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屈強ガチムチ患者さんが妊娠できる男だった!
え?そんなファンタジーな…な設定だったけど
地に足が付いたハートフルえっちえちハッピー物語でした。
普段は妊娠ものは避けがちなのですが、
七川先生の作風とガチムチが大好きなので読んでみたら
生きることのしんどさや寄り添う優しさ強さも感じる骨太なお話で、
弓削先生の鬱屈した生き方も岩本に頼られ
愛を知ることで好転していくの清々しかったです。
ガテン系岩本の煽るような気高い色気に
気弱な弓削先生が野獣になっちゃうのも、グッときました!
「信じられないと言われるよりも、信じると言われる方がずっと応えるのだと、僕は今日初めて知った。なんと重たい言葉だろうか。この言葉を抱えて僕はきちんと歩ける気がしない。」
個人的には妊娠出産BLは手を出さないのですが、アンソロジーでミニワさんの漫画が好きになり、また皆さんのレビューで読みたくなりました。挿絵丁寧でキャラがしっかりしてる。
年齢=彼女なしの産婦人科医(でも隠れイケメン)と、子どもを産める身体になってしまったガテン系爽やかメンのお話。
医者の弓削目線で話が進むのですが、自分に自信が無い諦めっぷりや、岩本と出会ってからの心境の変化に、響く言葉がたくさんありました。
仕事での対応(特に岩本が登場してから)をああすれば良かったと思い返すところでは、後悔のウジウジさではなく、最善の道を考え続ける医者っぽさがあってより先生に好感が持てました。
驚いたのは、弓削目線で基本書かれているはずなのに、岩本へ向けた台詞が、岩本目線で見ているようなとても頼もしいものに自然と感じられるところです。
男がナプキンを扱い難いだろうと無心で商品を選んでいた姿だったり、痩せた姿で上司に物申す弓削の姿は、カッコいいと言えないようで、ここぞと助けてくれた唯一の人だと感じられます。どちらの目線でも二人が好きになる過程を感じられるすごい文章でした。
岩本は若く逞しく打ち解ければ心の優しい男。
彼の神々しさは弓削目線で散々語られ、割とキャラクター然としているのですが、初めに先生がくれたナプキンを大事に持っている行為と感情の変化にはキュンを超えて泣けました。
また二人はトントン拍子に同居して結婚するので、そこから中弛み(単に私が読み物として余り興味ないだけですが)があるかと思いましたが、岩本に出会ってどこまでも成長と気付きを繰り返す弓削の姿には、自分もウジウジとして居られないなと腹に勇気を込められた気がしました。結婚と子供で心を新たにする…ってわざわざ小説で読みたくならないテーマなのですが、そんな私でも、愛する人の為に無理にでも強くあろうとする先生の言葉にはグッときました。
この作品の文章が的確で実のある言葉なので、感想を考えてもうまく言語化出来ず大変もどかしいです。
岩本に出会って初めの頃、自分を変える為に新しいことをと購入したのが、薬局のコンドームとコンビニのコーヒー。
みんな当たり前のように買うものとしてのチョイスですが、確かに初めてコーヒー(おでんも)買う時ドキドキしたなぁと思い返しました。
初読み作家さん、店頭で表紙買いしました。
タイトルと、ガチムチが頬を染めている表情と、帯のあおり「太いお注射してください」で、購入決定。期待を裏切らないエロで、文章も挿絵も神でした。
ガテンで筋肉美というダイナミックなイケメンの受けさんは、温かい人柄に加えて細やかな繊細な感受性も持ち合わせています。
普段は何かと控えめで臆病そうな攻め様は、内向さのあまりイケメンであることすら周りに周知されない陰キャですが、愛のためなら良識的な知性を120%発揮して熱い勇者になってしまうし、受けさんに発情し過ぎて、エッチとなると獣化したかというほどSがかったオラオラ系です。
こんな二人が恋に落ちて、前例の非常に少ない男性の生理妊娠出産という、初めての道を踏み出す様がとても丁寧に書かれています。
特異な設定ではあるものの、置いてけぼり感はありませんでした。なんというか、生理妊娠出産の描写において、男性の身体である前提が邪魔になっていないし、女性としてスルーしてほしくないポイントが押さえられていてその加減やバランスが良いからだと思いました。作家様はこの点練りに練ってくださったのでしょうか。
また受けさんと攻めさんが、お互いに深い思いやりと信頼で結ばれている安定感も良かったです。この安定感で余計にエッチがエロく(深く?)なっているような。
エロエロ場面もしっかりがっつりあります。
受けさんのタフな体格と包容力豊かなキャラの迫力、それに煽られまくりの攻めさんの熱心な攻めが、医者(人体の専門家)らしい濃厚さとS加減が絶妙。さらに挿絵の一つ一つがとても雄弁で、色んな体位のガチムチ受け様が拝めます。
子供が出来たし、将来はこの社会とどうつながっていこうか、夫夫と子供がどう生きて行きたいのかといった視点もあって、つい引き込まれて一緒に考えたくもなりました。
最後に地雷予報です。
授乳はありませんが生理についてかなり詳細に描写されています。妊娠出産ありません。
オメガバースではないので発情期や運命やノットはありません。
大変評価が高く「いつかは読まねばならんな」と思っていた本作、今更ながら読ませていただきました。
実に面白かったです。
レビューも多いので、感想のみを。
ふたつの点で好みでした。
ひとつは文体です。
このお話、産婦人科医の弓削視点で書かれています。
この人、医師としての能力も、収入も、容姿も、そして性格も一級品なんです。でも、自己評価が異様に低いんですね。その所為で全てを台無しにしています。
彼は恋をして、少しづつ変わっていくんですが、この『自分の変化』を語る言葉が、なんて言ったら良いのかな、チャラくないのですよ。
読みやすいのに硬い言葉を使うんです。文豪っぽいとでも言ったら良いのか……
お人柄を示すような、この『自分語り』の文章に痺れました。
もうひとつはですね、このお話『攻めとして受けを愛おしむ』ことがすんなり出来る形になっていること。
私は攻めさんに感情移入しやすい傾向がありますが、このお話は感情移入なんてもんじゃない。
私自身も太一を可愛がっている視点にすんなりなれるんですよ!
「ああ、世の中の攻めさんというのは、濡れ場の最中、こんな風に感じるのか」と思いましたもの。まさに『心の〇〇〇』が奮い立つような勢いで(笑)。
そして、幸せな気持ちになりました。
BL、ここまで来たか……
七川さんに拍手!