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表題作ひつじの鍵

一色千喜
31歳,カード会社のコンシェルジュ
登島羊
18歳,セレブ高校に通う社長令息

その他の収録作品

  • ひつじの夢
  • ひつじの心配 あとがきに代えて

あらすじ

金持ち学校に通う高校生の羊は、父親のカード会社のコンシェルジュ一色と知り合う。
どんな難題でも叶えてみせる彼に夢中になる羊だが……?

作品情報

作品名
ひつじの鍵
著者
一穂ミチ 
イラスト
山田2丁目 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
ひつじの鍵
発売日
ISBN
9784403524066
4

(240)

(106)

萌々

(82)

(24)

中立

(12)

趣味じゃない

(16)

レビュー数
24
得点
942
評価数
240
平均
4 / 5
神率
44.2%

レビュー投稿数24

いろいろ強すぎコンシェルジュ

さらっと軽く読めるお話だと思う。最初は羊のワガママ坊ちゃんぶりに驚くが、根が良い子なのはすぐ分かるので読みやすい。さらに何より相手役の一色が強すぎて、羊が何をしたところで、という感じなので微笑ましく見ていられた。

羊は一色限定でトンデモ発言を繰り出しており、後からあれは甘えだったのかな、と思った。お金持ち学校に通いながらも庶民感覚を失っておらず、それなりにふらふらしてそれなりに考えてる高校生。たまに直情的になるのは若さゆえかな。

一色は仕事モードとプライベートでの態度が違いすぎる。BL的にオイシイ設定っぽいが全然萌えないギャップ。ただキャラとしてとても面白く、コンシェルジュとして・大人として・恋人としての言葉をしっかり分けてる感じが良かった。

山場は誘拐現場に攻めがバーン!を一穂さんも書くんだ、と笑った。そこからあっさりくっついたけど、一色の羊への躊躇の無さは意外。あんなに性急に制服着た子供に手を出すとは思わなかった。ページ数の都合かな。

後半は一色の嫉妬に萌えられたら良かったが、和楽がとても魅力的に見え、嫁子の最期のメッセージに泣き、主役カプよりそちらの印象が強く残っている。一色と羊は放っておいても勝手に幸せになってる、と確信が持てるからかも。

一色に絶対的な信頼を寄せる羊と、羊といると楽しいと笑う一色は、これからどんどん良いカップルになっていくんだと思う。歳の差を感じないくらい大人になった二人も見てみたい。

0

ファンタジックなストーリー

一穂先生のイエスノーシリーズにどっぷりはまり、
他の作品も読んでみたくなり、こちら拝読させていただきました。

コミカルな作品が好きなので、トーンを調べて
数ある中からこの作品を選びました。
なんでもかなえてくれるコンシェルジュは、おとぎ話のようでした。
羊の境遇には涙がでましたが、一色とのやりとりは軽快で面白かったです。
二人が結ばれるのが急な展開だとは思いましたが、
一穂先生の~long, hello~のSSに一色の視点から書かれているものがあり、
一色が思った以上に羊に惚れてしまって性急になったのかなと納得しました。

ずっと羊をみまもっていた和楽に同情してしまいました。
こちらでレビューを読んで、和楽の作品があることを知り、
早速読んでみようかと思います。
教えて頂きありがたいです。

0

ギャップ最高

「ふったらどしゃぶり」シリーズで一穂先生の作品にハマり、過去作も読んでみたくなり購入。
シリーズものではなくまずは手軽に読めそうな作品を。と思って手に取りました。

最初は一般庶民とは住む世界が違うところで進んでいくお話を遠くで眺めているような気持ちだったのですが…
羊自身の考えていることや見えている景色がわかってくるとどんどん世界が近付いていく感じがして、その飾らない姿にグイグイ引き込まれていきました。

ふたりの気持ちの変化や駆け引きめいたやり取り、ハラハラしてしまうエピソードなど。
さくっと読める中にもたくさんのドラマがあって、恋愛部分以外のところでも見どころがたくさん。

そして。とにかく一色のギャップにやられまくりで、素が見えた瞬間から彼の虜。
完璧に仕事をこなすコンシェルジュ。からの
あの姿、あの振る舞いは反則級では…?
とても冷静かと思えば感情のままに動いていたりもして、羊への想いが彼を突き動かしているということもすごく素敵でした。

両想いになってからセックスするまでの展開がものすごく早くて、その辺はもう少し丁寧にいってほしかった気もしましたが…
気持ちの昂りと勢いが比例しているのがしっかり伝わったので、駆け足気味になったのも納得だったかな、と。

今作では可哀想な役割りだった和楽のお話もあるそうなので、彼の幸せも見届けたいなと思います。

1

癒されます

かなりテンポよく物語が進みます。
ギャップ萌えもあり、一色がかっこいい。羊もかわいい。そしてエロかった!
最初のぼんやりとした周りのことが徐々に明らかになっていく様やそれに伴う羊の心の様子とかが分かってくるところが、さすが一穂ミチ先生、という感じでほろほろ泣かされました。
羊の名前の由来が、酔っぱらって実の父親がさんずい書き忘れて届出たエピソードとかグッときてしまう。さらっと書かれてるけれど、端的にイメージできてしまうところとか、すごい!
一色が31歳、また微妙な年齢でそこもツボだし、和楽が切ないので読後も想像してしまいます。
山田先生のイラストも秀逸でたまらないです。
癒されたいときに読み返したい一冊です。

1

攻め視点のお仕事BLだともっと良かったな

本編「ひつじの鍵」と、続編の「ひつじの夢」の2本収録。双方同じくらいのページ数で、本の半分まで読んだら次の話のとびらページが来たので少し驚きました。

面白かったです。
羊は社長令息で豪邸に住み富裕層の学校に通う高校生なのですが、実際には、ついこの間までぼろアパートで母と二人で貧乏生活をしていた苦労人。母を亡くし、今は母の再婚相手と二人で暮らしています。優しい義父、くそったれの実父。貧乏生活と富裕層の世界のギャップ。
とりまく環境に押しつぶされそうになりながら、羊が縋るように求めたのが、救世主のように父のピンチを救ったカード会社のコンシェルジュ。
最初は、羊の態度が憎たらしくてたまりませんでした。子供が、どこまで悪いことをしたらこの大人は怒るんだろうと様子を窺うのに似て、まったく意味の無い無理難題をコンシェルジュにふっかける。それはまるで暇を持て余してカスタマーセンターに鬼電する、客の皮を被ったクレーマーと変わらないなと。
相手は仕事だから無碍にできない、それをいいことに高校生の分際で何をしくさっているのだと結構イライラしました。
でも、途中で羊は謝罪し改心し、彼のバックボーン(前述参照)も見えてきて、ようやく読者であるこちらの精神も安定しました(笑)
恋愛面については、二人の距離が近付いていく様子を丁寧に追っているかと思いきや、結構な急展開に驚きました。

コンシェルジュの一色さんがプロフェッショナルでとても良かった。本作では全てが明かされているわけではないけど彼にもいろいろな過去があり、出会いがあり、それがあっての現在の姿がある。そういう、人が経てきた年月を感じさせられるキャラ設定でした。

2編とも羊視点なので、一色視点のお話が気になります。
「ひつじの夢」を読む限り、一色は相当この羊との関係に悩み、様々思うところがありそう。
羊は学生で歳が離れているし、顧客の息子だし、仕事に邁進する一色にとってみれば決して簡単な恋ではない。それだけに一色視点で読んでみたいなあと思いました。(せっかくだからコンシェルジュのお仕事BLにするなど)
勝手なことを言ってますが、探したらどこかにありそうな気もしています。

1

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