SS付き電子限定版
リオナ先生は絵柄のすっきりとしたきれいさとストーリーのメリハリがとても好みです。
本作もイケメンのイチャイチャな表紙に惹かれて。
しかし、読んでみると意外と重めな背景のあるお話で、ここでも先生の描く「メリハリ」を強く感じました。
主人公は、裕太。
就職活動に失敗して勢いで入ったタトゥースタジオで出会った篤と、会ったその日にHする流れに。
その後も実家で喧嘩したからと篤の部屋に転がり込んだり、好き好き言われて新婚さん気分になったり、裕太のおバカな明るさでストーリーは進んでいくのですが、少しずつ篤の束縛が強くなってきて…
篤は幼少期にトラウマを抱えているわけです。この辺りがはじめのただ甘いだけのイチャイチャから一歩踏み込んで、ストーリーに深みを与えていると思う。
裕太のおバカさは篤を救う大きな愛へ。
何も知らない相手とはやはり深くはなれない。これから篤は病んだ部分を溶かしていける!という確信が持てる終わり方。読後感良し。
「君ともういちど恋を」
有能社員と妻と死別して10年の課長のこれから。
社員は一途、でも控えめ。課長は懐いてくる社員を好ましく思うもやはり踏み込めず。偶然の一夜も無かったことにして振る舞っていたが…
社員の一言が良かったな〜。「俺はその気持ちごとあなたを愛します‼︎」
初の作家先生です。
黒髪受けか〜〜!いいねぇ〜〜!!ポップな表紙だし明るい話かな!?と思って読んだら意外と重めなストーリーでした。読みがいあってよかった。
ずっと努力してきた元真面目キャラな受け様、就活で失敗してタトゥーでも入れるか!とあるお店に入ると店員の攻め様が一目惚れ。あれよあれよと言う間に同棲まで始まるのですが、攻め様の振る舞いがなんかおかしくて……
というお話。
以下ネタバレありの感想など
攻め様、施設育ちでお母さんに愛されなかったのがだいぶトラウマになってて、それで受け様のことも束縛しちゃうんですね。
こーゆー拗らせ攻めにでかい器で手を差し伸べる男前受け、好きなんですよ……!
そして黒髪!!黒髪男前受け!良い!!!
最終的には、遊び人ぽい攻め様もホントに恋したのは受け様が最初のようで、山あり谷ありだけど二人は幸せにやっていくんだろうなとこちらもほっこりしました。
攻め様の生い立ちがもっと深堀されて長かったら私の心情もえぐられていたでしょう……
一巻で読みやすくよかったです。
こちら何度も読み返している作品です。
攻めは見た目通りチャラくて、色恋沙汰に慣れてるのかなってと最初は勘違いしました。
しかし、違いました。いい意味で、違いました。ギャップ萌えです。寂しがりやだし、まめに連絡したがるし、受けには働かずにずっと家にいてほしいと思うほど独占欲が強いです。挙句の果てに感情爆発して受けの首を絞めてしまいます。
そんな攻めを受け入れる度量がある受けもすごいです。首絞められたのに、攻めを迎えに行ってあげるし、きっちりと首を絞めたことを謝らせるし、とにかく真っ直ぐです。
今回は丸く収まりましたが、トラウマはそう簡単に消えるものではないと思うので攻めがまた暴走してしまうことがあるのではないかと勝手に思ってます。ですが、真っ直ぐな受けはその度に向き合って、攻めとラブラブでい続けると思います。そんなことが想像できるいい終わり方でした。
リオナさんの描くイケメンが好きすぎて…。
イケメン見たさに何度も読み返してしまう。
それほどのイケメンにヤンデレ要素が加わったら、本を頭上に掲げて大声で「好き!」と言いながら走り回って、周囲に紹介したくなってしまう。
【傷つけないでね】(4話+描き下ろし) 萌2
大学を卒業したものの就職が決まらず、そのせいで家族ともうまくいかない裕太。
自分を変えようと、気になっていたタトゥーショップに入ってみたら…。
あっくんの勢いに乗せられて、あれやこれやのうちにあんなことやこんなことに。
とにかく裕太のポジティブバカっぷりが潔くて気持ち良い!何があっても「何とかなる」。どんなことも「謝れば許す」。バカと言うより懐が深すぎる。
一方のイケメンバカな篤は、いろいろと事情はあるものの、ものすごい束縛執着系。
経験豊富なようだけど、過去に関わったひとが出て来たり、具体的な回想シーンはないので一穴一棒主義の方も怖れる必要はないです。
篤の執着が裕太に対してだけなのかどうかは、前半では篤の兄的存在のマサの反応からしか読み取れません。それもたった1コマ、「は?」というところだけで。
だからこそ、読者的には「誰に対してもそうだったわけじゃないよね?裕太 is specialだよね?」という不安を煽るスパイスになってました。
後半になってやっとその辺りも明かされるので、あとがきの裏話も含めて、ぜひ読んでみてください。
攻めも受けも大好きなタイプで大満足でした。
【君ともう一度恋を】萌
妻を亡くして10年の臆病なバツイチ課長と、懐いてくる若い社員の話。
こちらに関しては、規定ルートを決まった通りに、というストーリー展開でした。
イケメンを描けるってどういう気持ちなんだろう…。
自分の意思でイケメン自由自在ですよ?
BLを読んでいてこんな気持ちになったのは、リオナさんの作品が初めてです。
そんなイケメンを愛でつつ、大好きな設定の2人を見守れる素敵な作品。
メインだけで1冊まるまる読めていたら…。
リオナ先生の描く攻めは今回もイケメンでした。
でもどんなオラオラ系と思いきや、お話が進むにつれて受けの裕太に甘えるワンコになってました。
攻めの篤は見た目の派手さとは違って、不憫で母親によるトラウマを持ってます。
そんな篤に絆される形で恋人になったのがポジティブ馬鹿の裕太でした。
裕太も篤に出会った事によって、家族のありがたみや本当に自分がしたい事を見つけます。
もう一つの作品は妻に先立たれた主人公と、彼を慕う部下の年下攻めリーマンものでした。
どちらの作品も読後感が良かったです。