英田サキの初期傑作読みきり、新たに書き下ろしを加えて待望の文庫化!!

すべてはこの夜に

subete wa konoyoru ni

すべてはこの夜に
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神68
  • 萌×223
  • 萌6
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
14
得点
452
評価数
101
平均
4.5 / 5
神率
67.3%
著者
英田サキ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008511

あらすじ

借金を帳消しにしたければ、ある男を撃ってこい--。闇金から逃れるため、不穏な取引を承諾した加持。ところが目的の場所にいたのは、大学時代に別れた恋人で、二度と会いたくなかった男・湊だった!!冷酷な極道に変貌した湊は、「撃たれて死ぬか土下座で許しを乞うか、どちらか選べ」と無情に告げ!?裏社会に生きる極道と、堕ちた男の愛憎の果て
──英田ワールドの原点、待望の文庫化!!

表題作すべてはこの夜に

湊彰彦,32歳,ヤクザの幹部
加持智充,32歳,借金に追われている

同時収録作品夏の花/春に降る雪

武井靖之,ヤクザで湊の右腕
鈴原亮一,教師,武井の亡き姉の夫

その他の収録作品

  • 春宵一刻
  • 優しい夜の中で
  • 青嵐
  • あとがき

レビュー投稿数14

不器用な人達の切ない恋話

この作品が初コンビだそうですが、笠井あゆみ さんの挿絵は電子版にはなかった。残念。
2007年発刊の新装版。

英田先生の、耽美風結末の人情ドラマ。
登場する人物ごとの短編集6話で、時系列で並んでいないです。

すべてはこの夜に: JUN掲載 デビュー前 :湊
春宵一刻 : 書き下ろし
優しい夜のなかで 

夏の花 : JUN掲載 デビュー前 : 切ない武井の過去
春に振る雪  小冊子

青嵐 :書き下ろし :湊の今 

一番古いデビュー前の作品だけど、古さを感じない。
人の基本というか、土台を成す情念を扱っている作品だからかもしれません。
読後の余韻が良かった。

英田先生の作品に登場する人物は、余り外観の美醜にしつこく拘らないのが常で、一度外観容貌について触れたら、その後はあまり触れない。行動や振舞でなんとなく美を感じるように書いてます。
外観に強く拘らない点が、好き嫌いの分かれ目になるのかも。

1

傑作連作短編!

評価に迷いはありませんでした。傑作ですね。
こういう連作短編、もっと読みたいな~と思いました。
英田先生の簡潔な表現に多くの感情をこめるスタイルは読みごたえがあって、圧倒されっぱなしでした…。

湊への憎しみを抱えて生きてきた加持と、いびつな形でずっと加持を想っていた湊の不器用な愛に痺れます。若さゆえに互いを理解しようとせず、事実を見誤ったまま離別した後、10年を経て運命的に再会した2人の愛憎劇にはドキドキしました。徐々に過去の真実が明らかになって関係性が変わっていく展開に、”なんとかなってー”と祈る読者を裏切るような事件が衝撃的でした。が、そんな状況下において希望が見えるようなラストシーンの表現、文字を追いながら身悶えました。ゆえに、その後の掌編読んだときの幸福感は半端ないです。

武井と陽一は、涙腺崩壊案件です…。彼らの間にあった愛情が、その後の武井の中に確実に息づいていて、湊やそのほか彼に関わった人たちにつながっていくような流れは連作短編の醍醐味です。なんちゅー壮大な愛の物語やねん!と感動しました。憎しみからは憎しみが、愛情からは愛情が生まれるということを改めて実感できる素晴らしい作品でした。

5

ちょっと懐かしい雰囲気も好き

大大大好きな作品で、読むたびに泣いてしまう。
もはや、泣くために読んでるのかも。
文句なしの神作品なのですが、神すぎてこれを基準にしちゃうと神の基準がおかしくなっちゃうので、自分の中では殿堂入りという立ち位置にしてます。
それくらい素晴らしい!

実は旧版も既読なのですが、掲載順序が入れ替わっている本作の方が読みやすい。
そして、小冊子だった『春に降る雪』、描き下ろしの『青嵐』がいい!
旧作のみ既読の方にも是非読んでもらいたい一冊です。

加持と湊の不器用な恋に胸キュンとし、武井と鈴原の切ない恋に涙。
何度読んでも泣ける。分かっているのに泣ける。思い出すだけで泣ける。もうどうしようもないですよ。
BLというカテゴリーには収まらない人間ドラマですよ。

いつも思うんですけど、武井が麻子と鈴原という大切な人を2人も失ったのは、殺人という業を犯したからなんだろうか……と。
でも、そうじゃないといいなと。
だって、人は必ず死ぬものでしょ。
宿命からは逃れられないし、病と戦うのは勝負じゃない。
大切な人のために生きたい、生きてほしいと思うのは欲じゃなくて、愛でしょ?

いつか武井に死が訪れたとしても、きっと怖くないし悲しくないよね。
だって、麻子と鈴原が必ず迎えに来てくれるから。
そう思うと、少し救われる気持ちになるんです。

加持と湊には後悔しないように、今を精一杯生きてほしい。
遠回りした分、たくさん愛して欲しい。

そして、志郎が本作唯一の明るさであり清涼。癒されました。
志郎にも愛する人、愛してくれる人が見つかりますように。
最後に武井が志郎に言った言葉も、重みと深みがありますよね。

あー、もう何回読むんだろう。でも、まだまだ読むぞ!
出会えて良かったと思わせてくれる作品の一つです。
今更ですが、素敵な作品をありがとうございます。

4

2カップル

大きく分けて2カップルのお話です。
笠井あゆみ先生の描かれる2カップルがまた最高に素敵でした。

湊×加持
武井×亮一

表題作「すべてはこの夜に」と「夏の花」はプロになる前に書かれた同人誌作品だったそうです。
小説JUNEが初出とのことなので、題材に少し当時の古さが感じられるのは否めないのですが、そんなのは読み進めていくうちに気にならなくなり、どんどんお話の世界と彼らの人生に惹き込まれていきました。
特に武井×亮一のお話は涙なくては読めませんでした。
・・・というよりも武井と亮一の話がメインのような感じもうけました。
(ただ商業BL的にこちらをメインにするのが難しかったのかもしれませんが・・・)
このカップルの話があっての1冊だなと感じています。

湊と加持は同級生で、お互い本心を伝えないばかりに擦れ違い、不幸な別れからの驚きの再会。
すごくわかりにくくて不器用な攻、湊と、情けない面と優柔不断というか流されるというか憶病な、けれど心根の優しい受、加持。
ヤクザな世界に身を置く湊と彼の舎弟も含めた関係には、前半はハードで紆余曲折ありますが、後半は家族とも言える繋がりがあり、恋愛だけではない、優しくて甘いその後の生活にはほっこりします。

そしてそして、問題のもう1カップル。武井と亮一。
過去のお話なので結末はわかっているのだけれども・・・
とても素敵な優しくて切ない恋物語でした。

心がギュっとなって涙なしには読めませんでした。
地雷とか言わずにこれはぜひ読んで欲しいお話です。

人と人とが出会うことの必然を強く感じずにはいられませんでした。

3

非情と情、愛と憎しみ、愛と怖れ、そして哀しみ

すごく良かったです!
こういう連作短編集のような体裁はとても読みやすい上に、一つの見方だけでない重層的な物語の構成になるので、1冊として深みが出る。
もっとこういう構成の小説が増えてほしいですね。

「すべてはこの夜に」
メインCPの、メインの物語。
英田サキ先生お得意のヤクザ関係。
ヤクザと堅気さん、という英田先生の作品によく出てくる関係性がすでに顕著だと思いました。
愛だけがある関係ではなく、愛と表裏一体の憎しみ、愛と絡み合う憎しみに囚われている2人、という関係性です。
この作品では、そこに怖れも加わる。
攻めの湊は不器用さゆえに何を考えているのか明かさず、受けの加持はひたすら湊を恐れる。
ずっと行き違っていたが、過去の残酷な誤解が解けて遂に想いが通じ合い…というところで加持が湊を狙う銃弾に倒れて、という非常にドラマチックな展開。

「春宵一刻」
冒頭、墓地の場面。
加持は死んでしまったの⁉︎と焦る。
が、大丈夫でした。
すっかり甘々で同居している湊と加持の様子です。

「優しい夜の中で」
加持との出会いを湊視点で。
湊は、生い立ちのせいで感情を表せない、動かせない人間だったが、今は加持によって「幸せ」という感情を知った…
ちょっとセンチメンタルすぎるかも。でも甘さがいいですね。

「夏の花」
ここからが白眉ですね。
湊と加持の物語も良いけれど、この湊の舎弟・武井の過去編は素晴らしく切ない。
殺人で服役し、出所後に死んだ姉の家を訪ねる若き日の武井。
家には姉の夫がいて。
武井はその「姉の夫」に恋する…
この1編は切なくて、結局その人とは死別と分かってるので、余計に切なさと余韻を感じます。

「春に降る雪」
武井の愛しい人・亮一の最期の日々。
ガンに侵され、余命宣告を得て、最後の一瞬まで武井と一緒に過ごす。
悲しすぎます。

「青嵐」
この1編は書き下ろし。
加持が湊から任されたコーヒー店の経営は順調で、早くも2号店も視野に。
2号店は舎弟の志郎に任せようか、という流れになりそう。
志郎も優しい加持が大好きで、湊の帰りが遅い日に加持に招かれて2人で家飲み。
ソファで毛布をかぶって寝ていたら、帰宅した湊が加持と間違えて…⁉︎
ちょっとコミカルであたたかいエピソードで締められます。


英田先生の描く、非情なヤクザの中に流れる「情」の世界。
やっぱり英田先生はこの辺が非常に巧みだと感じました。

3

サイドストーリーが素晴らしい

闇金からの借金に追われる加持に持ちかけられた取引は”ある男を撃ってくること”。
しかしその男とは、かつての恋人の湊だった。
極道になっていた湊は、加持を簡単にねじ伏せると、逆に銃を突きつけ、こう言い放つ。
「撃たれて死ぬか土下座で許しを乞うか、どちらか選べ」

ここまでをあらすじで知り、なんて胸熱な展開!と心躍らせたわけですが、いざ読んでみると何か違いまして…。

こういうのって、絶対屈さない、落ちない受けをどうやって攻めて落とすのか、ひれ伏せさせるのか、が醍醐味だと思うんです。
簡単に屈する受けはつまらないんですよね。

受けの加持は、少し情けなさすぎます。
借金を抱えた理由から、湊を撃とうとするところまで、情けなくてみっともなくて…。
人を撃って借金地獄から解放されるんだ!という一大決心もあっけなく失敗して、あっさり謝って。

心の中では、謝るくらいなら死んだ方がマシだ!とか思いながら、土下座してるんですよ。
ある意味、現実的な人の様なのかもしれないですけど、そこはあくまでBLなので…。
簡単に屈さない、カッコいい受けが見たい!そして、その受けを圧倒する攻めがみたい!
湊は確かに圧倒的な攻めでしたけど、性格的な部分であまり好きになれませんでした。

湊にも加持にも感情移入できず、好きになれませんでした…( ; ; )
でも最終的には、数々の修羅場をくぐった加持はカッコよく、魅力的になったし、湊も、なんだかんだ言っても加持大大大好きで可愛いじゃん❤︎とか思うようになれました。笑
エッチシーンもエロくて良かったです。


そして、湊の部下として登場した武井さん。
「夏の花」「春に降る雪」
この武井さんの物語は、良かった…。

湊と出会う前。かつて人を殺め服役していた武井は、出所後、亡くなった姉の夫・亮一の元を訪ねた。
寡黙で、感情を表に出さない武井と、優しく穏やかな亮一。一夏の淡い想いから始まる、線香花火のような恋の話。

亮一さん、なよなよってしてて頼りない感じで、男らしさとはかけ離れています。私は男らしい受けが好きなんですけど、でも、この亮一さんは良かった!優しさで全て癒してくれるという感じ。武井も惚れるわ…。

そして若かりし武井も良かった。
寡黙で無機質な中に確かな優しさがあって、男らしくて素敵でした。
人を殺めた事実は決して消えない罪だけど、決して私欲とか自己中心的な理由は一切無くて、彼の居た環境や取り巻く人々かそうさせてしまったのだと、決してしてはいけないことだというのは変わらないけれど、それが当時の彼にできる、大切な人の”守り方”だったんだと、納得できます。

この2人はとにかく切ない。
亮一の歩んできた人生、武井の歩んできた人生。
2人の背景にそれぞれ深い悲しみがあって、お互いがお互いの悲しさとか寂しさとか埋めあって、愛し合って、お互いじゃないともう駄目なんだというところまで、深く繋がりあう感じ。

それに、この2人の物語で、2人の身の回りに出てくる人達に、嫌な人たちがほとんどいない!それがまた、気持ちよく読めるポイントな気がします。

亡くなった亮一の妻・麻子も、亮一の友人の山下も。
私はとにかく、麻子に衝撃を受けました。
彼女の人生の、なんて、なんて、壮絶なこと。同じ女性として読んでいて辛くて辛くて、え、作者さん、なんで麻子をこんな酷い目に遭わせるの?こんな辛い思いばかりしてきて、せっかく幸せになれたのに、なんで死なせちゃうの?なんて、ちょっと酷いよ!!って思ってしまうほどに。

でも本当…麻子は亮一に出会えて、どれだけ救われただろう、幸せになれただろう…
それは亮一も同じで、麻子に出会ったことで本当の愛を知ったんだろうな、だから今こんなに、今まで以上に優しくいれるんだろうなって思います。

そして、亮一と武井。妻の弟。姉の夫。男同士。
本当は、許されない恋なのかもしれない。
おずおずと、躊躇いがちに愛を紡ぐ2人は、見守っていたくなる純粋さです。

2人を別つのは死です。
どうしようもない、運命です。
辛い思いばかりしてきた2人に、今度こそ幸せに、ずっと幸せにいて欲しいのに、残酷ですね。

だけど最後の最後まで、亮一は心底武井を愛していたし、武井も亮一を愛していたから、その愛はずっと残るから、終わりじゃないですもんね。

思い切りネタバレになってしまいますが、
麻子のお墓まいりに行って、武井が亮一をおぶって帰るシーン。
本当にヤバイです。切ないです。辛いです。涙腺崩壊です。

愛する人と死別する、という、もしかしたらバッドエンド?な物語なのかもしれないけれど、読み終わった後にとてもあたたかい気持ちになれます。
私はこの2人の物語は、バッドではないと思っています。
愛はずっと、武井の中で変わらずに在り続けるから。


表題作のみだったら中立か趣味じゃないになっていたかもですけど、武井と亮一の物語が良かったので、私はこの評価で…。

しかし…この本を、カバー無しで通勤電車で読み切った自分自身を讃えたいです。
挿絵のページはヤバかった。

3

不器用な男たちの物語

 英田先生がプロになる前に書かれた作品とのことで、文字書き様は生まれながらにして文字書き様なのだな~という認識を新たにしました。

 大学の同級生同士でかつて体の関係もあった、借金取りの893(攻め)と、その借金取りに追われる立場になった受けの話です。
 攻めの湊が不器用で寡黙すぎて、昭和映画スターの「俺、不器用ですから」を地でいってるような人間です。そのくせ隠れ一途なんですね。そんな口下手な湊の真意に気づかずに受けの加持が勘違いしてしまう、というのは王道ストーリーですが、加持の気持ちの移り変わりが繊細な文章で綴られていて、特にマンネリ化することなく、最後まで一気読みできました。

 そしてそして。湊の付き人、武井のスピンオフがまたもう……!!本編でじんわりさせて、スピンオフで号泣させるという、英田先生、流石です!先に湊×加持の不器用な愛を読んだからこそ、武井さんのお話も生きてくるし、武井さんを読んでまた本編に戻ったら、湊と加持に、ホント幸せになれてよかったね!と改めて思いました。

 葛西先生の挿絵と併せて、神作品は間違いないです!

3

桜の木に雪が降るシーンが全体の印象となった本でした せつない!

本当に〇さんものは苦手なんです。
でも英田先生に笠井先生ときたし、
去年ランキング上位に長らく鎮座しておられたような記憶があるし、
やっぱり読まないってのはないよなあ と今頃手に。

ああやっぱり申し訳ございませんでした、先生。さっさと読むべきでした。
本年は態度を改めます。神です神。

先生の紡ぎだす 骨太な男たちの想いに、いいように操られ、途中 だだ泣き。
公衆の場ではあまり読まない方がいいと思います、
最後の方の小編「春に降る雪」は。

笠井先生挿絵話。
カラー口絵は 武井×鈴原の 浴衣で線香花火をする図。
キレイ。。。。せつない。
2P目は メインカプ 素っ裸入浴の図。≠絡み図。
攻めが切ない顔で受けを見上げてて こんな顔されたら
「もうあかん 陥落」な図。
中はメインカプ2、サブカプ1 の絡み図。その他は着衣の図。
大好きな絵はメインカプ攻めが背中から受けをぎゅ して満足そうに眠る図。
可愛い・・・・
そう、攻めが、怖い&デキる〇さんなのに、
愛情に飢えてるお子ちゃまなんです。

お話の方は、英田先生の2007年出版作品(絶版本)を新装し、
CDブックレット、販促小冊子、書下ろしをたし、
話の順番を少々入れ替えた とのこと。(中編、小編合わせて6編)
旧版しらないですが、とても読みやすかったです。

攻め:法曹界目指してたプライド高いエリートさんだったのに、
人殺しちゃったために転落。〇さんの世界へ。
親が早くに死んで、愛情というものを与えられなかった過去あり。

受け:攻めさんとおんなじ大学出身。喫茶店経営が傾き、
闇金から借りたために転落、攻めさんを撃てば金もらえるということで
襲撃しようとしたが、失敗。

武井:攻めのサポート役 いぶし銀。
志郎:攻めの舎弟、ちゃらっぽい。受けさんを見守る役。
鈴倉:武井のねーちゃんの夫。

なんかが出てきます。
攻めさんがしっぽ振ることを知らない大型犬(獰猛なドーベルマン?)な
イメージ。だんだん人間化していきます、そこがほんわり嬉しい♡
最後は「ゲロ甘」な言葉を使うことが志郎にばれ、
全身から怒りのオーラを(笑)もう笑うしかない でした。

受けさんは最初びくびくネズミ といった印象でしたが、
後半はほぼ菩薩といった印象。二人で仲良く、生き延びてほしいです。
なんてったって〇さんの世界なんで、安寧 という言葉が似合わないのが
ちと悲しい。
小編では甘いお話も書いてあるんだけど、やっぱり背景に〇さんの世界観が
ただよってるので、刹那的な甘さ のように感じてしまいます。

未来の見える形でなんとか終わっていただけたことで
本当に精神的に救われて、うれしかったです。

そういえば もう少ししたら桜の咲く季節。
海の見える丘で桜の咲くところを探してみてもいいかも。

5

「英田ワールドの原点」がここに!

長らく絶版になっていた作品の文庫版、そしてメインとなる二作は英田先生かがプロになる前に書かれた作とのことで、原点を感じられる一冊でした。
メイン二作は、表題の「すべてはこの夜に」と「夏の花」、二組みのカップリングで四人の男たちの物語です。
「すべてはこの夜に」は再会モノになると思います。借金に追いつめられた男、加持が拳銃を手に指示されるがままに誰だかも分からない相手を襲撃しにいき、その相手が大学時代の恋人で現在ヤクザの幹部、湊だった・・・という、ハードな設定がもう英田先生らしい、うん、原点を感じますね。
それで、読んでいくと、どちらも単純な人間ではなく、不器用なところも、「エス」や「デッドロック」に通じている気がします。
最初の方は実は若干、ヤクザモノにはありがちな印象もあるんですよね。それが中盤から二人の複雑な心理描写を追っていくごとに、グッと面白くなってきます。このラストは読者の想像に委ねる形になりますが、加持をここで死なせて終わらなかったのは、これぞbl!、死エンドにしなかったからこその深みが生まれたのではないでしょうか。
湊と加持の物語は「春宵一刻」、「優しい夜の中で」と続き、渋い魅力の武井の物語、「夏の花」に紡がれます。
武井と亮一の物語、「夏の花」と「春に降る雪」は切ないけど、どこまでも優しい気持ちで読めました。
ラストの「青嵐」は、今回の書き下ろしなんですね。志郎視点、原点から現在の英田先生を感じます。ちょっとした場面が洗練されているような、綺麗なエンディングでした。
葛西先生の表紙も印象的で素晴らしく、ゴクッものの挿絵もたくさんありました。
デッドロックを読まれて、英田先生をもっと読みたい方は是非。
硬質な文章の中にアツイ男たちの息づかいと、優しい甘さが感じられますよ。

7

2組のカプとも良かったです

新装版ということですが、今回初読みでした。
2組のカプのお話しで、どちらも良かったです。
・893となった湊と大学時代の同級生加持のカプ
・湊を支える武井と義兄のカプ

過去のすれ違いで憎み憎まれる関係だった湊と加持は、再会してから過去の真実を知り変わっていきます。
職業柄強く生きている湊も加持に対してはすごく不器用な弱さがあって、そのギャップがよかったです。
海辺のシーンは泣けました。

武井の若かりし頃の恋愛もすごく良かったです。
優しくて不器用で武井をとりまく運命が切なかったです。
湊や加持と接するときの武井は、この経験からきているんだな~と思うと、感慨深いものがありました。

5

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