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自分が傷ついた分、誰かを傷つけたかった。
片方が自分の利益しか考えない相手を利用する。
次第に真実の愛にたどり着く2組のカップルのお話です。
長岡(β)×万代(Ω)
人が良い過ぎサラリーマン・長岡は、
失恋して街で発情期となった万代を助け、自分の家に住ませることに・・・。
長岡に告白された万代は
良い生活環境を与えられるため
長岡との関係を利用したが・・・、
「今が生きてきた中で一番幸せ」
とっても幸せそうな長岡。
面倒見の良い長岡にどんどん心を動かされていく・・・。
心から長岡と付き合うことになった。
2人も幸せになれて良かったです。
紫竹(β)×渚(Ω)
家と社会も自分がβというコンプレックスを抱えている紫竹と、
Ωでトラウマで人と接することが怖がっている渚。
紫竹はストレス発散するため、
Ωの体である渚を暴力を振るったり、利用したが・・・。
最後にせっせと愛を尽くす渚に心を打たれた。
相手の理不尽も許容し、
紫竹がひどい人だと知りつつも、態度を変えず、彼を優しく庇保し、
犠牲しても愛を尽くす渚に
泣きたくなるほど感動しました!
恐怖心さえ抱いていない、自身を加虐されても紫竹を愛そうとする渚。
暴力にされ泣きながらも紫竹と向かい合わせたいシーンは
ーー切なく痛々しくて・・・!最高でした。
「人と比べていたら
幸せになれない
人は人
自分は自分
自分の中で
幸せを感じることややるべきことを
大事にしよう」
渚が紫竹に言ったことに感心しました。
幸せは、
自分と他人の現実を比べたりはしない、
現実にいるありのままの自分自身が幸せを感じることですね。
ラストに、
デート中の幸せそうな紫竹と渚、
お互いに名前を呼び捨てにする長岡と妊娠した万代、
2組のカップルも幸せで最高のハッピーエンドです。
愛を尽くす、尽くされる
幸せにたどり着いた感動するお話でした。
あたたかな愛情で、辛い過去が浄化されてゆく……という、
癒され系のお話が2つ入っています。
お話には繋がりがあって、どちらも β×Ω のオメガバースものです。
最初にオメガバースの説明がしっかり載っているので、
オメガバースを知らない人でも大丈夫ですし、
この本は、変に捻りがないので初めての方にも向いていると思います。
■表題CP:お人好しのマジメ地味リーマンβ × 自暴自棄のΩ
男に二股をかけられたうえに捨てられた受け(表紙の子)は、
腹いせに自分も他人を利用してやる!と、
発情期で辛かった時に助けてくれた、お人好しの攻めをターゲットに。
誘惑してエッチして、か弱さアピールで好意をもたれるように仕向け、
攻めの家にそのまま居座って、働きもせずにヒモ化☆
だけど、
そんな受けのことを好きになって、
一緒にいると幸せ…と、かいがいしく世話を焼いてくれて、
体を壊してまで頑張ってくれる、真面目な攻めの姿を見て………
ずいぶんと攻めは簡単に受けを好きになったな…と思ったし、
展開はすごーーく王道。
でも、自分を本当に大事にしてくれる攻めのために、
自分も変わろうと努力する受けの様子や、
冴えない攻めが、跳び蹴りをしてまで懸命に受けを守ろうとする姿には、
あたたかい気持ちにさせられました。
■もうひとつのCP:二股野郎のβ × 二股をかけられていたΩ
表題の受けを捨てた男の話で、こちらの方が読み応えがありました。
攻めは、Ωには優しい彼氏のふりをして、
発情期のΩとのセックスで、ストレス発散をして楽しみながら、
実は他に世間体のいい婚約者も持つ…という、クズ男。
表題の受けを捨てた後も、新たなΩ(今回の受け)を囲ってる。
攻めがそんなことをするのは、
αの弟と昔から比べられ、いくら仕事ができても会社ではαに敵わずで、
αへの根深いコンプレックスと強いストレスに悩まされているから。
そんなある日、
αと結婚するからと婚約者に捨てられ、会社ではまたαに負けてしまって、
攻めは腹いせのように受けを乱暴に犯し、
暴力まで振るってから捨てる、という酷い態度をとる、けれど……
攻めの受けへの言動がかなり最低なのですが、
そんな男には勿体ないほどの受けの深くあたたかな愛情が、
聖母のようでも無垢な子供のようでもあり、ずしりと心に響きます…
落ちぶれた攻めに頭を撫でてもらって、幸せそうにする受けの表情や、
裸で抱き合い、挿入しながら攻めが泣いて受けに謝る…など、
とてもいいなぁと思うシーンがいくつもありました。
もうちょっと描いてほしかった…と思う所もありましたが、
読後感のよい幸せなお話でした、オススメです。
「お前に会えたからセックスは“幸せ”になった。」という文に惹かれました!
代表作
発情期をエサに通りすがりの長岡(攻)の家に転がり込む万代(受)のキャラクターがいいな〜と思いながら読んでいました!
一緒に暮らすことになって精一杯家計を支える長岡をみて惹かれていくところが可愛かったです(^^)
イかされてまたすぐに触られたときの万代の歯を食いしばる表情が素敵でした!
その後無理矢理万代に好きと言わせたがる長岡にキュンときました!
もうひとつの作品
ストレス発散のために渚(受)とセックスをする紫竹(攻)。
DVされてまで紫竹を追いかける渚の気持ちが全く分からないまま読み終わってしまいました…(^^;
浄化済彼氏では大きいお腹を抱えた万代が出てきてホッコリしました!
どちらの作品もセックス中の表情が好みだったので楽しみながら読ませていただきました!
オメガバース。
2組ともβとΩの組み合わせと、ちょっと変わり種でした。
どちらのカップルもクズ彼氏が「浄化系彼氏」との出会いで救われてゆきます。
どちらもはじめはクズスタートなので途中までは少し辛い展開もありますが、
最終的には出会えてよかったね、と思える結末で優しい気持ちになれました。
□1組目 長岡(β)×万代(Ω)
元カレに浮気された挙句、捨てられたΩの万代は
失恋のショックの中、突然発情期に見舞われます。
偶然通りすがったβの長岡に救われるも、失恋で自暴自棄になった万代は
「好きになってしまった」と言う長岡の好意を利用し、そのまま居座ることに。
どこまでもお人好しで、ピルが効かない体質だとか、
対人恐怖症だとか、万代の嘘をあっさり信じてしまう長岡。
見た目は平凡で性格も真面目で穏やかで、いい人だけど、
きっとモテるタイプではないんだろうなという印象です。
万代に対しても一度身体の関係をもっただけでベタ惚れてしまい、
養われているのに家事はしないわ、好き嫌いは多いわ、人使い荒いわで
ワガママ放題の恋人にも怒ることなく、ただ傍にいるだけで嬉しそう。
万代の嘘にも気付かず、一途に尽くす長岡が可哀想になってきます。
けれど、万代のために無理をし続けた長岡がある日倒れてしまい…
正直、途中までは万代がクズすぎて嫌いになりかけていたけれど、
その後の反省する姿を見ると、根っからの悪い子でもないのかな。
好きな人に裏切られて傷つき、誰か一人に愛されたかっただけなのかなって。
罪悪感を感じ、長岡から離れようと決心していたものの止めに入られ、
「別れたくない」と泣きながら長岡に縋る万代にぐっときてしまいました。
その後は自宅でみっちり仲直りエッチを経てのプロポーズ。
子作りを視野に入れているとはいえ、長岡が見かけによらず絶倫でびっくり(笑)
番にはなれなくても、この二人なら大丈夫なんだろうな。
■2組目 紫竹(β)×渚(Ω)
こちらは万代を捨てた元カレ・紫竹のお話。
表面上は人当たりよく、仕事もできる紫竹はβゆえに
幼い頃からαに対して強烈なコンプレックスを抱いて生きてきました。
そのせいか性根が歪みまくっており、万代を捨てた後も
婚約者がいるにもかかわらず、ストレス発散のためにΩの渚を
愛人として囲っています。
こいつに比べれば、万代もかわいく思えてくる程に胸くそ男でした。
そして、当の渚は身体目的で利用されていることにも気付かず、
紫竹を優しい彼氏と慕い、彼が与える言葉や贈り物を心から
喜ぶ天使のような無垢さで、万代とは正反対のタイプのΩでした。
紫竹に本命の彼女がいることを知ったときですら
理不尽な言い訳を受け容れ、許してしまう健気さに
こんなゲス男に引っかかってしまった渚がただただ不憫でした。
けれど、そんな紫竹にある日、天罰が下ります。
突然婚約者から別れを告げられ、仕事では支社へとばされることに。
しかも、どちらも紫竹が嫌うαの存在が原因で。ざまぁみろ!
全てを失った紫竹はあっという間に落ちぶれてゆきます。
だけど、それでも紫竹を見捨てない渚の愛がすごすぎる…
殴られても、無理やり犯されても、罵倒されても、
変わらぬ愛で優しく包み込む渚にもう女神か…と。
結局、か弱く、依存しているように見えた渚の方が
余程強かったのかもしれません。
紫竹には今までの分、一生分かけて渚を幸せにしていってほしいな。
長岡も渚もクズ彼氏に無償の愛を注ぐ、
まさにタイトルぴったりの『浄化系彼氏』たちでした。
描き下ろしでは2組のカップルのその後が垣間見れます。
万代はなんと妊娠中で、紫竹と渚はすっかり甘くなっちゃって、
クズ彼氏共の変わりっぷりにほっとした気持ちで読み終えました。
2つのお話が入っていますが、どちらもオメガバースということに振り回されることなく、人間に焦点が当たったお話でよかったです。
まず絵が好みでした。
うまくてきれいな絵、というわけではないのですが、人物に味があって何とも人間くさいところが伝わってくる好きな絵。
クズのオメガが、他人の世話になるために、ベータの長岡をだまくらかしてヒモになるというスタート。働きもせずわがまま放題の万代に、いいように貢がされる長岡ですが、彼自身は万代を本当に好きで、仕事疲れを癒やされているのです。
しかし、無条件に万代を大事にする長岡の一途な心に、良心がちくりとうずくところが、本当はクズでない万代のいいところ。そこから人生をやり直す。
これが、少しコミカルなテイストで重くなく描かれていてなかなかよかったです。
もう1つはコンプレックス持ちのベータのお話。どうしてもアルファに勝てない自分を、複数のオメガを手ひどく抱くことで何とか精神を保つ(クズの)紫竹。しかし、そんな中の一人、渚は本当に紫竹を大切に思っていて、どんなにひどくされても気持ちは変わらない。そして紫竹が本当にどん底のときに、優しく包み込んでくれる。
たしかに、どちらも人間再生という要素があってタイトルがぴったりでした。