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表題作九十九

九十九神となった虎
宮司

同時収録作品九十九―ふたりいちぜん―

同時収録作品九十九―ぶんぶくちゃがま―

かじ屋
分福,茶釜に憑いた九十九の者

同時収録作品九十九―たまのくら―

夢の中で出会う角の生えた男

同時収録作品九十九―しかくのはこで―

同時収録作品それでもいいの

ヒドラ,受を拾い育ててくれた男
ナジャ,精霊の目を持つシャーマン

その他の収録作品

  • おまけの九十九たち。(描き下ろし)
  • カバー下:イラスト(描き下ろし)

あらすじ

人の命が五十年と云われた時代。
人が造り出した「もの」は、九十九の年を超える頃「命」を宿したという――。
華麗な絨毯の姿にされ九十九神となった虎は夜毎呻き声をあげていた。
愚かな人間に斯様な姿にされてしまうくらいなら朽ちてしまいたかった…
そう考えていた矢先、虎を「祓う」依頼を受けた宮司と出会う。
若い宮司に撫でられた虎は、彼を依り代とするべく身体を重ねて…?

作品情報

作品名
九十九
著者
琥狗ハヤテ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796409315
4

(22)

(7)

萌々

(10)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
87
評価数
22
平均
4 / 5
神率
31.8%

レビュー投稿数3

琥狗ワールド降臨!

琥狗ハヤテさん、大大大好き!です。本作もハヤテさんらしい一作で、凄く面白かった!
命を持った九十九神と人との交流を描いた短編集です。

「九十九ーとらのとりこー」
外国から取り寄せた虎の絨毯が夜呻く…宮司の元にお祓いをして欲しいと持ち込まれた、見事な虎の毛皮で作られた絨毯。
宮司が絨毯の話を聴いて撫でていると中から虎の魂が現れて…精を注がれる宮司!
(痛み苦しみから抜けて、虎さんは良かったね!宮司さんにも大きな恩恵があることでしょう)

「九十九ーふたりいちぜんー」
元は大木、たんすや柱となって、今は「はし」になった木の精。
穏やかで優しく、食事を楽しむ主と共に過ごす日々。しかし、人間の寿命は短い。主の命が消える時、彼の箸もまた霊前に供えられた。そして共に極楽へ。
寂しいけど、とっても優しいおはなし。(エロなし)

「九十九ーぶんぶくちゃがまー」
古い茶釜を溶かして新しい型の茶釜を作れと依頼された鍛冶屋。
茶釜を溶かすために火にかけたところ、九十九神ぶんぶくが現れた!(少女みたいな外見です)
使われないなら消えてもいい、と涙する分福にほだされちゃったのかな、溶かさずに居に置く鍛冶屋さんです。(エロなし)

「九十九ーたまのくらー」
質流れで買った美しい枕(陶器製?)。早速それを使って昼寝をするが…
視るのは角の生えた男との淫らな夢ばかり。眠るのが怖い。でもあの夢をまたみたい…
ある晩の夢の中、遂に自分から男に抱きつく。男はケモノに変容し、部屋に残るは主人のないまくらばかり。ホラー風味。

「九十九ーしかくのはこー」
未来設定。心が宿るは小型AI、執事型のモバイルデバイス、ソウ。
10年使って、世の中は3Dバトラーになっている。型落ちで速度の遅くなったソウは、機種変更をするマスターとお別れ。
と思ったら!ハッピーエンド!(エロなし)

「それでもいいの」
ある村の若きシャーマン、ナジャは人の守護精霊が視える。でも、人間の顔が動物の顔に見えてしまう。自分を育ててくれた大好きなヒドラの顔はピューマ。元の顔ももはや思い出せない。
悩むナジャに、前シャーマンの長老は『門を開くのじゃ』と諭す。
覚悟を決めてヒドラの瞳を深く見つめるナジャの目に、人間の顔が見えて…(キスのみ)

「おまけの九十九たち。」
九十九神たち5組のその後を、ちみっこマンガで。なごむ〜!

4

昔は百年、今は十年

九十九とかいて「つくも」。
大切にされてきた「もの」達は、九十九の年を越え、百年経つと「命」を得て付喪神になるという。
そんな「もの」と人の交流を描いた短編達に、精霊が見えるシャーマンの青年が登場する短編がプラス。
琥狗作品ではおなじみの、凝ったコスチュームにたくましい肉体、そしてケモケモまみれのファンタジー世界。
おまけはチミッ子四コママンガと、安定のおもしろさです。

そんな中で珍しいのが「九十九しかくのはこ」
ちょっとだけ未来かもしれないけど現代物です。
普通にパーカーでリュックの青年が登場します。
ここで登場する「もの」はモバイル端末の中にいるAI。
服装は白シャツ、ベストにバトラーコート。
胸筋も腹筋もかけらも出てこない。
珍しい。

0

九十九神をテーマとしたオムニバスファンタジー

長い年月を経た道具などに宿るとされる「九十九神」(付喪神)を題材としたオムニバス作品集。
ハヤテさん作品らしく、どの話ももれなくケモ耳がついてきて、描き下ろしではお約束のちみっとマンガも読めます。
エロは全体的に少なめ。

■「九十九ーとらのとりこー」
エロあり。
人の寿命が五十年と言われていた頃の話。
虎皮で作られた外来の絨毯のお祓いを頼まれた若い宮司(受け)。
その絨毯から現れたのは、九十九神として絨毯に宿った虎の魂。
虎の姿のまま宮司を抱き、行為の途中から人の姿(ケモ耳)に戻るという一連の流れが大変エロくて良かったです。

■「九十九ーふたりいちぜんー」
エロなし。
「はし(箸)」に宿り、主人が食事する姿を見守り続ける木の精(箸なので双子)。
年老いた主人が息を引き取る際、初めて主の前に本来の姿を現します。
精と主の絆に温かい気持ちになれる話。

■「九十九ーぶんぶくちゃがまー」
エロなし。
古い茶釜を溶かして新しい茶釜を作るよう頼まれた鍛冶屋。
古い茶釜から現れたのは、少女のような外見の「分福(ぶんぶく)」という精霊で…
分福にほだされ、彼が消えぬよう策を練る鍛冶屋が男前。
分福も天然で可愛いだけに、エロなしなのが惜しいです。

■「九十九ーたまのくらー」
エロあり。
質流れの美しい枕を買った主人公の男(受け)ですが、それ以来、夢の中で角の生えた男に毎夜抱かれるように。
眠ることを恐れる主人公ですが、その一方で、夢の中で得られる快感が忘れられず…
オチはバッドエンド?
耽美でちょっとホラー風味のお話です。

■「九十九ーしかくのはこー」
エロなし。
人工知能AIが当たり前になったSF社会の話。
執事型のモバイルデバイス・ソウは、マスターの青年に10年仕えている小型AI。
マスターが機種変更を考えていると知ったソウは、型落ちで速度の落ちた自分は捨てられるものと覚悟しますが…
最後はほのぼのハッピーエンド。
エロなしですが、ソウの年上イケメン受けっぽいヴィジュアルは良い感じです。

■「それでもいいの」(全2話)
エロなし。
こちらは九十九神設定ではなく、シャーマンのお話です。
村のシャーマン・ナジャには、人の顔が動物に見えてしまうという悩みが。
大好きな養父・ヒドラの顔もピューマに見えてしまい…
キスどまりですが、ヒドラとナジャの親子以上恋人未満な関係が可愛く、癒されるお話です。

全体として、小品集という感じでちょっと物足りないですが、ハヤテさんの描かれるケモ耳はやはり素敵。
温かで可愛らしい世界観に癒される一冊です。

2

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