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深呼吸 plus story ~単行本未収録短編集~

shinkokyu plus story

  • 電子専門
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表題作深呼吸 plus story ~単行本未収録短編集~

谷地健司
榛野佳久

その他の収録作品

  • エアメール
  • エアメール2
  • 雪とマフラー
  • 夏の縁側

あらすじ

いつも穏やかでマイペースな谷地と、正反対の彼に強烈に惹かれている情熱的な年下エリート上司の榛野。イギリスの旅を経て、ようやく恋を自覚する二人。イギリス旅行の前後とその後のストーリーをつめた単行本に収録していない電子限定短編集。

エアメール(Libre Premium2011掲載)/エアメール 2(商業未発表ペーパー)/雪とマフラー(小説ビーボーイ2012年7月号付録小冊子掲載)/夏の縁側(小説ビーボーイ2012年7月号付録小冊子掲載)

※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

作品情報

作品名
深呼吸 plus story ~単行本未収録短編集~
著者
木原音瀬 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイデジタルコミックス
電子発売日
4.5

(29)

(20)

萌々

(6)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
130
評価数
29
平均
4.5 / 5
神率
69%

レビュー投稿数6

だだこね乙女

2019年、「灰の月」で打ちのめされた皆さん。
「深呼吸」で復活しましょう。
甘く優しいコノハラが、ここにあります。
さて、こちらは「深呼吸」本編前後のショートストーリー達です。

「エアメール」
「エアメール 2」
本編は「深呼吸」と「深呼吸 2」で構成されているのですが、この2編は本編2編の前後、榛野がロンドンに行ってしまった時に送ってくるエアメールと、谷地がロンドンまで行って関係を持ち帰国した後に読むエアメール、のお話。
淡々として、ただ漂うかすかな甘さを感じる掌編だと思う。

「雪とマフラー」
いよいよ榛野が帰国する、その雪の日のエピソード。
谷地が成田に迎えに行くのだが、雪で電車が止まってしまう。すでに榛野の到着時間から2時間。
谷地は携帯電話を持っていない。
榛野はどんなに心細いだろう。
そう思いながら読んでたのですが、無事に会えた後の榛野の描写がいいですねー。
自分だけが谷地を好きで好きでたまらない。なんでもないマフラーを抱いて眠り、谷地の綻びたマフラーが手編みなのかどうか気になって仕方ない…
だけど「おかえり」と言ってくれた谷地に自分がこのうちのこになっていいんだとかんじる…
榛野ってほんとに猫みたいな人ですね。

「夏の縁側」
甘い空気ながら淡々としたエピソードが続きましたが、最後にエロいのきました。
同居して半年、2人は誘って誘われて、寄り添って睦みあって、つまりは愛し合っている。
舞台は夏祭り。
太鼓の音に誘われて、谷地は榛野を祭りに誘う。浴衣に下駄の2人はそぞろ歩き。
すると榛野の下駄の鼻緒が切れて、谷地は紐をすげ替える。
榛野が下着をつけてないことがチラリと見えて、慌てて連れて帰る谷地。
帰った後、半分外の縁側で激しく抱き合ってしまう2人。
榛野はいつも怯えているようで、谷地の愛にビクビクしてる。そこが私の好みとはちょっと違うけれど、未来のことはわからない、でもずっと、10年後も一緒にいたい…この2人の愛の形は、少し哀しげな甘さと苦さを伴って、優しく続いていく。

こんな甘い「木原音瀬」もありますよ。未読の方、「深呼吸」共々読んでみてください。

0

甘やかな二人に、胸がいっぱいに

本編「深呼吸」の隙間を埋めるようなサイドストーリー四編。谷地と榛野の関係がとても甘やかで、何回読んでも胸がいっぱいになります。

「エアメール」
本編で谷地がロンドンの榛野を訪ねた理由が明かされます。
毎週谷地にエアメールを送ってくる榛野がいじらしくて。時間のかかる静かな手紙のやり取りだからこそ、谷地の中に少しずつ榛野への情が育っていったのでしょうね。甘えてきた猫の寝顔を「榛野に似てる」と思いながら、優しく撫でる場面にすごく萌えました。谷地がすでに榛野をかなり可愛いと思っていたことが分かります。

「エアメール2」
ロンドンで榛野と恋人同士になった直後、一人帰国した谷地。追いかけるように榛野が電話をかけてきます。ぎこちなく恋人の会話をする二人が甘くてたまりません。会えない切なさに榛野の声が震え、谷地の心もまた愛しさに震えて…。恋する榛野が別人みたいに弱くて、キュンときます。

「雪とマフラー」
大雪で電車が遅れる中、ロンドンから帰国する榛野を空港に迎えに行く谷地の心は、早く会いたい気持ちと一緒に暮らす期待でいっぱいで。三か月ぶりの再会。家に着いたとたん、谷地の熱く優しい抱擁が榛野を包み、榛野の不安は吹き飛んでしまいます。二人の「おかえり」「ただいま」に両想い感があふれていて、こちらの頬が熱くなってしまいました。
榛野が谷地の使い込んだコートとマフラーを見て、「自分も谷地のお気に入りになって、ずっと大事にされたい」、なんて考える様子が、もう可愛くてたまりません。

「夏の縁側」
二人が谷地の家で一緒に暮らし始めて半年。ある日二人は浴衣を着て夏祭りに出かけ、楽しい時間を過ごします。ところが、榛野が下着をはいていないことに谷地は気づき、慌てて家に連れ帰ります。しょんぼりする榛野に谷地が口づけ、そのまま二人は縁側で…。谷地のことが好きすぎて、怯えたり甘えたり怒ったり泣いたりする榛野は、まるで乙女で猫のよう。そんな榛野を谷地が愛しく思う気持ちが伝わってきます。
洗濯は谷地がしているのだそう。榛野は手先が不器用だから、料理もきっと谷地。きれい好きの榛野はお掃除担当かな。古い家の寝室や居間、庭の描写から、二人の穏やかな暮らしが目に浮かぶようです。
養子縁組して榛野を安心させてあげればいいのにと思いますが、谷地はそういうことに疎そうなので、思い切って榛野からおねだりしたほうがいいかも(笑)。

本編のときより、谷地は情熱的で雄々しく、榛野はけなげで泣き虫になったようです。性格が真逆な二人だからこそ、愛し合う中で刺激し合い、情もより深まるのかも、と思いました。
二人の話をもっと読みたいです。

2

あまい、しあわせ、あまい

短編集ということで、もう何度も何度も読み返しています。他の方も書かれている通り、めちゃくちゃ甘いです。ずっと噛み締めていたくなります。私は本編を読み終わってすぐ購入、夜更かしして読んで眠れなくなりました。笑
木原先生の作品はもうぼろぼろ泣いたり心がじくじく痛くなったりそんな中の(もしくはあとの)やっと結ばれたり思いが通じ合ったりするような甘い所がたまらないですよね。その中でもこちらの夏の縁側はもう本当にたまらんのですよ!
物語中なんだかゆっくりしたかんじの空気が流れているな、と思っていましたが榛野が日本に帰ってきてからはよりいっそうそんな感じがしたというか。二人で過ごしているのが本当に幸せそうで、甘い。好きな所をあげるなら、貞淑な妻のように〜の一文とか、「私が別れたいと言っても〜」のセリフとか。谷地のことをどれだけ好きなのか、ひしひし伝わってくるんです。なんていじらしいんだろう……とバタバタしたくなりました。
谷地と榛野の猫と末永く幸せでいてほしい……と思いました。本当に甘くて幸せ。とにかく甘くて幸せなんです!

4

ショートショートだけど大満足

※本編後に読みました。


やさしー!
あまーい!

ほんとに木原先生?!
ってかんじです。
いや、木原先生の筆力は、辛い痛いだけじゃなく、スイートにもギャグタッチにも存分に活かされているのは周知の事実ですね。

本編では少し変わり者で合理主義の冷たい印象もあった榛野ですが、可愛いじゃないか…
そしてマイペースで優しい谷地さんも、男だった!

始まり?が拗れたというか複雑な立場での大人どうしの関係だから、うまくいかないんじゃいかと思っていたけど、お互いに良い意味で変わって(変わらせて)いくプロセスが読めて幸せです。

ロンドンや、古い日本家屋もいい味だしてます。

短いストーリーなのに素敵な余韻があってさすが木原先生ですね。

1

砂を吐くほど

あまーい!あまっあま!
砂というかもう砂糖をメープルシロップでかためた塊が5kgくらい出そう。
「……谷地さんは冷たい」の榛野の甘えん坊将軍っぷり。
好きだ、俺の方が好きだ、の痴話喧嘩っぷり。
犬も食わないってやつですが、くっついた後の甘々話が自分は大好きです。
木原音瀬さんの既刊の全てにこのくらいの後日談が欲しい……w
そういえば榛野はリバって設定ありましたが、本編後日談ともに一切リバる気配はなかったですね。
谷地が想像以上にスパダリだったのでこのままリバはなさそうですが、ちょっと読んでみたかったです。

2

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