幼馴染」というには無理があるんだけど、肝心なことははぐらかしたまま二人で浴衣着て祇園祭とか出かける。
腹に一物を隠したまま、ほのぼのとしたやり取りをする様子はさすが京男同士としか言えない。
攻めの智明も温厚で好ましかったけれど本音が見えなさすぎて……
それよりも当て馬の宗近のほうが好みでした。
こういう無骨で一途な年下キャラが大好物なので。
時折、許される可能な限りで宗近が距離を縮めてこようとするんだけど、それに対する夏生ときたら、いけずぅぅぅ〜……!!
京男、怖いわ。。。。と思いました。
私は宗近推しなので、宗近が不憫でならなかった……。
宗近の気持ちをのらくら交わしてきた挙句「血迷い」だと切り捨てた夏生が不誠実に感じました。
単なる「血迷い」で親父さんの目を盗みながらコツコツとスプーンを作らないって!
それから宗近を泊めることを智明に了解求めるくだり、察してちゃんぽくてちょい苦手……。
恋人モードになってからの智明のほうが好き。
「なっちゃん、こんな声出すんやなぁ」ってところが萌えた。
そして欲がないように見える人なのに、夏生に関しては仄暗い欲を秘めてたとか、結構ムッツリとかその方が人間臭くて好き。
「猫」がタイトルに含まれているわりには、猫感が薄い……
確かに時折登場するんだけど、猫を期待して読んだ私からすると、肩透かしでした。
電子:挿絵なし がっくり。
先生おっかけで購入。中盤まで「しっとりよろしいなあ~」だったのですが、少し焦れったかったので萌にしました。あと一押し欲しいような、いやこれが先生のテイストというべきなのか京都という町の持っている味なのか・・本編260P弱+あとがき+後日談2P。祇園さんも出てくるので、京都の雰囲気を楽しみたい方におススメどす。
二年前から京都、麩屋町通で刃物専門店を営む夏生(なつき)。昔、交通事故にあって足に後遺症あるため、毎日自転車通勤です。自転車を出すとき、毎朝顔を合わせるのは、斜め前の自宅で町医者をしている幼馴染の智明。両親とも亡いこともあり家族ぐるみで夏生を気遣ってくれていて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
宗近(受けの師匠である包丁職人さんの息子、イケメン、1歳年下)、攻め母、兄、ナツキ(智明に懐いている野良猫、表紙の子)ぐらいかな。
++攻め受けについて
まーまどろっこしい。本音をなかなか言わん京都人とよく言われますが、よう無事に思いが通じたこと!読んでるこっちは最後の方まで「これどないなんねん?」とジレッタイことこの上無かったです。
幼馴染の関係やったらこんなもんかな・・?じれったいお話が大丈夫な方でないとツライかも。
事故後遺症で足が不自由やし、父親がやっていた老舗の刃物専門店の暖簾を叔父に譲ることになって、父も母も亡くなりと薄幸な受け、でも健気という感触はないです。凹んでいることもありますが、凹んでいる様子を見せないように強気に踏ん張っていて、読んでるこっちもそれを守らなきゃというようには思わないでした。なんでかな?女々しい、女性っぽい箇所をあまり感じなかったからかな。
そんな受けを町医者ということもあって、なんも言わんとただ温かく温かく見守る攻め。イケメンに朝な夕な見守られるのは破壊力大です。冷えて足が辛くなっている受けを足湯に入れるシーンは読んでるこっちがなんだか照れます。
攻めの側にいたいけど、そんなこと言える訳もなく、攻めに持ち込まれる見合い話やら、受けに思いをつげてくる宗近やらで、ぱっと見、「どろんどろん!詰んでるやん!」という状況なんですけど、淡々と書かれている印象です。しなやかに強かにすり抜け、躱し、最後の最後にというお話なので、もうちょっと盛り上がりたかったんですけど、現代日本京都やし、ぬるっとするっとゆるやかに二人でずっと一緒に、という終わり方で良かったのかも。と思ったお話でした。
良く言えば丁寧に描かれた、京情緒のしっとり穏やかな作品だけど、悪く言えばダラダラして盛り上がりに欠ける作品、という感じでした。
端的に言えば、京都に住む30がらみの幼なじみ同士が結ばれる話なのですが、これを263ページの長編単行本にする意義があまり感じられなかった。
箇条書きにすると、幼なじみが大人になっても近所に住んでいて、偶然を装って毎日顔を合わせている。受けはかつて大事故に遭い、足を少し引きずっている。攻めは事故現場に居合わせたせいで事故に罪悪感を抱いている。受けには言い寄ってくる年下の男がいる。その年下男のせいで長年絶妙な距離を保っていた受け攻めのあいだにぎこちなさが生じ、幼なじみの関係が変化する…という話なのですが、ここに受けの仕事、家庭の事情、京都情緒、遊びに来る猫、攻めの家族などの描写を盛って長編にしています。
でも個人的には、そこまで盛るほど楽しい要素でもなかった。何ていうか、通常のページ数のBL作品に、舞台背景やらの要素を増やして大長編にしたような感じ。不必要な要素ではないのですが、必ずしも必要な要素でもなく、結果的にダラダラした印象でした。
しかもそこまで盛った割に最後が駆け足で、説明すべき事柄が省かれていて、ダラダラ描き込んでる割には説明が足りないという最悪の状況に。起承転結の割合が、起承7割、転結3割みたいな…。
説明すべき事柄というのは、結果的に恋に破れた年下男・宗近の去就であったり、あれだけ描写した攻めの母親や兄の存在がラストはオールスルーだったりということです。攻めに早く結婚しろと母親に言わせたり、受けに攻めの恋愛話を振って不安にさせたり、兄に見合いの話を持ってこさせたり、都合よく使っておいて、いざ受けと攻めがくっついたあとは母も兄も存在抹消。カミングアウトしろとまでは言わないけど、最低限の説明は必要だと思います。
そして個人的には、攻めよりも失恋男の宗近のほうが断然好みだった。年下の無骨な職人男で、時間や技を注ぎ込んでティースプーンのセットを作り、バレンタインにドキドキしながらも平静を装って受けに渡し…そのそっと差し出される愛情を、攻めのことが好きな受けにするっとかわされて…不憫でなりませんでした。私が受けなら絶対宗ちゃんを選んだなー。
あと、皆さん書かれているように誤字が…。気づいたのは二箇所、夏生が自分で「なっちゃん」って言ってるのと、攻めの名前が宗近になってるの。どっちもずっこけましたよ。いちばんあってはならない間違いですよ…。